「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (462) 「当ブログ「蟷螂の斧となろうとも」の訪問者数が20万人を突破しました!(上)」 3/30/2015 

#検察なう (462) 「当ブログ「蟷螂の斧となろうとも」の訪問者数が20万人を突破しました!(上)」 3/30/2015

2011年9月から書き続けている当ブログ「蟷螂の斧となろうとも」の訪問者がこの3月とうとう20万人を突破しました。刑事司法というニッチな分野で素人感覚丸出しの当ブログが多くの人に読まれていることを大変喜ばしく思います。

10万人を突破したのが2013年10月。ブログ開始から2年1ヵ月でした。それから1年5ヵ月後に20万人を突破ということで、ペースは約1.5倍にピックアップしています。少しでも多くの人に読んで頂き、問題意識をシェアできればと思っています。裁判員裁判制度がある以上、全ての有権者は人を裁く可能性があるわけで、刑事司法の問題に無関心であってはならないと思います(かつての自分を振り返り、自戒を込めて)。

20万人突破を節目に、2回に分けてここまでの人気記事を紹介します。このランキングは、それぞれのブログの「拍手」「ツイート」「(フェイスブック)いいね!」を集計したものです(ゆえにこのブログの右に表示のある「人気記事ランキング」とは順位が異なります)。単なるブログの訪問者数より、共感を得られた投票だと考えました。

今回は第1位から第5位まで。

<第1位>
ここをクリック→ #検察なう (110) 「証拠開示」

刑事司法に無知、無関心であった自分がその世界に足を踏み入れると、自分の常識とかけ離れていることがあまりにも多くて驚きました。勿論、その中には「なるほど、そういうことか」と納得するものもありますが、いまだに納得できないものもあります。その中でも最たるものの一つが、「訴追機関の検察は、弁護側に全ての証拠を見せる必要はない」というものです。郵便不正事件では証拠改竄が検察の信用の失墜につながりましたが、証拠改竄と「被告人に有利な証拠を隠蔽する」というのは五十歩百歩ではないでしょうか。国民がそれを知れば「なんじゃそりゃ!フェアじゃないじゃん!!税金を使って集めた証拠は国民の共有財産でしょ!!!」と当然思うであろう、法曹界の常識は国民の非常識の一つです。

<第2位>
ここをクリック→ #検察なう (270) 「陳情書のお願い」

支援者の方々に直接協力をお願いすることが三度ありました。それは、私の人となりを友人・知人に書き綴ってもらい、起訴前に検察特捜部に提出した嘆願書。1年半の間に146通が寄せられました。次に、「もし自分が裁判員だったら、どう判断するか」を書いてもらった上申書。一審裁判体に宛てて書かれ、1ヵ月の間に60通が寄せられました。残念ながら、検察不同意で裁判の証拠とはなりえず、裁判官の手元に届くことはありませんでした。しかし、検察官が市民の判断を読んでどう感じたか興味深いところです。そして無罪判決後、検察控訴を阻止すべく寄せられた陳情書。支援の声は確実にクレッシェンドで、フォルテッシモに達したのがこの時でした。

その陳情書の一例をブログに紹介したところ、江川紹子さんから「これブログにアップしたら後の人が書きにくくなるんじゃないの」というメッセージを頂きましたが、その心配をよそに、陳情書は1週間で249通に達しました。支援者の生の声を是非お聞き下さい。

ここをクリック→ #検察なう (271) 「陳情書一例」

ここをクリック→ #検察なう (272) 「陳情書途中経過ハイライト」

ここをクリック→ #検察なう (275) 「陳情書ハイライト Part2」

ここをクリック→ #検察なう (276) 「陳情書ありがとうございました+ハイライト Part3」

<第3位>
ここをクリック→ #検察なう (126) 「氷山の一角 パート2 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

支援して下さる方の中には自身も冤罪被害者という方がいます。冤罪は構造的に起こっており、それを減らす努力が全くなされていないに等しいことから、冤罪は、世の中の人が想像するよりはるかに日常的に数多く発生しています。その冤罪被害者の一人が巻き込まれた事件を紹介した記事に「氷山の一角」と名付けたのはそのためです。今では彼女は私の友人の多くとフェイスブックでつながっています。

是非「氷山の一角」シリーズの最初からお読み頂ければと思います。
ここをクリック→ #検察なう (115) 「氷山の一角」

ここをクリック→ #検察なう (287) 「氷山の一角 パート3 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

ここをクリック→ #検察なう (377) 「氷山の一角 パート4 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

<第4位>
ここをクリック→ #検察なう (134) 「郵便不正事件より重大な検察の犯罪 田代検事報告書の検証」

大阪地検特捜部の郵便不正事件と東京地検特捜部の陸山会事件に係る虚偽報告書問題は、共に検察の歪んだ価値観が産み出したものであり、まさに検察の犯罪行為というものです。その原因は検察官個人の問題ではなく、検察文化そのものという意味において、時を同じくして起こった西と東の事件は同質とも言えるものですが、社会に対する影響度や処分のされ方は天と地ほどの差があります。社会に対するインパクトは圧倒的に虚偽報告書問題の方が大きいにも関わらず、処分は軽いというより全く不問に付されたというふざけた結果でした。

