「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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冤罪ファイル その1 「名張毒ぶどう酒殺人事件」 

冤罪ファイル その1 「名張毒ぶどう酒殺人事件」

「冤罪ファイル」として過去の冤罪を取り上げていきます。まずその第1回としてこの事件を取り上げるには理由があります。それはこの事件が「今」の事件だからです。

冤罪被害者の奥西勝氏は現在86歳。7年前の再審開始決定(再審が開始されると無罪の可能性は非常に高いものです)が今年5月に取り消され、精神的にもかなり厳しい状況だと思われます。

先日も肺炎をわずらって病院に移送されましたが、常に手錠をされて非人道的な扱いであったと報じられたばかりです。

<事件経緯>

今から半世紀以上前の1961年。三重県名張市の山村の寄り合いで供されたブドウ酒に混入された農薬の中毒で、女性5人が死亡する事件が起きます。これが「名張毒ぶどう酒殺人事件」です。

会に参加した男性12人(彼らには清酒が供されました)のうち、重要参考人として3人の聴取が行われ、事件から6日後に奥西勝氏が逮捕されました。

逮捕前の取り調べで、奥西氏は犯行を自供。逮捕直前には記者会見にも応じ、罪を認めました。

動機は、会に参加した女性20人の中に妻と愛人がおり(狭い村ゆえ、この三角関係は広く知られており、妻と愛人の間の確執もさほどなかったものです)、彼女たちとの関係を一気に解消しようとしたと見られました。

しかし、逮捕後の取調べ中から犯行否認に転じ、以来一貫して無実を訴えています。

<裁判経過>

一審無罪(1964年)→検察控訴→二審死刑判決(1969年、以来現在まで死刑囚として拘置)→弁護側上告→最高裁上告棄却で死刑確定(1972年)→6度に亘る再審請求棄却→7次再審請求が高裁で認められ再審開始決定(2005年)→検察異議申立→高裁再審開始決定取消(2006年)→弁護側特別抗告→最高裁差戻し(2010年)→高裁再審開始決定取消(2012年)

特筆すべきは、一審と高裁での再審開始決定と2度までも無罪相当の判決が出ていること。

7次再審請求の最高裁差戻しの際には「差戻し審の証拠調べは必要最小限の範囲に限定し、効率よくなされるべき」とまで述べているのであれば、最高裁が自判すべきであったと言えます。弁護側の再度の特別抗告には最高裁の自判が望まれます。

<争点>

一審無罪の判決では、自白が強要によるものであると信用性が問われ、また村人の証言(犯行時間特定に重要、奥西氏以外に毒混入ができる者がいたかどうかに関わります)の変遷も「検察の並々ならぬ努力」の誘導によるものとされました。

二審有罪の判決では、全く同じ証拠で「自白は信用できる」「証言の変遷は単なる記憶違いを言い直したもの」とされました。

百聞は一見に如かず。こちらのNHKクローズアップ現代の映像(約8分)をご覧下さい。

ここをクリック→ NHKクローズアップ現代 「揺らぐ死刑判決~検証・名張毒ぶどう酒事件~」 (2010年4月放送)

再審開始決定の決め手となったのは、凶器とされた農薬の科学鑑定でした。奥西氏の自白ではテップ剤(有機リン系の農薬で、その毒性の強さから現在は農薬の指定から外されています)の一種である「ニッカリンT」という商品名の農薬が使われたとされましたが、科学鑑定の結果、「ニッカリンT」で検出されるべき不純物が、飲み残したブドウ酒からは検出されず、そのほかのテップ剤の農薬が凶器とされたのではないかという可能性が出てきたためです。

第7次再審開始決定までの事件の経緯を、中京テレビが制作したドキュメンタリー「裁きの重み 名張毒ぶどう酒事件の半世紀」でご覧下さい。

ここをクリック→ 「裁きの重み 名張毒ぶどう酒事件の半世紀」

しかし、奥西氏の再審開始決定の喜びも束の間、検察は異議を申し立て、同じ名古屋高裁のほかの部が再審開始決定を取り消します。弁護側は最高裁に特別抗告。最高裁は、自判せずに「取消に際して科学的検証が十分にされていない」と高裁に差し戻します。そしてこの5月に高裁は、農薬が「ニッカリンT」である可能性もないとはいえないとし、「捜査段階での被告人の自白に信用性が高い」として、再審開始決定を取り消しました。

このドキュメンタリーの中にある、奥西氏の釈放を待つ二人の子供のうち、2010年に長男が死亡していたことが最近、奥西氏に告げられました。親族は、長男の「おやじには(拘置所から)出てきてから伝えてくれ」との遺言を守り続けてきましたが、これ以上隠し通せないと判断。5月に奥西氏の妹が事実を伝えたものです。

親族によると、奥西氏は長男が亡くなったとの知らせにしばらく絶句し、「残念だが人間には運命というものがある」と静かに話したといいます。彼の無念はいかばかりのものであったか。胸が張り裂ける思いです。

<論評>

名張毒ぶどう酒事件に関しては、これまでも書いてきましたので、そちらもご参照下さい。

ここをクリック→ #検察なう (92) 「名張毒ブドウ酒殺人事件」

ここをクリック→ #検察なう (141) 「名張毒ブドウ酒殺人事件再審請求棄却 + 高杉ナツメ・アゲイン」

再審取消に関して。

再審が「ラクダを針の穴に通す程」厳しく「開かずの扉」と言われたのも、再審開始の要件が、刑事訴訟法435条6号にある「無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新たな発見」であると考えられたからです。

十分に審理を尽くし、色々な証拠を当たった後で、確定判決を覆すほどの「明白」な「新しい」証拠を見つけるのは非常に困難です。そしてそれは事実上不可能に近いとも言えます。

しかし、戦前の刑事訴訟法で認められていた「不利益再審」(無罪であった人を有罪にするための再審)が現行法で廃止されたことからも明らかなように、再審制度は有罪とされた冤罪被害者を救済する措置です。

新たな証拠を見つけることが事実上不可能であり、再審制度が冤罪被害者の救済のためであるのであれば、その理念から、再審開始の要件は、証拠が「新しい証拠単独」である必要はなく、「無罪を言い渡すべき」ということの解釈も無実の証明は要しないとすべきです。そして再審開始においても「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の大原則が適用されると確認されたのが、1975年の白鳥決定であったはずです。

過去の証拠を全く評価せず、再審請求時に提出された証拠のみをもって「確定判決を覆すに足らない」とし、また凶器の農薬が「ニッカリンT」でない可能性も依然残るにも関わらす、それを評価しなかった再審開始決定の取消は過去の判例に反するものだと思います。

「疑わしきは被告の利益に」に関してはこちらを参照下さい。

ここをクリック→ #検察なう (159) 「疑わしきは被告の利益に」

奥西勝氏に残された時間は限られています。彼を獄死させることは、彼から雪冤の機会を奪うとともに、検察と裁判所が自らの過ちを正す機会を永遠に失うことを意味します。

FREE OKUNISHI !

P.S.
昨日、東海地方では、名張毒ブドウ酒殺人事件を題材にした東海テレビ制作のドラマ「約束 ~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」が放映されました。全国ネットではなかったのですが、ツイッターのTLを見ていると、かなりよかったようです。このドラマが全国ネットで再放送されるといいのにと思います。

ここをクリック→ 「約束 ~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」

6/30/2012








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2012/06/30 Sat. 18:06 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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ブック・レビュー 『冤罪と裁判』 今村核著 

ブック・レビュー 『冤罪と裁判』 今村核著

冤罪と裁判

数多くの冤罪事件を弁護してきた実務家の手になる「冤罪の構造」と「裁判の問題点」を網羅的に記した書。また、各項目ごとに実際にあった事案を参照しながらの説明なので、実に分かりやすい。特に扱われている事案には最近のケースも多く、その点でも興味を引くものである。

出色なのは第2部の「裁判員制度で冤罪を減らせるか」。職業裁判官では乗り越えることが困難な障壁(裁判官の「有罪慣れ」ゆえの「疑わしきは被告人の利益に」原則の弛緩がその最たるもの)を現実的に乗り越えるものとして裁判員裁判を方向性としてはポジティブに捉えている。

その可能性に活路が見出せるがゆえに、実務上の欠点は急務の改善項目である。特に裁判員裁判施行からこの5月で3年を迎え、制度の検証見直しが開始されるだけに、提言はより実効的である。

彼の9つの提言は以下の通り。

1) 捜査全過程の記録化
2) 被疑者取調べの全過程の録音、録画化
3) 参考人取調べの全過程の録音、録画化
4) 物証の採取、保管過程の記録化
5) 再鑑定の保障のための、捜査側鑑定における試料全量消費の禁止
6) 被疑者、被告人に有利になりうる物証の収集・保全の義務化
7) 警察からの全証拠の検察への送付義務の明文化
8) 検察官による全証拠の目録一覧表の作成、交付義務
9) 検察官による証拠の全面開示義務

この書にあたると、改善の余地が随分あることが分かるが、それは即ち、冤罪防止にはまだ打つ手があるということ。あとはこれらをいかに実施にこぎつけるか。それには国民一人一人の理解度を高め、議論の機会を増やし、改革への俎上に上げる機運を盛り上げる要があるだろう。

自分たちの子供たちの未来を守るのは、我々の使命ではないだろうか。

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2012/06/29 Fri. 16:28 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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ブック・レビュー 「検察の罠」 森ゆうこ著 

ブック・レビュー 『検察の罠』 森ゆうこ著

検察の罠

この書を小沢派議員が書いた小沢氏擁護のものと誤解してはいけない。これは独善的な「正義感」の肥大化の行きつく先は、法治国家と議会制民主主義の瓦解であるという警鐘の書である。

まず読みやすい。これは元々一人の主婦であった森ゆうこ氏が、検察による石川議員の女性秘書に対する不当な取調べで、子供の保育園に迎えに行けずに10時間も監禁されたことに感じた「目の前が真っ赤になるほどの怒り」という市民感覚が行動原理にあるからだと思う。

ハイライトは勿論、陸山会事件に関して。田代報告書に関し、森氏はこう書いている。

「『検察官の作る文書ってそんなにいい加減なの?そんなに大きな事実認識の違い、半年前に聞いたことと、ついこの間聞いたことを混同して、何の記録も見ずに適当に捜査報告書を書いてしまうような?検察官の仕事ってそんなものなの?』

本当にそうだとしたら、すべての刑事裁判の前提を変えなければならなくなる。

検察が作ったあらゆる供述調書は、ひょっとしたら田代検事が作ったような『インチキ調書』かもしれないと疑わなければならないだろう。

問い詰められてとっさに出てきた言い逃れとはいえ ― いや、だからこそ、検察の証拠というものに対する考えの不誠実さが透けて見えるようで、私は気分が悪くなった。」

森氏の「検察のやっていることは議会制民主主義の否定である」という指摘は正しい。誰が総理になるべきか、どの党が政権をとるのが適当かを検察が決めることは、行政権の専横であり、司法、立法をないがしろにして三権分立を形骸化するものである。

