「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (316) 「『第56回 日本の司法を正す会』 IWJ配信動画アーカイブ」 7/29/2013 

#検察なう (316) 「『第56回 日本の司法を正す会』 IWJ配信動画アーカイブ」 7/29/2013

(強制捜査から1686日、弁護側控訴答弁書提出期限まで39日)

先日行われた『第56回 日本の司法を正す会』では、IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)が実況中継を行いましたが、その動画アーカイブが以下のリンクで見られます。

ここをクリック→ 『第56回 日本の司法を正す会』 IWJ配信動画

1時間37分と長尺の動画ですが、かなり濃い内容のディスカッションが収録されていますので、是非ご覧下さい(現在無料配信中ですが、一定期間後は会員限定記事となります)。

青木理氏が「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」を検察神話崩壊のきっかけとジャーナリストらしい感性で捉えていたことが非常に印象的でした。

早川忠孝氏には、弁護士らしい評価で要所要所を締めて頂きました。私の無罪判決を高く評価していました。

そして御大村上正邦氏。私の理想論を「『ノンちゃん雲に乗る』みたいなことを言ってるんじゃない!」と一刀両断。刑事司法の怖さを知り抜いた当事者ならではの「現実は厳しい」という言葉を語る時の険しい表情を、録画を通して再度見て考えさせられました。あまりの検察控訴趣意書の出来の悪さに戦意喪失気味ですらあったのですが、やはり気を引き締めなければと思った次第です。

なお、私のコメントで検察特捜部の取調べ開始の時期を、「2011年9月」であるべきところ「2009年9月」と言い間違えていますので、ここで訂正します(のっけは頭が飛んでました)。

時系列を整理すると以下のようになります。

2008年11月  税務調査開始
2008年12月  国税局査察部強制調査
2010年2月  所得税法違反嫌疑刑事告発報道
2011年9月  東京地検特捜部取調開始
2012年12月  起訴
2012年2月  一審初公判
2013年3月  一審無罪判決(検察即時控訴)

前回私が『日本の司法を正す会』に招かれた際の、雑誌『週刊金曜日』の記事も合わせてお読み下さい。

ここをクリック→ 週刊金曜日記事「税金天引きの会社員が意図的に脱税するのか」

7/29/2013











法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


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2013/07/29 Mon. 00:12 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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ブック・レビュー 『ナラク』 ゴビンダ・マイナリ著 今井恭平編 

ブック・レビュー 『ナラク』 ゴビンダ・マイナリ著 今井恭平編

ナラク

鬼どもの手から、15年ぶりに解放される。
さよなら地獄。
ただいまネパール。

この言葉で締めくくられる東電OL事件の冤罪被害者ゴビンダ・マイナリさんの獄中日記。異国の地で、無期懲役の刑に処せられた無実の人間の心の慟哭はいかばかりか。しかし、日記はむしろ毎日の単調な生活の繰り返しを感じさせる。怨嗟や絶望を心の奥に押し込めて、日々の獄中での時間に淡々と向き合っているような印象を受ける。15年間に書き綴った膨大な日記だが、モノトーンの記述で埋められていたのであろう。

その日記が色づくのがやはり家族との面会。ネパールと日本という距離から、1年に1度の来日がせいぜいだろうが、その1回15分 x 何日かの面会が彼を支えていたことがよく分かる。

本の構成は、ゴビンダさんの日記に時折支援する会の方々の手記が挿入されており、それが少なからずメリハリを与えている。

編者の今井恭平氏は、雑誌『冤罪File』の記者で、私も度々冤罪関連集会でお会いしたことがある。私の一審無罪後に、検察控訴を阻止すべく集めた陳情書を、私が頼んでいないにもかかわらず送って下さった、筋金入りの「冤罪キラー」である。


その彼による解説は、この事件を読み解く上で最重要文書であろう。特にその3章「隠された証拠」では、この冤罪が一般に知られているように科学捜査の稚拙さといった不可抗力的原因によってもたらされたものではなく、警察・検察による確信犯的な証拠隠しによる作られた冤罪であることを訴えている。

またその4章「消された確定判決」では、誤判の原因追究を全くせず、あたかも確定判決(ゴビンダさんを有罪とした高裁判決)が初めからなかったかのように判ずる再審制度の矛盾を鋭く突いている。

彼のあとがきにはこうある。

「ゴビンダさんに降りかかった災厄の原因は、彼の側にあるのではなく、日本の司法制度や社会環境の中にこそあった、ということです。

彼を苦しめた日本の警察、検察、裁判所が変らない限り、その苦痛は、次はほかならぬ日本のわれわれに振りかかるのです。この冤罪事件は、ゴビンダさんの不幸である以上に、私たちの暮らす日本社会が抱えている不幸そのものです」

捜査権力が、我々の人権を守るどころか、脅威となっていることの警鐘として広く読まれるべきであろう。

(ちなみにこの書は2013年5月、ネパールで出版されたゴビンダさんのネパール語の手記の日本語訳ではありません)

私のブログもご参照ください。

ここをクリック→ #検察なう (294) 「犯人血液型当てクイズ」

ここをクリック→ブクレコ 『ナラク』 ゴビンダ・マイナリ著

















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2013/07/28 Sun. 00:40 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (315) 「検察控訴趣意書に見る検察主張の空疎な論理」 7/25/2013 

#検察なう (315) 「検察控訴趣意書に見る検察主張の空疎な論理」 7/25/2013

(強制捜査から1682日、弁護側控訴答弁書提出期限まで43日)

7月1日検察により、私の無罪判決を不服とする控訴趣意書が裁判所に提出されました。

一審の判決を不服とした理由は、一審判決が「論理則・経験則に違背している」というものです。「論理や経験に則れば間違っている」という言葉は難しいですが、それは言うなれば「一審判決は誰が見ても間違っている」ということです。

その主張の骨子は、「確定申告をするためには、自分の収入の把握がなければ申告ができない以上、確定申告をする人は例外なく自分の収入を理解しているものである」というものです。

一審裁判体が確定申告制度を理解していないとして、検察は「そんなことも知らないのか」と控訴趣意書で揶揄していることは以前のブログで紹介したところです。

ここをクリック→ #検察なう (312) 「私の無罪判決を不服とする検察控訴趣意書に関し」

検察の主張を高速道路の通行料支払いに例えてみます。

「高速道路の通行料を支払うためには料金がいくらであるかの認識が必要となるのは当たり前である以上、高速道路を利用する者は全て自分が通過した区間の高速道路料金を理解している」というのが検察の主張です。