陸山会事件に係る虚偽報告書問題の影響は、一連の事件がなければ一国の宰相になっていた人物をパージするというクーデターに匹敵するものです。郵便不正事件後に起こった検察批判のあまりの大きさに検察が委縮して、西で画策した事件の矮小化どころか、東では完全に隠蔽工作に走ったということが虚偽報告書問題で検察の行ったことです。

<第5位>
ここをクリック→ #検察なう (268) 「判決を前に」 

個人的には一番思い入れのあるブログの一つかもしれません。これはタイトル通り、一審判決直前の心境を述べたものです。この時は「ダメならダメでしゃーないや」と開き直っていたので、当日の判決の瞬間も全く緊張はありませんでした。一連の公判では控訴審の初公判が一番緊張したかなあ。是非ご一読頂ければと思います。

次回は第6位から第10位の発表です。

ここまでのご支援ありがとうございます。これからも刑事司法の矛盾に、「蟷螂の斧となろうとも」の精神をもってドン・キホーテよろしく挑みますので、伴走よろしくお願いします。

3/30/2015

















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category: 刑事事件一般

2015/03/30 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『アリスのままで』 リチャード・グラッツアー監督 

フィルム・レビュー 『アリスのままで』 リチャード・グラッツアー監督

still alice

映画『アリスのままで』観賞。

若年性アルツハイマーを発症した言語学者を演じる主演のジュリアン・ムーアは、この作品でオスカーを初受賞。監督のリチャード・グラッツアーはALSに罹患しており、自身の経験を映し出した渾身の作(そして彼はつい先日の3月10日にALSで死去している)。

個人的にジュリアン・ムーアは大好きな女優。グッチのデザイナー、トム・フォードが監督をした『シングルマン』で見せたように、スタイリッシュでセクシーな妙齢の女優と言えば彼女の右に出る者はいないのではないか。

この作品は水準以上ではあるが、このテーマであればもっとよくてもいいのではないかと感じた。原題は"Still Alice"で、邦題のように記憶を失ってもアリス(主人公の役名)はアリスのままということだが、それがダブル・ミーニングかと思わせるほど「静かな」演技。コロンビア大学で教鞭を取る言語学者であり、幸せな結婚と3人の子供に愛される女性の幸せを病魔に奪われる怒り、悔しさといった激しい面ももっと出してもよかったのではないだろうか。

例えば、昨年のオスカー主演女優賞は『ブルージャスミン』のケイト・ブランシェットが受賞したが、彼女があの映画で見せたようなどろどろしたものをもう少し見たかったように思う。

妻をいたわる夫の役を演じるのはアレック・ボールドウィンだが、彼には優しい夫・父の役は似合わない。顔がよすぎるからだと思う。結局、彼が仕事を優先して単身赴任を選ぶストーリーも中途半端。

家族にアルツハイマー患者がいれば、「こんなきれいじゃないんだけどな」という声が聞こえてきそう。

ということで、悪くはない、悪くはないけど惜しい、という出来の作品。

ここをクリック→ 『アリスのままで』予告編

(Facebook 3/19/2015より転載)


















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category: フィルム・レビュー

2015/03/29 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (461) 「少年よ、大志を抱け~青少年の社会見学の場として傍聴のススメ」 3/26/2015  

#検察なう (461) 「少年よ、大志を抱け~青少年の社会見学の場として傍聴のススメ」 3/26/2015

先日の私の国賠審第4回口頭弁論の前に、小学6年生の母であるフェイスブックつながりの友人からメッセージをもらいました。

「息子が「将来、弁護士になりたいから、大学は法学部に進みたい」と最近、言い出して かなり興味があるようなので、 この機会に一度、傍聴に連れて行こうかと思いまして…。」

私は、自分の意見陳述があるから(それがなければ、民事裁判の口頭弁論はただの事務手続きなので)、いい機会になるんじゃないかと答えました。

当日学校を休んで、息子くんは傍聴に来てくれました。その口頭弁論の模様はこちら。

ここをクリック→ #検察なう (455) 「国賠審第4回口頭弁論報告~基本的な法律的センスが疑われる訟務検事」

ここをクリック→ #検察なう (457) 「国賠審第4回口頭弁論法廷マンガ by 高杉ナツメ」

閉廷後、私は支援者の方々との挨拶があったので、息子くんの対応を代理人チームの小松正和弁護士にお願いしました。

息子くんとはその場で十分に話せなかったので、彼には手紙を出しました。私が書いた言葉は、

「法曹の道を目指して、裁判官、検察官、弁護士のいずれになっても、人の人生に影響を与える重要な仕事であり、そうした仕事に就けるということは素晴らしいことだと思う。努力も必要だけど、その努力をする君を私は応援します」

