「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (57) 「検察取調べ再開日程決定」 10/29/2011 

経過報告 (57) 「検察取調べ再開日程決定」10/29/2011

バンクーバーはすっかり秋らしくなりました。朝晩は随分冷え込みます。部屋にある暖炉も一日中つけっぱなしです(バンクーバーでは、エアコン設置の家はないかわりに、普通のマンションでも暖炉は標準装備です)。

検察の取調べ再開の日程が決まりました。11/3木曜日午後1時半から、いつも通り五反田分室です。その前日に日本に帰国します。このインターバルの間も、クレディ・スイスの職員・元職員の取調べが続いていた模様です。恐るべき執念です。もっとそのエネルギーを有効活用すれば、日本ももっとよくなるのにな、と思ってしまいます。関係者の証言といっても、彼らが共犯であるわけもなく、いかに彼らが私に不利な証言をしたとしても(そしてその可能性は全くないと思っています)、証拠の証明力は著しく低いものです。関係者の証言を誘導・強要し、公判でひっくり返された郵便不正事件と同じ轍を踏むリスクを検察が取るとも思えません。

最近、冤罪関係の書籍を読む機会が多く、現実と一般認識のギャップに愕然としてしまいます。自分の経験から、「自分のケースは氷山の一角に過ぎない」という感覚はあったのですが、実際に冤罪は恐ろしい数に上るようです。日本で、地裁(第一審)が手掛ける公判は年間11万件程度ですが、そのうち被疑者が否認しているものは、7000件程度です。そしてこのほぼ全てが有罪として処理されています。私が見た資料では、戦後アメリカでは陪審員による否認事件の無罪率は33%、職業裁判官によるそれは17%でした(アメリカでは被疑者に陪審制を選ぶ権利があります)。勿論、起訴の過程に大きな違いはあるにしろ、日本で否認刑事事件の有罪率が99%近くというのは、それだけで冤罪が数多く生まれていると考えざるを得ません。そして更にその数字を大きくするであろうことは、自白で認めていたとしてもそれが全て無実でなかったとはならないことです。私も、ヤメ検に諭されて「どうせ勝ち目がないのだから」と最初から諦めていたら、その7000件のうちには入らなかったということです。

最近読了した本に、キャッツ社の粉飾決算事件で有罪となった細野祐二氏著の「司法に経済犯罪は裁けるか」があります。細野氏は、経済事件(一応、私のケースもその一つです)における有罪の半分は冤罪であると主張しています。その理由は、「司法及び捜査権力は財務諸表を読めない」というものですが、更に重要なポイントとして「告発・起訴の過程で、被疑者が諦めてしまう」とも述べています。

私も、昨年2月に刑事告発され、その時点で逮捕を恐れて白旗を上げていれば、去年の夏前には全て片がついていたことでしょう。私は、この後、検察の起訴・不起訴の判断を待つということになりますが、もし起訴されれば、裁判に何年かかるか分かりません。そして最終的に無罪が立証される保証はどこにもありません。少なくとも過去の歴史においては、否認すれば逮捕、そしていずれにせよ起訴され、いずれにせよ有罪とされるというのが実態です。逮捕されれば、人は「やっぱり悪いことをしていたんだな」と思い、否認しているから逮捕されたとは思わないでしょう。こうした人質司法の悪弊がある限り、また裁判所は絶対に無罪を書かないという事実がある限り、いかに無罪であったとしても諦めることの方が、合理的行動だと考える人がいても全く不思議でないのが日本の実状です。

そして、一番恐ろしいことが、そうした実態を国民が知らされておらず、理解していないというところです。冤罪は何も、明らかにされた郵便不正事件や足利事件、布川事件、あるいはその疑いが著しく高い高知白バイ事件や、東電OL事件といった特殊なものではないということです。これが、司法制度もろくに整っていない後進国の話であるならまだしも、私たちの日本の実態であるということが本当に驚くべきことだと思います。

不安は一杯あります。それに押しつぶされそうになりながらも、自分の人生をコントロールするのは最後は自分であるという信念から、達観しようとしています。今回の日本滞在がいつまでになるのかは全く未定です。お会いできる機会があるかどうか分かりませんが、メールなり電話なり頂ければ幸いです。いつも応援ありがとうございます。

