「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (514) 「杉山卓男氏の訃報」 11/09/2015 

#検察なう (514) 「杉山卓男氏の訃報」 11/09/2015

先日の名張毒ぶどう酒事件冤罪被害者奥西勝氏の死去(注)に続き、布川事件冤罪被害者の一人杉山卓男氏の訃報に接しました。杉山氏は享年69歳でした。

タカオ
杉山卓男氏(右)、隣は桜井昌司氏

知ったのはもう一人の布川事件冤罪被害者の桜井昌司氏のブログによってです。

ここをクリック→ 桜井昌司ブログ『獄外記』 「悲しいねえ」

ここをクリック→ 桜井昌司ブログ『獄外記』 「お願い」

雪冤を果たした後、精力的に冤罪撲滅のため日々活動している桜井氏に対し、失われた時間を少しでも取り返そうとするのか、家族との時間を大切にしたいと、表立っての活動に控え目だった杉山氏でした。それゆえ、2011年6月の無罪確定以来、心安らかな時間がわずか4年半という後に旅立たれたのは、非常に残念です。

杉山氏は何度か冤罪支援関係の集会でお目掛けしていますが、お会いしたのは一度、桜井・杉山さんを守る会解散集会でした。

ここをクリック→ #検察なう (142) 「『明るく楽しい布川事件』 桜井・杉山さんを守る会解散集会」

二次会での差し向かいで「酔ってない時にまた電話する」とおっしゃっていましたが、実は後日、本当に電話がかかってきました。内容は、私の専門分野の金融に関することで、アドバイスをさせて頂きました。

杉山氏の訃報に触れ、「#検察なう FBコミュニティ」にも度々コメントをアップしてくれている市川寛氏が、杉山氏との交遊を振り返っています。

ここをクリック→ 『検事失格 弁護士 市川寛のブログ』 「杉山卓男さんの思い出」

杉山氏の人柄が伺えます。

また事件に関して語るこの動画にも、彼の人柄がよく出ています。

ここをクリック→ えん罪・布川事件 杉山卓男さんが語る「自白はこう作られた」

布川事件を扱った井手洋子監督映画『ショージとタカオ』は、エンターテイメント映画としても楽しめるよく出来た作品です。機会があれば、是非ご覧になって頂きたいと思います。

ここをクリック→ 映画『ショージとタカオ』予告編

ここをクリック→ #検察なう (128) 「『ショージとタカオ』を読んで」

杉山氏のご冥福をお祈りいたします。

(注)
ここをクリック→ #検察なう (504) 「巨星墜つ、奥西勝氏逝去」

11/9/2015













ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1


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category: 布川事件

2015/11/09 Mon. 02:08 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (142) 「『明るく楽しい布川事件』 桜井・杉山さんを守る会解散集会」 5/27/2012 

#検察なう (142) 「『明るく楽しい布川事件』 桜井・杉山さんを守る会解散集会」 5/27/2012

先日、ショージさんからメッセージを頂きました。「今度、守る会の解散集会あるんだけど、それに来てくれれば、なぜ私が『明るく楽しい布川事件』って言ってきたか分かると思うから」というものでした。

それで昨日、お茶の水で行われた「守る会」の解散集会に行って参りました。

これまで雪冤のため、彼らを支援してきた「守る会」は昨年5月24日の無罪確定で役目を終え、解散することになりました。これからは、国家賠償を勝ち取る彼らの新しい戦いが始まります。

まずは解散集会。


ST 開始

ショージさん挨拶。思わず涙ぐんでしまう熱い男です。

ST ショージ挨拶

タカオさん挨拶。こちらはいつもクール。この辺の凸凹具合が「ショージとタカオ」の妙。

ST タカオ挨拶

弁護士の先生方からの挨拶や、守る会の実行委員の方からの報告が一通り終わった後は、仕切りを取り払って、大宴会場となった会場でパーティーが始まりました。まずは鏡割り。

ST 鏡割り

解散集会には、足利事件の被害者菅家利和さんも来ていらっしゃいました。菅家さんとツーショット。

ST 菅家

こちらは布川事件弁護団長の柴田五郎弁護士です。柴田先生は布川事件の当初から弁護人を務めておられ、その弁護活動が44年後に実を結んだということになります。布川事件の弁護活動を始められた時は随分若かったんだろうなと思います。歳月を感じます。