チェックアンドバランスが利かなくなった国家、組織に未来はない。

ここをチェック→ ブクレコ 『検察の罠』




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2012/06/28 Thu. 18:00 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (160) 「虚偽捜査報告書事件の検察処分に思うこと」 6/28/2012 

#検察なう (160) 「虚偽捜査報告書事件の検察処分に思うこと」 6/28/2012

虚偽捜査報告書事件の検察の処分が発表されました。

残念の一言に尽きます。関連のツイートをトゥギャりましたので、是非ご覧になって下さい。

ここをクリック→ 虚偽捜査報告書事件における検察処分関連のツイート

佐久間元特捜部長は、私の告発を受理した際に特捜部長であり、当然彼がGOサインを出したものです。しかし、私は彼に対して意趣返しをするつもりはさらさらありません。検察の問題は、彼らの過去の過ちをどう裁くかよりも、彼らの未来がどうあるかを考えるべきだからです(そのためにも、自分たちの不始末は自分たちで処理できるだけの分別は欲しかったと思います)。

企業不祥事の例でいつも思い出すのがJR福知山線脱線事故です。2005年に起こったこの事故は、運転士を含む107人が死亡する痛ましいものでした。事故の原因解明では、運転士にだけ責任を押し付けるのではなく、JR西日本の労働管理や安全管理といった広範な責任が追及され、会社側も情報開示と体制改善に努めたものです。

民間企業であれば当然あるべきことが、公的機関では全くできないということが納得できません。国民の利益を守るのが彼らの第一目的であるなら、むしろ公的機関の方がきちんと襟を正すべきだと思います。

虚偽捜査報告書事件の検察対応に対し、非常にいらだちを覚えるのは、その態度に「国民は愚民でいて何も文句をはさむな。黙って言うこと聞いてればいいんだ」とする、いわゆる「役所の論理」が透けて見えるからです。

病気をいかに治そうと思っても、対症療法では根治が難しいように、その場限りかつ小手先だけの対応ではなんら抜本的な解決にはならないものです。

今、国民に対して誠実な態度を取らないツケは必ず回ってきます。そして彼らが選んだ荊の道は、国民全てが歩かされることになるものです。法治国家として国民が安心して暮らすためには、検察が正しくあることが絶対条件だからです。

そしてトゥギャッタ―の中でも取り上げた市川寛氏のツイートにもあるように、今回の不適切な処分で一番悔しい思いをしているのは、多くの検事だと思います。

特捜部の暴走を諫めることができない検察。この肥大化した行政を、立法の議員や司法の裁判官がどう対応するのか。そして国民一人一人がこの問題を真剣に考える必要があると思います。

6/28/2012



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2012/06/27 Wed. 22:30 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (159) 「疑わしきは被告の利益に」 6/27/2012 

#検察なう (159) 「疑わしきは被告の利益に」 6/27/2012

「疑わしきは被告の利益に」あるいは「疑わしきは罰せず」は刑事裁判の大原則としてよく知られています。「推定無罪」という言葉もほぼ同じ意味です(「推定無罪」の正確な意味は、「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」というもので、若干広い意味をもっています)。

これを「少々怪しくても、被告におまけして無罪としよう」と解釈している人がいたとしたら、それは大間違いです。

まず検察と、対する被告+弁護人は全く対等ではありません。強制捜査権や逮捕権を有する検察は、有罪立証に圧倒的に有利な立場にあります。

これをサッカーの試合で言うならば、アウェイの試合どころか、「足にはおもりをつけられ、こちらは5人で相手は15人、相手のキーパーはなんと2人いる」ぐらいの差はあります。それくらいハンデ差のある試合で、チーム「ケンサツ」は1点取られたらそれで負けというくらいにしないと対等にはならないということです。

つまり、強大な権力をもって証拠を集めながらそれを全面開示せずに、有罪方向に有利な証拠しか開示しない、また、被告を逮捕して有効な対抗策を封じ込めた上で自白に追い込むという圧倒的に有利な捜査をしながら、それでも疑わしさが少しでも残れば、それで被告は無罪とすべきだというのが、「疑わしきは被告の利益に」の精神です。

法律上には明文の根拠規定はありませんが、憲法や刑事訴訟法から当然導かれるものと理解されています。

憲法第31条
「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。」

刑事訴訟法第336条
「被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。」

もう少し細かく議論します。

「100人の罪人を逃すとも1人の無辜を罰してはいけない」とも言われる理由は以下のように説明されます。

人間が人間を裁く以上、必ずエラーが起こります。
そのエラーは、
①罪人を無罪と判断して逃すこと
②無辜の人間を罪人として処罰すること
のどちらかです。

その両方のエラーを排除するのは不可能です。そのため、エラーとして「どちらがマシか」を判断することとなります。

①の不利益は、被害者をはじめとする社会全体に、薄く広くもたらされます。しかし、②の不利益は、冤罪被害者に取り返しのつかない不利益、人権侵害をもたらします。

その結果、先進国の刑事裁判は①を甘受しても②を防ぐことを目的とするに至りました。

そうすると、犯罪者であっても無罪になる例が出ないとは限らなくなりますが、それでも「②よりはマシよね。それが法治国家よね」というのが本来の理念です。

つまり、「冤罪を防ぐ」という目的達成のためには、反射的に社会的損失をもたらしてしまうのを是認するというのが、刑事弁護制度の根源的な発想であり、憲法、刑事訴訟法はそれに則って起草されています。

ただ一つ付け加えますと、世間一般の人にとって、自分や家族が無実の罪で起訴されることが起こりうるとは実感できない一方、自分や家族が「被害者」の立場になりうることは、想像しやすいものです。

そのため、①の不利益を②より重く考え、「なんで犯罪者を罰しないんだ」という冤罪の可能性を看過した批判が起こりやすいものです。しかし、それは「疑わしきは被告の利益に」という原則に反していることになります。

次によくある誤解を解説します。

「直接証拠がない推認だけでは有罪にできない」

何となく正しいように聞こえますが、これは厳密には正しいものではありません。

例えば、殺人の場合の直接証拠とは何でしょう。それは自白と殺害の目撃がそれに当たります。しかも後者に関しては、「血みどろの被疑者が凶器をもって倒れた被害者のそばに立っていた」では単なる間接証拠であり、実際に刺す場面を目撃した場合が直接証拠となります。

そして刑事事件においては、直接証拠がないケースはままあります。そして、直接証拠がないと有罪にならないのでは、有罪の立証は非常に困難となり、有効な犯罪の摘発ができなくなってしまいます。有罪の立証は、間接証拠のみであっても、それらによって十分に有罪であることが証明できれば足りるとされます。

この「十分に」というハードルが「合理的な疑いが入らない程度」と言われるものです。

そしてその一線を境に、真っ白の「無罪」と真っ黒の「有罪」に分かれます。法律の世界ではグレーゾーンはありません。ぴしっと線を引いて、白黒2色の世界です。

例えば、先日判決が下った木嶋香苗被告の首都圏連続不審死事件では、直接証拠がなかったために長期の裁判員裁判となりましたが、その審理を問う正しい問い方は、「直接証拠がない推認だけで有罪にできるのか」ではなく、「合理的な疑いが入らない程度まで有罪が立証されたのか」となります。そして、それができた(=有罪の認定に合理的な疑いが入らない)と裁判員が判断したために有罪判決となったものです。

このハードルはどの程度のものでしょうか。人は間違える余地があります。神でない限り、絶対正しいということはありえません。それが死刑判決の場合、間違っている可能性が数%でも、冤罪で死刑となる当事者にとっては、たまったものではありません。

「あなたは何%の確率以下であれば命を賭けられますか」という問いを考えれば、死刑に関しては「合理的な疑いが入らない」ハードルは相当高くなるものです。

ちなみに、スカイダイビングでパラシュートが開かない確率はどの程度かご存知でしょうか。それは1/1000と言われています。さすがにそれでは一日3回飛べば1年以内に死んでしまうような感じがします(1000回飛んだ時の死亡率は100%ではなく、1回飛んだ時の生存率を1000乗して1から引いたものになりますから、実際には63%です)。それで2つパラシュートを背負えば、両方のパラシュートとも開かない確率は100万分の1となり、「ま、これなら命賭けてもいいかな」というものになります。

100万分の1程度のエラーしか認めないというのもなかなか大変です。死刑は極端ですので、例えばそれ以外の事例で、検察の立証すべき「合理的な疑いが入らない」程度とはどれくらいであるべきなのでしょうか。

例えば、有罪・無罪の分かれ道が「源泉徴収票を確認して、金額の齟齬に気付くか気付かないか」ということだとした場合、何%の確度で「全ての人は源泉徴収票をつぶさに確認して、金額の祖語に気付くものだ」と言うことができれば有罪の立証足るのでしょうか。逆に、100人のうち、何人が「いや、そうは必ずしも言えないだろう」とすれば、合理的な疑いが入り、有罪とは言えないということになるのでしょうか。

数値化することは非常に難しいところですが、色々聞いてみると「95%程度の確からしさ」というのが「合理的な疑いが入らない」感覚的な大体の水準のようです。

この5%という数値設定は非常に乱暴な議論で、どんな法律の本に書いてあるものでもありません。あくまで感覚的なもので、95%くらい確からしければGOということなんだなあ、という感じで思ってもらえば結構です。

実はこの数字は金融関係者にとっては納得のいく数字です(勿論、95%の確からしさで残りの5%冤罪が出ても仕方がないというのは当事者にしてみればたまったものではないのですが)。

株価や為替の水準の統計では、価格が移動平均から2標準偏差(2σ、2シグマ)以上離れると価格は適正値まで戻ろうとする、相場変動の「平均回帰性(ミーン・リバージョン)」という性質があるとされています。2標準偏差の外にある確率は4.5%です。つまりマーケットで買われ過ぎ、売られ過ぎの異常値は、4.5%の確率でしか出現しないということです。

検察は95%程度の確からしさで起訴を判断するかというと、実はそうではありません。彼らは「ほとんどのケースにおいて」このハードルを上げて、もっと厳格にこの基準を判断しています。それだけ聞くといいのですが、大問題は、検察がそのハードルを恣意的に上げたり下げたりしていることです。「起訴便宜主義」と言われるものですが、結局起訴は検察の胸先三寸。彼らがしたければ(たとえ確からしさが95%に到底届いていなくても)するし、彼らがしたくなければ(たとえ確からしさが95%をはるかに越えていても)しないということが問題です。

