「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

02« 2014 / 03 »04
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.

#検察なう (384) 「袴田事件再審開始決定に思うこと」 3/31/2014 

#検察なう (384) 「袴田事件再審開始決定に思うこと」 3/31/2014

事件の経緯に関しては、散々報道もされているので今更論ずる必要もないかと思います。そして再審開始決定(+死刑の執行停止+拘置の執行停止)という歴史的な判断を下した村山浩昭裁判長の英断は高く評価されるものだと思います。その判断は市民感覚では当たり前のものですが、今までその当たり前のものが当たり前でなかっただけに。

それについては、裁判官の義憤が乗り移ったかのような江川紹子氏渾身の記事をお読み頂ければと思います。

ここをクリック→ 『「刑事司法の理念からは耐え難い不正義」――袴田事件で再審開始&釈放を命じた決定を読む』

DNA型鑑定が冤罪救済にパワフルであることは、アメリカのイノセンス・プロジェクト(注1)の成果を見ても明らかですが、DNA型鑑定を抜きにしては冤罪を防ぐことができないかのように考えるのは大変な間違いだと思います。

そもそも袴田氏が自白させられた時点では、犯行着衣をパジャマと自白しているにも関わらず、1年以上後に犯行着衣を味噌樽から見つかった5点の着衣とする訴因変更を裁判所が認めたことに冤罪の原因があります。その相矛盾した虚偽自白と証拠が有罪の最有力証拠であるということが袴田事件の根本的問題で、それは証拠の捏造以前の問題です。この構図は、未解決の冤罪事件である御殿場事件(注2)と全く同じものです。

また真相究明に大きく寄与したのはDNA型鑑定ではなく、600点にも及ぶ証拠開示です。その中には、一審公判に提出されていれば、有力な無罪方向の証拠も複数含まれており、検察による悪質な証拠隠しが冤罪を作ったものです。これも証拠の捏造以前の問題です。この構図は、東電OL事件(注3)と全く同じものです。

袴田事件のような露骨な証拠捏造はもう起こり得ないと事件を極めて稀な例外扱いすることは冤罪原因の矮小化以外の何物でもなく、上に指摘した冤罪の構図はこれからも普通に起こり得るものです。そして正しい原因究明が行われなければ、適切な防止策を講じることができず、冤罪は繰り返されるばかりです。

メディアに関して。

再審開始決定を受けて、袴田氏がいかに悲惨だったか、捜査当局の捜査がいかに杜撰であったかの突然の大合唱です。私はふと、これでもし再審請求が棄却されていたら報道はどうであったろうかと思ってしまいます。再審が開始されようがされまいが、事実は全く変わらないにも関わらず、もし棄却であれば袴田氏の悲惨さや捜査当局の捜査の杜撰さは全く批判されることがなかったのだろうと思います。それは25日付で再審請求が棄却された仙台筋弛緩剤事件(注4)の報道を見れば分かります。今日31日には飯塚事件(注5)の再審開始可否の決定がなされます。今後のメディアの動向にも注意したいと思います。

また事件当時のメディアリークに関しては神保哲生氏が批判しています。

ここをクリック→ 『袴田事件再審決定・捜査情報を垂れ流したメディアに警察・検察を批判する資格があるか』

「刑事司法の理念からは耐え難い不正義」とまで不当・違法な捜査が裁判所から批判されながら、よもや検察は再審開始決定に対し不服申立の即時抗告するほど愚かでもないと思いますが(今日31日がその期限)、検察幹部の彼らに不利な判決・決定に対して、いつもながらの裁判所の判断が間違っていると言わんばかりの「主張が認められず遺憾である」という発言は一体何なのでしょうか。私は、是非若い検察官に彼らの率直な意見を聞いてみたいと思います。これだけ有名な事件ですから、法曹関係者であれば誰しも袴田事件は知っているはずです。そして事件の内容を知れば、これが冤罪であることは明らかです。それでも彼らはこの発言をした検察幹部と同様に、「検察主張が認められず遺憾である」と言うのでしょうか。自分で過ちを認めなければ、虚構の無謬性を固守できると考えることは実に愚かしく哀れなことです。検察幹部をして一般市民はもう少し賢いと思った方がいいと思います。

袴田氏個人の救済は彼本人と周りの支援者に任せる問題です。我々がすべきことはこれをどのような教訓とするかということです。冤罪問題に触れるといつも感じることは、個別冤罪被害者救済に焦点が当たり過ぎて(それはそれで必要なのですが)、包括的な予防的観点がおろそかになっているということです。我々が考えることは、いかに将来の冤罪を防ぐことかだと思います。

また捜査当局や司法当局の過誤を必要以上に糾弾することも慎んだ方がいいと思われます。郵便不正事件から陸山会に係る虚偽不正事件の検察の対応の変化を見ても、結局は隠蔽や矮小化を招くだけです。

なぜ冤罪が起こるのかという原因究明なくしては、予防策の講じようがありません。その原因究明のために袴田事件をケーススタディとする原因究明委員会を捜査当局、司法当局の権限の外に作り、その結果を現在行われている法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」にフィードバックする必要があると思われます。

そしてこれをきっかけに再審を審理する第三者機関の設立の議論を起こすべきです。なぜ確定判決を覆す可能性のある再審を開始することが「ラクダを針の穴に通す」ほど困難か。それは再審請求審が確定判決を下した裁判所でなされるからにほかなりません。

イギリスでは、1974年に起こった「バーミンガム・パブ爆破事件」(注6)により、6人が16年間投獄される冤罪被害がありました。彼ら「バーミンガム6」が無罪釈放された後、社会的に大きな議論が起こります。そしてそれをきっかけに再審審査委員会が設置され、以降、再審の審理はその特別委員会でなされています。イギリスでできたことが日本でもできないようでは、いつまでたっても日本の刑事司法は国際スタンダードでは「中世並み」ということです。

自分あるいは自分の愛する人が冤罪被害者となるリスクはリアルです。東京で災害対策の準備をしている人は少なくないと思います。ではその1300万人の中で実際に被災した経験のある方と冤罪被害者ではどちらが多いでしょうか。冤罪は構造的に生まれ、その被害者の数は一般の方が知るよりはるかに多いと思われます。袴田事件は氷山の一角です。

我々は過去を変えることはできませんが、未来は変えることができます。今が刑事司法の未来を変える千載一遇のチャンスです。我々自身、そして我々の子供を守ることは我々の責任です。それは国のお偉いさんがやってくれるだろうではありません。是非、未来のヴィジョンを持って考えて下さい。

袴田事件の再審開始決定の瞬間を捉えた一連のツイートをまとめました。是非、歴史が動いた瞬間の興奮を疑似同時体験して下さい。

ここをクリック→ 「袴田事件再審開始決定の瞬間をタイムカプセル(#検察なう)」

(注1)
ここをクリック→ #検察なう (146) 「イノセンス・プロジェクト」

(注2)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その6 「御殿場事件」

(注3)
ここをクリック→ #検察なう (294) 「犯人血液型当てクイズ」

(注4)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その11 「北稜クリニック事件/仙台筋弛緩剤えん罪事件」

(注5)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その3 「飯塚事件」

(注6)
ここをクリック→ Wikipedia 「バーミンガム・パブ爆破事件」

3/31/2014













ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう フェイスブック・コミュニティ





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 袴田事件

2014/03/31 Mon. 01:14 [edit]   TB: 0 | CM: 1

go page top

ブック・レビュー 『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 青木理著 

ブック・レビュー 『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 青木理著

ダウンロード (1)