というものでした。

早速、息子くんから返事が来ました。

「お手紙ありがとうございました。ぼくは、弁護士になりたいですが、法律関係の仕事(裁判官など)もいいなぁと思っています。裁判をぼうちょうした感想はいろいろあります。まず、裁判の時間が思ったより短かったのでおどろきました。あと、八田さんの口頭弁論がかっこよかったです。

また、小松先生に会わせていただきありがとうございました。いろいろなことを聞かせていただき、とても役立ちました。

ぼくは勉強をたくさんして、困った人を助け、人から尊敬されるような弁護士になりたいです。応援ありがとうございます。」

手紙1

その後の友人からのメッセージで、息子くんはこれから私が書いた『勝率ゼロへの挑戦』を読むそうです。小学校6年生であの本が読めたらすごいなあ。分かりやすく書いたつもりだけど、さすがに小学生が読むことはイメージしてなかったなあ。

彼がこれからどのような人生を歩むか楽しみです。もし今の意志を貫いて法曹の仕事に就いたなら、こんな喜ばしいことはないのではないかと思います。

お父さん、お母さん、もし自分の子供に法曹の道に進むチャンスを与えたいと思うのであれば、裁判の傍聴はいい社会見学の機会だと思いますよ。機会があればご一緒にいかがですか。是非、ご一考を。

3/26/2015














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category: 刑事裁判公判報告

2015/03/26 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (460) 「愛知県弁護士会主催「3・7 取調べの可視化市民集会」講演全文」 3/23/2015 

#検察なう (460) 「愛知県弁護士会主催「3・7 取調べの可視化市民集会」講演全文」 3/23/2015

3月7日に、名古屋で取調べの可視化市民集会が開かれました。講師として招かれたのは前田恒彦元特捜部主任検事と私でした。

ここをクリック→ 愛知県弁護士会主催「3・7 取調べの可視化市民集会」チラシ

前田氏とは、昨年大阪に私が押し掛け、オクトーバーフェストでビールを交わしたことがあります。その時彼はベースボールキャップだったのですが、当日は坊主頭。ダブルのスーツに眼光鋭く、「その筋の方?」という迫力でした。その風貌とチャーミングな笑顔のギャップが魅力です。

当日の模様です。私の講演が30分、前田氏の講演が30分、その後約1時間のパネルディスカッションがありました。

名古屋1-2

名古屋2

名古屋3

名古屋4-2

名古屋5-1

名古屋6

名古屋7

名古屋8

参加者の入りは7-80人程度とぼちぼちでしたが、会場で私の本が25冊売れたところを見ると、内容は好評だったのではと感じています。

以下のリンクが私が行った講演の全文です。クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件の概要と取調べの様子、取調べの可視化を中心に刑事司法の在り方に関する所感を述べています。是非ご一読下さい。

ここをクリック→ 取調べの可視化市民集会講演全文

前田氏との談話を通じ新たに学ぶこともありました。今回この企画を機会に取調べの可視化に関し考えを深めましたので、それはまた機会を改めて議論したいと思います。

3/23/2015










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category: 刑事司法改革への道

2015/03/23 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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フィルム・レビュー 『セッション』 デミアン・チャゼル監督 

フィルム・レビュー 『セッション』 デミアン・チャゼル監督

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映画『セッション』観賞。

これまで自分が観た音楽を題材とした映画の中では、最高の作品。そのテーマは音楽に限らず、全ての「求道」に通じるもの。

主人公はバディ・リッチのような「偉大なドラマー」になることに憧れる19歳(マイルズ・テラー)。彼はアメリカ屈指の音楽学校(架空の学校だが多分ジュリアードがモデル)に通い、そこで学校最高のジャズ・バンドを率いる指揮者(JK・シモンズ)の目に止まる。彼ら二人の間の狂気にも近い師弟関係がこの映画のメイン・プロット。

とにかく全編すごい緊張感。スリリングな音楽に満たされたスリリングな映画。ジャズには門外漢だが、思わず体がリズムに合わせて動いてしまうほど「入れる」映画。

『スパイダーマン』シリーズの編集長役のイメージしかなかったJK・シモンズはこの作品でアカデミー助演男優賞を取ったが、当然の評価だろう。とにかく鬼気迫る演技。

ラストシーンの展開には驚くばかり。出来過ぎ感はあるが、それを納得させるのがマイルズ・テラーによる演奏の迫力。ジャズ・ドラム通が見たらどう感じるかは分からないないが、素人の私を納得させるだけのものではあった。

観て全く損はない、どころか(音楽を聞くことが苦痛である人を除き)観るべき映画の一つであることは間違いない。

ここをクリック→ 『セッション』予告編

(Facebook 3/16/2015より転載)











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category: フィルム・レビュー

2015/03/22 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (459) 「検察に引き返す勇気はないのか~検察、美濃加茂市長事件で藤井市長無罪判決を控訴」 3/19/2015  