至極もっとものようにも聞こえます。控訴趣意書の主張部分は以下の通りです。

「適切な総収入の把握なくして適切な税額を計算することは不可能であることを考えれば、確定申告を行う者は、当該年の自らの総収入に思いを致し、これを漏らさず把握するよう努め、しかも、その把握した収入が適切に確定申告書に記載されているか否かを確認するのが正に常識であり、社会人としての通常の行動である」

それに続く控訴趣意書の文言は以下の通りです。

「だからこそ、一般の納税者は、負担を負いつつも、自らの収入等に関する資料を集めた上で、適正に確定申告を行っているのであり、このことは自ら資料を提供する以上、税理士に申告を依頼した場合でも異ならない」

自分が運転する場合だけではなく、誰かに運転を代わってもらって料金所を通過する者も、その料金を知っていることが「社会常識」だというのが検察の主張です。果たしてそうでしょうか。

更に、検察は確定申告制度の仕組みや実態を滔々と述べ立てて「そもそも」論を展開しているにも関わらず、源泉徴収制度の仕組みや実態に関しては全く言及していません。

サラリーマンにとっての給与の源泉徴収に関していつも思い浮かべるのが、ETCシステムです。料金所での渋滞緩和のために自動収受システムが高速道路料金所に設置されたのはこの10年のことで、利用されている方も多いと思います。料金を確認して、財布から取り出す作業がないだけでも、随分便利なものだと思います。

サラリーマンの給与天引きはまさにETCゲートを通過して高速道路料金を払うようなものです。勝手に取っていってくれるのだから、こちらの手間も省け、徴収する側としても取りっぱぐれがないものです。

ETCを利用している人の中には、通行料を意識している人もあれば、あまり何も考えずに通過している人もいるかと思います。私は、ETCで払う高速料金が間違っていると考えたことがないため、確認する必要を感じたことはありません。私にとっての確定申告は、収入のほとんどに係る所得税は源泉徴収されている以上、ETCゲートを通過しても料金を敢えて確認する必要はないという感覚と全く同じものでした。

検察の控訴趣意書の主張は、一般ゲートを通過して料金を支払う場合の認識に関するものだけで、ETCゲートを通過して料金を支払う場合の認識を敢えて言及していないものです。

確定申告をする全ての人がこうだからと言いながら、クレディ・スイス証券ほかの外資系証券で株式報酬の申告漏れと私と同じ状況にあった者においては、「被告人のほ脱の故意を認定するに当たり、およそ他の従業員の認識は関連性がない」とする検察の主張は論理的に破綻しています。

クレディ・スイス証券の税務調査対象者は約300人。そのほとんどが修正申告を必要とした申告漏れとなり、全体の1/3に相当する約100人が、私と同じく株式報酬の無申告でした。クレディ・スイス証券だけではなく、そのほかの外資系証券でも、株式報酬を源泉徴収していなかった会社では、百人単位で株式報酬の無申告による申告漏れが指摘されています。そうした状況を全く無視して、確定申告制度の在り方だけを主張して、一審裁判体の判断を「論理則・経験則違背」ということは暴論以外の何物でもないことはお分かりになって頂けると思います。

そうした骨粗鬆症であるかのような主張の骨子に、過失でも矛盾のない間接証拠という水増しのためのぶよぶよした贅肉を付け加え、ただ単に「論理則・経験則違背」「健全な社会常識に反する」という言葉だけを連呼したものが検察の控訴趣意書の実態です。

但し、このように私の目には全く空疎な論理であっても、高裁裁判体が騙されると言う可能性も依然あります。

元東京高裁判事木谷明氏と映画監督周防正行氏の対談の中から、検察控訴趣意書に関する部分を拾ってみます。

木谷 (一審無罪が控訴審で有罪となる)破棄率が高すぎるというのは事実でしょう。結局、これは高裁の裁判官の意識の問題でもあるんですが、やっぱり検察官はアラを見つけるのがうまいですよ。原判決のアラ、審理のアラ。そういうものを拡大鏡で拡大して見せますから。「こんな杜撰な審理で無罪にしたのか」「こんな杜撰な論理で無罪にしたのか」と、検察官が主張しますと、それはある意味で非常に説得力があるんですよ。最初に控訴趣意書を読みますと、「ああこれはひどいもんだ」と思うし、「この原裁判官は、一体何をやってたんだ」と思う事件はかなりありましたね。しかし、一方で、弁護人の答弁書を参照しながら記録をよくよく読んでみると「やっぱり原判決が言ってることはもっともだ」ということになって、控訴棄却で終わる事件もかなりあるんです。ただ、最初に検察官の控訴趣意書に影響されてしまうと、被告人の言い分に十分耳を傾けないまま破棄という方向にいってしまう可能性はありますね。だから検察官控訴の場合には控訴趣意書から読むということ自体に問題があるかとも思っています。検察官の控訴趣意書の書き方はやっぱりうまいですよ。もう全庁あげてやってますからね。

周防 やっぱり検察の威信をかけて、みんなで考えてるんですかね。

木谷 よくよく記録を読んでみると、引っ掛けとか詭弁もあるとわかるんですが、最初に控訴趣意書をさらっと読んだ段階では本当に引き込まれますよ。そういう技術は大したもんです(笑)。

(『それでもボクはやってない 日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり!』より)

こうした引っ掛けや詭弁満載の控訴趣意書を作成してまで、有罪を作り上げようという検察の姑息な戦術が通用しないということを分からせる社会的責務が、私の控訴審にあると思っています。

国税局の告発を受けて控訴し、一審無罪判決に無謀な控訴をした検察特捜部には、真実を追求し正義を守るという姿勢が全く見られません。本件での検察控訴は、全国の多くの真摯に活動する検察官の方々の顔に泥を塗るものだと思います。この検察控訴趣意書は特捜部暴走の証左として、是非、全国の検察官の方々に読んでほしいものです。

7/25/2013















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category: 訴訟記録等

2013/07/25 Thu. 06:30 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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#検察なう (314) 「『日本の司法を正す会』に再び招かれました」 7/22/2013 

#検察なう (314) 「『日本の司法を正す会』に再び招かれました」 7/22/2013

(強制捜査から1679日、弁護側控訴答弁書提出期限まで46日)

以前に私が招かれた『日本の司法を正す会』に再び招かれました。以下がその案内状です。皆様、奮ってご参加下さい。私も、御大村上正邦氏や、ジャーナリスト青木理氏、弁護士早川忠孝先生に再会できることを楽しみにしています。