そしてそうした検察の恣意的なハードルの上げ下げがありながら、刑事裁判での有罪率は99.9%という異常に高いものです。

実は数でいうと、彼らがしなければいけない起訴をしない「起訴猶予」というケースが圧倒的に多く、確からしさが相当低いレベルであるにも関わらず起訴をするというのは、非常に政治的な判断がからんだ特殊なケースです。

私の事案がまさにそれに当たります。

そして私を含め弁護団の主張は、推定無罪を狙うものでないことは強調しておきます。「疑わしき」が微塵もない無実が、我々の主張です。

6/27/2012










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2012/06/26 Tue. 19:45 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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外資系証券なるもの (12) 「ビジネスに最も重要なもの」 

外資系証券なるもの (12) 「ビジネスに最も重要なもの」

私が外資系証券に勤めていた20数年の間、直属の上司と言われる者は10人以上になります。彼らの立場は、部門長レベル、100~数100の部下を仕切る一国一城の主というポジションです。

今振り返ってみると、私がそのほとんどの期間外国債券のトレーディングという部署にいたおかげで、(ソロモン・スミス・バーニー証券と日興証券の合併直後、円のビジネスに移籍した短期間を除けば)ほぼ全ての上司が日本人ではありませんでした。

やはり上司とののりそりが合う合わないというのは重要です。私は、彼らのほとんどと馬が合い、ビジネスでも貢献でき、彼らからも色々助けられたりしたのですが、やはり合わない上司に仕えるということが2度ありました。今振り返って、自分ではむしろ意外だったのですが、この2度のタイミングで私は転職することになります(ソロモン・ブラザーズ→クレディ・スイス、クレディ・スイス→ベア―・スターンズ)。

人それぞれ、「何のために仕事をするのか」という目的意識には違いがあると思います。それは勿論一つではないでしょう。その中の一つに「上司をハッピーにして、自分も一緒にハッピーになりたい」というのがあり、自分にとっては非常に大きなウェイトを占めていたんだなと、振り返って思います。

外資系証券に20数年勤めて、2回の転職しかないというのはかなり少ない方だと思いますが、それも上司と人と人の付き合いがうまくできたせいだと思っています。

彼らとは多くの思い出があるのですが、その中でも鮮烈に覚えている一人が、ソロモン時代のトム・マヘラス(Thomas Maheras)です。彼は、入社後ジャンク・ボンド・トレーディング・デスクに所属していましたが、めきめき頭角を現わし、そのデスクを取り仕切る頃には、若手のエースとして、相当のポジションまで登りつめると将来を嘱望されていました。後にその予測は当たり、彼はシティ・グループの傘下にソロモンが入った後、証券部門のトップ(共同責任者)にまでなった人物です。

1994年当時、私が所属していたモーゲージ・トレーディング部門の業績不振により、マネージャーの更迭があり、新しくデスクのマネージャーとして着任したのが、トム・マヘラスでした。私は、新しく着任した同年代のボスに会いにNYに飛びました。

NY本社への出張は、私にとっては苦痛以外の何物でもなかったので、いつも「いつ来るんだ」とボスにせかされ、年に2~3回行けばいい方でした。NY本社の多くの人間とコネクションをもつことは、離れたアジアで日常業務を司る者にとってはまさにライフ・ラインですが、やはり現場を離れて一日中ミーティングの連続は、毎度「もー帰りたい!」と思っていたものです。

デスクのマネージャーともなると、毎日が分刻みのスケジュールです。私はマネージャーとのミーティングは、時間を決めるよりは出張でオフィスにいる3-4日の間に、彼らの手が空いた暇を見つけて「今、いい?」と言って、こちらで10分、あちらで15分というミーティングのスタイルを好んでいました。彼らはトレーディング・フロアに面したガラス張りの部屋を持っているのが常です。話の興が乗って「うーん、今からまた別のミーティングだから、4時15分にもう一回来てくれ」とマネージャーに言わせればこちらのものです。

トム・マヘラスとの最初のミーティングは、さすがにそうもいかず、秘書から朝食のミーティングをセットアップされていました。ソロモンではマネージング・ディレクターは会社のダイニング・ルームを自由に使うことができます。このMDダイニング・ルームというのは、会社のカフェテリアとは訳が違います。ニューヨークの摩天楼を眼下に臨み、マホガニーの壁に、歩くと足が沈む絨毯が敷き詰められた一フロアで、本格的な厨房を備えています。レセプションには執事風の老人もいます。彼をファースト・ネームで呼び、「勝手知ったる」で入って行く瞬間に、「俺はウォール街で成功した」という実感に浸れるものだと思います。

勿論、このMDダイニング・ルームは社内用というよりは、世界各国からの投資家が会社を見学に来た際に、朝食やランチでもてなすために贅を尽くした造りになっているものです。

一通り、日常会話的なやり取りの後の、彼とのやり取りを忘れることはありません。

彼はいきなり私に質問しました。「テリー(私のニックネームです)、君はビジネスで一番重要なのは何だと思う?」

普段のマネージャーとのミーティングでは出ることがない類の質問です。やはり彼は着任早々、自分の部下のことを知りたかったのだと思います。

私は即座に答えました。

「Integrity」

日本語にすれば「堅固な正直さ、清廉、職業的規範」といったところです。機関投資家という限られた数の投資家と長期間に亘る関係を築いたり、中国・台湾・韓国・シンガポールといった異なる文化の投資家を顧客とする場合に、一番重要なのは信用を得ることですが、その信用を得るための唯一ともいえる手段が「正直でいる」いうことだと思っています。

その答えを聞いた瞬間に、彼の中で「腑に落ちた」という感じが伝わってきました。それが彼との出会いでした。

彼は、デスクを立て直す「中興の祖」のような役割を果たし、比較的短期間でモーゲージ畑の叩き上げにマネージャーのポジションを譲って、会社の出世街道を突っ走って行きました。

どのようなビジネスのどのような局面でも、愚直とも言えるほどの正直さが実は一番強いカードになるものです。自分に正直であり、相手に正直であれば活路は見出せます。迷った場合には思い出して下さい。

(続く)




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2012/06/25 Mon. 11:15 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『プロメテウス』 リドリー・スコット監督 

フィルム・レビュー 『プロメテウス』 リドリー・スコット監督

プロメテウス

映画『プロメテウス』鑑賞。一番好きな映画が同じRスコット監督の『ブレードランナー』で、エイリアン・フィギュア・コレクターの私としては期待度特大。その期待を裏切らない完成度だった。

この作品はエイリアン5作目にして、第1作目の監督に戻って『エイリアン・ビギニング』ともいうべきストーリー。それは最近のSF映画の流れではあるけれど、とにかくスケールが大きく、単なる「怪獣映画」ではない。

フェイスハガ―こそ出てこないものの、チェストバスターや、ビッグチャップは出てくるので、『エイリアン5』ではあるが、彼らは完全に脇役。ここでは彼らは「エンジニア」と映画中で呼ばれる宇宙人が開発した生物兵器とされている。しかしH.R.ギーガーの造形美は全編にふんだんに盛り込まれ、特に『エイリアン』で出てきたスペース・ジョッキーが印象的。

主人公はあくまで「エンジニア」と人間。テーマは「人類の起源とは」。そのテーマを理解するには冒頭のシーンの意味は重要。私は最初気付かなかったが、映画途中の「それはダーウィニズムを否定するものだ!」というセリフで理解。

ただエイリアンの細かな設定には納得いかない点も。『エイリアン4』では、エイリアンx人間=ニューボーン・エイリアンと納得できる造形だったが、ここでは、(エイリアン?x人間)x「エンジニア」=エイリアンとなっていて、旧シリーズの設定と矛盾する気がする。またカプセル(=エッグ・チェンバーに相当)に入れられた生物兵器を人間の体内に取り込むと、どういった変化が生じるのか(エイリアンが寄生?)の設定が甘い。

そして「なぜ創造主が、彼らの創造物である人間を破壊しなければならないのか」という謎解きをするために旅立つところで本編は終わり、続編につながるのだろうが、余りにも大風呂敷を広げ過ぎて、続編の脚本が破綻するのは今から見えているようでもある。

主人公のノオミ・ラパスは、エイリアン・シリーズのシガニー・ウィーバーに相当するが、彼女は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の方が数倍よかった。『エイリアン』でのシガニー・ウィーバーがインパクト大(特にパンティー+タンクトップで逃げ回るシーン)だっただけに、比較すると見劣りすると言わざるを得ない。あとの役者は、シャーリーズ・セロンを含めて可もなく不可もなく(「え?ガイ・ピアース出てた?」という意外性はあったけれど)。

とにかくもう一度劇場で観ねばの作品でした。

ここをクリック→ 『プロメテウス』予告編

ここをクリック→ Viral Clip "David"

(Facebook 6/23/2012より転載)



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2012/06/24 Sun. 12:01 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『アヴェンジャーズ』 ジョス・ウィードン監督 

フィルム・レビュー 『アヴェンジャーズ』 ジョス・ウィードン監督

アヴェンジャーズ

映画『アヴェンジャーズ』鑑賞。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』が持っていたアメリカの初日3日間の興行記録を塗り替える話題作(世界では、歴代1位は『アバター』、2位が『タイタニック』。日本公開後『アヴェンジャーズ』はその記録を抜けるか?)。

マーヴェル好きとしては見逃せない作品です。実は昨日観に行こうとして一杯で入れず。今日は早々とチケットをオンラインで購入して再チャレンジ。開始のクレジットで歓声が上がり、終了時も拍手ってのは日本ではない雰囲気ですね。

アヴェンジャーズはマーヴェルのスーパー・ヒーローが集まったチームなんですが、特にメンバーは固定ではなく、作品によって入れ替わります。ただ「ビッグ3」と呼ばれるのが、アイアン・マン、ソー、キャプテン・アメリカ。今回は映画化ということでビッグ3そろい踏みです。

やはりストーリーの深みは単品作品に比べるべくもありませんが、単純に楽しめます。キャラとしては神のソーが最強のはずなんだけど、この映画ではとにかくハルク強すぎ。やっぱりトニー・スタークはかっこいいせすね。生まれ変わるなら断然トニー・スタークだなあ。グウェネス・パルトロ―好きだし(あ、そしたらコールドプレーのクリス・マーティンに生まれ変わるべきか)。

ということで、マーヴェル好きには文句なしにお勧め。「マーヴェルって何?」って人は観なくてもいいかも。それでも観たいという人は『マイティ・ソー』だけは観て予習した方がいいと思います(ストーリーに若干の関連性あり)。それからこの映画を観る場合は3D限定でお願いします。

ちなみに私が一番好きなマーヴェルの映画は『アイアン・マン』(ロバート・ダウニーJrの恩恵大)。お勧めは『ゴーストライダー』です。

ここをクリック→ 『アヴェンジャーズ』予告編

(Facebook 5/11/2012より転載)






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2012/06/24 Sun. 11:55 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう Tシャツ・プロジェクト (74)  