『誘蛾灯』―実に魅力的なタイトルである。そして内容もタイトルに負けず劣らず妖しい魅力にあふれていた。

青木氏の新刊(2013年11月発売)が鳥取連続不審死事件を扱っていることは知っていたが、ワイドショー的な事件の印象から、全く食指を動かされることはなかった。それがこの本を手に取るきっかけになったのは、首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗被告人がブログでこの本のことに触れていたからである。首都圏連続不審死事件も全く興味はなかったため、事件のことはほとんど知らないが、未決勾留囚がブログを書いたということに興味を覚え、そのブログを読み、ブログを書くきっかけになった木嶋被告人が嫉妬したという本を読んでみる気になったものである。

勿論、実在のしかも公判が現在進行形の事件を扱っているだけに、その事件の内容がどうかということはあるのだが、とにかく読ませるのは、青木氏自身が事件周辺の状況に次第に吸い寄せられていくようにはまり込んでいくさまに、読んでいる自分も同じく引き込まれるからである。「なぜ場末のスナックの容姿に劣った肥満の5人の子持ちホステスに、家庭も仕事もある男性がなぜ次々と生活全てを投げ出して取り込まれていくのか」という疑問の答えを探しているうちに、その事件の背景にある鳥取の経済格差や貧困ビジネスといった深淵を覗きこんで更に迷宮に迷い込んでいく。

上田被告人が勤めていたスナックはママが70歳になる肥満女性、チーママも60歳を越える肥満女性で、青木氏はこのスナックに取材といいながら数十回も通っている。彼女らが嬌声を上げて青木氏と飲み、カラオケに興じるシーンが何度も出てくる。青木氏も、上田被告人にではないが、事件の周辺の状況に誘われて取り込まれた一人であるのだろう。

事件の公判は、控訴審が終わったばかりで、一審死刑判決が控訴審でも維持され、上田被告人は即日上告している。しかし、事件の状況は実に不可解であり、何ら事実の解明が行われていないのではないかという印象を受ける。上田被告人の周りでは6人が不審死しているが、検察に起訴されている強盗殺人容疑の被害者とされているのはそのうち2人。残りの4人は自殺ないし事故死となっている。殺人の直接証拠が全くなく、有力な証拠とされたのは、上田被告人と逮捕当時同棲しており共に詐欺を行っていた男性の証言。公判に関する青木氏の率直な感想として次のように書かれている。

脆弱な間接証拠を積み上げた砂上の楼閣の如き検察側の立証活動も相当にお粗末な代物だったが、美由紀の弁護団による活動も相当にレベルの低いものだった。「検察もヘボなら、弁護側もヘボ」。

つまり、真相は全く明らかにされないまま、上田被告人は死刑判決を受けている。そして本書は、一審死刑判決を受けた後の上田被告人と面会したシーンで結ばれている。

青木 「あなたが二件の強盗殺人の犯人かどうかは、いまも分からないと私は思っています」
上田 「はい」
青木 「それでも警察や検察の言う通り、仮にあなたが犯人だとするなら、~さん(同棲相手)がまったく無関係だとは思えません。しかし、逆に、あなたの弁護団が主張した通り、もし~さんが「真犯人」だとしても、今度はあなたがまったく無関係とも思えなくなる」
上田 「それは当たり前の考えです」
青木 「当たり前ですか?」
上田 「だから、そこを私が今後お話ししていくので、そこで判断してくださいっていうことなんです。判決は分かんない。私の主張は、してないからしてないって、それは変わってないです。二審でも変わらない。分かって頂けますか?」
分からない。はっきり言って、まったく分からなかった。事件の真相も、美由紀が言っていることも、美由紀の心の奥に潜んでいるはずの本当の感情も。しかし、明確に分かったこともあった。この期に及んでも美由紀は、まだウソを吐き出し続けている。しかも、すぐに分かるような薄っぺらい大ウソを、平然と。
(中略)
警察だって、検察だって、~(同棲相手)だって、全員が明らかにウソをついている。肝心の裁判も、そのウソにうすうす気づきながら、正面から疑義を突きつけることなく、丸呑みしてしまった。誰もが事実から眼を背けたままウソを積み重ね、偽りだらけの塔を築き上げて欺瞞と保身の殻に閉じこもっている。それでも刑事司法の手続きは粛々と進行し、美由紀のみに冷酷な死の刑罰が突きつけられ、結論が覆ることは今後もおそらくない。

このまま真相は闇の中なのであろうか。青木氏には続編を期待したい魅力ある一冊だった。

ここをクリック→ ブクレコ『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』


















ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう フェイスブック・コミュニティ





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: ブック・レビュー

2014/03/30 Sun. 01:09 [edit]   TB: 0 | CM: 2

go page top

#検察なう (383) 「PC遠隔操作事件犯人がデジタル・フォレンジックに精通していることの意味」 3/27/2014 

#検察なう (383) 「PC遠隔操作事件犯人がデジタル・フォレンジックに精通していることの意味」 3/27/2014

最近のPC遠隔操作事件報道(相変わらず新聞・テレビでは黙殺されていますが、インターネットメディアでは喧々諤々の盛り上がりです)で、よく目にする言葉が「デジタル・フォレンジック」です。

その意味は「不正アクセスや機密情報漏洩などコンピュータに関する犯罪や法的紛争が生じた際に、原因究明や捜査に必要な機器やデータ、電子的記録を収集・分析し、その法的な証拠性を明らかにする手段や技術の総称」。分かりやすく言えば「デジタル鑑識」です。

年寄りが大好きな(私の両親も大好きな)『何でも鑑定団』の査定では、真贋の見極めが重要なように、デジタル・フォレンジックも単なる解析というよりは、悪意をもって消去、改竄されたものの復元、修復が重要な技術のようです。『何でも鑑定団』も『何でもフォレンジック団』と呼べば、おしゃれな感じですが、間違いなくおじいちゃん、おばあちゃんには受けないネーミングだと思われます。

先日のビデオニュース・ドットコム(神保哲生氏主宰のインターネットメディア)の番組「マル激トーク・オン・ディマンド」でのテーマが『遠隔操作ウイルス事件の犯人はデジタル・フォレンジックに精通している』でした。非常に面白い内容でした(視聴には月額525円の会費が必要です)。ご覧になれない方のためにも番組のポイントを紹介させて頂くと共に、私の若干の考察を加えたいと思います。

ここをクリック→ マル激トーク・オン・ディマンド『遠隔操作ウイルス事件の犯人はデジタル・フォレンジックに精通している』

ゲストとして招かれていたのは、この会社の代表取締役社長の杉浦隆幸氏。

ここをクリック→ ネット・エージェント株式会社HP

「日本のサイバー・セキュリティ技術者の中ではトップ50人の一人」と自認する人物が分かりやすく説明してくれると、なるほどそういうものなのかと納得してしまいますが、それがデジタル・フォレンジックに限らず、全ての科学鑑定を判断する際の落とし穴です。

PC遠隔操作事件の公判の大きな鍵は、片山祐輔氏のパソコンが遠隔操作されていたかどうかという点です。数多くの状況証拠は片山氏が犯人であることを示唆しながら、もし彼のパソコンが遠隔操作されていれば、犯人は片山氏の日々の行動に関する情報をパソコンのアクセス履歴から知ることができ、その行動に沿った犯行宣言メールを作成することで、片山氏を犯人に仕立て上げることが容易に可能だからです。

そのため、検察は片山氏のパソコンが遠隔操作されていなかったという立証をする必要があると思われ、その立証が不十分であれば、いかに状況証拠が揃っていても、それは単に犯人性の必要条件を満たすだけで、「片山氏以外の者は犯行不可能である」という十分条件をみたすことができず、本来は推定無罪原則に則り片山氏は無罪となるべきです(「本来」と言ったのは、検察は「無罪を主張するならパソコンが遠隔操作されていたことを立証せよ」と無罪立証の責任を弁護側に押し付けようとしており、日本の刑事司法では、往々にしてこうした「推定有罪」「無罪の立証責任が弁護側にある」といった状況がまかり通っているからです)。