ST 柴田

こちらは映画「ショージとタカオ」の監督、井手洋子さんです。先日も上映会&ワークショップでお会いしたばかりでした。

ST 井手

私も樽酒をちょっと頂いて。

ST 樽酒

宴もたけなわというところで、お約束のカラオケタイム。生演奏に合わせてショージさんが歌います。映画「ショージとタカオ」でもその様子が一部収録されていますが、ここではフルコーラスをお楽しみ下さい。

ここをクリック→ショ―ジさん熱唱

そしてショージさんとツーショット。

ST ショージ

タカオさんともツーショット。


ST タカオ

その後、ショージさんとタカオさんのご伴侶の挨拶と続き、最後は彼らから関係者への花束贈呈となりました。こちらはショージさんのご伴侶の恵子さん。彼女とはフェイスブックつながりです。私のブログには、彼女のブログのリンクを貼ってありますので、是非ご訪問下さい。

ST 恵子

ST タカオ&wife

これは彼らが街頭での支援運動をしていた時のビブ。長い間の支援活動は大変なものだったのだろうと想像します。やはり善意の力というのはすごいと感じました。

ST 無実

私も無実です。

ST 私も無実

それで一次会は終了。二次会へと会は流れます。私はそこで帰ろうとしたのですが、タカオさんに呼び止められました。「ちょっと、聞きたいことがあるからさ。二次会来てよ。帰っちゃったら、冤罪支援しないからね」と言われ、二次会に行かざるをえない状況となりました。タカオさんは、まったくやんちゃです。

二次会ではタカオさんと差し向かいで宴会。会話の内容はナイショです。守秘義務がありますんで。「また今度、酔ってない時に電話するわ」とのことでした。本当にしてきそうだからなあ、彼の場合。

ST タカオ宴会

一次会からエンジン全開の宴会は二次会も続きます。

ST ショージ&恵子

実行委員長の仕切りで、いろいろな方に挨拶が振られます。彼女は、支援者の方の娘さんなのですが、彼女の中学で布川事件を知る時間を生徒の間で持ったようです。最初は「めんどくせー」と言っていた生徒たちも、ビデオを見たり、話をした後はかなり布川事件や冤罪に興味を持って熱心に聞いていたそうです。支援者の方から「AKBに負けるな!」と声を掛けられていました。

ST AKB

こちらは大崎事件の支援者の方々。その中のお一人と隣になって話していたのですが、冤罪被害者の原口アヤ子さんは、刑を服役後、再審開始が一旦決定したものの、検察の特別抗告でそれが取り消されたケース。名張毒ブドウ酒殺人事件の被害者奥西勝さんの2つ下だと言っていたので、今年84歳のはずです。命あるうちに雪冤をという強い思いを支援する方々は伝えていました。こうして多くの方が冤罪と戦っているという事実を知ってほしいと思います。

ST 大崎

私もショージさんとタカオさんから挨拶を振られてしまいました。ところがこちらは冤罪被害者としてはかなり格下。冤罪と戦う大先輩達を前にして、事件の状況を語るのは若干の抵抗があったのですが、周りから「で、何をやったと言われてるの」とか、「えーと、会社の給与を脱税したと言われておりまして」と言えば、「そんなん会社が悪いんじゃん」とか、「ほかにも100人ほど同じく申告漏れだったんですけど」と言えば、「あー、一罰百戒ね」と、非常にレスポンスがよく、さすが冤罪には造詣が深い方たちでした。とにかく、その場にいる者の全てが、冤罪被害者 or それを支援する人たち or 弁護士&法学者 or ジャーナリストという、冤罪に理解がないと居心地が悪くなる、逆に冤罪の被害者というだけで暖かく迎え入れてくれる不思議な「冤罪クラブ」の雰囲気でした。

ST スピーチ

ということで、「明るく楽しい布川事件」の内幕を堪能させてもらった一日でした。私はここで離脱しましたが、宴が三次会に流れたのは言うまでもありません。

私は残念ながら出席できないのですが、6月16日に大規模な市民集会が企画されています。「なくせ冤罪 ひらけ再審 6・16市民集会」。目玉は木谷明元裁判官と映画「それでもボクはやっていない」の周防正行監督の対談。「最近の冤罪事件や裁判所、検察などについて縦横に語ります」とのことです。興味のある方は是非足をお運び下さい。