ダッフィー in #検察なう T-shirt (by K.S ♀)

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ダッフィーは顔と肉球がミッキーマークになっています。

こちらはクマのぬいぐるみつながりで。

ここをクリック→ Cyriak テディ・ベア・ビデオ






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2012/06/23 Sat. 18:58 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (158) 「無罪の弁護をされる弁護士、将来の弁護士の方々へ」 6/23/2012 

#検察なう (158) 「無罪の弁護をされる弁護士、将来の弁護士の方々へ」 6/23/2012

最近はツイッターのフォロワーも増え、その中には弁護士の方や法律を学ぶ学生の方もいらっしゃいます。

無罪の弁護をする機会のある方もいらっしゃると思いますので、当事者の立場からメッセージを伝えさせて頂きたいと思います。

まず一番最初に伝えたいことは、お願いです。

絶対に虚偽の無罪の弁護をしないで下さい。もしそれが訴訟戦略上有利だとしても、また依頼人に無罪の弁護を依頼されても、それが虚偽だと分かった時点で、全力で阻止して下さい。

本当に冤罪を戦っている人は大勢います。検察や裁判官に、被告は「また嘘をついて無実の主張をしている」と思わせないためにも、それは非常に重要です。また、本人にとってもそうしない方が有利だと、「うそは必ずばれる」「情状の方が心証が取れる」と説得して下さい。

冤罪被害者の中には、現在でも、奥西さんのように命をかけて冤罪と戦っている人もいます。彼は死刑廃絶の署名を断り、恩赦も自分は無実だからと断ってまで雪冤を期しています。虚偽の無罪の弁護は、多くの冤罪と戦った人の歴史に対する冒涜であり、侮辱であることを是非ご理解頂き、その旨依頼人にお伝え下さい。無罪を虚偽で主張することは、冤罪を作り出すことに加担していることと同じです。

弁護人は依頼者を守ることが第一の責任であって、依頼者の利益を犠牲にして社会正義の実現を優先することが許されていないことは重々承知しています。弁護人にだけは本当のことを言えるということを担保するためにも、依頼者の要求を尊重するということも理解します。そして、虚偽の無罪の弁護を自分の意志とは異なって引き受けざるを得ない場合の苦悩もあると思います。ですから、これはお願いです。そうしない弁護人は不実だと責めているわけではありません。

そしてもし、無実が真実であるならば、まず当事者と話し合い、お互いの理解を深めて下さい。ご承知かとは思いますが、日本の刑事裁判において無罪を主張することは、被告本人、それから弁護人にとっても相当な負荷がかかります。人質司法の問題も厳然としてあります。まず十分な話し合いの時間をもって、覚悟を決めて下さい。

私は当事者の立場でありながら、もし同じく冤罪と戦う状況下に置かれた人に対して、どのようにしなさいと有効なアドバイスをすることは非常に難しいと感じています。それは人それぞれの生き方が違うからです。

冤罪の連鎖を断ち切るためにも一緒に戦ってほしいと思う気持ちもありますが、仕事ができない状況が続くことに耐え、周りの人の理解を得ながら0.1%の可能性に賭けることをできないと思うことも理解できます。

しかし、もし被告が真に冤罪と戦う決意があるときには全面的にバックアップしてあげて下さい。それが被告当事者の利益だけではなく、日本の司法のためになるとご理解下さい。

そして、冤罪被害者が一番望んでいることは、一人でも多くの人に自分の無実を伝えることです。

私はツイッター、フェイスブック、ブログ、Youtubeといったソーシャル・ネットワーキング・サービスをフル活用していますが、これが諸刃の剣であり、むしろ当事者の生の声を発信することには否定的な方も多いと思います。私の弁護団も、現在でもそれを奨励しているわけではなく、いつもはらはらしながら黙認している状況です。それでも、なんとか冤罪被害者の声をより多くの人に届かせるよう努力して下さい。

多くの人の理解を得るためには、逆に被告の無見識な発言を抑えることも必要です。その時は、通訳となり代弁者となって冤罪被害者の声を発信して下さい。

郵便不正事件~陸山会事件捜査報告書捏造で、日本の司法の片輪である検察には、自浄能力がなく、国民の利益を代表していないことは明らかとなっています。この危機的状況を少しでも是正するために、冤罪と戦うことは避けて通れない状況です。今はそうした歴史的要請があることをご理解頂き、是非ご尽力下さい。

頑張って下さい。私は世の中の冤罪と戦う人々を応援します。

6/23/2012




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2012/06/22 Fri. 16:06 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (157) 「真実の前足(まえあし)後足(あとあし)」 6/22/2012 

#検察なう (157) 「真実の前足(まえあし)後足(あとあし)」 6/22/2012

事件において、容疑者が真犯人であるか否かを見極めるためには、容疑者の事件前後の行動をつぶさに検証して、事件との関連性を評価することが不可欠です。

テクニカルタームでは、容疑者の犯行前の行動を「前足(まえあし)」といい、犯行後の行動を「後足(あとあし)」といいます。

事件の当事者として容疑者をあてはめて考えるよりも、「前足」「後足」を見る方がより正しく判断できることは多いものです。

犯人ではないと取り繕っても、真実から犯人であることを示す「前足」「後足」を完全に消し去ることは不可能です。

また、犯人としてもっともらしく見えたとしても、「前足」「後足」を見ると犯人としては全く不合理な行動を取っていた場合、その容疑者は犯人ではないということが証明されます。

「前足」の一例には、それが殺人事件ならば凶器の準備が挙げられます。またそのほかの犯罪では、準備としての具体的な知識の取得が「前足」の一例として挙げられます。

例えば、FBIのブラックリストに載るのは簡単です。複数の図書館で、爆弾の製造法を書いた本を借りれば事足ります。これはFBIが爆弾犯の「前足」を重視して、事件を未然に防ごうとする努力です。

普通、人は知らないことの情報をどのように入手するのでしょうか。あるいはあるきっかけで知ったことの確認や、さらに詳しく調べるためにどのような行動を取るでしょうか。

それが例えば、「脱税の方法」だったらどうでしょうか。その情報の入手ルート、あるいはそれを知った後の情報の確認はどのようになるでしょうか。

私が会社から給与として支給された株式報酬を脱税できると認識していたと仮定します。

そうした場合には、何らかの方法でそれを確認し、周辺事実の情報を収集し、脱税ができるかどうかを検証するはずです。その方法には以下のものが考えられます。

1. 他人に尋ねる。特に、税務の専門的知識を持った者に、アドバイスを求める。
2. 関係図書を渉猟する。
3.インターネットで検索する。

1.に関しては、クレディ・スイスの元同僚・部下及び私の顧問税理士が徹底的に取調べを受けています。そして彼らの取調べの供述調書には、「八田が株式報酬を脱税しようと情報収集すべく聞きまわっていた」という証言は一切ありません。

2.に関してはどうでしょうか。私は、読んだ本のタイトル、読了年月日を全て備忘録に記録しており、国税局査察部はその情報を押収しています。そこでは脱税をしたと言われている2008年3月以前に、税務関係の読書歴が全くないことは明らかです。

家宅捜査では、パソコンや、プライベートなビデオ、写真、手紙等が押収されましたが、私の書庫に税金関係の本が一冊もないことを国税局捜査官は確認しているはずです。税務は私の関心事ではなかったので、合法節税指南本ですら一冊も持っていませんでした。

また、私は新刊本は、ほぼ100%アマゾンで購入しますが、国税局、検察は私のアマゾンの購入履歴も調べているはずです。勿論、税金関係の本の購入履歴はありません。

3.インターネットは知識の宝庫です。皆さんも何か知りたいことがあれば、まずインターネット検索される方が多いのではないでしょうか。押収されたパソコンの閲覧履歴を解析すれば、私が税金関係の閲覧を一切していないことは明らかです。

このように、脱税事件で重要とされるはずの「知識の獲得」という「前足」が全くないことは明らかです。

脱税事件での「後足」はどうでしょうか。

「故意の所得隠し」を、「悪質な脱税」として認定するための要件は仮装・隠蔽があることですが、それが脱税事件での「後足」に当たります。例えば資金を他人名義の口座に振り込んだり、ダミー会社を通して資金の流れを見えにくくしたりといったことが考えられます。

そして、国税局査察部、検察特捜部は、私の事案で、「後足」である仮装・隠蔽に関しては全く立証していません。検察の冒頭陳述においても言及すらされていないという状況です。

それは私が、脱税犯が取りうるであろう仮装・隠蔽を全く行っていないからです。それでよく「悪質な脱税」と事実認定できたものだと思います。

彼らも刑事事件のプロである以上、「前足」「後足」が全くない事件の容疑者が犯人とは思っていないはずです。それでも無理を通さなければいけない事情があり、その無理を通しても裁判所は見過ごしてくれるという見込みがあったものだと思われます。

我々弁護団は、彼らの起訴を「間違ってしたもの」ではなく、「無実と知りながらしたもの」と追求しています。それが公訴権濫用の訴えです。

検察の「裁判所・メディアは言いなり」という奢りには本当に辟易します。彼らがその奢りを悔い改めるまで、私を含む弁護団は正義を追求するつもりです。

引き続き応援お願いします。

6/22/2012



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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2012/06/21 Thu. 17:22 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう Tシャツ・プロジェクト (73) 

上野のパンダ(多分♂のリーリー) in #検察なう T-shirt (by 正義将棋)

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正義将棋さんのブログはこちら。

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上野動物園パンダの公式サイトはこちら。

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category: #検察なう Tシャツ・プロジェクト

2012/06/20 Wed. 13:29 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (156) 「小川前法相 vs 稲田法務省刑事局長 @参議院法務委員会」 6/20/2012 

#検察なう (156) 「小川前法相 vs 稲田法務省刑事局長 @参議院法務委員会」 6/20/2012

昨日、参議院法務委員会が開かれ、小川敏夫前法務大臣と稲田伸夫法務省刑事局長の答弁がありました。

答弁の焦点は、小川氏が解任直前に発言した指揮権発動検討に関わる田代検事報告書捏造の問題です。

新聞各紙に指揮権発言が「軽い」と一斉に叩かれた鬱憤を晴らすような実に小気味良い小川氏の追及でした。片や稲田法務省刑事局長の受け答えは「答えになってない!」と思わず画面に突っ込みを入れたくなるものです。

小川氏はつい2週間前までは法務省のトップだったわけですが、いかに法務省官僚が検察と一体化して大臣を無視していたかがうかがい知れるやり取りでした。

この件に関するツイートをトゥギャッタ―でまとめました。

ここをクリック→ 「小川前法相が田代検事の捜査報告書問題で法務省刑事局長を徹底追及」トゥギャッタ―

投稿以来16時間でアクセスは5800件を越えています(6/20/2012 7:00現在)。この件に関する国民の関心の高さを示すものです。

先の小川氏の指揮権発言では批判的であったメディアが、今後どのようにこの件を報道するのか非常に興味深いところです。小川氏と検察・法務省のどちらに分があるかは明らかなだけに、これ以上検察におもねる報道の姿勢は国民の信頼を裏切るものとして、報道機関としての自殺行為となるものです。