『日本の司法を正す会』 案内状

一審で無罪判決を勝ち取った八田隆さん(クレディ・スイス証券元部長)をゲストに招く『日本の司法を正す会』開催のお知らせ

拝啓 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

今回のワークショップは、一審で無罪判決を勝ち取り、検察控訴による控訴審を闘っている「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」の八田隆さんに再登場願います。

有罪率100%――国税当局の査察を受けて、検察に起訴されれば必ず有罪判決が下るという、これまでの「常識」が覆されました。会社の現物株及びストックオプション(自社株購入権)で受け取った海外所得を正しく税務申告しなかったとして、所得税法違反に問われた外資系金融会社クレディ・スイス(CSG)の日本法人「クレディ・スイス証券」の元部長、八田隆さん(49歳)に対し、東京地裁(佐藤弘規裁判長)が今年3月1日、無罪の判決を言い渡したのです。

八田さんは一審途中の昨年5月、『日本の司法を正す会』に来ていただきました。今回は、無罪判決の意義や控訴審に向けた思いをうかがいたいと思います。開催要領は下記の通りです。ご多忙中とは存じますが、ぜひご出席いただきたくご案内いたします。

参加希望は、『日本の司法を正す会』事務所(村上正邦事務所、千代田区永田町2-9-8パレロワイヤル永田町203号室)電話3500-2200までお願いいたします。

『日本の司法を正す会』は、国策捜査や冤罪事件、人質司法や密室での取り調べなど捜査の問題点をはじめとする日本の司法の現状について、司法やメディア関係者が論議を交わすことを通じて司法のあり方を考えるワークショップです。

          記

【日時】7月25日(木曜日)午後2時から4時ぐらいまで

【場所】『日本の司法を正す会』事務所(村上正邦事務所)
千代田区永田町2-9-8 パレロワイヤル永田町203号室 電話3500-2200

【ゲスト】八田隆さん(「クレディ・スイス証券」元部長)

【インタビュー及び進行】青木理さん(ジャーナリスト)

【その他】ワークショップの内容は原則として報道可能です。そのほかの条件がある場合は当日説明します。

(案内状以上)

前回の模様を描いた高杉ナツメの漫画はこちら。

ここをクリック→ 高杉ナツメ作 『第45回 日本の司法を正す会』

動画ダイジェストはこちら。

ここをクリック→ 『第45回日本の司法を正す会』動画ダイジェスト

雑誌『週刊金曜日』に記事が掲載されました。

ここをクリック→ 『週刊金曜日』記事「税金天引きの会社員が意図的に脱税するのか」

7/22/2013













法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

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2013/07/22 Mon. 00:55 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『25年目の弦楽四重奏』 ヤーロン・ジルバーマン監督 

フィルム・レビュー 『25年目の弦楽四重奏』 ヤーロン・ジルバーマン監督

25年目の弦楽四重奏

映画『25年目の弦楽四重奏』観賞。

平日2時の回は、前の4列を除きほぼ満席。観客は50歳の私がほぼ最年少。ところが映画はじいさん・ばあさん向けの物ではない…….と言いたいところだが、やはりじいさん・ばあさん向けの物だった。

実にきれいにまとまっているし、文化の香りもして、親と一緒に行くにはいい映画なのだけれど、親と一緒に観て面白い映画に究極的に面白い映画はないのだと思う。勿論、老若男女全てに受けるものもあると反論もあろうが、恋愛・人生といったテーマに関しては、自分の年代なりの空気や感性があると思うから。

キャラクターの設定は複雑な人生の縮図のようではある。四重奏団の4人のうち3人が40代後半(第一バイオリニストがジュリアードを卒業して25年という設定)、もう1人が30歳年上の第一バイオリニストの元師匠のチェリスト。3人は三角関係で、ヴィオラ奏者との恋より音楽を選んだ完璧主義者の第一バイオリニスト、その彼に思いを抱き続けるヴィオラ奏者、そのヴィオラ奏者と結婚して彼女のために夢を犠牲にした第二バイオニリスト。その三角関係の微妙なバランスが、チェリストがパーキンソン病となってメンバーを抜けることになって一気に崩壊するという設定。

第二バイオリニストとヴィオラ奏者の間にはバイオリニストとして将来を嘱望された娘がいる。その娘は母親の愛情を得られなかった恨みに近い感情と、第一バイオリニストの音楽的才能に憧れてその彼と関係を持つ。それが恋愛でないことはどう見ても明らかなのだが、それまで音楽一筋だった第一バイオリニストは勘違いしてしまう。というか、昔の恋人(それが清い関係であっても)の娘と恋愛感情を持つということが私には理解できない。そして自分たちの関係が、四重奏団のメンバーの関係に決定的なダメージを与えていると分かると、娘はあっさり身を引いてしまう。結局、第一バイオリニストは振り回された挙句、音楽に戻るというストーリー。

ここまでぐちゃぐちゃした人間関係が、全く何の解決策も提示されないまま、何となくハッピーエンドで終わっているのが実に理解不能。

チェリストのラストコンサートの演奏を途中でストップして、そこから代役と交代するという演出過多は映画のためとして許すとして、代役のチェリストの顔が怖すぎて、一番笑えるシーンとなっていたのは御愛嬌だろうか。

俳優の演技はどれも素晴らしく、特に第二バイオリニストを演じているフィリップ・シーモア・ホフマンの演技はいつもながら高く評価できる。

多分、この映画を観て「いいなあ」と思える人は幸せなのだと思う。育ちがいいということのリトマス紙としては好適な作品ではある。

ここをクリック→ 『25年目の弦楽四重奏』予告編

(Facebook 7/18/13より転載)

















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2013/07/21 Sun. 06:46 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (313) 「レペタ裁判&刑事司法を喜田村洋一弁護士に聞く」 7/18/2013 

#検察なう (313) 「レペタ裁判&刑事司法を喜田村洋一弁護士に聞く」 7/18/2013

(強制捜査から1675日、弁護側控訴答弁書提出期限まで50日)

江川紹子氏記事『裁判の公開とは何か~法廷メモを解禁させたレペタさんに聞く』をフェイスブックにアップしたところ、ジャーナリストやメディアの在り方に感度の高い友人の多くがシェアしてくれました。

ここをクリック→ 江川紹子氏記事『裁判の「公開」とは何か~法廷メモを解禁させたレペタさんに聞く』 

江川氏がインタビューをしたレペタ氏は米シアトル州の弁護士です。彼は日本の裁判を傍聴した際、メモを取ることが認められなかったため、憲法21条の知る権利を主張して損害賠償を求めたのが1989年(平成元年)最高裁判決となった「レペタ裁判(法廷メモ訴訟)」です。判決では「メモを取ることは権利として認められない」として上告は棄却されましたが、「筆記行為の自由は憲法21条1項の規定の精神に照らして尊重されるべきである」としました。これ以降、法廷でメモを取ることが許されるようになりました。