#検察なう (459) 「検察に引き返す勇気はないのか~検察、美濃加茂市長事件で藤井市長無罪判決を控訴」 3/19/2015

美濃加茂市長事件において、検察は一審無罪判決を不服として、本日19日が期限の控訴をすると報じられています。

この報道を目にした時、私は激しく動揺してしまいました。それは自分が検察官控訴された時のことがフラッシュバックしたからです。

私の一審無罪判決はおととし3月1日でした。控訴の期限は2週間後の3月15日。控訴の判断は期限一杯と思っていた私の携帯が鳴ったのは3月12日のことでした。その電話は大手メディアの記者からでした(私は積極的に情報開示に努め、取材をしてくれた記者には私の個人用の携帯番号を渡し、常に取材に応じる旨伝えていました)。

「八田さん、検察は控訴を決めました。今のお気持ちをお聞かせ願えますか」

3月1日の無罪判決以降、支援の気運は盛り上がり、検察控訴を阻止すべく陳情書が寄せられました。それは1週間で249通に達していました(注)。その矢先であったため、私は地に叩きのめされたように感じました。

しかし一晩寝た後はファイティングスピリットに再点火、冷静に状況を判断できたものです。検察官控訴が報じられた翌日に書いたブログをお読み頂ければ、今回の美濃加茂市長事件での検察官控訴と共通項を見出すことができると思います。

ここをクリック→ #検察なう (277) 「検察控訴の背景を探る」

一般人の感覚からすると「ありえない」と感じる控訴が、検察内部の者あるいは検察の事情に通じた者からすると当然至極であろうことに私は危惧を覚えます。

この「控訴は避け得ない」という彼らの感覚は、検察が一方当事者であることによります。つまり、無罪判決は「負け」という感覚です。我々一般人の感覚からすると、検察は公益の代表者であり、悪を許さない正義の擁護者です。そして過ちを正す者のあるべき姿勢として、自らが過ちを犯した場合には、潔くそれを認める真摯な態度が求められます。その一般人の感覚と現実(=検察の感覚)とに乖離があるということをこの検察官控訴は物語っています。

今回の暴挙とも言うべき検察官控訴によって、絶対に自らの過ちを認めようとせず、それが結果、国民の信頼を失うことになることを検察が理解していないかのようであることを国民の一人として憂うものです。それは、あたかもレミングが川に集団自殺するのを見るようです。自分たちの判断の誤りを裁判所に責任転嫁し、「自分たちは間違っていない。裁判所が間違っている」という情けない言い訳に、国民が騙されると思っているのでしょうか。そうした目先だけの問題回避を図ることは、長期的には検察に対する信頼を大きく損なうものです。

捜査権力、司法権力の権威はつまるところ国民の信頼に裏打ちされてこそのものです。そして彼らの権威が損なわれて、結局損をするのは我々国民です。

最後に私は、冤罪回避の刑事司法改革の最も有効な手段が、検察上訴権の廃止であると考え、そもそも検察上訴は憲法違反ないし過去の判例の不当な拡大解釈であると考えていることを述べたいと思います。詳しくは以下添付の過去のブログをご参照頂ければ幸いです。

ここをクリック→ #検察なう (87) 「司法改革 (2) 『二重の危険』」

刑事被告人の汚名を着せ続けられる藤井氏の悔しさは、痛いほどよく分かります。彼には是非それをはねのけてほしいと思います。美濃加茂市長事件の検察官控訴のテクニカルな面に関しては、主任弁護人郷原信郎氏の以下のブログを参照下さい。

ここをクリック→ 『郷原信郎が斬る』「「美濃加茂市長事件無罪判決に検察控訴の方針」は、「妄想」か「狂気」か」

(注)
陳情書のハイライトを紹介します。これが私の支援者の声でした。藤井氏の支援者の方々も今、同じような気持ちであることと思います。

ここをクリック→ #検察なう (271) 「陳情書一例」

ここをクリック→ #検察なう (272) 「陳情書途中経過ハイライト」

ここをクリック→ #検察なう (275) 「陳情書ハイライトPart2」

ここをクリック→ #検察なう (276) 「陳情書ありがとうございました+ハイライトPart3」

3/19/2015








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category: 美濃加茂市長事件

2015/03/19 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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#検察なう (458) 「おかえりなさい!佐藤真言さん!!」 3/16/2015 

#検察なう (458) 「おかえりなさい!佐藤真言さん!!」 3/16/2015

2月19日、佐藤真言さんが593日の収監を経て仮釈放となりました。桜の季節に間に合うかなと思っていたので、喜ばしい限りです。通常の「ヨンピン(刑期の1/4残し)」ではなく、「サンピン(刑期の1/3残し)」でのスピード仮釈放でした。

早速、彼の労をねぎらう機会がありました。久しぶりに会った彼は、特に人相が悪くなったということもなく(笑)、元気な真言さんでした。

久しぶりで話がはずみました。一番大変だったのは何でした?の質問には「食事がおいしくなかった」とのこと。特に米が「超古古米」らしくまずかったようです。それでは、出所して一番食べたかったのは?の質問には「TKG(たまごかけごはん)とビール」でした。

最初は雑居房に入ったそうですが、雑居房の中のヒエラルキーは年齢に関係なく入った順。最初は馴れずに気苦労もあったようですが、「八田さんが差し入れてくれた『囚人リク』がみんなに好評で助かりましたよ」だったそうです。