ここをクリック→ 「なくせ冤罪 ひらけ再審 6・16市民集会」のご案内

5/27/2012








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2012/05/26 Sat. 12:19 [edit]   TB: 1 | CM: 3

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#検察なう (139) 「本日生中継 + 『ショージとタカオ』上映会に行って参りました」 5/24/2012 

#検察なう (139) 「本日生中継 + 『ショージとタカオ』上映会に行って参りました」 5/24/2012

ツイッターのタイムラインに岩上安身氏率いるIWJの番組で、「クレディスイス証券集団申告漏れ事件」が取り上げられ、Ustreamで中継されるというツイートが流れてきました。

ここをクリック→ 「日本の司法を正す会」Ustreamで中継

ふーん、誰が話すんだろ。おー、俺じゃん。え、聞いてないし。岩上氏は来ないんだろうなあ。岩上さん、今度インタビューお願いします!IWJのファンです!応援してます!

と、いうことで、本日、私がゲストに招かれている「日本の司法を正す会」の模様がインターネット・テレビで中継される模様です。望むところです。弁護士の先生方ははらはらですね(と、あくまで人ごと)。

ちなみに6chと言っても、地デジのTBSではないですから。もう既に間違った人間が確認されております。

現地に来られない方も是非ご覧になって下さい。

昨日は、「ショージとタカオ」の上映会に行き、2度目の鑑賞となりました。リピーター率が高いのか、お約束のシーンでは大きな笑いが起こっていました。

映画上映後、井手洋子監督と江川紹子氏によるワークショップがあり、私も参加しました。井手監督と話すことができ、とてもうれしかったです。

ここをクリック→ 井手監督とツーショット

ここをクリック→ しょこたんスマイル

そこでは、映画を撮る14年間の苦労話や、監督の映画哲学も聞け、興味深いものでした。特に、ドキュメンタリーと報道の差に関して、「報道は中立、客観性を重んじるけれど、ドキュメンタリーは主観的でいい。しかも主観的なものがドキュメンタリーという枠組みに囚われるのではなく、客観的であるドキュメンタリーがあってもいい」というのは面白い視点だと思いました。

ドキュメンタリーというと、コンテンツに関する興味があるかないかがまずあって、鑑賞者の幅を狭めてしまいがちですが、この映画が、「布川事件の記録映画」に留まっていないのも、監督のそうした主観性によるところが大きいのだと思います。

先日も、ある件で桜井昌司さんからメッセージをもらうことがあったのですが、彼曰く「明るく楽しい布川事件」と言ってきたとありました。この映画は、まさに「明るく楽しい」冤罪ロード・ムービーです。是非ご覧下さい。

私も、冤罪で29年間壁の中に閉じ込められ、44年間無実を証明するのにかかってもそのユーモアを忘れない桜井さんを見習って、「明るく楽しいクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」を目指したいと思います。

今日は、午前中霞が関で一つイベントをこなして(これに関しては、また後ほどご報告できると思います)、「日本の司法を正す会」に向かいます。引き続きご支援の程、よろしくお願いします。

5/24/2012



ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」 改訂版

ここをクリック→ 過去のお勧めブログ記事


ここをクリック→ 嘆願書まとめ

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2012/05/23 Wed. 14:37 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (128) 「『ショージとタカオ』を読んで」 5/4/2012 

#検察なう (128) 「『ショージとタカオ』を読んで」 5/4/2012

私が映画「ショージとタカオ」を観たのは昨年の私の誕生日でした。自分へのプレゼントとして選んだのがこの映画鑑賞でした。

映画は、布川事件で冤罪と闘った桜井昌司氏と杉山卓男氏を取り上げたドキュメンタリー・ムービーです。

新宿での劇場公開に、井出洋子監督と桜井昌司氏が舞台挨拶をするとのこと。これは観ないわけにはいきません。その鑑賞日のわずか5日前(5/24/2011)に彼らは無罪の判決を勝ち取り、長い44年間の闘いに終止符を打ったばかりでした。

映画は予想を裏切って(?)むちゃ面白いものでした。リアル・ロード・ムービー。

29年塀の中にいた後、仮釈放。そこから「普通のおじさん」への復帰と、再審請求の活動が同時進行します。

でこぼこコンビの2人がいろいろやらかしてくれて、笑いあり、涙ありで、元気が出る映画でした。映画鑑賞に関しては以前のブログに書いています。

ここをクリック→経過報告 (23)