公判において、検察側のデジタル・フォレンジックの結論は「片山氏のパソコンは遠隔操作されていなかった」というものであり、弁護側のそれは「遠隔操作されていた、あるいはその可能性がある」というものであることは彼らが主張をする前から分かりきっています。そしてIT音痴の私は、どんなに努力して理解しようとしても、そのどちらがもっともらしいかも判定できないと思います(注)。

小田中聰樹氏著の『冤罪はこうして作られる』(講談社現代新書)にはこうあります。

「冤罪事件の….特徴として、鑑定に対する裁判官の無条件的・無批判的信頼をあげることができる。疑問のある鑑定が有罪証拠として重視された誤判事件は….数多くある」
「誤判事件において誤った鑑定の果たしている役割の大きさに、あらためて驚きを覚え、『誤判の蔭に誤鑑定あり』との感を抱かざるをえない」

その道の専門家でない裁判官では判断つきかねるであろう科学鑑定が、なぜ(どうせクロの鑑定を提出する)検察あるいは(どうせシロの鑑定を提出する)弁護人によってなされるのか、法曹関係者でない私には理解できません。裁判官の事実認定の能力の限界を越えた科学鑑定に限っては、職権で裁判官がニュートラルな鑑定・鑑識を依頼すればいいのにと思ってしまいます。

番組の内容に戻ります。その中で、杉浦氏は「誰のパソコンであっても、「遠隔操作されていた」ことの立証は(何らかの痕跡が残るため)比較的容易だが、逆に「遠隔操作されていなかった」ことの立証は非常に困難である」と述べていましたが、それはその通りだろうなと思います。これは弁護側にとって有利な状況ですが、それは証拠が全て開示されればという前提付きです。

また、「片山氏のパソコンを遠隔操作するマルウェアは、一連の誤認逮捕の原因であるトロイの「iesys.exe」とは限らないため、(「iesys.exe」の痕跡がないとされる)片山氏の自宅のパソコンに何らかのウィルス感染の痕跡があれば、遠隔操作されていた可能性があったと言える」という点は「ふーん、そう言えばそうかもね」と感じました。犯人のサイバー・セキュリティの習熟度からすると、片山氏の無料ソフトに頼るウィルス対策はあまりに杜撰で、「プロファイリングに合わないでしょ」と感じていたので、その観点からも、片山氏の自宅パソコンの解析は重要だと思われます。

番組の最大のポイントは、番組のタイトルにもあるように犯人はデジタル・フォレンジックの知識を持っていたというものです。その根拠は犯人から送られてきた「延長戦メール」の中の新春パズルの問題が、デジタル・フォレンジックの考え方に基づくものだというものです。この新春パズルの答えが江の島の猫グレーの写真でした。報道では写真がそのまま掲載されていたので、あの写真そのものが犯行メールに添付されていたかのような印象を持たれている方も多いと思います。

新春パズルはこちらです。

ここをクリック→ 犯人から送られてきた新春パズル

このパズルの解2の「空虚.txt」「色即是空.png」という容量ゼロの空っぽのファイルから、写真が入ったzipファイルを復元する作業が、まさにデジタル・フォレンジックの考え方だというものです。なるほどー。

勿論、問題を解く立場であれば、空っぽのファイルに行き当たった時に、そこに隠されたファイルがあることは、勘と経験で思い当たることもあるかもしれませんが、問題を作るという立場を考えると、相当こういう概念に慣れ親しんでいるだろうという感じはあります。

そして、犯人がデジタル・フォレンジックに精通していれば何が言えるかというのは、その裏を書く「アンチ・デジタル・フォレンジック」も可能だということです。即ち、デジタル・フォレンジックの技術で見つけられる証拠を意図的に残すことができるということです。

犯人がデジタル・フォレンジックに精通していたというのはあくまで推論です。そしてそれは推論ではありながら、杉浦氏のような専門知識に長けた者の感覚に基づくがゆえに、私には説得力がありました。ヲタクは、同じヲタクの臭いをかぎわけるのはうまいものです。

この推論に更に私の推論を加えたいと思います。私には、犯人が(片山氏であれ、誰であれ)雲取山や江の島に行くという、わざわざ現場に足を運ぶという行動の必然性が全く理解できません。犯人の目的は警察・検察そしてもし公判での誤判があれば裁判所を嘲笑することですが、それは「4人の誤認逮捕+2人の自白強要+1人の有罪(未成年ゆえに保護観察)」が全くデタラメであることが発覚して成功を収めています。その犯行は全てパソコンの遠隔操作というデジタル技術によって達成されています。

犯人のIT能力をもってすれば、デジタルの世界では完全犯罪を狙えるのに、なぜ敢えてリスクを取ってアナログの世界に身をさらさなければいけないか。それは、ある一つの仮定を除けば納得いかないものです。その仮定とは、「犯人は、他人の行動をフィジカルにトレースすることで、その他人があたかも犯人である偽装をする必要があった」というものです。

片山氏が容疑者とされた時に、バーチャルな世界から現実の世界に出てきたことでしっぽをつかまれたかのように高らかに警察が発表した記憶がありますが、それこそがまさに真犯人がセットアップした巧妙なトラップのような気がしてなりません。勿論、あくまで推論ですが。

(注)
第四回公判では、デジタル・フォレンジックに関する検察側証人尋問が行われ、それを受けた多くの方の一連のツイートで技術的な議論がされています。私にとってはギリシャ語のようなものですが(”It’s all Greek to me.”)。

ここをクリック→ PC遠隔操作事件第四回公判トゥギャッタ― by @kyoshimine

P.S.
本日27日、袴田事件の再審開始可否の決定が行われます。48年間暗闇の中にいた袴田巌氏に光は差すのか。袴田事件支援者のスケジュールです。

3月27日(木)
午前9時 支援者静岡地裁前集合
9時半頃 弁護団と合流 弁護団が10時前に地裁に入り、決定を受け取る。
10時すぎ 決定内容の発表 地裁前
12時   弁護団 記者会見 その後、緊急報告集会 (記者会見・緊急集会ともに静岡産業経済会館)

3月30日(日)
午後1時半~(開場午後1時)
報告集会 静岡労政会館6階 大会議室

袴田事件に関してはこちら。

ここをクリック→ 冤罪ファイル「袴田事件」

来週月曜の31日には、既に死刑が執行された元死刑囚の再審請求可否の決定も行われます。この飯塚事件に関してはこちら。

ここをクリック→ 冤罪ファイル「飯塚事件」

そして非常に残念なことに、仙台筋弛緩剤事件(北稜クリニック事件)の再審請求が却下されました(25日付)。捜査当局が事件のないところに事件を作りだし、一人の人間が無期懲役刑で人生を奪われています。

ここをクリック→ 守大助氏の再審請求棄却の報道(河北新報)

この事件に関しては、こちらをご参照ください。

ここをクリック→ 冤罪ファイル「北稜クリニック事件 / 仙台筋弛緩剤えん罪事件」

3/27/2014















法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 刑事事件一般

2014/03/27 Thu. 00:07 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

#検察なう (382) 「「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」説明シミュレーション」 3/24/2014 

#検察なう (382) 「「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」説明シミュレーション」 3/24/2014

先日、友人からメールをもらいました。曰く、次のような内容。

「とにもかくにも訴訟に勝った。けれども、無罪になったからといって世間の見る目は依然として変わらないらしい。

私自身、たまたま人に事件について説明するのに四苦八苦しました。相手の人は、やっぱり八田君のことを信用しておらず「金持ちばっかりいい思いしやがって」と憎く思っている様子でした。

思うに、現状のまま国賠訴訟に突入しても、訴訟の内容はどうあれ、世論は以前と変わらず、あまり八田君に味方しないのではないかと思います」

正直、全く驚きませんでした。自分も最近同じことを感じていたからです。しかし、がっかりしても、無視を決め込んでも何も変わりません。理解していない人の多くは、冤罪が刑事司法の矛盾により構造的に起こっていること、普通の人が想像するよりはるかに多くの冤罪が起こっていることを知らないと思われます。そうした無理解を変えて行くことが、冤罪を減らすことにつながります。