P.S.
現在、日本で冤罪に関する援助活動をしている市民団体として、私の知る限り救援連絡センターと日本国民救援会があります。

せっかく自分にもこうした試練が与えられたので、他人の冤罪に関しても何らか助けることができればと、まず機関誌の購読から始めました。「先ず隗より始めよ」です。

10/29/2011



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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/10/29 Sat. 10:57 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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経過報告 (56) 「陳情書解説コメント」 10/16/2011 

経過報告 (56) 「陳情書解説コメント」 10/16/2011

バンクーバーに戻ってきました。ここ数日は天気もよく、最高気温も15-16度まで上がって、肌寒いものの気持ちのよい日々です。日本にいた1ヶ月は取調べを軸に、非日常的な時間でしたが、この2-3週間ほどは、日常に戻れそうでほっとしております。

取調べの最後に、私は自分の主張を書いた陳情書を提出しました。これは事件の裏の裏まで理解し尽くしている検察に宛てて書いていますので、端折ったり敢えて言わない部分が多く、若干分かりにくかったかもしれません。コメントを添えたものを今回添付しましたので、ご高覧頂けると幸いです。

この陳情書は弁護士の勧めで書いたものですが、その時2点注意されたことがあります。1)説得しようとしないこと、2)完全犯罪を目指さないこと。1)に関しては、彼らの行動類型からして、こちらが説得しようとすると、説得されまいという心理状態になるからだそうです。2)に関しては、あまりに巧妙だと、全てに関し作為を感じ、かえって懐疑的になってしまうからだそうです。私が脱税をするということが万一あっても、陳情書に書いた状況よりも、更に巧妙にすることは間違いありませんがここでは若干手ぬるく書いています。

国税局・検察が、私に故意がありかつ悪質だと主張している最大の理由が金額の大きさであることは前回の経過報告で述べたところです。しかし、その金額の大きさゆえに、「『ばれたら、ばれた時に払えばいいや』と何もせずに放置していた」という彼らのストーリーが余りにもバカげて聞こえるのは私だけでしょうか。

所得税法違反というのは刑事上の問題ですが、民事上(行政上)私は重加算税を課され、私は既にそれを支払っています。この重加算税とは、国税通則法第68条で定められたところにより賦課されるものですが、仮装または隠蔽という悪質な手段で税金を免れようとする納税者に対するペナルティです。この「悪質性」の認定は、あくまで徴税権力の腹積もりによりますが、判断基準はある程度示されています。「二重帳簿の作成、請求書や領収書の破棄や隠匿」、また「事業の経営のほか売買、賃貸借などの取引を本人以外の名義または架空名義で行っていることや、所得の源泉となる株式や不動産などを、本人以外の名義または架空名義で所有していることなど」等々が重加算税と認定される基準とされています。

それでは、このような仮装・隠蔽行為を一切していない私がなぜ重加算税を課されたのでしょうか。この重加算税を不服として申し立てをし、再三にわたり国税局に賦課理由開示を要求してきましたが、これまでのところ全く無視されています。明らかな仮装・隠蔽行為が認められないため、彼らの言い分は「確定申告書類に、仮装・隠蔽の意図をもって、殊更に過少な金額を記載した」とせざるをえないものと私は見ています。過失で間違った金額を書くこともありうる確定申告の記載内容が、仮装・隠蔽の手段であるというのは、悪質性の主張としては実に脆弱なものです。そして、それが故意の認定を大前提としていることは分かって頂けると思います。通常、行政処分よりも刑事罰を科す行為の方がハードルが高いはずですが、行政処分そのものにおいて刑事上の判断を待たなければいけないということが、国税局がこれまで沈黙している理由だと思います。

そして私の知る限りでは、確定申告の書類に過少申告額を記載したというだけで、それが悪質な仮装・隠蔽と認定され、重加算税を課されたというケースはいまだかつてないと思います。