小川氏はかつて裁判官、検事を歴任した法律のスペシャリストです。検察は改革を彼が法務省のトップでいる間に進めるべきだったと思います。

この法務委員会の模様の動画はこちらです。是非ご覧になって下さい。

ここをクリック→ 「2012年6月19日参議院法務委員会 小川敏夫前法務大臣」

答弁の最後に小川氏は以下のように述べています。

「私は検察というのは国の柱、社会の柱だと思っています。正しい社会を構成する骨格だと思うんです。だから法務・検察は絶対に正しくなくてはいけない。

いやしくも証拠物を改竄するとか、嘘の捜査報告書を作成して裁判所あるいは検察審査会に提出するということがあっては絶対にならない。

検察の信頼を取り戻すためには、私は事実・原因をすべて明らかにして、その責任の所在も明らかにして、そして出直すことが最も必要だと思っています」

私も全く同意です。この問題に関しては国民全てが問題意識をもって注目すべきだと思います。

6/20/2012










法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―





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category: 刑事司法改革への道

2012/06/19 Tue. 14:14 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (155) 「東電OL殺人事件と証拠の評価」 6/19/2012 

#検察なう (155) 「東電OL殺人事件と証拠の評価」 6/19/2012

ある事実から導き出される結論は一つではありません。同じ証拠でも、見方を変えれば、その評価が全く正反対になることもしばしばあります。

東電OL殺人事件で、再審開始が東京高裁で決定し、それに対し検察が異議申し立てをしたことは記憶に新しいところです。

15年前の事件に関して、昨年行われたDNA鑑定が再審開始の決定打になったことは確かですが、検察が主張していたのは、「新証拠があってもこれまでの状況証拠から有罪は揺るがない」というものでした。

私はむしろ、新証拠以前の状況証拠でも無罪は揺るがないと思っています。この事件に関していくつかの鍵となる証拠を評価してみたいと思います。

1. 殺害現場に遺留されたコンドーム内の精子の経過日数

遺体は殺害後10日間を経過して発見されています。殺害現場の部屋のトイレに捨てられたコンドーム内の精子が、弁護側の主張する20日間以前のものであるか(ゴビンダさんは殺害当日以前に同室で被害者と性交渉をもったことを供述しています)、検察側の主張する10日間であるのか、科学鑑定の結果も分かれました。

精子は時間の経過と共に尾部が切れ消失してしまいます。弁護側の依拠する科学鑑定では、通常10日間で平均35%頭部と尾部が分離、20日間で平均80%が分離するとされました。発見されたコンドーム内の精子は、確認された200個の精子ほとんど全てが頭部だけになっていました。

検察の依拠する鑑定では、便器の中のような不衛生な環境では、短期間で頭部と尾部が分離する可能性もないとは言えないとされ、二審有罪判決ではその鑑定に基づく検察の主張が認められました。

精子はコンドーム内に残留しており、便器の中の水と触れることはなかったので、どこが「不衛生な環境」なんだろうとも思います。また、弁護側がその後ブルーレット水と混合した実験でも、頭部と尾部が早期に分離するという結果は得られませんでした。

検察の依拠する鑑定は、類推に基づく全く非科学的なものだと言えます。

ここをクリック→ 「裁判官の無知に警鐘 法医学の押田教授」

しかし、私は、この精子の経過日数が10日間だろうが、20日間以上だろうが、問題ではないと思います。

「ゴビンダさんの精子がはいったコンドームがトイレに残留されている」という事実自体が、ゴビンダさんの無実を示すものだからです。

遺体発見時に、部屋の中からコンドームの外袋は発見されていません。検察の主張は、犯人が証拠隠滅のため持ち去ったとしています。そのような周到な犯人が、なぜ自分のDNAを含む精子の入ったコンドームを殺害現場に残していくのでしょうか。証拠隠滅にはトイレを流せばいいだけです。

2.殺害現場の鍵を返した日付

ゴビンダさんの主張では、鍵を殺害当日以前に、部屋のオーナーに返すよう友人に委ねています。

鍵を返された部屋のオーナーは、当初、誰からいつ返してもらったか記憶がないとしていながら、その後の供述変遷で、殺害当日以降にゴビンダさんから返してもらったと証言します。鍵の返還を仲介された友人も、警察による執拗な取調べと利益供与により、一旦は殺害当日以降にゴビンダさんが鍵を返したと供述します。

検察の「殺害当日、部屋の鍵はゴビンダが所持しており、ほかの誰もその部屋に入ることができなかった」という主張を、二審の有罪判決では重要な証拠として認めています。

しかし、私は、鍵を(友人に)返した日付が殺害当日の前であろうが、後であろうが、問題ではないと思います。

「ゴビンダさんが鍵を返した」という事実自体が、ゴビンダさんの無実を示すものだからです。

まず、ゴビンダさんは、「以前に使った時に再度使うことを想定して、部屋の鍵をかけなかった」と証言しています(遺体発見時に部屋の鍵は開いていました)。

もしゴビンダさんの証言通り、以前から鍵が開いていたのであれば、誰でも部屋に入れるので、鍵を返すタイミングは問題となりません。そして、この証言が偽証でない理由は、もし偽証であれば、それは「鍵は殺害当日以前に返却した」+「鍵は掛けていた」=「自分は入れなかった」という、自分が殺害できない状況を作らなければ意味がないからです。

「鍵をかけていない」という証言は、鍵がなくても誰でも入れる状況を指していますから、わざわざ「鍵は殺害当日以前に返却した」と「偽証」することとは矛盾しています。

そして更に私が重視するのは、殺害現場から5Mと離れていないアパートに暮らしていたゴビンダさんが、わざわざ鍵を返したのは、もし犯人であればありえない行動だという点です。これは鍵を返したのがいつかということは関係ありません。鍵の返却が、たとえ検察が主張する殺害当日以降であったとしても、遺体がいつ何時見つかもしれないという状況の中で10日近く、ゴビンダさんは逃亡することなく、普段と同じ生活をしていたことはあまりに不自然です。

3.被害者のハンドバッグの取っ手についたB型皮膚片

被害者のハンドバッグは遺体が発見された時、取っ手が引きちぎられた状態で発見されました。犯行に際し、犯人は約4万円を盗んだとされていますが、その時に揉み合い、取っ手が引きちぎられたものだと思われます。

この取っ手には血液型B型の皮膚片が検出され、検察はこれをゴビンダさんの皮膚片だと主張しています(弁護側のDNA型鑑定では不一致とされましたが、それは証拠採用されませんでした)。

しかし、私は、ハンドバッグの取っ手についた皮膚片が誰のものであろうが、問題ではないと思います。

「ハンドバッグを取ろうと犯人が争った」という事実自体が、ゴビンダさんの無実を示すものだからです。

被害者は、ゴビンダさんと以前から顔見知りでした。ゴビンダさんの住んでいる部屋でも以前に性交渉を行っていることから、彼の住んでいる場所も被害者は知っていました。その顔見知りの被害者からハンドバッグを盗んで、どう逃げおおせるというのでしょう。そして、もし初めから殺害するつもりなら、ハンドバッグを奪うために争う必要もありません。

これは顔見知りの犯行ではなく、一見の流しの犯行であることを示すものです。

このように、裁判で真偽が争われている証拠でも、見方を変えると全く違う側面を見せてくれます。そしてより真実に近い評価に必要とされるのは、日常的な感覚、常識というものです。どうも検察や裁判官というのは、そうした我々一般人が持っている日常の感覚、常識を持ち合わせていないのではないかと思わせます。

証拠の評価という点に関して、私の事件に関しても例を挙げます。

私の初公判の後、記者会見の機会を持ちました。その時、参加された記者の多くは以前から私の事件をフォローされていたため、冒頭陳述での検察の主張や弁護側の主張にそれ程目新しいものはありませんでした。

しかしその中で、TV局記者の方(今回のゴビンダさんの報道でもよくお見かけしました)が検察の冒頭陳述に引っ掛かるところがあって、ある質問をしました。

その部分とは、「被告人は、元クレディ・スイス証券社員である知人に対し、調査開始直後、『俺の場合海外アカウントの利子収入とかに課税されると痛い』など記載したメールを送付した」というものです。

税務調査開始は2008年11月6日でしたが、検察の意図は、そのわずか2日後のメールの記述を引用して、脱税の故意があったかのように印象付けたかったのだと思います。

その記者の質問に私が答えたのは、「検察が証拠として指摘したそのメールこそが、私が株式報酬を故意に過少申告したのではない確たる証拠です」ということでした。

私は、税務調査が入ったことで、もし自分の申告に不備があったのであれば自ら訂正しようと、過去の申告をチェックしました。そこで申告漏れの可能性が見つかったのが、このメールにある海外口座で保有していた米国債の利子収入でした。国内金融機関で同じ商品を保有していた場合、分離課税で源泉徴収されますが、私は海外口座でも同じ扱いだと思っていたものです。しかし実際には、その利子収入は源泉徴収されていませんでした。これは税務に関する知識でもかなりハイレベルなもので、税務に無頓着な私が知るところではありませんでした。この数百万の収入に対する税金を「痛い」と言ったものです。

これはまさに税務調査開始当初には、3億5000万円の株式報酬に関する過少申告を全く認識していないことの証明です。

このように同じ証拠を取り上げても評価は全く異なるものですが、並べてみるとどちらが真実に近いかは自ずと分かるものです。真実に近い評価は、やはり説得力という点で圧倒的に他方を凌駕しています。こじつけは所詮こじつけにしか過ぎません。

「起訴をする」と決めたものに関してはとにかく黒く塗りつぶすということが自分たちの責任であると、検察は大きな勘違いをしています。これが日本の最強捜査権力のモラルかと思うと、国民として全く嘆かわしい限りだと言わざるをえません。彼らがそれは大きな間違いであると気付いて自ら正すまで、我々は訴え続けるしかないと思っています。諦めるのは簡単ですが、諦めてしまっては何も変わりません。

6/19/2012

P.S.
東電OL事件の捜査に関して、私が思うところを更に付け加えます。

再審開始の決定打となったDNA鑑定(被害者の膣内に残された精液と部屋に残された陰毛、更に被害者のコートに付着した血液及び被害者の胸に付着した唾液のDNAが一致)をなぜ捜査当初しなかったのか、捜査の杜撰さが指摘されています。

その言い訳として、殺害当日に性交渉をもった常連客の血液型がO型で、彼が「コンドームを付けずに性交渉をもった」と証言したため、被害者の膣内に残された精液はその常連客のものと思い込んだという説明がされています。