最近の友人との会話のパターンは、「おめでとー。大変だったなあ。応援してたよ」「おー、さんきゅ。でも、まだ全然終わった気分じゃなくてさ。これから更に大変なんだよ。引き続き応援よろしくー」です。そこで、私の好奇心が首をもたげ、「でさ、何で俺が無罪か、分かってる?」と無邪気を装って聞いてみます。「何言ってんだよ。お前がやってないって言ってるんだから、やってないに決まってんじゃん」「だよねー」

実にありがたいお言葉です。しかし、内心ため息をついてしまいます。「惜しい!それで納得すると理解することをやめちゃうんだよなあ」と。それでは、「どうせ嘘ついてんじゃないの」程度の低レベルの言い掛かりにも反論できなくなってしまいます。

むしろ「どうせ嘘ついてるだろ」と思っている人にこそ、この事件は「思い込み」「報道の刷り込み」「国家権力に対する盲信」が間違っているグッド・ケースだと理解してほしいものです。

それで、「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」の説明のシミュレーションをしてみます。

何らかのきっかけで、「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」が話題に上ったとします。あるいは積極的に「こんな事件があったんだけど」でも結構です。

会社が給与の一部を源泉徴収していなかったとは思っていなかったという理由を聞いて、事件の概要すら知らなかった人の大概のリアクションは、「そんなの知らなかったって単なる言い逃れでしょ。本当は知っていて脱税したんでしょ」だと思われます。

まずそれに対するファースト・リアクションが大事です。そこまでは、そうそう、普通そう思うよね、うんうん、と理解を示す表情で話を聞きます。冷静さを失わないことが鍵です。そしてそれから、そうやって冤罪が作られるんだよなあという哀愁を帯びた表情で言います。

「それって検察と同じ論理だよね」

今や、無実の者でも有罪にする悪の軍団と知られる検察と同じと言われ、相手はドキっとします。その効果を確認しつつたたみかけます。

「『推定有罪』って言うんだけどさ」

これで、普通の理解力のある人は、自分の主張が単なる可能性の推認に過ぎず、そうでない可能性をオミットしているのではないかと気付くことになります。

「いや、検察だってちゃんと捜査してるでしょ」

想定内のリアクションです。自信を持って答えます。

「知ってる?検察って有罪方向の証拠しか立証に使わないって」

テクニカル・タームを並べられて、一瞬のとまどいを感じている相手に答えるすきを与えず、繰り返しのサブリミナル効果を狙います。

「知ってる?検察って無罪方向の証拠は立証に使わないって」

自分の常識が間違っていたかもという動揺が相手に生まれます。
「そ、そんなことはないでしょ。裁判所だって判断するんだし」

「そうだよねえ、でも裁判所が検察を盲信して追認しなきゃ、刑事裁判の有罪率が99.9%以上なんてことにはならないんだろうな。でもこの事件では、高裁がそうした検察の捜査方法を批判して、検察控訴を棄却したんだよ。裁判所も変わりつつあるのかもね」

この短い会話の間に、あなたの刑事司法に関する造詣の深さに、尊敬の念が生じ始めているはずです。

そこで具体的な話に入りましょう。

「それでさ、脱税するとしたら、一人でやる方が合理的だと思う?それとも見ず知らずの税理士に依頼する方が合理的だと思う?」

その答えを確認してもしなくても結構です。答えは決まり切っていますから。そして続けます。

「もし隠したいお金があったとして、その送金先の口座を選ぶ際、税務署が知ってる口座と知ってない口座があったら、どっちに送金する方が脱税をするのに合理的だと思う?」

「無罪方向の証拠」を検察が立証に使わないということの実証だというイメージをかもすことができれば成功です。私の公判では、検察は、これらの当然脱税をしていれば不合理だと思われる行動の説明を放棄しました。

次のような質問をして、じっくり考えてもらってもいいと思います。

「会社が税務署に報告すればすぐにばれる脱税を、クレディ・スイス証券だけでも300人のうち100人がしてたってのおかしくない?」

「会社が天引きしてると思ってたってのが馬鹿げた言い訳だったとしたら、会社従業員に一斉税務調査が入った段階で、それが通用すると思わないで最悪の状況を想定して、弁護士雇うのが普通なんじゃない?」

「そもそも否認をするメリットってあるの?認めれば執行猶予確実のケースで、有罪率が99.9%以上の裁判を何年も戦うのって、脱税してたら常識的にありえなくない?痴漢の冤罪と同じだと思うけど」

もっと分かりやすい情報を与えるのも効果的です。

「検察の取調べの時に、ポリグラフテスト要求したらしいよ」

「へええ、ウソ発見器ね。それで検査したの?」

「いや、検察には機械がないからって拒否られたらしい」

「どひゃー!」

是非、参考にして頂き、冤罪のない社会を一緒に目指しましょう。これからも応援よろしくお願いします。

3/24/2014












ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう FBコミュニティ





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2014/03/24 Mon. 00:53 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

フィルム・レビュー 『ダラス・バイヤーズクラブ』 ジャン=マルク・ヴァレ監督 

フィルム・レビュー 『ダラス・バイヤーズクラブ』 ジャン=マルク・ヴァレ監督

dallasbuyersclub_trailer.jpg

うーん、いまひとつ。もっと痛快なストーリーを期待してました。実話がベースだけに脚色を抑えたというところなんでしょうが、ちょっと中途半端。

マシュー・マコノヒーが50ポンド(22.68Kg)減量して挑んだ役はエイズで余命30日と言われたトレーラー暮らしのレッドネック。時は1985年で、まだエイズが不治の病であり、「ゲイ or ドラッグユーザーの病気」という偏見が強かった頃。海外で認可されている治療薬(AZT)がアメリカでは未認可であったため、メキシコに飛んで治療を受けます。そして、製薬会社と結託して治療薬を認可しないFDA(食品医薬品局)に対抗して、未認可の薬を不法輸入し、「ダラス・バイヤーズクラブ」と名付けた会員制クラブのメンバーに販売します。

自ら未認可薬のカクテル療法で、30日と宣言された寿命を7年まで伸ばしたというのは実話らしいですが、映画のストーリーのどこまでが本当なんでしょうかねえ。結構、話ができ過ぎというか、展開をドラマチックにしようとして、人間関係の設定が甘いような感じでした。そんな簡単に未認可薬を大量に不法輸入できると思わないし、「会員制クラブで会費はとっているけれど、その会員にタダで薬を配っている」という口実で未認可薬の販売を映画のように大々的にやれるとは思わないし、ホモフォビアの主人公がそんなに簡単にゲイとは友人+ビジネスパートナーになるとは思わないし、女医がそんな簡単に患者に肩入れするとは思わないしetc.