どれ程今回のケースで、捜査権力が横車を押そうとしているかが分かって頂けると思います。

次回の帰国は、取調べ再開時です。取調べ開始3日前に連絡すると検察は言っているそうです。それが1ヶ月半なのか、2週間なのかは分かりません(1ヶ月と聞かされたので、1ヶ月後のチケットを取ろうとしたら、それはまかりならんとのことでした。早めに帰ってスタンバっておけとのことです)。

皆さまから個別にメッセージを頂くことも多く、本当に勇気づけられます。お返事できないこともままあり、心苦しく思っております。それに懲りずにまたご連絡下さい。よろしくお願いします。

P.S.
APPLE社の共同創始者の一人、現代の巨人、スティーブ・ジョブズが逝去したことは皆さんの記憶に新しいことと思います。生前から彼の発言や行動は注目されていましたが、特に最近彼の軌跡に触れることが多いのではと思います。

彼が言った言葉に”Because the people who are crazy enough to think they can change the world are the ones who do.” (自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから)というものがあります。私もそうありたいと思っています。

この言葉はAPPLE社のCMにも使われています。


ここをクリック→陳情書(コメント付)

ここをクリック→APPLE社 CM

10/16/2011




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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2011/10/16 Sun. 21:51 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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経過報告 (55) 「弁護士意見書」  10/13/2011 

経過報告 (55) 「弁護士意見書」 10/13/2011

明日、カナダに帰国します。次回の日本帰国は検察取調べが再開する11月上旬となりそうです。

捜査が一段落する直前に、「私がもし脱税をやっていたとしたらしていたであろう行動で、それらをしていない不合理な事実」を列挙した陳情書を提出したことは前回の経過報告でお伝えしました。そしてそれに続く攻勢として、先日、弁護士から添付の意見書を提出しました。

通常、弁護士の意見書とは、私がとった行動でもし脱税をしていたのであれば不合理な事実や、(私の陳情書でフォーカスした)もし脱税をしていたのであれば当然とったであろう行動をとらなかった不合理な事実を挙げることで、私の無実を主張するものです。ところが、今回のケースでは、こうした内容は弁護士も私も全く不要だと思っています。それは、以前にも述べたように、検察特捜部のコストを全く無視した徹底的な捜査で、彼らは私本人以上に事件のことを理解しているからです。取調べでは、私ですら全く記憶していないことや、知らなかったことを次々と指摘され、驚くことが少なくありません。そして、私の無実が事実である以上、彼らはそれを理解しています。もし彼らが、万が一その事実を知りながら起訴するとすれば、それは国税局との間の責任の押し付け合いで、検察がその責任を引き受けざるを得なかったということによるものです。「砂をかぶるのは国税局ではなく検察。そして幸い、陸山会判決でも見られるように、裁判所は『推定有罪』にお墨付きを与えている。取り合えず起訴して、後は野となれ山となれ」というものです。

それはまさに国家権力の濫用であり、つい先日に発表された検察の基本理念にもとるものだというのが、弁護士の意見書の内容です。検察に正義を求める強いメッセージです。

事実関係を再確認しておきます。

所得税法違反=脱税の要件は故意・犯意の存在です。そして、その立証責任は検察側にありますが、その要証事実の認定に決定的な直接証拠は当然ありません。脱税の故意を推認させる私に不利な間接証拠と、脱税を不合理とする私に有利な間接証拠の評価ということになります。

「故意がなかった」ことを立証することは「悪魔の証明」であることは以前述べました。「悪魔の証明」とは、例えば「北海道にヘビがいる」という証明は簡単です。一匹でも見つければそれは立証されます。しかし、北海道全土をいくら探してもヘビが見つからなかった、ということは「北海道にヘビがいない」という証明にはなりません。「その事実を強く推認させる」だけです。たまたま見つからなかっただけで、どこかに潜んでいる可能性が完全に払拭されないからです。これを「悪魔の証明」といいます。