映画の予告編はこちら。

ここをクリック→「ショージとタカオ」予告編

そして先週出版されたばかりの井手監督の映画製作記「ショージとタカオ」を読みました。製作期間14年(!)という映画製作の裏話、苦労話が書かれています。

映画監督という人の全てが特別なわけではないのでしょうが、舞台挨拶で拝見した井手監督は、全くインタビュー慣れしていない、ごくごく普通の方で、等身大の映画を作った等身大の方だということが伺えました。この著作「ショージとタカオ」でもそれが表れています。

著作の中では、映画でも印象的だったシーンが詳しく語られている部分もあります。

例えば、再審請求のストレスが桜井昌司さんの精神を知らず知らずに蝕み、それが頂点に達した時に夜中に4階のベランダから飛び降りたい衝動に駆られ、「ああダメだ。ここ開けたら飛び降りちゃう。あんた、俺のことを押さえてくれ!」と叫んだできごとを、妻の恵子さんが語る部分があります。映画でも「そのとき、自分が傍らにいて良かった」と語られていますが、桜井さんの追い込まれるかのような心境と、彼を支える恵子さんのことが、より克明に描かれています。

また、映画では登場しないシーンもあります。

再審開始決定に歓喜する桜井さんの姿はその一つです。その部分を引用します。

「日が暮れて、ショージ君は、妻の恵子さんや支援者と喜びを分かち合った後、一人利根町の自宅へ車で帰った。皆の前ではカラッとした笑顔を見せていたショージ君だったが、利根町に近づくにつれて、涙が頬を伝ってきた。後から後からこぼれてきて、車の運転中なのに、目の前が涙でにじんで見えなくなってしまいそうだった。

やっとの思いで家までたどり着いて中に入ると、ショージ君は六畳の居間で声を上げて泣いた。

この喜びを真っ先に知らせたかった父も母もすでにいない。

『仕事をなげうっても再審開始を勝ち取りたい』

そう思って、この二、三年は日雇いの仕事を減らして、支援者を広げるために地方を歩いた。これまでの張りつめていたものがプツンと切れて、ショージ君は号泣した。

利根町の実家で暮らしていると、亡くなった父や母がいつもすぐそばにいるような気がしていた。父と母が、家のどこかで自分を見守ってくれているとショージ君は思った。」

この再審開始決定の後、検察は破廉恥にも即時抗告をして、つかの間の喜びをぶち壊すことになるのですが。

駄作の映画が多くDVD化されている現状、このような良作が多くの人に観てもらえるようDVD化されないのは納得がいかないところです。映画「ショージとタカオ」は文化遺産と言ってよいものです。でも今は各地で映画が自主上映され、監督や桜井さん、杉山さんの舞台挨拶が見られるから、そっちの方がおいしいかも。とにかく映画はお勧めです。是非ご覧下さい。

桜井昌司さんとは、この映画上映の後と、昨年末、西武池袋線痴漢冤罪事件の市民集会の2度お会いしています。その時の写真がこれです。私はたまたまスーツだったのですが、それを見て桜井さんは、「恥ずかしいなあ。俺もスーツ着てくりゃよかったよ」とおっしゃってました。お茶目な方です。

ここをクリック→桜井氏とツーショット

5/4/2012

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2012/05/03 Thu. 14:49 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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経過報告 (23) 「映画『ショージとタカオ』」 6/3/2011 

経過報告 (23) 「映画『ショージとタカオ』」 6/3/2011

ベアー・スターンズ時代の戦友である同僚及び部下(当時就職内定者)の両名から嘆願書が届き、嘆願書は計135通になりました。一人でも多くの方に私の現状を知って頂き、捜査権力の暴走や冤罪の問題を、経過報告を読んで頂く瞬間でも気に掛けて頂ければとこだわっています。

一昨日の報道(JPモルガン証券の元社員が海外給与5000万円を脱税容疑で国税局により刑事告発)に関し、多くの方からメールを頂きました。ご心配頂きありがとうございます。

ただ、彼に関する報道を注意深く読む限り、過去に、2008年の税務調査でそれまでの海外給与を一度修正申告をしており、今回の脱税容疑はそれ以降の所得に関してのようです。もしその記事に誤りがなければ、残念ながら再犯ということであり、さすがに過少申告に故意はなかったとの主張はできないと思っています。