話題作なので観る人も多いと思いますが、ネット上で話題になっているのは主人公がいかにしてエイズになったかという「謎解き」です。フラッシュバックのシーンで、ドラッグユーザーの男性のセックスシーン(相手は不明)の回想がありますが、「なんでホモフォビアなのに?」ということからみんな「??」となった模様。答えはないので、勝手に想像ですが、「スリーサム」説が一番説得力あるかな。観る人は要チェックです。

ここをクリック→ 『ダラス・バイヤーズクラブ』予告編

(Facebook 1/17/14より転載)
















ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: フィルム・レビュー

2014/03/23 Sun. 08:50 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その1 「被告人の心構え (1) 執着せずあきらめない」  

無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その1 「被告人の心構え (1) 執着せず、あきらめない」

ブログ「蟷螂の斧となろうとも」いつも読んで頂き、ありがとうございます。

ブログ内では刑事司法の矛盾に関する考察である「#検察なう」ほか、いくつかのサブ・カテゴリーのシリーズを設定していますが、私の経験をダイレクトに生かしてもらうために「無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法」というシリーズを立ち上げます。いわゆる冤罪と戦うノウハウです。当事者の方は、是非とも参考にして試練を乗り切って下さい。現時点では当事者でない方も、冤罪は誰にでも降りかかるリアルなリスクです。転ばぬ先の杖となるかもしれません。

実践的な内容を目指しますが、この治療法が冤罪被害者のどなたにでも通用するものではないと思っています。冤罪というほぼ治療不可能な難病に対して、私には効いたカクテル療法だと思って読んで頂ければ幸いです。『ダラス・バイヤーズクラブ』の冤罪バージョンです。

まず初回のテーマは「被告人の心構え」です。私は「執着せず、あきらめない」ということを訴えたいと思います。

冤罪被害者のまず考えることは、なぜ自分がこのような目に会わなければならないのかという疑問です。そのあまりに理不尽な巡り合わせに、自分が本来の人生を取り戻すには、裁判を戦って無罪を勝ち得ることだと思うことは自然なことだと思います。冤罪を晴らす(冤罪をすすぐ「雪冤」という言葉があります)ためには無罪が必要であり、無罪が得られなければ、自分は不幸であると考えるのも仕方ないかもしれません。

冤罪被害の当事者として、誠意をもってアドバイスします。もし無罪が得られなければ、自分は不幸であると考えるのであれば、戦うことはお辞めになった方がいいと思います。なぜなら、刑事裁判の有罪率が99.9%を越える現実がある以上、そうした考え方は、99.9%以上自分を不幸にするマインドセットだからです。つまり結果に執着することは自分を不幸にする以外の何物でもないと理解して下さい。

しかし、冤罪被害者の一人として、私は心の底から冤罪を憎んでいます。そして、冤罪をこの世から殲滅するには、やはり冤罪被害者があきらめることなく戦うことが必要だと思っています。但し、この戦いは本当に辛いものです。何度も心が折れそうになります。そこを歯を食いしばって頑張ってほしい、最後まであきらめないでほしいものです。

それが「執着せず、あきらめない」という意味です。

私は、国税局に告発されて、初めて自分の置かれた状況を理解しました。一年以上の国税局の取調べの間は、国家権力が間違いを犯すはずがないとナイーブに信じていました。そして彼らは私の無実を理解しているという確信がありました。刑事告発されて、自分が冤罪という底なし沼に足を取られたことを理解しました。

刑事告発後、ヤメ検の弁護士に虚偽の自白をすることが得策であることを暗に示唆されたり、告発の記事を書いた全国紙の記者に「八田さんは有罪になります。そうでなければ我々は怖くて記事が書けませんから」と言われて、私は早い時点で無罪をあきらめました。

しかし、やっていないことを自分でやったと言えない単純な頑固さと、国家権力が好き勝手やっていることが我慢ならなかった憤りが出発点で戦うことを決意しました。あとはがむしゃらでした。そして査察部告発、特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決は、単なる結果オーライです。

「執着せず、あきらめない」ということが「言うは易く、行うは難し」であることは百も承知です。しかし、自分の人生が掛かっています。その人生を幸せにするのも、不幸にするのもあなたの考え方次第だということを理解して下さい。

もし冤罪と戦うのであれば、結果に執着しない。有罪になろうが、あなたの人生をあなた自身が幸せにすることは十分に可能です。そして戦うと決めたらあきらめない。周りの方は必ずあなたを応援してくれます。勿論、私もあなたを応援します。頑張って下さい。

P.S.
現在発売中の雑誌『週刊現代』に私のインタビューが掲載されています。内容は『週刊現代』っぽい分かりやすい感じですが(笑)、4ページに亘るボリュームです。取材をしてくれた記者の方が、随分と資料を読み込んでくれていたのが印象的でした。是非、読んでみて下さい。

週刊現代

3/20/2014








法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 無罪を勝ち得るために

2014/03/20 Thu. 00:03 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

#検察なう (381) 「PC遠隔操作事件の行方を占う」 3/17/2014 

#検察なう (381) 「PC遠隔操作事件の行方を占う」 3/17/2014

結論から言います。私は、PC遠隔操作事件の被告人片山祐輔氏の有罪には合理的な疑いが入ると思っていますが、公判序盤戦のこの時点で、判決を予想するならば有罪の可能性も少なくないと感じています。いえ、このままでは有罪です。あるべきことが起こらないのが刑事裁判の怖さです。

ごく数日前まではもう少し楽観的に見ていました、しかし第三回公判後のビデオニュース・ドットコムを見て、恐怖すら覚えました。私自身は死の淵まで行って生還したものですが、片山氏はまだこの時点ではその道を引き返せていないと感じました。

ここをクリック→ ビデオニュース・ドットコム 3月15日Nコメ 「遠隔操作ウイルス事件続報・見えてきた検察の作戦と裁判所がそれに取り込まれる危険性」

刑事裁判の鉄則は「推定無罪」であることは言うまでもありませんが、「公権力は間違いを犯さない」という予断と、「犯罪者は保身のために嘘をつく」という予断がある以上、実際の運用は「推定有罪」が前提となっています。

この2つの予断のうち、後者は「被告人はまだ犯罪者ではない」という考えが訓練されていれば排除可能なものですが、前者は公権力に近ければ近いほど排除が困難になります。

ゆえに公判のスタート時点では、否認事件であっても有罪無罪は五分五分ではなく、振り子は有罪方向に振れたポジションだと言えます。ぶっちゃけ、検察がクロを主張し、被告人がシロを主張すれば、同じ役人の裁判官は何も証拠を見ないうちは検察の肩を持たざるを得ないだろうということです。

建て前は有罪の立証責任は検察にあり、その立証が不十分であれば、被告人は無罪とされるべきですが、実際には、スタート時点での有罪心証を、「合理的な疑いが入る」レベルまで弁護側が押し戻さなければならない、即ち、(相当レベルまでの)無罪の立証責任が弁護側に生じます。

もう少し具体的に言えば、検察の立証を「そういう可能性もあるかもしれないけれど、そうでない可能性もある」と反証するだけでは不十分で、無罪方向の証拠によって「無罪でなければ説明が困難」という論証を弁護側がしなければいけないということです。

そして重要なことは、世の中の全ての人間がシロだと思っていても、ただ一人、裁判長がクロだと思えば、判決はクロになるということです。

PC遠隔操作事件の第三回公判の模様を神保哲生氏の描くまま額面通り評価すると、弁護団は、裁判長の心証を得ていないように思えてなりません。

この裁判の困難なところは、裁判官がIT技術に関して専門知識を持っていない点です。そのため、単なる事実なのか、意見・評価なのかの判断が付きかねる状況が生じているようです。

検察側証人の意図的な事実と意見・評価の混同に、弁護団の佐藤博史弁護人は「異議あり!」とし、意見・評価の排除に努めますが、検察はその異議をクレーマーのいちゃもんのように印象付けるように成功しているように聞こえます。この辺りは、検察のプレゼン能力が一枚上手という感じです。

PC遠隔操作事件の特徴的なところは、弁護団及び保釈後の片山氏の直接のアピールにより、場外の我々は「これはシロでしょー」という心証を抱きやすいものですが、公判に提出されている証拠だけに限定すると「状況証拠はクロ(ピリオド)」というレベルに留まっているような気がします。

勿論、序盤戦であり、今後の展開次第で大きく流れは変わり得ます。そのためには、開示されていない証拠の中に鍵があるような気がします。証拠開示されていないUBSメモリー(黒のBuffalo)しかり、スマホの画像(本体+マイクロSD)しかり、1月4日に川崎に行ったとされるJRの防犯カメラの映像しかり、首輪を買ったダイソーの購入履歴しかり。依然、予断を許さない状況と言えます。