私は、この常連客の証言はかなりの確度で偽証であり、その偽証は警察の強要・教唆によってなされたものと思っています。

被害者の膣内に残された精液は複数人のものではなく、一人のものです。そうすると、常連客以外の精液が見つかった事実と常連客の「コンドームを付けずに性交渉をもった」という証言とは矛盾します。

そもそも、殺害現場のトイレに捨てられたコンドームの中の精液のDNA鑑定までしていながら、一番重要な、犯人に直結する膣内の精液のDNA鑑定をしなかったというのは余りにも不自然です。

つまり警察・検察は過ちでDNA鑑定をしなかったのではなく、精液の血液型がO型であることを判別した段階で、精液が常連客のものであるというストーリーを作って、彼にそうした証言をさせ、故意にDNA鑑定をしなかったのだと思います。

これはゴビンダさんを初めから犯人と決め付け、それ以外の証拠を全て排除する捜査がなされたことを物語っています。これがネパール国籍の不法滞在者に対する差別によって生み出されたことであることは言うまでもありません。

私は自分の経験から、検察が優秀な集団であることは身に沁みて理解しています。その優秀な集団が、東電OL事件の証拠の評価に関して、私と同じ結論に至らないわけがありません。それでも自ら過ちを正すことなく、再審決定に対し異議申し立てをするという悪質さには本当に憤りを感じます。




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category: 東電OL殺人事件

2012/06/18 Mon. 18:27 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (154) 「雪冤グッズ」 6/18/2012 

#検察なう (154) 「雪冤グッズ」 6/18/2012

「雪冤(せつえん)」という言葉は、あまり一般生活では使われない言葉かもしれません。

これは「冤罪を雪ぐ(『すすぐ』あるいは『そそぐ』)」、無実の罪を晴らして汚名を除き払うことの意味です。

私の雪冤グッズを紹介します。

まずは「雪冤手拭い」。布川事件の再審無罪を祝して作られたもので、和柄がかなりインパクトあります。


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こんな風に壁に飾っています。

CIMG4485.jpg

同じく布川事件つながりで、井手洋子監督著の「ショージとタカオ」。杉山卓男さんと桜井昌司さんにサインをもらいました。

こちらは杉山卓男さんサイン。


CIMG4487.jpg

こちらは桜井昌司さんサイン。「真実を語れば歌、真実を書けば詩」いい言葉です。

CIMG4488.jpg

本の中には井手監督のサインももらいました。

私はおばあちゃんっ子だったのですが、井手監督は私のおばあちゃんに雰囲気が似てるんですよね。彼女は大正のハイカラ娘でした。まだ海外旅行が一般的でなかった頃から(ドルが360円の時代です)、一人でツアーに参加して海外をよく旅行してました。多分、現地人か旅行客なんでしょう、外人に囲まれた記念写真を撮るのが好きだったようで、そうした写真を覚えています。昔の人でしたから。

こちらは逮捕除けに効果があった、お袋が縫った座布団。拘置所では立ったり、寝転んだりという自由がなくて、ずっと座ってないといけないらしいのですが、煎餅座布団だと辛かろうと縫ってくれました。検察の取調べには毎回持って行きました。告発が2月と寒い時期だったので、ツイードの生地ですが、取調べが始まったのが19ヶ月後の翌年9月。逮捕されていたら、かなり季節感のずれたものでした。これにより「奇跡的に」逮捕・勾留されることはありませんでした。


CIMG4490.jpg

これは友人にもらった携帯ストラップのパワーストーン。特捜部の取調べの時は、携帯は電源を切って離れたところに置いていたので、これはポケットに入れていました。

CIMG4491.jpg

これはお守り。「豚」ではありません。「勝」です。

CIMG4492.jpg

ちなみに私は全くの不信心で、神頼みは一切しません。神社に行っても柏手も打たなければ、賽銭も出さないし。占いも全く信用せず。

最後はストレス・スクイーズ・トイ。前回の日本帰国時に、海外の友人のお土産でもらいました。「こなくそっ!」という時に真価を発揮しそうです。

stress-paul.jpg


これらのグッズは心の「レッドブル」みたいなもんなんですね。疲れた時に飲んで、ちょっと気分がアゲるってところでしょうか。

6/18/2012




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2012/06/17 Sun. 15:15 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう Tシャツ・プロジェクト (72) 

風太君 in #検察なう T-shirt (by 正義将棋)

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「風太君」は千葉地検の広報キャラクターです(レッサーパンダ。最初アライグマかと思いました)。

ゆるキャラブームで、各地検・高検もキャラクターを作っていますが、強面の検察のイメージとは程遠く、「無理してるなあ」という感があります。

全国の検察広報キャラクターはこちら。

ここをクリック→ 検察庁広報キャラクター

千葉地検の風太君は、どうも裁判員制度の宣伝担当のようですが、「レッツ・サー・イー・バンダ!!」という掛け声は全く理解不可能です(と、書いた後で気付きました「レッツ裁判だ!!」とレッサーパンダを掛けてるんですね。うー、さむ)。

個人的には仙台高検の「赤オニ コンパスちゃん」が刺さります。

キャラ設定も
「オニは、誰かに伝える「こころ」を持っていないので、話すことができません。でも、人間になるという夢をかなえるため、『こころ』の声に耳を傾けながら、真実を探している途中です。くじけることもあるけれど、一生懸命なコンパスちゃん。
あなたの心の中にも、きっとコンパスちゃんがいるはずです。一緒に真実を探してあげてください。」
とシュールで、迷走中の検察のイメージにも合うものかと思います。彼ら(東京特捜部)が真実を見つけることを願っています。

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かなり適当なキャラもいて(鹿児島地検の「センパイ」とか神戸地検の「コウちゃん」とか)笑えますので、是非ご覧になって下さい。





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2012/06/16 Sat. 14:42 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (153) 「裁判所速記官」 6/16/2012 

#検察なう (153) 「裁判所速記官」 6/16/2012

公判を傍聴した方から様々なフィードバックをもらいます。参考になる意見も多く、弁護士共々非常に喜んでいます。

第三回公判のフィードバックの中で、複数あったコメントが「小松弁護士の声が聞き取りにくかった」というものです。

初公判のときには、傍聴人無視で長広舌をふるった検事に対し、「傍聴人に配慮があった」と評された小松弁護士がどうした?と思ったものです。

本人に聞いたところ「あー、そうでしたか。すみません。速記官に顔を向けて話していたものですから、傍聴人は聞きづらかったかもしれませんね」とのこと。

第三回公判では証人尋問が行われましたが、前2回の公判と異なったのは、裁判記録が裁判所速記官によって行われたことです。

裁判所速記官というのは馴染みの薄い職業なのですが、調べてみると超ディープな世界でした。

まず速記というものがどのようになされるかご覧下さい。

ここをクリック→ 速記単語帳

録音を書き起こす反訳と比較すると、速記は「早くて正確」というものです。特に今は「はやとくん」というシステムが開発されて、速記と同時に通常の言葉に書き換えることができ、例えば会話の文字字幕を同時進行でつけることもできるそうです。耳の聞こえない方にとっては、すばらしいテクノロジーの進歩です。

裁判記録の場合、速記では当日内にできるものが、録音の反訳ですと、どんなに急いでも3日(通常1週間から10日)はかかるようです。

また正確度も高く、速記官はよくある言い間違いを正しく書き取る訓練もされています。

例えば、「眉間にしわを寄せる」の読みで「『こかん』にしわを寄せる」と言い間違えても、速記官は「股間にしわを寄せる」とは書かずに、正しく「眉間」と書いてくれます。

また「せいかんたいいしょく」と言い間違えた場合、録音の反訳だと「性感帯移植」とされますが、速記官は「生体肝移植」と正しく書きます。

公判に臨んでは、基本的な裁判知識のほかに、事件に関する情報も裁判所書記官からブリーフィングを受けているようです。速記官のために、小松弁護士は「語彙集」を作成して事前に手渡していました。「しーえすえふびー」とか「ますたー・しぇあ・ぷらん」とか「こんぺんせーしょん・こみってぃー」とか横文字が多いので、聞き取れないことがあると困ると思ったものです。

彼ら速記官は、耳で聞きとることの補助として口の動きを見ているらしく(読唇術の要領ですね)、小松弁護士は彼らに口元を見せるように話していたため、傍聴人には聞きとりずらいものとなったようです。

速記官は相当集中力が必要とされるのでしょう。二時間の第三回公判でも、2回交代で3人の速記官が記録を取っていました。

公判が終わってから、一台4-50万円(しかも自費購入らしい)するという速記タイプライターを見せてもらったのですが、キーがすごく少なくて(15-20程度)、どうしてこれで一字一句打てるんだろうと思ったものです。また公判中も音がしないので、傍聴人の中には彼らの存在を気付いていない人も多いのではないかと思います。

このような特殊技能をもった裁判所速記官ですが、実は新規の採用がなく、絶滅危惧種らしいです。

依然、世界の同じような場面では、人間の優れた能力に頼るところが多く、速記官の活躍の場は多いのですが、日本の裁判の世界では、1997年に最高裁が速記官の新規養成の停止を決定した結果、その当時800人以上いた裁判所速記官は、現在ではその1/3にまで減っているそうです。

いろいろ改革すべき点が多い日本の制度で、しなくてもいい変更が行われ、実態にそぐわなくてもそのままという例のような気がします。

速記官は、重要な公判の時に登場しますので、今後、私の公判傍聴の時に彼らの活躍にも是非ご注目下さい。

ここをクリック→ 「裁判員制度を支える速記官~充実した評議のために」(約13分)

P.S.
日本音楽界の至宝「教授」のメッセージです。私もあきらめずに頑張ろうと思います。

ここをクリック→ 坂本龍一メッセージ

6/16/2012



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2012/06/15 Fri. 16:33 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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#検察なう (152) 「再考・小川前法相指揮権発言」 6/15/2012 

#検察なう (152) 「再考・小川前法相指揮権発言」 6/15/2012

「指揮権」というと何やら仰々しい響きがあり、政治に疎い一般人には最初から「無理っ!」と理解を放棄させるものです。ただ、非常に重要な問題ですので、一人でも多くの方にご理解頂き、問題意識を持ってもらいたいと思い、なるべく分かりやすく説明したいと思います。

まず検察と法務省の関係が常人の理解を越えています。

法務省の内部部局に刑事局というところがあり、その仕事は「検察権の行使についての指揮監督に関する事務」をするとあります。つまり、制度上は、検察は法務省外局であり、上下関係は法務省の方が検察より偉いというもののように見えます。ところが法務官僚は要所を全て検事が占めており、「検察ワールド」のトップは、法務官僚トップの事務次官でもなければ、その上の法務大臣でもなく、実は法務省外局にすぎない検察庁トップの検事総長というのが実態です。