このレペタ氏の代理人となった日本人弁護士5人のうちの一人が、私の控訴審の弁護団に加わった喜田村洋一弁護士です。

ここをクリック→ #検察なう (290) 「控訴審弁護団新編成」

先日、私の控訴審に向けて弁護団ミーティングがあり、その際、レペタ裁判や刑事司法に関して彼の考えを「取材」させてもらいました。以下がそのやりとりです。

八 「興味があるのは、もしレペタさんがアメリカ人ではなく日本人だったら違った結果になっていたんでしょうか」

喜 「彼は、アメリカ人の弁護士、しかも国際交流基金の招きで来て日本の証券市場の勉強をしていた。脱税事案の傍聴をしていたんだけど、そこでは数字や固有名詞が多くて、2時間の公判が終わってから記録するなんて無理だよね。しかも彼のような属性の人だと証人に対して威力妨害をすることもありえない。そういう全てよい条件を満たした原告でやるというのがこういう事案では必要だね」

八 「制度に風穴を開けるにはということですね。日本の文化って黒船に弱いところがあるじゃないですか。だからレペタさんのように外人だからという要素もあったのかなと」

喜 「それはあるかもしれないね。認めなかったら全世界に発信されるよね、という気持ちはあったんじゃない。それ以降、法廷でのメモを禁止するためには個別の特殊事情に基づいて必要がある場合と限定されるようになるんだけど、それは実質的には無理な話。ただ単にメモが悪用されるという抽象的な表現ではだめなわけですよ。あれが平成元年、1989年3月8日で、その午後からメモが取れるようになったけれど、それ以来何の弊害もないじゃない。メモを取らせると弊害があるというのは、何の根拠もない杞憂だった。裁判官の思う危険性なんてそんな程度のものでしかないわけ」

八 「その杞憂はその当時の裁判官の一般的な感覚だったんですか」

喜 「そう、刑事裁判官のね。しかもそれは具体的な根拠があっての話ではなくて。例えばメモを取らせるとそれを使って証人威迫をするおそれがあるとか言うけれども、メモを取らせなくても証人威迫をする人はするんだから」

八 「それってこの間の江川さんの記事(注)の原田國男元判事が言っていた「罪証隠滅のおそれ」があるっていうだけで、裁判官が保釈を認めない。普通の人の感覚だとそんなことしないだろうと思うのが、裁判官の意識の中ではその「おそれ」がどんどん膨らんでいるような感じですか」

喜 「そう、それに非常に近いね」

八 「レペタ裁判の最高裁判決に際しては、大法廷の裁判官もそれまで本当はおかしいと思っていたけれども、きっかけがなくて運用上変わっていなかったということなんでしょうか」

喜 「うーん、正確には民事裁判官が刑事裁判官を駆逐したんだよね。刑事裁判官が一人反対意見書いてるもんね、四ツ谷裁判官が。その後も元あるいは現職の刑事裁判官から批判は出たけれど、実際やってみて20数年間何の弊害もないじゃない。むしろきちんとした記録がされて、裁判に対する理解が進むわけ。正しい情報が出るということが一番よいことなんだよ」

八 「裁判官に限らず検察も、なぜそこまで秘密主義にしたがるんですか。そこがよく分かんないんですけど」

喜 「よく分かるよ(笑)。自分たちだけでやりたいんだもん。批判されたくないからね」

八 「あー、将来の批判を未然に防ぐ。誰にも見せなきゃ批判されませんもんね。でもそれって国民の知る権利に明らかにバッティングしてるじゃないですか」

喜 「知る権利なんか興味ないんだもん、全然」

八 「なるほど。その知る権利に限らず、それに類似した基本的人権を無視したことって刑事司法に一杯あるわけじゃないですか。その制度全体を変えるには個別ケースでやるしかないということですね」

喜 「個別にというか、テストケースでやったんだよね、レペタのはね」

八 「テストケースというと、これに続く何かほかにあるんですか」

喜 「刑事じゃないけども在外邦人選挙権制限違憲訴訟とかね。あれもいい原告じゃない。現地のロスに20年住んで日本人会の会長やってますとか」

八 「制度を変えるには具体的なところに落し込んで、しかもいいタマをもってこないといけないということですね」

喜 「(いい原告で戦うというのは)一番大切なことだよ」

八 「一般論で勝負してもだめだってことですか。一般論でやるのは改革にはつながらないみたいな」

喜 「裁判でやるにはね。具象化というか、この事件でとかこの人がとかね」

八 「判決にならないと運用が変わらないからですね。取調べの全面可視化が急務だと言われてますけど、それも一般論での議論だから変わらないんですかね」

喜 「刑事事件でやるのは難しいよね。いい被告人を選ぶってことができないから(笑)」

八 「村木さんのケースも彼女本人の取調べを可視化したからといって冤罪が防げたわけじゃないですもんね。これを可視化しとけば冤罪が防げたのにっていう具体的、個別の事案があれば、流れがぐっと変わるということですね」

喜 「僕がやってた小沢さんの事件で石川さんがテープを取ってたでしょ。検察官の取調べを。身柄拘束中と保釈になってたからの取調べの調書があるんだけど、テープ取ってたやつは保釈になってからのね。検察としてはそれら調書で石川さんが同じことを言っているというものが欲しかったわけ。保釈になってからも同じことを言っていれば、身柄拘束中の調書も任意性と信用性を問われることがないから。でもああいう不適切が取調べがあって、それが分かったのはなぜか。『音』があったからですよ。それがなければ水掛け論になっちゃって、それだと裁判官が認定できない」

八 「確かに石川さんの調書の話は大変なことだと思うんですけど、あのセルフ可視化の結果をてこに、可視化につなげていくっていう議論になってないように思いますね。やはりそうした個別の具体的な事案で主張していく必要があるということですね。話は変わるんですけど、証拠の目的外使用に関して議論が盛り上がってますが、検察が証拠の全面開示を拒むっていうのも、結局、証拠は彼らの所有物みたいな感覚があると思うんですよね。本来は国民の財産なのに」

喜 「検察庁に保管されてるからね。それは法律を変えないとどうしようもないね。確定審に提出された証拠は裁判所が管理すべきだとは思うけど、法律でそうなっている以上ねえ」

八 「やはりどこに管理されているというのは精神論的にも重要ですね。やはり全体をいきなり変えるのは無理なので、レペタ裁判のような局地戦で勝ちを積み重ねて変えるしかないですね」