片山氏の一次情報に触れたい方は是非こちらをどうぞ。江川さんの「あらまぁ」が印象的なインタビューです。

ここをクリック→ ニコ生「片山祐輔氏に生直撃 聞き手:江川紹子」3月14日放送

3/17/2014
















法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 刑事事件一般

2014/03/17 Mon. 01:33 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

フィルム・レビュー 『それでも夜は明ける』 スティーヴ・マックイーン監督 + オスカー候補作レビュー 

フィルム・レビュー 『それでも夜は明ける』 スティーヴ・マックイーン監督 + オスカー候補作レビュー


12yr slave

(受賞発表前のレビューです)
オスカーに一番近いと言われる映画『それでも夜は明ける』観賞。

観終わった途端にどっと疲れました。暗い、悲惨、ひどすぎる。これがオスカーならどうぞ、って感じですが、私なら一票は投じないかな。

ニューヨーク州サラトガで家族と幸せな暮らしを送っていた黒人音楽家が誘拐され、当時まだ奴隷制が残っていたルイジアナ州のプランテーションに奴隷として売られ、助け出されるまでの12年間のお話です。

予告では出せない本編の残虐シーン(首吊り、鞭打ち)があまりにも生々しくて、本当にあったことなんだろうけど、本当にげっそりしました。

で、直接的なテーマは奴隷制の悲惨さなのですが、そうするとヒストリーチャンネルになってしまうので、そこは全ての差別のナンセンスさとか、人間がどれほど残虐になれるのか、とかを考えなければならないのでしょうが、奴隷制というあまりにも極端なケースなのでかえってぴんときませんでした。

あと、とにかく言葉がひどい。奴隷=家畜ということがよく分かりましたが、人間が人間に対して言っている言葉だと思ってしまうと、それだけで最悪の気分になります。字幕だとニュアンスが出るのかよく分かりませんが。

ということで、露悪趣味とまでは思わないのですが、奴隷制がどういうものであったかをリアルに感じたい人はどうぞ、です。

ここをクリック→ 『それでも夜は明ける』予告編

(Facebook 1/20/14より転載)

(候補作の受賞前レビューです)
ということで、オスカーの作品賞候補9作のうち8作を観終わり、残る1作は実は一番期待している『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』なんですが、これはバンクーバーでは上映が終わっているので、日本公開を待たなくてはなりません。

ここまでのところで候補作を面白かった順に並べると(受賞の予想じゃないからね)
『キャプテン・フィリップス』
『あなたを抱きしめる日まで』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
『her 世界でひとつの彼女』
『ゼロ・グラビティ』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
『アメリカン・ハッスル』
『それでも夜は明ける』
ですね。

去年製作のハリウッド映画なら『ラッシュ/プライドと友情』や『LIFE!』の方がよほど面白かったので、それらが候補にもなってない時点で賞の行方はどうでもいいです。賞をやるのに一番無難なのは『それでも夜は明ける』のような気もするし。

(Facebook 1/23/14より転載)



















ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 冤罪と戦う八田隆を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: フィルム・レビュー

2014/03/16 Sun. 09:54 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

#検察なう (380) 「PC遠隔操作事件犯人はダークサイドに落ちたアナキン・スカイウォーカー」 3/13/2014 

#検察なう (380) 「PC遠隔操作事件犯人はダークサイドに落ちたアナキン・スカイウォーカー」 3/13/2014

PC遠隔操作事件の犯人のプロファイリングで一つ特徴的なことは、相当ディープなレベルで刑事司法の矛盾を理解していることです。

犯行の動機は単なる愉快犯でも持ち得るものですが、刑事司法の矛盾、具体的には検察立証の杜撰さの犯人と同じレベルの理解度は、法曹関係者、刑事司法ジャーナリストのものだと思われます。しかし、そうした人には犯行に至る動機は考えにくいものです。

この刑事司法の矛盾の理解度と犯行動機を共に満たす犯人像は冤罪被害者です。

私には冤罪被害者つながりの友人・知人が何人かいますが、社会のマイノリティーである我々が自然に寄り添うのは、説明せずとも分かりあえる「痛み」を共有しているからであり、それは冤罪被害者しか理解できないと感じているからです。

その中の一人、ここでは仮に「K」としておきます。彼とはいつも刑事司法をいかに改革するかを議論している、憂国の同志です。その彼との最近の会話です。

私 「犯人はゆうちゃんを最初からはめようと色々罠を仕掛けてたと思うんだけど、それと自分が冤罪被害者であることを宣言してるラストメッセージ(注)とは矛盾するんじゃない?ゆうちゃんが冤罪被害者でないことは調べればすぐ分ることじゃん」

K 「それこそが犯人のメッセージなんですよ。検察は有罪方向の証拠しか立証に用いない、そして裁判所は無罪方向の証拠を検討せずに、検察主張の状況証拠が揃っただけで有罪を認定してしまうという問題点をこの犯人は指摘してるんですよ」

私 「なるほど。雲取山もそうか」

K 「そうです。雲取山に12月に登っても、地面が凍っていて埋められない。それはむしろ無罪方向の証拠なんです」

私 「そうだな。ゆうちゃんも保釈後のインタビューで、記者に「自分が無罪だという証拠を何か一つ挙げて下さい」と聞かれて、「雲取山に登ったこと。12月の週末の山頂には人が多くて、掘っていれば目立つし、そもそもスコップも持参していなかった」と言ってるもんな」

K 「片山氏にとっての無罪方向の証拠をわざわざ犯人は作ってるんですよ。それを検察は、有罪方向の証拠とねじ曲げたり、無視したりして立証する。そうした検察立証の杜撰さを犯人はあざ笑ってるんですよ」

私 「それは法曹関係者じゃない一般人であるなら、冤罪被害者じゃないとなかなか理解できないことだな」

K 「そうなんです。犯人は冤罪被害の当事者となってダークサイドに落ちたアナキン・スカイウォーカーですよ。ダースベイダーになっちゃった冤罪被害者なんです。犯人は、片山氏という新たな冤罪被害者を作ってでも警察、検察、裁判所に復讐しようとしてるんです。八田さんもボクもダークサイドに落ちなかった。同じく冤罪の被害に遭いながら、冤罪被害者を一人でも減らそうとしている我々は、ルーク・スカイウォーカーなんです」

検察は公益の代表者とされ、我々国民が期待するところは、公正中立な正義の番人であると思います。しかしその検察は、公判を勝ち負けのゲームと考え、そのゲームに勝つため、即ち有罪を得るために、厖大な証拠の中から、有罪方向の証拠だけを抽出して、それを更に黒っぽく塗り固めて証拠とします。郵便不正事件では、証拠の改竄が大問題とされましたが、それは何ら彼らの基本姿勢を逸脱するものではなく、証拠の恣意的な選別、悪質な証拠隠しは日常的に行われているものです。

私の公判でも、最初からその検察の姿勢を私も弁護人も非難し続けました。

ここをクリック→ #検察なう (224) 「検察論告の欠陥」

そうした検察立証の杜撰さを一刀両断にしたものが、私の控訴審での角田正紀裁判長ら裁判体による画期的な判決でした。

ここをクリック→ #検察なう (368) 「控訴審第二回公判報告~検察控訴を棄却!」

PC遠隔操作事件の犯人プロファイリングに戻り、いくつか付け加えます。

いかにIT技術に関しては門外漢の私でも、犯人のIT技術が相当レベルのものであることは想像がつきます。それは、大手メーカーの高度なセキュリティーソフト開発技術を凌駕するハッカーレベルの手練れです。片山祐輔氏は保釈後のインタビューで自分のことを「IT土方」と呼んでいました。IT関連者のヴァーチャルなヒエラルキーの中での自分のポジションを無意識のうちにそう表現したのだと思います。犯人の技術レベルは、それを生業とする月給25万円の契約社員のものではないと思われ、そのプライドをもってすれば「IT土方」などという言葉が出てくるはずはありません。