つまり検察という組織は、独立国家のような体をなしており、その強大な権力に歯止めをかけるのは簡単なことではありません。

そのために規定されているのが、法務大臣に与えられた「指揮権」なのですが、その規定自体はそれほど仰々しいものではありません。検察庁法第14条には

「法務大臣は、第4条及び第6条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」

とあるだけです。法務大臣に認められた、検察を「指揮監督する権利」という実に普通の権利をいかめしいものにしているのは、その歴史的経緯であり(しかもそれは誤った認識というのは以前のブログで紹介したところです)、本来はもっと機能的に活用されるべきものです。

ここをクリック→ #検察なう (145) 「小川前法相の指揮権発動検討は歴史的大ニュース」

小川前法相の「指揮権発動の検討」発言に戻ります。

例えば、企業監査をする独占企業があったとします。「監査」ですから、いろいろな会社が、正しく法にのっとって活動しているか、ちゃんと企業規定を順守しているか、ということをチェックするものです。

この企業の社長は雇われ社長で、何年かに一度首のすげ替えが行われます。とはいっても社長ですから、会社のやることに口出しすることができます。しかし、それは社内規定で「個々の事案に対しては口出しすべからず。叩き上げの会社ナンバー2の常務にだけ意見することができる」とされています。

なぜこの社長の、社長であれば当然ともいえるような権利が、抑制的に扱われなければいけないかといいますと、ある会社の監査をしようとしていたところ、その会社からこの社長に「ちょっと監査に手心を加えて頂けませんか」と袖の下が渡されたような場合、「この会社の監査をしちゃいかん」と社長に言わせないためにあるものです。

小川前法相の指揮権の発動に関して、「政治の不当介入」という指揮権発動に伴うよくある批判が全く失当なのは、例えて言えば、この社長の指揮監督の対象が、外部のクライアントに関する監査ではないからです。

田代検事の報告書捏造で起こっている問題は、この監査をする独占企業の内部不祥事の問題のようなものです。そこでその独占企業社長が、「外部監査を専門でやる独占企業が、自ら不祥事をしちゃいかんだろ。しかもそれをきちんと処理して、再発防止に努めるどころか、問題を隠蔽しようとしとるじゃないか。全くけしからん!」と、彼に認められている指揮監督の権利を遂行しようと検討した、と発言したものです。

先に述べたように、独占国家検察を制度上抑制できるのは、この法務大臣の指揮権のみです。一番検察に近く唯一権限を持った者がその権限を遂行するというのは、相当重大なことです。

その割にこの問題が大きく取り上げられてないように思うのはなぜか。それは小川前法相の発言が、既存メディアから一斉にシャットアウトされたからです。新聞各紙の社説では判を押したように、小川前法相の発言を軽率であると「軽い」という言葉を使って断じています。

この小川前法相発言においては、検察のメディア・コントロールが実に効を奏したケース・スタディとなるものだと思っています。

「記者クラブ vs それ以外のメディア」と二項対立的に考えるのは、若干時代遅れだと感じていますが、こと検察批判をタブー視することに関しては、依然、既存メディアはその姿勢を変えていないようです。

それに関して、江川紹子氏が週刊朝日今週号掲載の「小川前法相 指揮権発動発言バッシング報道にもの申す」で痛烈に批判しています。

その記事で掲載された小川前法相のインタビューこそ大きく報じられるべきものです。

「大阪地検の証拠改ざんは、元検事一人でやった。でも、今回は、間違いなく田代検事個人の問題ではない。裁判所も(小沢裁判での証拠決定の中で)『組織的な関与が疑われる』と言っています。裁判所がここまで言うことは、めったにありませんよ。検察の体質にかかわる、根が深い、深刻な問題です。だからこそ(検察は)逃げているんですよ」

江川氏も同様の問題意識を持って、この田代検事報告書捏造の問題を捉えています。

「これで本当に自らその体質を変えていけるのか。事件を田代検事一人の問題に矮小化させ、メディアを使って自分たちの方針通りの事前広報をさせる、といった従来型のやり方を見ていると、期待は持てない。」

そして江川氏は論評をこう結んでいます。

「話を聞く限り、小川氏の決意は、決して新聞各紙が非難するような、思いつきの軽々しいものとは思えない。検察改革は国民の重大関心事でもある。大手メディアは、国民と、今の検察組織と、いったいどちらの報道を向いているのか。」

今でも新聞・テレビで報道されていることが絶対正しいと思っている人は少なからずいます。多分、ほとんどの人がそうかもしれません。そうした報道を「鵜呑みにするな」というのは、現代社会では悲しいことのような気がします。戦時下の翼賛報道機関ではないのですから。ただ、受け手はどのような時代・状況でも批判精神を持つことは必要だということは肝に銘じておく必要があります。

Yahoo! 政治クローズアップのコーナーで、この問題に関して「識者の見方」が掲載されています。私のブログも末席に紹介されました。この「識者」がどのような見方をしているか、是非比較検討してみて下さい。

ここをクリック→ 政治クローズアップ「小川氏前法相、指揮権発言の真意は」

6/15/2012




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2012/06/14 Thu. 17:42 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう Tシャツ・プロジェクト (71) 

エヴァ初号機 in #検察なう T-shirt 「残酷な検察のテーゼ」 (by 高杉ナツメ)

エヴァ


「新世紀エヴァンゲリオン」オープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」、1分3秒あたりにご注目下さい。

ここをクリック→ 「残酷な天使のテーゼ」(歌 高橋洋子)





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2012/06/13 Wed. 13:59 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (151) 「第三回公判まとめ」 6/13/2012 

#検察なう (151) 「第三回公判まとめ」 6/13/2012

6/8に行われた第三回公判に関してのブログをまとめました。


第三回公判を終えてのブログ。

ここをクリック→ #検察なう (147) 「「第三回公判 検察の主張崩れる!」


第三回公判に関する一連のツイッター。

ここをクリック→ 第三回公判 トゥギャッタ―


高杉ナツメ氏による第三回公判法廷画。

ここをクリック→ 第三回公判 法廷画


第三回公判ドキュメンタリー・ビデオ。

ここをクリック→ 第三回公判 ドキュメンタリー・ビデオ

傍聴された方のツイートでも指摘されているように、検察の主張が空疎であるのは、事実でないことを無理に取り繕っているから。ほとんどの傍聴人はそのことを看破しています。逆に、真実を味方につけた弁護側の主張は力強く聞こえたのだと思います。

先日頂いた応援メッセージの中の結びとして、こうありました。

「私自身は5歳になる娘が一人いますが、娘がこれから歩んでゆく社会が少しでも安心して歩めるものになってほしい、正しいことを正しいといえて適切に判断される社会であってほしいと切に願っています。」

私も全く同じことを考えています。

私がこれまで何度も言ってきたように、検察が正しくあることが法治国家としての基礎であり、国民全体の利益につながります。ところが郵便不正事件での国民批判がよほど堪えたのか、大阪特捜部で起こったことが東京特捜部でも起こったらたまらんとばかり、陸山会事件での報告書捏造では、メディアを利用して事実を矮小化し、事件性のなさを既成事実化しようとしています。

これでは検察に自浄能力なしと、小川前法務大臣が指揮権発動というぎりぎりの決断を考慮するのもやむなしというものです。これに対する検察の意向を踏まえた記事を掲載したメディアに対しお灸をすえる、昨日発売の週刊朝日の江川紹子氏による「小川前法相 指揮権発動発言バッシング報道にもの申す」は秀逸な論評です。是非お読み下さい。

私の事件でも、検察の恣意的な権力濫用は国民の利益を損なうものとしてそれを強く批判し、一層の情報拡散を願っています。是非ご協力下さい。いつも応援ありがとうございます。

6/13/2011







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2012/06/12 Tue. 13:44 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (150) 「第三回公判 ドキュメンタリー・ビデオ」 6/12/2012 

#検察なう (150) 「第三回公判 ドキュメンタリー・ビデオ」 6/12/2012

大好評のトゥギャッター、法廷画に続き、こちらも前回公判で好評であったドキュメンタリー・ビデオを、「チーム八田」のビデオ班が作成しました。

ここをクリック→ 第三回公判 ドキュメンタリー・ビデオ

前回のビデオはこちら。

ここをクリック→ 第二回公判 ドキュメンタリー・ビデオ

まさに冤罪現在進行形の実況中継です。是非ご覧になって下さい。

6/12/2012








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2012/06/11 Mon. 14:37 [edit]   TB: 1 | CM: 2

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#検察なう (149) 「第三回公判法廷画 高杉ナツメ・アゲイン」 6/11/2012 

#検察なう (149) 「第三回公判法廷画 高杉ナツメ・アゲイン」 6/11/2012

昨日のトゥギャッタ―に続き、こちらも公判の恒例、高杉ナツメ氏による法廷画です。是非ご鑑賞下さい(「鑑賞」というほどでもないか)。

ここをクリック→ 第三回公判法廷画

ここをクリック→ 高杉ナツメ Wikipedia

これまでの彼女の作品も合わせてご覧下さい。

ここをクリック→ 第二回公判法廷画

ここをクリック→ 第45回 日本の司法を正す会

彼女も「チーム八田」の重要な戦力です。

6/11/2012








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2012/06/10 Sun. 14:44 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう (148) 「第三回公判 トゥギャッタ―」 6/10/2012 

#検察なう (148) 「第三回公判 トゥギャッタ―」 6/10/2012

恒例のトゥギャッタ―で第三回公判を振り返ってみます。

ここをクリック→ 第三回公判 トゥギャッタ―

私の公判は参加型イベントです。次回以降も是非傍聴頂き、情報拡散にご協力下さい。より多くの人が「こうして冤罪はつくられる」というショ―を最前列でご覧になることを望みます。

日本の司法が正しくあらんことを切に願っています(注:検察は行政ですが、起訴猶予の権限+刑事裁判の有罪率99.9%を合わせると実に司法的な機関であることは言うまでもありません。日本の司法が「検察による一審制」と化している現状を我々は認識し、正しく批判・監視すべきです)。

過去のトゥギャッタ―もご覧下さい。

ここをクリック→ 検察取調べ トゥギャッタ―

ここをクリック→ 初公判 トゥギャッタ―

ここをクリック→ 第二回公判 トゥギャッタ―

6/10/2012










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2012/06/09 Sat. 14:05 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (147) 「第三回公判報告 検察の主張崩れる!」 6/8/2012 

#検察なう (147) 「第三回公判報告 検察の主張崩れる!」 6/8/2012

本日、第三回公判が行われました。

今回も沢山の方に傍聴に来て頂きありがとうございました。傍聴席には映画『ショージとタカオ』監督の井手洋子さんの顔もあり、感激しました(「今時、流行るもの、パンダ、スカイツリー、映画『ショージとタカオ』」)。