喜 「そうだね」

八 「刑事司法の矛盾に関心がある人も、本当に変えようとしているのか分からない時があるんですよ。弁護士会とか。ただ単に批判だけしてるみたいな。本当に変えるのであれば、相手の懐に飛び込んで、膝を突き合わせて日本を一緒によくしよう、そのために話し合おうという態度が必要だと思うんです。それが、何か遠くから…」

喜 「石投げてるだけだもんね。そしたら相手も防御しちゃうもんね」

八 「それじゃ何も変わらないですよね。それを言うとどんどん暗くなっちゃうんですけど。それを考えるとレペタ裁判は意義がありましたね」

喜 「そうだね。ほんとにきれいに決まったね。ジャーナリストは随分恩恵受けてるよ」

(注)
ここをクリック→ 江川紹子氏記事『「罪証隠滅のおそれ」って何?~名(元)裁判官・原田國男氏が語る"裁判官マインド"』

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7/18/2013













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2013/07/18 Thu. 06:30 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (312) 「私の無罪判決を不服とする検察控訴趣意書に関し」 7/15/2013 

#検察なう (312) 「私の無罪判決を不服とする検察控訴趣意書に関し」 7/15/2013

(強制捜査から1672日、弁護側控訴答弁書提出期限まで53日)

7月1日、私の無罪判決を不服とする検察により、控訴趣意書が裁判所に提出されました。控訴趣意書とは、原審の判決を不服とする理由を書いたものです。

検察の文書による主張は、これまで一審の初めに冒頭陳述、一審最後に論告がなされ、今回が3回目となります。検察の主張は、一審の審理でなされた証人尋問の結果や無罪方向の重要証拠、重要事実を完全に無視し、故意であっても過失であっても矛盾しない些末な事実を基に「知っていただろう」「気付いたはずだ」という推認・推論を繰り返して強調するだけのものだということはこれまで繰り返し述べてきたところです。

冒頭陳述要旨が24ページ、論告要旨が44ページであったのに対し、控訴趣意書は81ページにも達しています。国家権力に刃向かう者は絶対許さんとする、憎悪に近い負のエネルギーが増大していることが見て取れます。しかし、今回検察により提出された控訴趣意書は、これまでのものの中でも最も出来が悪いと言わざるを得ない内容でした。今回の控訴趣意書でも、彼らの主張は全く変わり映えなく、ただ無意味な論点が加わって水増しされただけのものだったからです。

刑事裁判における控訴趣意書は、原審判決文の可否を問うもので、「原審判決のここが間違っている」というものが主張の骨子となります。一審で十分な審理がなされているわけですから、本来は一審で審理されることのなかった新証拠を出して、新たな判断材料とすべきものです。

しかし、控訴趣意書においては、事実上新しい証拠は何ら提出されていません。そして、検察の主張する原審判決が間違っているとの理由は、一審無罪判決が論理則・経験則に照らして不合理だというものです。つまり「合理的な疑いを越える立証がされていない」とする一審判決に対し、何ら新証拠を提示することなく「それは誰が聞いてもおかしいだろう」と一般論に寄りかかった反論をしているのみです。

控訴趣意書の中で、一審裁判体の判断は「論理則・経験則違背」であるとか「健全な社会常識に反している」という言葉が連呼されています。そして、検察の主張する「健全な社会常識」とは、「確定申告をする者は、すべからく収入の認識がある。なぜなら確定申告は、収入の認識をした上で、納税額を確定するものだから」という木で鼻をくくったようなものです。

検察は、「給与所得及びそれ以外の全ての収入を意識し、合算した上で、自ら税額を計算するなどして申告する義務を有するのであり、このような高額所得者が、自らの収入に思いを致さないまま申告を行うことなどは、あり得ないと言って差し支えない」と主張し、しかも説明もなく「自ら資料を提供する以上、税理士に申告を依頼した場合でも異ならない」としています。そしてその結論は、「これらのことは公知の事実あるいは社会常識といって差し支えないことである」です。

私は読んでいて思わず「はあ?」でした。

その論理は、「運転免許保持者には安全運転義務がある。だから交通事故はありえ得ない。事故があるとすればそれは故意によるもので、それは公知の事実あるいは社会常識といって差し支えない」と言うことと同じです。

あるいは、全ての確定申告者に収入の認識があるとするならば、世の中の過少申告は自動的に全て脱税となってしまいますが、それこそ論理則・経験則に反していることは明らかです。

また、控訴趣意書においてされた「原審においては、確定申告手続は公知の事実である、として立証しなかったが、原審裁判所が同手続を十分に理解しないままに被告人のほ脱の故意に関する判断をしたことが判明したことから、控訴審において立証するものである」という主張には驚きを隠せませんでした。

一審の裁判体は経済犯を集中的に判ずる部であり、脱税事案を数多く手掛けている裁判体です。その裁判体を素人扱いして、「確定申告手続を十分に理解していない」という暴論を吐くことは、検察がまさに「裸の王様」であることを如実に表しています。必要もなく裁判所の権威を冒涜する検察主張を高裁裁判体がどう受けとめるのか、要注目です。

また新たに付け加えられた論点で目を引くものとして次の2点が挙げられます。

「私が証券外務員の資格を持っており、その資格試験では証券税務も問われることから、税務に精通していた」というものと、「担当税理士は経験も浅く、税務の知識も乏しかったことから私に簡単に騙された」というものです。

水増しの論点として実に出来の悪いものです。

前者は、証券会社に勤務している者であればその荒唐無稽さがよく分かると思われます。20年前に一夜漬けで仕入れた受験の知識をもってして「詳細な知識を取得していた」というのはお笑いです。外資系証券会社の顧客は全てが機関投資家であり、彼らとの21年間の業務で個人税務が話題に上ったことは一度としてありませんでした。ましてや、その証券外務員試験の証券税務で、「一部外資系金融で、会社支給の株式報酬が源泉徴収の対象外」などという会社に個別な特殊税務が問われることはあり得ないことは言うまでもありません。

また担当税理士は無能どころか優秀な方で、検察の主張は全く根拠のないものです。公認会計士の資格を持つ彼を理由なく誹謗・中傷した内容です。

何度読み返しても、納得感の薄い控訴趣意書ですが、最初はその納得感のなさの決定的な理由が何か、はっきりとは理解できませんでした。推認・推論での主張であることは確かですが、何か大きなものが欠けているような気がしたからです。