ここをクリック→ #検察なう (332) 「マンガ『囚人リク』」

比較的ラッキーなことに、雑居房で先に入った人が早々と抜け、彼は早くに房頭になったそうです。不自由ながらも、「どうせいるなら楽しまなきゃ」的なポジティブ思考で、結構楽しそうな収監生活だったように聞こえました(とは言っても大変だったでしょうが)。未経験者には「へええ」と驚かされることも少なくありませんでしたが、それらはまた機会を改めて。

友人と彼の話になった時、「佐藤真言さん?あの『粉飾』を書いた人だよね。経営コンサルタントだっけ?粉飾決算なんてどの会社でもやってるんだろうけど、運が悪いというかかわいそうだよね」と言う友人に、「それは事件の本質を理解していない」ときっちりレクチャーさせてもらいました。

彼の巻き込まれた事件は、検察によって作られたと言えるものです。株式を上場していない会社においては、粉飾決算自体は違法ではなく、それにより銀行から赤字決算では借りられない資金を引き出したことが詐欺罪に当たるものです。しかし、当初から返済の意思はあり、実際に十分な返済能力があったにも関わらず、それでは可罰性が低いからと、返済させないように会社社長を逮捕して倒産に追い込んだと見られます。一罰百戒のターゲットとされたであろう彼らの行為は、当初から計画倒産を企て、私的流用していたようなケースとは明らかに異なり、執行猶予相当の罪に対して実刑判決という、著しい量刑不当の冤罪というものです。

ここをクリック→ #検察なう (209) 「何が社会正義かを問う『四〇〇万企業が哭いている 検察が会社を踏み潰した日』を読んで」

ここをクリック→ #検察なう (289) 「佐藤真言氏著 『粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白』を読んで」

ここをクリック→ #検察なう (341) 「法律守って法を守らず~佐藤真言氏著『粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白』再読」

そうした捜査権力によってフレームアップされた事件の被害者であることを、なかなか人は理解してくれないという悔しさはあると思いますが、そうしたところは微塵も見せず、収監前と何ら変わらない明るい真言さんでした。

「中に入るまでは気にも留めなかった何気ないことにも、喜びを見出すことができるというのはありますね」

やっぱり人間万事塞翁が馬だなあ。

「11月の満期までは、完全にリラックスもできないのでしょうが、とにかく出所おめでとうございます!」といったところでした。

佐藤真言

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category: 佐藤真言氏 『粉飾』

2015/03/16 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『振り子~furiko~』 竹永典弘監督 

フィルム・レビュー 『振り子~furiko~』 竹永典弘監督

振り子

鉄拳原作のパラパラ漫画『振り子』が映画化。

原作がマンガだから当たり前なのだが、展開が「マンガ」。だからそう突っ込まないで観る分には悪くなかった。

とてもよかったのは学生時代の二人を演じた石田卓也と清水富美加の演技。実に清々しく、パラパラ漫画のテーマの雰囲気にマッチしていた。

彼らが成人した後の配役は中村獅童と小西真奈美。獅童はダメ男をやらせたら、地で行けるんじゃないかと思われるので全く問題なし。彼が良く映画の中で泣くシーンがあるのだが、一緒に泣かせてもらった。小西真奈美の演じるヒロインの設定に関しては、毎晩朝帰りの旦那を笑顔で迎える妻などこの世には存在していないので、そこは陰ではもう少し辛そうな演出があった方が説得力があったのではないか。意外によかったのが武田鉄矢。しっかり役者していた。松井珠理奈はないんじゃないかな。存在感あり過ぎで、彼女のシーンだけ切り取ってSKE48のPVにした方がいい感じ。

途中に加えられたエピソードが昭和から平成の日常を背景にしていて、なかなか上手いと思った。特につくば科学万博のポストカプセルは「あ~、俺も16年後の俺に年賀状送ったよなあ」と懐かしかった。エンディングのひねりは微妙なところ。ここだけが原作と大きく変わるところであり、工夫は見られるが、あくまで原作に忠実に映画化ということでもよかったのでは。

ここをクリック→ 『振り子~furiko~』予告編

(Facebook 3/10/2015より転載)









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category: フィルム・レビュー

2015/03/15 Sun. 00:25 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (457) 「国賠審第4回口頭弁論法廷マンガ by 高杉ナツメ」 3/12/2015 

#検察なう (457) 「国賠審第4回口頭弁論法廷マンガ by 高杉ナツメ」 3/12/2015

久々の法廷マンガ。3/2に行われた国賠審第4回口頭弁論の模様です。やっぱ、これがないとねー。

楽しんで下さい!