クレディスイス証券で、私以外に強制捜査を受けた者はもう一人おりましたが、彼は9000万円の過少申告で刑事告発はされておりません。今回の、5000万円の過少申告で、顔も映像で公表されての実名報道は、相当悪質と看做されたと思われます。しかし、「外資系金融憎し」の世論形成を国税局が意図していることも考えられ、私も震災後に被災地の人々が余震を怖がるような不安を感じています。

JPモルガン証券では約120人、クレディスイス証券では約100人、またそのほかの会社でも相当数の過少申告が報告され、それらを全て同じく悪意ありと断じることには少なからず憤りを感じます。全員が全員、過失であったということはできないのかもしれませんが、私はこの時点でも彼らの大多数が私と同じく過失であったと強く信じています。私にはそれ程、サラリーマンが会社の給与を脱税するというのは馬鹿げた話にしか聞こえないからです。

先日、映画「ショージとタカオ」を観ました。これはつい2週間前に44年間の冤罪に終止符を打った布川事件(注)を扱ったドキュメンタリーです。映画は、元被告の桜井昌司氏と杉山卓男氏の仮釈放後、再審開始決定までの二人を追いかけた、見事なロードムービーになっています。私が観た当日の上映後、桜井昌司氏の舞台挨拶があり、ロビーで彼と握手をしました。「私も、つまらない事件ですが、冤罪と戦っています」と言う私に、桜井昌司氏は「真実は必ず貫き通せます。頑張って下さい」と返してくれました。

映画を観て、支援者の支えがどれだけ彼らの心を強くしたのかということがよく分かりました。また一番驚いたのは、普通自白強要というとほとんど拷問に近い取り調べを想像しますが、彼ら両名は桜井氏が取調べ開始から5日後、杉山氏が2日後で否認から自白に転じ、その間の取調べは私が想像するものとは違ったということです。桜井氏は、検察官の「お前のおかあさんもお前がやったと思ってる。そして全てを白状してほしいと言ってる」という言葉や、嘘発見器にかけられた後「残念な結果だったよ」という、検察官の虚偽の言葉に全てを諦めたと言っていました。杉山氏も、共犯と看做されている桜井氏が彼の犯行を認めていると言われたり、アリバイを証明すべき人がアリバイはないと言っているという検察官の虚偽の言葉に同様に諦めたと言っていました。ここで共通しているのは「絶望」です。彼らは希望を失ったがゆえに、自分に不利な証言をしてしまったということが映画を観てよく分かりました。

桜井氏の舞台挨拶で、「30年近い投獄生活で何が一番辛かったですか」という問いに、「鳩が鉄格子の向こうに止まったんですね。そしてその鳩を見ようとした瞬間に、その鳩が横に飛び去った。でも、それを追って見ることができないんです。その瞬間に、自分には全く自由がないんだな、と思いました。それが辛かったですね」と言いながら、言葉を詰まらせいまだに涙ぐんでしまう彼の姿を見て、冤罪の重さを感じました。ただ、彼の「今までの人生は本当に充実していたと言えます。牢屋に入ってた29年間も含めて。今は、風呂に入っただけでも幸せだなあって思えます」と言う言葉には励まされました。映画の中でも、超ポジティブな二人の頑張りが爽やかに描かれていました。ハリウッド作品と異なり、大々的に興業はされていませんが、是非観て頂きたいと思います。

梅雨が始まり、うっとおしい季節ですが、皆さまにおかれましてはお体に気をつけてお過ごし下さい。私は来週一旦カナダに戻りますが、子供の夏休みに、彼を連れて親友数人と東北被災地の炊き出しを計画しています。またご連絡させて頂きます。

6/3/2011

(注)
布川事件(ふかわじけん)は1967年に茨城県で発生した強盗殺人事件。捜査が手詰まりになる中、犯人として近隣に住む青年2人(桜井昌司氏、杉山卓男氏)を別件逮捕し、被告人の自白とあいまいに二転三転する目撃証言のみで検察は起訴、1978年に最高裁で無期懲役が確定した(一審1970年、二審1973年)。しかし、物的証拠がないことから当初より冤罪の可能性が指摘されており、2009年再審が開始され、今年2011年5月24日無罪判決が下された。桜井氏、杉山氏は1967年の逮捕以降、仮釈放の1996年まで29年間を獄中で過ごした。事件から無罪判決までは44年間の時間が経過している。



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category: 布川事件

2011/09/24 Sat. 18:52 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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