「故意があった」ことを立証するのは簡単であるのに対し、「故意がなかった=過失であった」ことを立証するのは簡単なことではありません。それを示す直接証拠というものが存在しえないからです。本来簡単であるはずの「故意があった」立証を国税局・検察は3年近くの時間をかけてしようとしています。そして、私にとって有利な「脱税をしていれば、こんなことはしないだろう」とか、「脱税していたのであれば、こうしたことをしたはずなのに、してないのはおかしい」という間接証拠は山ほどあります。

私にとって一番不利な間接証拠とは何でしょうか。それは、国税局査察部統括官の言葉が物語っています。「証拠はありません。証拠があれば、それをあなたに突き付けて『ほら、こんなことをしているだろう』と言うことができます。だからこれほど時間がかかっているのです。金額だけが腑に落ちないのです。何百万、もしくは何千万であればまだしも、億を越える金額を過少申告しておいて気付きませんでした、という点だけが納得いかないのです」。つまり、検察が依拠する、私にとって不利な最大の間接証拠は金額です。私は、過少申告の金額が多かったことで強制捜査を受け、金額が多かったことで告発されました。クレディ・スイス証券以外の会社で、同じく海外給与の申告もれが何百人といる中で、私の金額が一番多いかは分かりませんが、少なくともクレディ・スイス証券での申告漏れの約100人の中で、私の過少申告額が一番多かったのは事実です。ただ、それだけをもってして、全く仮装・隠蔽の事実もないのに、ほかの人間より悪質だと言われ、一罰百戒のターゲットとされているわけです。

ところが、お気づきのように、金額というのは過少申告を所得税法違反とする要件でもなんでもありません。もしほ脱税額が1億円以上で自動的に脱税が認定されるのであれば、私は当初から全く争う必要はなかったと思います。

ここで敢えて、「刑事訴訟法上、事実の認定は証拠による」という刑事訴訟法第317条を持ちだす必要はないと思います。それは先の検察の基本理念でも最重要視されたポイントであったと思います。合理的疑いを越える有罪の要証事実の立証が行われた場合に限り起訴が行われるべきであり、金額がその要件を満たすとは到底思えないのは素人考えでしょうか。

先日の、小沢氏元秘書の有罪判決は司法の歴史に汚点を残すものになりそうだと感じています。報道が、「元秘書の有罪は、今後の小沢氏の政治生命に打撃を与えかねない」と報じることには、「本気で言ってるのかな」と思ってしまいます。物事の順序が全く逆で、「小沢氏の政治生命に打撃を与えるために、元秘書が有罪になった」ということが明らかだからです。私は、政治に関しては全くの門外漢であるため、小沢一郎氏が、日本の社会にとって、政治家としての存在意義があるか、抹殺されるべきかは分かりません。しかし、彼も、そして元秘書も政治家である以前に一国民です。彼らが、適正な司法手続きを経ずして、起訴されたり有罪とされることに恐怖を感じてしまいます。陸山会判決で、裁判所がとった「推定有罪」が、どうして「政治家限定の今回限りの特別措置」だとする保証があるのでしょうか。判例主義である日本の司法制度で、今後、「推定有罪」というこれまでの禁じ手を検察が多用し、裁判所もそれを追認するということが恐ろしくて仕方ありません。「推定無罪」「疑わしきは被告人の利益に」の原則は法治国家である以上、最低限の要件だと思います。政治の問題と司法の問題を切り離して考えるリテラシーが求められています。

告発以来、1年8ヶ月、人事を尽くしたと思っています。あとは日本の捜査権力に正義があるかどうかにかかっています。検察が結局、「起訴ありきの組織であり、郵便不正事件でも何も学習していない」かどうかの見極めをしたいと思っています。

引き続き応援お願いします。

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10/13/2011



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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2011/10/12 Wed. 19:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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経過報告 (54) 「悪夢は続く」 10/7/2011 

経過報告 (54) 「悪夢は続く」 10/7/2011

Bad Newsです。一段落したと思ったのも束の間、今朝、弁護士のところに検察特捜部から連絡があり、1ヶ月後に取調べ再開とのことでした。その間に証拠をもう一度検討し、いかにクロく塗りつぶせるかの再検証をするということなのでしょう。起訴ができるものに関しては2-3ヶ月で処理し、起訴が難しいものに関しては20ヶ月を経過してもそれでも諦めないというバランス感覚には本当に驚かされます。