本日は検察側証人尋問が行われました(元々検察側証人ですが、反対尋問の範囲が主尋問に制限されるのを避けるため、双方申請しています←業務連絡でした)。

証人は、クレディ・スイス証券で法務部とコンプライアンス部を統括する本部長です。

その尋問において、検察主張の根幹である「会社は十分な指導をしていた」というストーリーは完全に崩れました。

まず検察による主尋問。傍聴の方々のツイートでも言われた「突っ込みどころ満載」の尋問は、私の故意の立証とはほど遠い、証人自身の確定申告に関する認識に終始して、「だから何が言いたいねん」という感じでした。

傍聴に来てくれた知人のブログです。彼も同じように感じたものです。

ここをクリック→ 鈴木ひとし氏ブログ

その後、弁護側の反対尋問に移りました。

弁護人(以下「弁」) 「平成18年、19年当時、クレディ・スイス証券において、株式報酬に関する従業員の税務申告について、指導は行っていましたか」

証人(以下「証」) 「いいえ」

弁 「説明会についてお聞きします。端的にお聞きしますが、この説明会は株式報酬の税務申告についての説明会だったのですか、それともマスターシェアプラン一般についての説明会だったのですか」

証 「税務申告についての説明会ではありませんでした」

弁 「メモランダム(注:株式入庫通知)についてお聞きします。このメモランダムには会社に源泉徴収義務がないことは記載されていますが、会社が実際に源泉徴収しているか否かについては記載されていますか」

証 「記載されていません」

弁 「平成20年11月の一斉税務調査後のことについてお聞きします。税務申告について指導はどのようなことをしましたか」

証 「専門家を招いて株式報酬の税務申告について英語・日本語の両方で説明会を開催しました」

弁 「平成22年度以降は如何でしょうか」

証 「平成22年度以降は、株式報酬についても源泉徴収を行うようになりました」

弁 「いくら説明したり研修したりしても、うっかり申告漏れする従業員がいるかもしれないということでしょうか」

証 「はい」

会社の主張を要約すると、「従業員の納税について会社は指導をしていなかった。しかし、集団申告漏れの事件を受けて、従業員を申告漏れから守り、会社のレピュテーションを守るため、その後は徹底指導を行い、さらに現在では万全を期すために株式報酬の源泉徴収まで行っている」というものでした。それはまさに正論であると思います。

弁護側の反対尋問を受けた検察の再主尋問のやり取りはさらに興味深いものでした。

検察官「あなたは平成18年、平成19年当時、株式報酬について源泉徴収をするべきと思っていましたか。」

証 「私個人としては源泉徴収をするべきと思っていました。」

私の告発時の報道にあった「会社は指導をしていた」というのは誤報であることが今回明らかになりましたが、この誤報に沿った形で検察がストーリーを作り上げたものです。検察によるストーリー作りは、関係者の供述調書や捜査報告書を、検察ストーリーに合わせて作成することにより具体化、肉付けされ、見かけ上は真実らしさをまとっていきますが、尋問によって法廷で真実が語られると、その化けの皮がはがれてしまいます。郵便不正事件で、検察のストーリーが崩れた構図が、そのまま繰り返されたようなものです。

本日の証言により、検察が冒頭陳述によって語った彼らのストーリーは完全に崩されました。あと検察側の証人予定は、シンガポールの経理部の者ですが、この証人尋問によって彼らの主張せんとする事実は些末なものです。その証拠価値は検察の期待値としても「くもの糸」のようなものです。

しかし我々は、この期に及んでも検察が諦めるとは思っていません。そもそもの無理筋を押し通そうとしたことには、「裁判所は所詮検察の言いなり」という彼らの奢りがあるからです。刑事裁判の有罪率99.9%が既成事実としてある限り、彼らはどんな無理難題を裁判所に吹っ掛けてもそれがまかり通ると信じているものです。

今後の公判において我々弁護団は、無実の人間を起訴したことの罪を検察組織が認識し反省してもらうまで、彼らの主張を正々堂々と正論で潰していくつもりです。供述調書や捜査報告書を恣意的に作成して起訴すれば必ず有罪にできるという彼らの奢りを諫めて、彼らに本来あるべき正義を取り戻してもらうべく、気を引き締めて戦い続けます。

引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

6/8/2012








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2012/06/08 Fri. 07:36 [edit]   TB: 1 | CM: 1

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#検察なう Tシャツ・プロジェクト (70) 

盟友 高杉ナツメ(=法廷マンガ家) in #検察なう T-shirt

高杉ナツメ




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2012/06/07 Thu. 13:20 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (146) 「イノセンス・プロジェクト」 6/7/2012 

#検察なう (146) 「イノセンス・プロジェクト」 6/7/2012

皆さんは「イノセンス・プロジェクト」をご存知でしょうか。イノセンス・プロジェクトとは、DNA型鑑定によって冤罪証明を行うアメリカの非営利活動機関です。

ここをクリック→イノセンス・プロジェクト・ホームページ

1992年にイェシーバー大学法学部の活動として開始した後、非営利機関として独立しました。その活動は、単なる学究的なものではなく、実際に冤罪被害者の救済に役立ち、活動開始以来292人もの冤罪被害者を救っています(2012年6月現在)。

その292人の釈放までの平均収監期間は13年。合計すると実にのべ3800年もの間、無辜の人が投獄されていたことになります。そして救われた292人の中には17人の元死刑囚も含まれています。

冤罪の被害は、勿論冤罪被害者に直接及びますが、真の犯罪者を取り逃がすということから、間接的には、元々の事件の被害者も冤罪の被害を受けるとも言え、社会全体に影響を及ぼすものです。

「犯人がつかまったから、それで事件の幕引きが出来る」という安易なものでは到底あり得ないということです。

イノセンス・プロジェクトで冤罪を証明されたケースでは、その後実に40%もの事例で真犯人が捕まっています。冤罪の実証が、真犯人追求の第一歩であることは明らかです。

先日読んだ『なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する』でも、自白偏重の捜査は危険であることの警鐘が鳴らされていました。

ここをクリック→『なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する』

6/7/2012





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2012/06/06 Wed. 15:15 [edit]   TB: 1 | CM: 0

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#検察なう Tシャツ・プロジェクト (69)  

#検察なう T-shirt @トロント CNタワー (by H.P ♀)

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2012/06/05 Tue. 13:35 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (145) 「小川前法相の指揮権発動検討は歴史的大ニュース」 6/5/2012 

#検察なう (145) 「小川前法相の指揮権発動検討は歴史的大ニュース」 6/5/2012

昨日、野田再改造内閣が発足しました。それに伴い退任した小川敏夫前法務大臣が、陸山会事件をめぐる虚偽捜査報告書の問題で検察の捜査を徹底させるため、検事総長に対する指揮権発動を野田首相に相談していたことを会見で明らかにしました。

これは指揮権の意義を考える限り、退任後とはいえ前法相がその発動の可能性があったとコメントすることは、歴史的な大ニュースと言えるものです。

まず、確認すべきは、過去に一度だけ行われた指揮権発動の歴史的評価が誤った認識であることです。

一般には、1954年の造船疑獄事件における指揮権発動において、「政治の圧力」によって「検察の正義」が阻まれたという印象が国民に誤って植え付けられ、以降、指揮権発動は事実上封印されています。

しかし、そこには重大な誤謬があります。私の私淑する郷原信郎氏も、彼の著書「組織の思考が止まるとき」で以下のように述べています(ちなみにこの書は検察関連本では、最良の書だと思います)。

「この造船疑獄での検察捜査は、『暴走』に近いもので、佐藤栄作自由党幹事長の逮捕を延期させた犬養法務大臣の指揮権発動は、捜査に行き詰った検察側が『名誉ある撤退』をするために、吉田茂首相側に持ちかけた『策略』だったとの見解が、有力になっている(『歪んだ正義』宮本雅史2003年、『指揮権発動』渡邉文幸2005年)。」

また2006年6月14日付朝日新聞夕刊の「(ニッポン人脈記)秋霜烈日のバッジ」では、当時東京地検特捜副部長だった神谷尚男氏の「あのままでは佐藤を起訴するだけの証拠がなかった」との証言や、当時、捜査を担当した検事栗本六郎氏の「捜査は行き詰まっていた。指揮権発動を聞き、事件がストップして正直ほっとした」という証言のほか、「日本の検察には『正義の特捜』対『巨悪の政界』という単純化された構図による呪縛と幻想がある」との渡邉氏の指摘も紹介されています。

造船疑獄における指揮権発動が検察側の策略によるものだったことは、ほとんど疑う余地のないものと言ってもよいものです。

ここをクリック→ 郷原信郎氏「『法務大臣の指揮権』を巡る思考停止からの脱却を」

小川氏発言の報道で、最も良質の報道は、今朝の東京新聞朝刊です。

小川氏との一問一答にも十分なスペースを割き、一面記事での小川氏のコメント要約も問題点を過不足なくまとめています。記事から引用します。

「会見で小川氏は、『検察が身内に甘い、いいかげんな形で幕引きをすれば信頼回復はできない』と指摘。『検察が内部のことについて消極的な場合に、積極的にさせるのは法務大臣の本来の姿ではないか。そういう意味では指揮権の発動はふさわしいケースだと思った』と説明した。

田代検事は虚偽の記載の理由を『記憶の混同』と主張し、検察は故意を示す証拠はないとみているが、小川氏は『報告の中身と捜査状況の録音を詳細にみれば、記憶違いではないと誰しも思うのでは』と批判した。」

また東京新聞の社会面では、「政治の事件介入不当」と「検察に自浄能力ない」と批判・支持の両者の立場からの意見を見出しとして掲示し、公正中立を図っています。

これに対して非常に残念なのは、一部報道で検察に無批判なヤメ検のコメントのみを掲載し、報告書偽造の問題を「小さな事件」と矮小化するものがあることです。そうした報道では、見出しも「政治家として愚か」と一方的に小川氏を貶める内容のものです。

我々もこうした機会をメディア・リテラシーを高める機会と捉えて、どの報道機関が公正中立か、またどの報道機関が体制におもねっているかを見極めるべきだと思います。

以前から、この報告書偽造の問題は、郵便不正事件を上回る重大な問題であると指摘してきました。同じ意識を前法相が持っており、抜かれることがない「伝家の宝刀」を抜くところまで考えたというのは、事態が非常に由々しいということを物語っています。

ここをクリック→ #検察なう (134) 「郵便不正事件より重大な検察の犯罪 田代検事報告書の検証」

新しく法務大臣となった滝実法相は、指揮権発動に関しては明言を避けていますが、今季限りで政界を引退するとのこと。もしも彼により、指揮権発動ということになれば、検察が自浄能力がないということが国民に広く知れ渡ることとなります。検察が正しくあることが、国民全員の利益です。彼らの勇気ある判断を期待したいと思っています。

6/5/2012













ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

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