そして、その理由に気付きました。納得感のなさの決定的な理由は、控訴趣意書の中で源泉徴収制度が全く論じられていないことでした。

私は税務調査の開始時から、「株式報酬も会社給与である以上、その所得税は給与天引きされていると思っていた。源泉徴収票に記載されていない会社給与などありうることすら想像しなかった」と主張しています。もし会社給与がそもそも源泉徴収されないのであれば、過少申告にはなりえなかったものです。

検察は、繰り返し確定申告制度の意義やその仕組みを論じていながら、源泉徴収制度の意義やその仕組みを全く無視しています。会社給与は源泉徴収されるものと思い込んでいる者のメンタリティーや、その制度の成り立ちを論ずることなくして、確定申告は全ての収入を申告するものであるという「そもそも論」に依拠して故意を推認するのは全く的外れです。

それが検察主張を全く納得感のないものにしている理由です。

また、社会常識と言いながら、同じ境遇であったそのほか申告漏れ社員の事情に関しては全く言及していません。抽象的な一般論に寄りかかる論理であることは明らかです。

そして、脱税犯だとすれば合理的ではない事実に関しても、「脱税に及ぶ者はその動機、知識、物の考え方等千差万別である」と主張しています。「確定申告をする人間には論理則・経験則があるのに、脱税犯にはそうしたものはない」とする論理が当を得ていないことは言うまでもないと思います。

「原判決の判断がおよそ健全な社会常識に基づく論理則・経験則を無視したことは他言を要しないところである」と主張する検察控訴趣意書が、健全な社会常識に基づく論理則・経験則を無視したことは他言を要しないところです。

素人にもダメ出しされるほどで、ほとんど反論の必要もないとは思われますが、それでも高裁では、一審無罪の7割が破棄されるという刑事司法の異常さから、万全を期すべく弁護団が控訴答弁書を裁判所に提出します。その期限が9月6日と決められました。

是非とも引き続きご注目下さい。

7/15/2013











法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

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2013/07/15 Mon. 08:44 [edit]   TB: 0 | CM: 4

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フィルム・レビュー 『さよなら渓谷』 大森立嗣監督 

フィルム・レビュー 『さよなら渓谷』 大森立嗣監督

さよなら渓谷

『悪人』の吉田修一の原作を、『まほろ駅前多田便利軒』の大森立嗣(たつし)監督で映画化。ディープです。原作・脚本のよさと、監督のセンス、役者の完璧な演技が相俟って非常に質の高い映画になっています。

特に大西信満の演技は『赤目四十八瀧心中未遂』、真木よう子の演技は『ゆれる』で評価していたものの、この作品でそれらを越える演技を見せてくれました。監督の実弟大森南朋、鈴木杏、鶴田真由といった脇役陣の演技も光ります。

ストーリーの奇抜さに目を奪われがちですが、「お互い不幸になるために一緒にいる」という究極の関係(「愛」と言ってしまうとあまりに軽くなるくらい切実なもの)には考えさせられます。

大森南朋の最後のセリフと、真木よう子が「かなこ」という名前を選らんだことがオーバーラップするところにこの映画のテーマがあるように思えます。原作を読んでないので、原作と映画のテーマが同じかどうかは分かりませんが。

映画はかなり原作に忠実と言われていますが、ストーリーは同じでも、作品の醸し出す雰囲気は違っているのではと思います。映画では「間」が効果的に使われていることが伺われ、文章ではなかなかこの雰囲気が出ないのではと思います。登場人物のセリフもぎりぎり絞り込んだ感じで、むしろ印象的な演出となっています。

倦怠期のカップルにがつんと喝を入れるべく観るというシチュエーションが一番のお勧めです、というのは半分冗談、半分本気。夢見る夢子ちゃんには全くお勧めできませんが、人生の奥底を見て、深く考えたいと思っている暗ーい人にははまるんじゃないでしょうか。私?しっかりはまりました。

ここをクリック→ 『さよなら渓谷』予告編

(Facebook 7/11/13より転載)
















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2013/07/14 Sun. 09:03 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (311) 「佐久間元東京地検特捜部長、佐賀地検検事正に栄転」 7/11/2013 

#検察なう (311) 「佐久間元東京地検特捜部長、佐賀地検検事正に栄転」 7/11/2013

(強制捜査から1668日、弁護側控訴答弁書提出期限まで57日)

先日、法務省人事が発表されました。その中にある名前を見て驚きました。佐久間達哉元東京地検特捜部長が、前橋地検検事正に栄転していたからです。

ちなみに、検事正とは全国に50ある地方検察庁の長である検事で、その地方検察庁の庁務を掌理し、かつ、その庁及びその庁の対応する裁判所の管轄区域内にある区検察庁の職員を指揮監督しています。

ここをクリック→ 2013.7.5付法務省人事

佐久間元特捜部長は、陸山会事件に係る虚偽報告書問題により戒告の懲戒処分を受けましたが、その時は既に特捜部長の任にはなく、大津地検検事正を経て法務総合研究所国連研修協力部部長なる職務に就いていました。

そして虚偽報告書問題に関与、実質的に指示をしたとして、市民団体(八木啓代氏を代表とする「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」)により刑事告発されていたものです。

ここをクリック→ 告発状

この人事は明らかに、田代政弘元検事の(強制起訴を伴わない)「不起訴不当」の検察審査会議決を受けて、「禊は終わった」としたものだと思われます。

西の郵便不正事件では、実行犯の前田検事を事件発覚後即時逮捕し、その上司であった大坪弘道大阪特捜部長と佐賀元明大阪特捜副部長も犯人隠避で逮捕・起訴した検察ですが、東の虚偽報告書問題は知らぬ存ぜぬを決め込み、実行犯の田代検事に「記憶の混同」と言わせて逮捕もしなかったものです。

小沢一郎氏は、陸山会事件がなければ首相になっていた政治家です。彼につながる事件の捜査を担当検事の判断で行うはずがなく、上司の関与が強く疑われます。

ほとぼりが冷めたとばかりに事件の関与が強く疑われる人物が要職に返り咲くところを見る限り、検察に反省の色は全くないと言わざるを得ません。

佐久間氏は特捜部長就任の記者会見で「いい事件をやりたい」とコメントしたように、彼の功名心が陸山会事件の背景です。

ここをクリック→ 佐久間氏特捜部就任記者会見「いい事件やりたい」

また、郵便不正事件を受けての検察改革の一環として、独自捜査を縮小して、国税局との連携を深め、財政経済犯の摘発を増やすことが提唱されましたが、彼の指揮の元、国税局事案として刑事告発を引き受けたのが、私が巻き込まれた「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」です。