勿論、背後に国税局という絶対ダウンを許さないセコンドがついてるからこそ、ボクサーの検察も立ち向かってくるのでしょう。彼らがパンチドランカーになった場合、国益が損なわれるという思慮が全く欠けていることには、国民として大きな危惧を感じてしまいます。しかし、こちらも身に振りかかった火の粉は払わないといけないので、依然ファイティング・ポーズは解けないというところです。

やはりこのような消耗戦となると、個人 vs 国家権力では、圧倒的に個人が不利です。これを年単位で戦い抜いた(私ももう3年ですが)、再審請求者の根性たるやすごいものだと思ってしまいます。私も頑張ります。

明日、金沢に帰省します。来週金曜日に一旦カナダに戻ります。呼び出しは「3日前に連絡する」とのことです。向こうの臨戦態勢が整い次第、再ゴングです。

引き続きご支援お願いします。

10/7/2011


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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/10/06 Thu. 20:21 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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経過報告 (53) 「検察取調べ第十三回+陳情書」 10/7/2011 

経過報告 (53) 「検察取調べ第十三回+陳情書」 10/7/2011

ご報告します。検察特捜部による取調べは、今日をもって山を越えたと思います。もしかすると今日の取調べが私に対する取調べの最後だったかもしれません。これまでは、必ず取調べの終了時に、「次回はいついつにお願いします」ということでしたが、今日の取調べ終了時には、「次回以降の予定に関しては、キャップから弁護士に連絡させて頂きます」とのことでした。以前に、取調べの予定変更があった際には担当検事から直接私の携帯に連絡があったことからすると、普通の状況であれば、彼から私に直接連絡しても何ら不自然ではありません。それが、今日の取調べが最後だと思う理由です。

今朝のツイッターで予告していた「メガトンパンチ」が添付ファイルの内容です。

これまで何度か述べてきたように、取調べというのは、被疑者にとって圧倒的な不利な状況です。それは検察が怪しいと思う点に関してだけ質問し、それに対し被疑者が答えるという形で取調べが進行していきます。つまり被疑者にとって不利な事柄しか取調べでは取り扱われず、被疑者はそれを怪しくないというレベルまで押し戻すだけの作業となります。被疑者にとって有利な事柄を検察が取り上げ、それが調書に書かれることはありません。そして入念に用意された質問に、その場で即答しなければならないという大きなハンデキャップを被疑者側は背負っています。防御一方です。そこで今回私が取った方策が、添付ファイルにある陳情書(名称は、陳述書でも供述書でもいいものです)を提出することでした。防御だけではなく、攻撃に転じたということです。「攻撃は最大の防御」というのは全くもって真理を突いています。

陳情書を書くに際し、私が実際に取った行動で、脱税をしていたとしたら不合理だということを指摘することは余り意味がないことだと思いました。それは検察も重々承知だからです。例えば海外送金でシンガポールの口座に送金したことは、「脱税をしていたとしたら不合理だという行動」です。なぜならその口座は日本からの送金で開設した、税務当局が把握している口座だからです。「脱税をしていたとしたら不合理」ということに関しては、検察はそれをつぶすだけの十分な準備をしているものと思います。

私がこの陳情書で述べた内容は、「もし私が脱税を企図していたならばこのような行動をした」というものです。そこでの論理構成は、「脱税をしていたのであれば、合理的行動としてこうしたことをしたと思われる」→「ところが、そうした行動をしていない」→「その矛盾が生じるのは、そもそもの『脱税をしていたのであれば』という仮定が間違っている」とするものです。

陳情書は、事件の裏の隅々まで把握している検察に宛てて書いておりますので(下手をすると、事件の当事者である私よりよっぽど詳しいと思います)、そこでは端折ったり、敢えて記載していないこともあり、若干理解しづらい点もあるかと思いますがご容赦下さい。また個人名は削除ないし伏字とさせてもらっています。