また、片山氏が「iesys.exe」のことを不用意に「ウィルス」と呼んでいたことも気になりました。トロイの木馬は自己増殖しないマルウェアであり、ウィルスではないことは私でも知っています。犯人もラストメッセージの中で、(一般人はウィルスと呼んでいる場面の描写もありますが、自分では)「トロイ」と呼んでいます。

片山氏が犯人のプロファイリングと一致しないとそう信じる私ですら、現在行われている彼の公判の結果が有罪になるかもしれないと思っているのが刑事司法の怖さです。今後の展開を注視したいと思っています。

ここをクリック→ #検察なう (378) 「PC遠隔操作事件・超訳」

ここをクリック→ PC遠隔操作事件 3/7/14 片山祐輔氏・佐藤博史弁護士独占インタビュー・トゥギャッタ―

(注)
ここをクリック→ PC遠隔操作事件 ラストメッセージ全文(上)

ここをクリック→ PC遠隔操作事件 ラストメッセージ全文(下)

3/13/2014












法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 冤罪と戦う八田隆を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 刑事事件一般

2014/03/13 Thu. 00:20 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

フィルム・レビュー 『あなたを抱きしめる日まで』 スティーヴン・フリアーズ監督 

フィルム・レビュー 『あなたを抱きしめる日まで』 スティーヴン・フリアーズ監督

あなたを抱きしめるまで

映画『あなたを抱きしめる日まで』観賞。

これはなかなか興味深いストーリーの映画でした。主人公のフィロミナ(彼女の名前が原題)は、かつてアイルランドの修道院の修道女。その修道院では、子供を身ごもった場合、ある年齢まで育てた子供をアメリカの金持ちに売っていました(本人には「罰として引き離す」と説明)。その離れ離れになった息子を50年振りに探す女性の物語です。

息子を探し求めての話かと思いきや、比較的すんなり彼の運命は明らかに。この話が興味深いのは、息子がどこの誰かと分かってから、親子のつながりを探す試みに変わったことです。

感動の物語というよりは、ジュディ・ディンチ演じる主人公のウィットに富んだ行動がほほえましく、また彼女のたくましさには元気をもらえます。設定が設定だけに彼女の「赦し」も非常に重要なテーマです。

監督は今まであまり印象に残る作品がなかったスティーヴン・フリアーズ。この作品は、実話をベースにした原作+脚本のよさと、ジュディ・ディンチと元BBCジャーナリスト役のスティーヴ・クーガンの演技の素晴らしさが噛み合って生まれたものです。観ても損はないかと。

ここをクリック→ 『あなたを抱きしめる日まで』予告編

(Facebook 1/18/14より転載)



















ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 冤罪と戦う八田隆を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: フィルム・レビュー

2014/03/09 Sun. 08:25 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

#検察なう (378) 「PC遠隔操作事件・超訳」 3/6/2014 

#検察なう (378) 「PC遠隔操作事件・超訳」 3/6/2014

片山ゆうちゃん、保釈されましたね。ここまで何が起こってるかネットでフォローしてないと、よく分からないよね。振り返ってみます。

そもそも4人の誤認逮捕の後だったから、ゆうちゃんを被疑者として警察がメディアにリークした時に、メディアは「まさか5人目の誤認逮捕はないよね」と思っちゃったんだろうな。相当前のめりの報道だったから。猫カフェで盗撮されたりね。ゆうちゃんは去年の2月10日に逮捕されたんだけど、その逮捕当日の私のツイート。

ここをクリック→ 2/10/2013のツイート (1)

ここをクリック→ 2/10/2013のツイート (2)

その後、過熱した報道がしばらく続くんだけど、犯人視した報道っておかしいよね。それは既に社会的制裁なんだけど、有罪判決を受けるまで被疑者・被告人はあくまで無罪ってのが推定無罪原則なんだから。というのが私のツイート。

ここをクリック→ 2/17/2013のツイート

その後、報道がなくなっちゃうのは、警察・検察がリークしていることが弁護人の記者会見で「あれー、なんか違うなあ」ってメディアも思い始めたってことなんだろうな。

「ゆうちゃんのスマホから江の島のネコ、グレー様の写真が見つかった!」そんなことありません。

「江の島の防犯カメラにゆうちゃんが首輪をつける映像が写ってる!」そんなこともありません。

「犯行に使われたトロイの木馬がドロップボックスのサーバーから見つかったんだけど、そこにはゆうちゃんの関係先で作成されたことを示す情報が含まれていたことをFBIが情報提供!」FBIだよ、FBI(笑)でもそれもウソです。

そうした誤報をメディアも訂正しないもんだから、今でも信じてる人多いかもね。

で、結局検察に起訴されるんだけど、検察は取調べしてない。「取調べするなら、録音・録画して」って言うゆうちゃんに対し、検察は「可視化したくないから、取調べしない」って。どうよ、それって。まあ、被疑者が望んだから取調べ可視化したって前例作りたくないんだろうけど、被疑者本人の取調べしないってのは適正な捜査とは言えないんじゃない?

そして昨日までずっと勾留が続いていたと。しかも弁護士以外の誰も面会できない「接見禁止」ってのが付いてた。保釈されない理由は、逃亡ないし証拠隠滅の怖れありってことなんだけど、ゆうちゃんがどこに逃げられるって。俺が彼を見かけたらサインもらっちゃうね。証拠だってできるものは全部押収されちゃってるんだから、隠滅する証拠があるならそもそも見つからないって。接見禁止の理由も、面会者にメールサーバーのパスワードを教えて、犯人なりすましのメールを送ることができるからってことだったんだけど、それって朝日新聞社と共同通信社の記者がその犯行声明に使われたメールサーバーに不正アクセスした時点(昨年6月)で意味なくなってるでしょ。

昨日の保釈も、最後の最後まで検察はじたばたして保釈を拒んでたけど、私が裁判官なら「検察は相当自信がなくて、ゆうちゃんが記者会見するのを嫌がってるんだろうな」と思っちゃうけどね。何か自分の首絞めてない?検察は。挙句の果ては例によっての「遺憾である」発言だよ。ほんと、裸の王様だね。そっちの方がよっぽどイカンわ。

そもそもの事件は「AKBぶっ殺す」とか「ロイヤルファミリー気に食わんから、その子息を通っている幼稚園で殺害します」とか「コミケ襲撃するぞ」とかのメールを遠隔操作したパソコンから送り付けたっていう単なるいたずらなんですが。誰も死んでないし。唯一シリアスな結果になったのは、離陸後の飛行機爆破予告でその飛行機が引き返しちゃったって件かな。それを世紀の大犯罪のようにしたのは、警察が4人を誤認逮捕して、そのうち2人に虚偽自白させて、そのうち1人が有罪(未成年であったため保護観察)になったからなんだよね。それで、接見禁止付きの勾留を1年1ヶ月続けたってのは常軌を逸してるね。今後の公判の行方に関わらず、この「4人の誤認逮捕+虚偽自白」と「可視化を避けるために取調べをせずにいた被告人を1年以上不当に勾留した」ってことだけは忘れちゃいけないね。

と言いつつ今後の公判の展開は、実は結構微妙かも。犯人はいくつかの犯行声明メールを送ってるんだけど、「自殺予告メール」に写っていたフィギュア(『魔法少女まどか☆マギカ』)を購入してた、「謹賀新年メール」の1ヶ月前に雲取山に登った、「延長戦メール」の2日前に江の島に行った、っていうこんな偶然ってありうる?普通ありえないよね。ここまで保釈がされずにずっと勾留されてたってのは、職業裁判官の感覚で事件を見ると、そんなことできるのは真犯人しかいないっていう心証はクロなんじゃないかと思うんですよ。