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ここをクリック→ #検察なう (455) 「国賠審第4回口頭弁論報告 ~基本的な法律的センスが疑われる訟務検事」

3/12/2015










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category: 国家賠償請求訴訟

2015/03/12 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 3

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#検察なう (456) 「美濃加茂市長事件藤井氏無罪判決公判傍聴記」 3/9/2015 

#検察なう (456) 「美濃加茂市長事件藤井氏無罪判決公判傍聴記」 3/9/2015

3月7日に弁護士会主催の前田恒彦元特捜部主任検事と私の講演&パネルディスカッションが名古屋であり、どうせ名古屋に行くのならと、これまで支援してきた藤井氏の判決を傍聴しに3月5日の判決当日名古屋入りしました。

彼の主任弁護人の郷原信郎氏は、私の国賠審代理人チームのメンバーでもあり、私の国賠審の弁護士ミーティングでもよく美濃加茂市長事件のことは話題になります。先日もミーティングの際に、郷原氏が「3月5日の判決言い渡しは、2時間以上となりそうです」と言ったところ、元判事の森炎氏が「なら無罪でしょ(笑)有罪なら理由の言い渡しにそんなに時間かからないし」と言っていました。しかし、刑事裁判は有罪率が99.9%超えというとんでもない世界なので、「試合に勝って勝負に負ける」ということは十分ありえます。

当日は見事な晴天。でも寒っ!

裁判所

開廷前の藤井氏です。余裕の笑顔かな?

藤井市長

傍聴券を無事ゲットして入廷しました。

傍聴券

開廷前に撮影が入るのは、東京地裁でも経験しているのですが、名古屋地裁では、撮影後に裁判官の方々は一旦退廷します。そしてすぐさま再入廷(東京地裁では撮影後そのまま開廷)。ところ変われば品変わるなんですね。

緊張する間もなく、裁判長の判決読み上げです。

「主文、被告人は無罪。」

うーん、やはり「被告人『は』」と聞くのはいいですねえ。「を」は聞きたくないもんね。記者が速報を伝えるべく、雪崩を打って飛び出して行きます。

判決理由読み上げが始まって、「おっ!」と思ったのは、ディスプレイに判決理由の項目を、箇条書きで映し出したことです。注目されていた事件だけに、裁判官も気配りがあるようです。

それから延々と判決理由の読み上げが続きました。これが長い!事実関係の確認に2時間はありました。それからようやく判断の核心に入るのですが、これが短い!(といっても40分くらいでしたか)裁判長、もう少し時間配分を考えてくれればパーフェクトなんですが。まあ、そんな贅沢は言えません。貴重な無罪判決です。

これまで事件の経緯については、散々ブログで書いてきたので(下に添付の「過去の美濃加茂市長事件関連ブログ記事」参照)、敢えて無罪判決理由の詳細に踏み込みませんが、一番強調されていたのは、贈賄供述者の供述内容の変遷が不合理であり信用性に疑問があるとされたことです。

賄賂を渡すという「非日常的」な行為を、記憶が混同するほど度重なるほどやっていたならまだしも、わずか2回であれば、核心的な事実は克明に覚えているはずです。初めて賄賂を渡したとされたガストでの現金授受の現場に、同席者がいたことを忘れていたというのはやはり不自然極まりないとしか裁判官にも思えなかったものです。

2回の現金授受ではいずれも同席者が離席した間に、現金が手渡されたとされましたが、その時の着座位置は、いずれも贈賄者が離席した者に背を向けるものであり、離席した者の動向に全く注意を払っていないかのようであるのも不自然だという理由を述べた時は、「ふうむ、かなり常識的な感覚だな」と感じました(非常識な感覚をお持ちの裁判官も多いので)。

そして注目の「闇取引」に関する裁判官の判断ですが、そこでの冒頭に「その可能性はない」とばっさり切っていながら、その後の説明は、ほとんど弁護側の主張を認めているかのようでした。

「融資詐欺などで既に起訴されていた贈賄供述者が自分の量刑に大きな関心を抱くのは至極当然である。捜査機関の関心を他の重大な事件に向けることにより融資詐欺の進展を止めたいと考えたり、刑事事件の情状を良くするために捜査機関に迎合する行動に出ようと考えることは十分にあり得る。贈賄供述者には虚偽供述をする理由・動機が存在した可能性があったと考えられる。」

最後に裁判長の説諭です。

「市政に尽くされることを期待しています。頑張って下さい。」

閉廷後、郷原氏と固い握手を交わしました。ひどい風邪をひいていて、開廷前はかなりしんどそうでしたが、その風邪も吹っ飛んだようでした。

今後、検察は控訴の判断をすることになります。相当無理筋であることは、火を見るよりも明らかですが、私の一審無罪も控訴したくらいですから、川に飛び込むレミングよろしく引き返すことはないような気もします。それを、完膚なきまで叩きのめすチャンスと考える意思の強さが藤井氏には求められ、彼にはそれが備わっていると信じます。

また、贈賄側が有罪であり、収賄側が無罪という、本来必要的共犯(対抗犯)とされる犯罪で、中心的な事実である現金の授受の存否に裁判所が真っ二つの判断をし、それが判決としてはあり得るというところから、「刑事裁判は真実追求の場ではない」ということを市民が理解する機会になればいいと思います。

帰り際、美濃加茂市に勝利報告に行く藤井氏に、「次は国賠ですね」と声を掛けると、「八田さんと並びました。頑張ります!」と元気に答えていました。やはり「やる男」です。俺も頑張ろうっと。