前回の経過報告で、170万円の脱税を立証しようとするかのような取調べの意図が分からないということをお伝えしたと思います。その次の日の朝、弁護士から電話をもらいました。「昨日の取調べの意図はこういうことだったと思います」と言う弁護士の解釈は、170万円の税金すら、もっと言えば税金は1円たりとも払いたくないという人物像作りが彼らの狙いだとするものです。税金を払いたくない=脱税をする、という、いかにも彼らが被疑者に対して作るイメージです。思い当たる節があるのは、以前の取調べで、確定申告に医療控除を申請していますが、それに関する検事の質問は「八田さんは、940円とか1080円とか小額の領収書も添付していますが、それはなぜですか」でした。まさに1円たりとも税金を払いたくない犯人像のイメージ作りです。その電話をもらった後は、依然本気モードの検察のやる気にげっそりしたものです。

陳情書では、そうしたことも撃破できたと思っています。p.5の中段の記述です。

「私がもし脱税を企図していた場合には、当然ほ脱額、ほ脱税額の認識は常に明確にあったと思います。税務調査開始直後に、一番心配することは毎日恐ろしい金額が加算される延滞税であったことでしょう。税務調査開始直後から、いかにその延滞税を止めるかに腐心し、xx税理士にその計算及び方策を講じるよう依頼したものだと思います。税務調査開始後は、それこそ毎日のように延滞税の話をxx先生にしていたのではないかと思います。」

延滞税は1日5万円程だったと思います。もし1円でも税金を払うのが惜しいという人物であれば、1日5万円の延滞税を一刻も早く止めたいと思うでしょう。私は、当初、一切そうした心配はしていませんでした。それは自分の過少申告ですら認識していなかったからです。

この陳情書を提出することにより、相手のあごにメガトンパンチがクリーン・ヒットし、この瞬間は脳みそがぶよんぶよんしているものと思います。

ここ数日、陳情書作成に掛かりっきりでしたが、昨日一日休養があったことはよかったと思います。地元近くの七里ヶ浜の打ちっぱなしに行って、最終稿のアイデアを練っていました。そういう時にはかえってナイスショットが出るものです。もし、皆さんもミスショットが連発するような時は、煮詰まっているのかもしれません。是非、検察特捜部の取調べを受けている気分になって、意識をショットの外に置いてみて下さい。

今日の取調べは、こちらがバズーカを構えてるのに対し、火縄銃を撃ってきているようなものでした。

今日の取調べの内容は、税務調査開始直後のメールの内容に関するものでした。私が、「税務調査がはいった」であるとか、しばらく経って過少申告の認識が出来た後に「追徴額が多額になりそうだ」と、私の友人・知人に送った際に、その友人からの返信が、「税金逃れ?」とか「なぜばれたんですか?」であったことに難癖をつけてきたものです。彼らがそうしたリアクションを取ったのは、ほとんどが冗談であり、私もまともに取り合っていませんでした。それをもってして、「近い友人には、脱税をしていたことを明かしていたからこそこうした反応があったのではないですか」とか、「その後の八田さんの返事の中で、『故意があったわけではない』と敢えて弁明をしていないのは、自分にやましいところがあるということではないのですか」と問うてきたのには、全く私にとってはまともに取り合うのもあほらしいという感じでした。

陳情書は、今日の取調べの終了時に「何かこれまでのところでありますか」といつものように聞かれた際、提出したものです。今後の取調べの予定は追って沙汰するというタイミングは、陳情書を提出するにこれ以上ないベストのタイミングでした。この偶然も神の配剤かもしれません。

取調べが一段落したここまで逮捕がなかったということで、「否認すれば身柄拘束」という常識は打ち破れたのではないかと思っています。次は「国税局の告発=100%起訴」という常識の撃破です。その「常識」のためにこれまでどれだけの冤罪が生み出されてきたことかと思うと空恐ろしくなります。

今後の取調べの予定は全く未定ですが、しばらく時間がありそうです。来週には金沢に帰省して少しのんびりしようと思っています。引き続き応援お願いします。

ここをクリック→陳情書

10/7/2011




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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/10/06 Thu. 08:23 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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経過報告 (52) 「検察取調べ第十二回」 10/4/2011 