その事情を知れば、「サラリーマンによる会社給与の脱税」という無理筋をなぜ検察が引き受けたかということが分かろうというものです。

また、先の人事を見ると、東京地検特捜部長に山上秀明氏が登用されています。彼は、冤罪の疑いが強く持たれる佐藤栄佐久氏事件(裁判所が0円の賄賂である「換金の利益」なるものを認定したダム工事をめぐる汚職事件)の取り調べ検事であり、小沢一郎氏の二度目の起訴相当を議決した検察審査会の立会検事でもあります。

若手検事には正義心に燃えている方も多いと思いますが、もし私が彼らであれば、こうした人事には幻滅させられると思います。やはり出世をするには手を汚さなければならないというのが、検察という組織なのでしょうか。正義心をもった検事には組織の論理にまみれることなく、「秋霜烈日」の気概を忘れないよう、切に希望するものです。

7/11/2013














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2013/07/11 Thu. 07:19 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (310) 「佐藤真言氏、本日収監!」 7/8/2013 

#検察なう (310) 「佐藤真言氏、本日収監!」 7/8/2013

(強制捜査から1665日、検察控訴趣意書提出から7日)

私が支援していた佐藤真言氏が本日収監されました。彼は、赤字会社に対し経営コンサルタントとして粉飾決算をさせ銀行から不正融資を引き出したと詐欺罪に問われたものです。

検察庁前での収監直前のインタビューの録画がこちらです。

ここをクリック→ 佐藤真言氏収監直前インタビュー

見送られた江川紹子氏のツイートです。

ここをクリック→ 江川紹子氏ツイート

2年4ヵ月(未決勾留28日算入)という刑期ですが、彼のことですから、模範囚として仮釈放の最短の条件である2/3の刑期を経て再来年桜が咲くまでには出所できるものと期待します。

私も招かれた「日本の司法を正す会」に彼が招かれた記事が、雑誌「週刊金曜日」に掲載されました。その記事が「佐藤真言さんを応援する会」のHPに収録されています(「こちら」をクリック)。同ページには上告棄却時の彼の肉筆メッセージもありますので、是非ご覧下さい。

ここをクリック→ 雑誌『週刊金曜日』 「懸命な中小企業を潰す検察の無理筋捜査」

佐藤氏は、収監後も代理人を介してツイッターを続けます。

ここをクリック→ 佐藤真言ツイッタ―アカウント

彼に関してのこれまで「#検察なう」ブログを紹介します。

ここをクリック→ #検察なう (209) 「何が社会正義かを問う『四〇〇万企業が哭いている 検察が会社を踏み潰した日』を読んで」

ここをクリック→ #検察なう (228) 「佐藤真言さんを囲む会 @新宿ゴールデン街」

ここをクリック→ #検察なう (289) 「佐藤真言氏著『粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白』を読んで」

ここをクリック→ #検察なう (298) 「佐藤真言氏インタビュー「私は刑務所に入ることなどしていない!」ダイジェスト」

個人的にエールを送りたいと思います。私は、彼が塀の中でどのような成長を遂げるのか期待しています。頑張れ、真言!

7/8/2013













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category: 佐藤真言氏 『粉飾』

2013/07/08 Mon. 13:30 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『マン・オブ・スティール』 クリストファー・ノーラン監督 

フィルム・レビュー 『マン・オブ・スティール』 クリストファー・ノーラン監督

マン・オブ・スティール

映画『マン・オブ・スティール』観賞。

制作・原案がクリストファー・ノーランで、脚本が『クロウ』『ブレイド』のデヴィッド・ゴイヤーということで期待したが、監督が『ウォッチメン』『300』のザック・スナイダー監督ならこうした仕上がりというのは致し方ないところか。

これまた息子と意見が真っ二つ。『スパイダーマン』や『バッドマン』シリーズにあるように、オリジナルのラインからリブートして新たなシリーズ開始というのは最近の連作SFメジャー作品に典型的なパターンだが、これもそう。この作品の問題点は『スーパーマン』の新作として全く新しさがない。何のひねりもない大味な作品となっているというのが私の印象。

とにかく最後のアクション・シーンが長すぎる。それを言うと「え?アクションよかったじゃん。あれを単純に楽しめないってのはパパも老けたね」だそうだ。なるほど、そういうことね。映画の楽しみ方として、純粋にアクション・シーンの出来だけで評価することもできるというわけか。

とにかく最近のCGの完成度は驚くほど高い。この映画のスーパーマンとゾッド将軍の戦闘シーンのスピード感たるや、とにかくすごい。そしてこの映画はそれだけである。

スーパーマン役は、シリーズ初の非アメリカ人(イギリス人)のヘンリー・カヴィル。ダンヒルのフレグランスのモデルもやったことだけあって、いい男だがあまり個性がなくてピンとこなかった。スーパーマンの恋人ロイス・レインには『サンシャイン・クリーニング』の好演技が光ったエイミー・アダムスだが、実年齢でヘンリー・カヴィルの8歳上だとちょっととうが立ってる感じ。やはり少し貧乏くさい役が似合う女優という印象。ラッセル・クロウも全然役に合ってないし。よかったのはクラーク・ケントの育ての親役のケヴィン・コスナーとダイアン・レイン。この映画で、アクション以外に見るべき点があるとすれば、血のつながっていない彼らが親として愛情をかけるという描写。

大体、なんでクリプトン星の宇宙人は人間と全く同じ姿(しかも白人)で英語しゃべるんだ?ま、それを言っちゃおしまいか。

ここをクリック→ 『マン・オブ・スティール』予告編

(Facebook 6/25/13より転載)















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category: フィルム・レビュー

2013/07/07 Sun. 01:22 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (309) 「『査察の概要』 何のための100%か」 7/4/2013 

#検察なう (309) 「『査察の概要』 何のための100%か」 7/4/2013

(強制捜査から1661日、検察控訴趣意書提出から3日)

国税庁は毎年査察部の活動内容を『査察の概要』として彼らのホームページで報告しています。先日、昨年度の『査察の概要』が公表されました。

ここをクリック→ 平成24年度 査察の概要

その中で注目すべきは「査察事件の一審判決の状況」という項目です。平成24年度の査察告発案件で判決が出された120件中、唯一無罪となったのが私の事案です。

国税庁ホームページでは、過去14年分のデータが公表されていますが、「査察の一審判決の状況」はそれまでの13年間、常に有罪率100%でした。

平成11年 判決件数 164件 有罪件数 164件 有罪率 100.0%
平成12年 判決件数 145件 有罪件数 145件 有罪率 100.0%
平成13年 判決件数 155件 有罪件数 155件 有罪率 100.0%
平成14年 判決件数 170件 有罪件数 170件 有罪率 100.0%
平成15年 判決件数 133件 有罪件数 133件 有罪率 100.0%