ここをクリック→ 藤井氏無罪判決後手記

ここをクリック→ 『郷原信郎が斬る』「美濃加茂市長無罪判決 ~極めて当然だが決して容易ではない司法判断~」

過去の美濃加茂市長事件関連ブログ記事

ここをクリック→ #検察なう (418) 「美濃加茂市長事件、藤井浩人氏今週初公判!」

ここをクリック→ #検察なう (422) 「美濃加茂市長事件、第2回、第3回公判で贈賄供述者の証人尋問」

ここをクリック→ #検察なう (428) 「美濃加茂市長事件藤井氏被告人質問傍聴記」

ここをクリック→ #検察なう (438) 「美濃加茂市長事件アップデート~贈賄供述者の判決の重要性」

ここをクリック→ #検察なう (441) 「美濃加茂市長事件~藤井浩人氏公判結審」

ここをクリック→ #検察なう (442) 「美濃加茂市長事件の構図」

ここをクリック→ #検察なう (443) 「美濃加茂市長事件 弁論を読み解く Part1 『贈賄供述の信用性』」

ここをクリック→ #検察なう (444) 「美濃加茂市長事件 弁論を読み解く Part2 『藤井氏の無罪性』」

3/9/2015














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2015/03/09 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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フィルム・レビュー 『アメリカン・スナイパー』 クリント・イーストウッド監督 

フィルム・レビュー 『アメリカン・スナイパー』 クリント・イーストウッド監督

american sniper

映画『アメリカン・スナイパー』鑑賞。平日の3時台の回にもかかわらず劇場が満杯。観終わって"Why?"という映画だった。

かつてのハリウッド戦争物では「アメリカ=善、ドイツ=悪」という分かりやすい構図は許容されていたかもしれないが、このご時世、いかにアルカイダがイスラムのメインストリームでないにしろ、イスラムが悪という誤解を招きかねない「分かりやすい構図」はいかがなものか。160人を狙撃したスナイパーに「レジェンド」とニックネームをつけて英雄視する極端な偏向映画としか受け取れなかった。

そうした政治的なメッセージを全く度外視して、純粋なエンターテイメントとしてみても、Navy SEALs物であれば『ローン・サバイバー』の方がよほどリアリティはあるし、姿が見えないスナイパーの恐怖感であれば『フルメタル・ジャケット』の方がよほどスリリングだし、戦闘の状況が人間の心を蝕むというテーマなら『ハート・ロッカー』の方がよほどドラマチックだと思った。

それらの映画に比較して、weakでsoftな「分かりやすい」映画としかこの作品は評価できないと感じた。ブラッドリー・クーパーの演技も説得力なし(戦友が死に瀕していながら、そんなにクールでいいんかい)。

クリント・イーストウッドは監督としても多作家で、水準以上の作品も少なくないが(例えば『許されざる者』『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』)、水準以下の映画も多い。そしてこの映画は、アクション物としてはまあまあの出来としても、戦争映画という現代においてはタッチーなジャンルだけに、水準以下の出来としか評価できないもの。この映画のどこがいけないかという議論のネタとしては観てもいいかも。

ここをクリック→ 『アメリカン・スナイパー』予告編

(Facebook 3/2/2015より転載)










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2015/03/08 Sun. 08:47 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (455) 「国賠審第4回口頭弁論報告 ~基本的な法律的センスが疑われる訟務検事」 3/5/2015 

#検察なう (455) 「国賠審第4回口頭弁論報告 ~基本的な法律的センスが疑われる訟務検事」 3/5/2015

今週月曜日に私を原告、国を被告とする国賠審第4回口頭弁論が行われました。

当日は天気もよく、多くの方に傍聴に来て頂き、ありがとうございました。

第4回口頭弁論


今回の口頭弁論では、私の意見陳述の機会がありました。以下にその全文を掲載しますが、その前に簡単に解説します。

私の国賠審で争点となっているのは、国税局の告発、検察の起訴・控訴が適法かどうかという点です。やはり人間が関与することですから、同じ事実関係、証拠を評価しても、その判断に幅が出ることは当然ですが、彼らの当時の判断が、その幅を越えていたかどうかということが問われています。

つまり、告発時点、起訴時点、控訴時点で、担当捜査官がどのような具体的事実を元に、どのような事実認定をしたかが明らかにされて、初めて議論が始まるものです。

第4回口頭弁論に先立って、被告である国の主張が準備書面でなされましたが、その内容は「はあ?」というものでした。そこでは、訟務検事(注1)による証拠の新たな評価が滔々と述べられていたからです。「この証拠は、こうも評価できる。その評価をベースにすると、やはり八田は怪しいのであって、国税局・検察の判断が誤っていたとは必ずしも言えない」という相当トンチンカンな論理構成です。

それは、裁判官に「うーん、やっぱりよく分からんな。怪しいところもあったんだな」という有罪心証を与えて、事を有利に運ぼうとする訟務検事の姦策です。攻撃は最大の防御であることを狙ったのでしょうが、確定判決に対して疑義を唱える戦略が防御になっていると考えるのは大間違いです。