経過報告 (52) 「検察取調べ第十二回」 10/4/2011

夜分遅くにお邪魔します。

今日も取調べが昼の1時半からありました。取調べは8時に終わりましたが、その後弁護士とのミーティングが少し長引いたので、鎌倉まで帰ってくるとほぼ午前様。駅からのバスはなく、いつもは乗らないタクシーで帰宅です(タクシーは贅沢!)。帰宅後、夜食に駅の売店で買ったいなりずしを食べ、いつものようにフェースブックとツイッターをチェックするとこの時間になります。1年の半分は日本にいないとはいえ、やはりリアルタイムでフェースブックとツイッターがストレスなくできるスマホデビューが急務のようです。

今日の取調べは妙に疲れました(取調べの後は毎回弁護士とのミーティングですが、私の様子を見て弁護士が「今日は疲れてますねー」というのが今日の雰囲気だったようです)。その徒労感は、検察の取調べが核心を突いてこないからです。今日のお題は海外口座の利子所得の税務に関して。本丸の株式による海外給与の源泉徴収とは全く異なる議論です。

税務調査対象期間の2005-2007年において、国税局査察部に調べられたのは会社の海外給与だけではありません。全ての税務内容を徹底的に調べられています。私は、キャリアでリスクを取っている以上、自分の投資ではリスクを取らない主義でしたので、株式関連の投資やFX関連の投資をほとんどやっていませんでした。そのため申告漏れとなっていた譲渡益はほとんどありませんでしたが、税務調査を契機に自分で調べてみるとやはり完璧に税務申告しているというわけではありませんでした。申告漏れとなっていたのが、海外口座で保有していた米国債の利子収入。米国債を国内の金融機関で保有していれば20%の分離課税で源泉徴収されますが、国外の金融機関で保有している場合、それは総合課税の対象となり自己申告の義務があるそうです。同じ商品を保有していてなぜ税率、税務が違うの?という感じですが、これは国内で保有している場合がむしろ「租税特別措置法による特例」だそうです。いずれにせよ日本円にして約170万円の過少申告。今日の6時間半にわたる取調べはこれを巡ってのものでした。

その170万円の過少申告を意図的に脱税したとしたいかのような取調べに、まさか1億以上のほ脱税額という容疑で告発しておきながら、それが無理となると微罪でむりやり起訴に持ち込むのでは?と勘繰りたくもなります。弁護士は「さすがにそんな恥ずかしいことは検察はしてこないでしょう」と言っていますが、それにしては異様なこだわりようでした。

とにかく検察特捜部の捜査能力の高さは異常なほどです。民間企業であれば確実に倒産するような効率の悪さを感じさせるほど惜しみなく人的資産を投入してきます。国税局査察部の調査を一からひっくり返して捜査をしているようですが、その緻密さたるや「重箱の隅をつつく」どころの話ではありません。しかも、国税局査察部の取調べでは全く下らない質問も山ほどあったのですが、地検特捜部の取調べの場合、まかりなりにも結論らしきものに辿り着くのがすごいところです。取調べの間中、常に緊張感を保つのは無理なので、時々弛緩していますが、そうした時には他人事のように「すごい労力だなあ。無罪の人間を黒く塗りつぶすためとは全く国益の浪費だなあ」と半ば感心、半ばあきれています。

私の取調べのほかにクレディ・スイス証券の職員・元職員の反面調査が幅広く行われているようです。取調べの最中に事務官に電話がかかるのですが、それはエレベーターや階下で私が彼らと鉢合わせにならないように、彼らの取調べが終わったことを知らせる電話だということが分かっています。

いずれにせよ、まだしばらくは辛抱が必要なようです。端から楽なものとは全く思っていませんが、それでも取調べが長期化すると、15ヶ月も国税局に引っ張られた挙句に告発されたトラウマが蘇ってきます。短距離ダッシュを際限なく続けさせられてるような気分です。少し愚痴っぽくなりました。申し訳ありません。

次回の取調べは明後日の午後1時半です。引き続き応援お願いします。

10/4/2011



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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/10/04 Tue. 09:17 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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