でも、そのありえないほどの偶然っていうのは、ゆうちゃんのパソコンも遠隔操作されていなかったっていうのが大前提。もし彼のパソコンも遠隔操作されていたなら、それは完全にひっくり返っちゃう話。遠隔操作されてたら、全ての行動は筒抜けだから、本人の行動に合わせて犯行声明を作ることっていうのは簡単にできちゃうよね。ただ裁判官にはそうした感覚がないのかも。だからここまで勾留されてたんじゃないかと思うな。これはもしかしたらシロかもって思ったら、さすがに保釈までしなくても接見禁止くらいは解くでしょ。

証拠として重要なのはDNA鑑定かな。SDカードを首輪につけた二重巻きのセロテープの内側のDNAがゆうちゃんのと一致しないってのはかなり重要でしょ。DNAは血液型と同じで、一致したからといってそれで100%同じ人ってわけじゃないけど、一致しなければ100%違う人だから。検察が「有罪立証に使ってないから重要じゃない」って言ってるらしいけど、それは全くナンセンス。重要です。

今後はこの保釈で報道が一気に無罪方向にバイアスがかかることは目に見えてるけど(今までの報道を忘れて下さいと言わんばかりの内容になるだろうな、で、それが検察の怖れていた事)、裁判官的には保釈=シロってことにはならないと思う。あくまで行き過ぎた身体拘束を是正したってだけで、クロだって保釈するでしょ。

ゆうちゃんが遠隔操作されていないという立証を検察ができるのか、あるいは遠隔操作されていたという立証を弁護側ができるのかってのが焦点だね。「悪魔の証明」対決。いずれも相当ハードルは高くて、そうなると推定無罪原則でゆうちゃんは無罪ってはずなんだけど、日本の司法に推定無罪原則はないと考えた方がいいから。下手すりゃ推定有罪で、「疑わしきは検察の利益に」ってのが日本の司法だから。

しかも検察官も裁判官もパソコンの知識はないから大変だと思うなあ。多分、並みのプログラマーなんだろうけど、そのゆうちゃんが記者会見で話してたパソコン関連のことですら私には全くちんぷんかんぷん。その私でもトロイの木馬がウィルスではないってことくらいは知ってるけど、報道ではウィルスで遠隔操作とか言われてるし。いまだにクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件も「ストック・オプション」の「売却益」の申告漏れって言われてるのと似たようなもんだな。

あと、私の弁護戦略でもそうだったんだけど、証拠の基本全部同意ってのは一つのトレンドになるかもね。ゆうちゃんの場合は、保釈を得るためにってのがその主な理由だったんだろうけど、弁護側の証拠の不同意ってのは考えものかも。検察は厖大な証拠の中から、クロっぽいものだけ抽出して証拠調請求するよね。これは公益の代表としてどうなのってのはあるんだけど、現行制度では許されてる。それに対抗して、弁護側はとにかくクロっぽいものは証拠として出さないようにして、一生懸命シロっぽいものだけ請求するんだけど、検察がクロい証拠だけ、弁護側がシロい証拠だけ出して、「さあ、どっちだ!」って言ったら、どうしても検察の肩持っちゃう裁判官多いような気がするんだよね。そこで、弁護側がシロいのもクロいのも全部出したら、「あ、こっちの方が真実を追求しようとしてる」と私が裁判官なら思うけど。ということを、昨日小松先生と電話で世間話しながら、「PC遠隔操作事件弁護団の弁護戦略って私たちのに結構似てますね」と話してました。まあ、向こうは私たちのことは知らないだろうから、偶然なんですけどね。

ここをクリック→ 片山祐輔氏保釈会見書き起こし

ここをクリック→ 片山祐輔氏保釈会見動画(IWJ)

3/6/2014












法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 冤罪と戦う八田隆を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 刑事事件一般

2014/03/06 Thu. 07:56 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

#検察なう (377) 「氷山の一角 パート4 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」 3/3/2014 

#検察なう (377) 「氷山の一角 パート4 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」 3/3/2014

先週金曜日、外出先で私の携帯電話が鳴りました。電話の相手は、私や私の友人・知人の多くが支援している冤罪被害者の永末康子さんでした。

「上告が棄却されました。弁護士の先生から今、連絡をもらったのですが、誰かと話がしたくて」

私は言葉を失いました。月並みな励ましの言葉を絞り出すのが精一杯でした。

彼女は普通のOLとして働いていましたが、市職員の単純横領をその犯人と警察の「阿吽の呼吸」で贈収賄事件に作り替えられ、その贈賄側の犯人として無実の罪を着せられました。

7ヵ月にも亘る勾留の間、彼女は否認を貫きました。否認している被告人を接見禁止付きで長期間保釈せずに自由を奪うやり方はまさに「人質司法」と言われるものです。

控訴審判決は一昨年12月だったため、上告後、随分と時間が経過していました。上告棄却により、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪が確定しました。

彼女を応援する「冤罪と戦うやすこを応援する会」のHPに最新ニュースとして上告棄却後のコメントが掲載されていますので、是非ご覧下さい。

ここをクリック→ 「冤罪と戦うやすこを応援する会」HP 

これまでの経緯に関して、詳しくは私のブログをご参照下さい。

ここをクリック→ #検察なう (115) 「氷山の一角」

ここをクリック→ #検察なう (126) 「氷山の一角 パート2 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

ここをクリック→ #検察なう (287) 「氷山の一角 パート3 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

私個人の冤罪との戦いは検察上告断念による無罪確定で終息しましたが、それは単なる局地戦です。これから冤罪そして何よりそれを生み出している刑事司法の矛盾との全面戦争が開始すると思っています。その全面戦争の最前線がこれから始まる私の国家賠償請求訴訟です。

彼女の事件をご覧になれば、冤罪が対岸の火事でないことは言うまでもないことです。永末さんのような冤罪被害者をこれ以上出さないことが、我々に課された義務であり、あなた自身やあなたの愛する人を守ることにつながると思います。是非、ご理解頂ければと思います。

1948007_604495506298373_1925407435_n.jpg

3/3/2014











法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は「#検察なう フェイスブック・コミュニティ」のメッセージでご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう フェイスブック・コミュニティ





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: 冤罪事件に関して

2014/03/03 Mon. 07:38 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

フィルム・レビュー 『東京難民』 佐々部清監督 

フィルム・レビュー 『東京難民』 佐々部清監督

東京難民

映画『東京難民』観賞。

もしあなたが生きることが辛かったら、生きる目的を見失っていたら、是非この映画を観て下さい。

『ツレがうつになりまして』ではシリアスな問題をハートウォーミングな映画(堺雅人、宮崎あおいが好演)に仕立てた佐々部清監督。本作では、シリアスな問題を「どシリアス」に描いています。

ちょー適当な今どき大学生が社会の底辺まで一気に落ちて行く様は、恐怖さえ覚えました。ネットカフェ難民やホストクラブ、日雇労働者、ホームレスの実態もリアルに見せてくれます。最後は名前さえ捨てて「俺は終わった」と虫のように生きようと決めるのですが、彼がどん底で見つけたものとは何であったか。

全体を重苦しい感じが覆った映画の後味が爽やかなのは、やはり最後で希望と人間の強さを見せてくれたからです。「生きていていいですか」というセリフには泣けました。主演の中村蒼も一生懸命生きる青年をいい演技で見せてくれました。彼に関わる人たちも存在感のある役回りで、特に井上順の演技がよかったなあ。ラストシーンにかぶる高橋優の歌もぴったり(あまり邦楽を聞かない私ですがCD2枚持ってます)。

どーんと来た後、じわじわ来ます。とにかくお勧めです。

ここをクリック→ 『東京難民』予告編

(Facebook 2/26/14より転載)











ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 冤罪と戦う八田隆を支援する会





TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: フィルム・レビュー

2014/03/02 Sun. 10:00 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top