ここをクリック→ 平成15年度 査察の概要

平成16年 判決件数 171件 有罪件数 171件 有罪率 100.0%
平成17年 判決件数 156件 有罪件数 156件 有罪率 100.0%
平成18年 判決件数 141件 有罪件数 141件 有罪率 100.0%
平成18年1月~3月 判決件数 19件 有罪件数 19件 有罪率 100.0%

ここをクリック→ 平成18年度 査察の概要

平成19年度 判決件数 189件 有罪件数 189件 有罪率 100.0%
平成20年度 判決件数 154件 有罪件数 154件 有罪率 100.0%
平成21年度 判決件数 141件 有罪件数 141件 有罪率 100.0%

ここをクリック→ 平成21年度 査察の概要

平成22年度 判決件数 152件 有罪件数 152件 有罪率 100.0%
平成23年度 判決件数 150件 有罪件数 150件 有罪率 100.0%
平成24年度 判決件数 120件 有罪件数 119件 有罪率 99.2%

2160件の判決のうち、実に2159件が有罪となっています。

このデータを見た時に私が思い出したのは、JR福知山線脱線事故のことです。2005年4月に起こったこの事故では、乗客と運転士合わせて107人が亡くなりました。事故の直接的原因は、直前の駅を1分30秒遅れで出発し、その遅れを取り戻そうとした運転士による大幅な速度超過であると言われています。しかし、その背景には過密なダイヤを厳守させようとし、その目標が守られない場合に、乗務員に過酷な懲罰的処分である「日勤教育」をJR西日本が科していた事が挙げられています。乗客を安全に運ぶという本来の目的を忘れ、ダイヤを守ることが目的化してしまったものです。

査察の本来の目的とは、国民がきちんと納税することを促すためにあります。それがあたかも有罪率100%を目指すことに目標が変わってしまったかのように思えます。その弊害は、「公判を維持できないから」という理由で告発をしなかったり、告発したものは必ず検察に起訴をさせ、起訴をした以上は絶対に有罪とするよう働きかけるというものです。

JR福知山線脱線事故の後は、徹底した事故の検証が行われ、JR西日本が事故の再発防止を目指したことは言うまでもありません。しかし、国税庁や検察にそうしたことを望むのは無理なようです。私の無罪判決後の検察控訴が「我々は間違っていない」の一点張りであることを如実に示しています。

刑事司法が国際社会で「中世並み」と批判されるのも、彼らが過ちを認めることなく、思考停止しているからです。なぜ冤罪が引き起こされるのか、その構造的な問題の究明無くして、日本の刑事司法が国際的なスタンダードに追いつくことはないのではないかと思います。

我々国民の義務は彼らを監視することにあります。そして批判のための批判ではなく、建設的な意見を世に広めることが必要だと思います。

P.S.
この査察の概要は、「こーぞーの金融日記」に紹介されていました。『国税庁、査察の状況』をご覧下さい。

ここをクリック→ こーぞーの金融日記 『国税庁、査察の状況』

この方のブログでは、私の無罪判決についても書かれています。合わせてご覧下さい。

ここをクリック→ こーぞーの金融日記 『脱税事件無罪判決』

7/4/2013














法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

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2013/07/04 Thu. 07:08 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (308) 「吉永祐介元検事総長死去、東京新聞コラム『筆洗』」 7/1/2013 

#検察なう (308) 「吉永祐介元検事総長死去、東京新聞コラム『筆洗』」 7/1/2013

(強制捜査から1658日、本日検察控訴趣意書提出期限)

「ミスター検察」「特捜の鬼」と呼ばれた元検事総長吉永祐介氏が亡くなられました。

各紙記事の中には、彼の厳しい人柄を紹介するために「出入り禁止」のエピソードを嬉々として書いているメディアとして批判精神の全く欠如した気色の悪いものもありましたが、昨日東京新聞朝刊のコラム『筆洗』は秀逸と思われましたので全文掲載します。

『筆洗』

企業や公共的な組織で不祥事が起きると、第三者委員会に内部調査をゆだねるのが最近の風潮だ。トップに座ることが多いのは元検察幹部。不正を調べるという役割から納まりがよいのだろう。

その検察自身の窮地を救うために退官直前にトップに推されたのが、亡くなった吉永祐介さんだ。1992年の東京佐川急便事件で、金丸信自民党副総裁を事情聴取抜きで罰金刑にしたことに、かつてない世論の批判がわき上がった。

法務官僚出身の「赤レンガ派」が続く歴代検事総長の中で異色の経歴。総長になる五カ月前の東京高検検事長の就任会見で「検事はあくまで、どぶさらい。汚れたところをきれいにするだけ」とさらりと言った場面が強く印象に残る。

ロッキード事件では主任検事として、田中角栄元首相らを逮捕、起訴。リクルート事件やゼネコン汚職も指揮した。総長になっても調書に目を通すなど「特捜の鬼」ぶりは健在だった。

国会議員らを次々と摘発する特捜部は捜査の職人集団からエリート集団になり、いつしか出世コースに。その中で醸成されたゆがんだ正義感や傲慢な世直し意識が、相次ぐ不祥事の遠因のように思える。

吉永さんは近年、体調を崩し検察関係者に会うことも少なかったという。マスメディアも加担して膨らんだ特捜検察の光と影。吉永さんが影を凝視していたのか聞いてみたかった。

(6月30日東京新聞朝刊掲載)

毎日新聞掲載の『評伝:吉永祐介さん死去』にも「ロッキード事件は、縁の下の力持ちのような存在だった職人集団、東京地検特捜部を花形ポストとみなす風潮を生んだ。近年の検察不祥事や検察批判は、こうした体質がもたらした弊害ではないか。本人の意図とは別に「吉永検察」の負の遺産だった」と書かれています。

今の検察は「検事はあくまで、どぶさらい。汚れたところをきれいにするだけ」という精神を忘れてしまったようです。特捜部の歪んだ正義感、功名心が行きついた先は一連の不祥事ですが、それを顕著に表したコメントが佐久間達哉元特捜部長の「いい事件やりたい」ではないでしょうか。

ここをクリック→ 佐久間達哉特捜部長就任記者会見

陸山会事件に係わる虚偽報告書問題や、私の巻き込まれた「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」も彼の指揮の元行われたものです。彼はその後検事正に昇進、現在は法務省法務総合研究所国連研修協力部部長の役職にあります。私の無罪判決に対する検察控訴の経緯を見ても検察改革の道のりは依然はるか遠いと思われます。

7/1/2013













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