それが、本来の国賠審の被告の主張としては全く当を得ていないことは明らかであり、相当、基本的な法律的センスが疑われるものです(注2)。

そして、それは確定判決を不当に攻撃するものであり、一審、控訴審の裁判体に対して、大変失礼なことだと思います。私自身も、「判決は無罪でも、本当はやってたんだろ」と今更言われているようで、甚だ気分が悪くなる内容の準備書面でした。

勿論、新たな証拠の評価というドッグファイトに持ち込もうとするのが、訟務検事の作戦であり、それは国賠審の趣旨を逸脱しているとして門前払いにすべきですが、そのドッグファイトに臨んだとしても、依然、彼らの論理は欠陥だらけで意味をなしません。

例えば、税務開始直後に、私と税理士や近い友人との間で交わした膨大なメールは有罪立証にとって相当厄介なものです。そのため、査察部や特捜部の取調べでも、それは黙殺され、検察論告でもただ単に無視するだけでした。

今回の準備書面では、それらメールは私の真意を表したものではなく、故意を意図的に隠蔽するために、巧妙に仕掛けられたものであると主張されています。ここでの犯人像は、税理士のみならず近い友人すらだまして、将来あるかどうかも分からない強制捜査に対策を講ずる、相当に用意周到かつ狡猾というものです。

その「壮大な虚構」を講じること自体ナンセンスですが、百歩譲ってありとしても、以下の点から論理的に破綻していると言えます。

その膨大な数のメールの中には「一見不利益なメール」もありました。私が会社同僚と税務調査にいかに対応するかを議論したり、私が自分で調べた結果、会社の株式報酬以外にも些少な金額ではありますが、申告漏れが見つかってビビっていたりするものです。判決では、それらは「『一見不利益』だが、過少申告が故意であることを示す決定的に不利益なものではなく、過失であったとしても矛盾しない内容」と認定されました。

準備書面では、それら「一見不利益なメール」は一見どころか、「真に不利益であり、私の故意を示す証拠と認められる」と主張しています。つまり、ここでの犯人像は、うかつにも自分にとって不利益な内容をメールで通信し、その証拠を残しているという間抜けなものです。

訟務検事の新たな証拠の評価は、そのように論理的に破綻しているものです。

私の意見陳述は以下の通りでした。

「河合裁判長、関根裁判官、高田裁判官、口頭弁論の場で原告意見陳述の機会を与えて頂き、ありがとうございます。

先週25日に被告により提出された準備書面を読んで、私は驚きを隠せませんでした。そこには、今まで国税局や検察が主張してこなかった新たな主張が縷々述べられていたからです。

この国賠審で争点となるのは、告発あるいは起訴・控訴「当時において」、「当該担当捜査官が」いかなる証拠をいかに評価して告発・起訴・控訴の具体的判断に至ったか、そして、それが適法であったかどうかです。

しかし、準備書面において訟務検事が主張していることは、無罪判決が確定した「現時点において」、公判で消極証拠とされたものについて、「訟務検事が」新たに行った証拠の評価であり、これは事実認定そのものを再度争うもので、刑事裁判の蒸し返しでしかありません。

例えば、税務調査直後という、私が国税局査察部の強制捜査すら予期していなかった時点の担当税理士や近い友人と交わした厖大なメールに関し、これこそが私の無実を物語る証拠であるとして、私は査察部取調べのごく初期の段階で、陳情書として提出しています。これらのメールに関しては、国税局査察部及び検察特捜部の取調べで聞かれたこともなければ、公判でも検察論告で言及すらしていないものです。それを準備書面では、「意図的に虚偽の認識を述べた」壮大な虚構であると主張しています。

訟務検事が、起訴検事の当時行った過去の判断の内容を明らかにせずして、現時点で、再度、刑事事実認定に挑み、この国賠審をあたかも再審に擬することは、確定判決に対する不当な批判であり、一審及び控訴審裁判体の威信を貶めるものであると同時に、私の人権を必要以上に侵害するものだと考えます。

私はこの国賠審では5億円を請求していますが、勝訴した場合でも、経費以外一銭も懐に入れるつもりはありません。刑事司法改革の基金を作り、今回のような国家権力の恣意的な行使による犠牲者を一人でも少なくするべく、私の残りの人生の社会貢献として努める所存です。またそうした経済的サンクションが実効的であるとされたならば、将来の国家権力の暴走の抑止力になるとも考えています。

裁判官方々に置かれましては、是非とも、過去の具体的事実、当時、捜査官が何を消極証拠と認識し、それをどのように評価したかをつぶさに検証頂き、公正なご判断をお願いします。それは私個人のみならず、国民全体の要請とも一致すると私は信じています。」

私の戦いは依然継続中です。変わらぬご支援のほど、よろしくお願いします。

(注1)
訟務検事
国を当事者とする民事訴訟や行政訴訟を担当する検事。法務省および法務局・地方法務局の訟務部門に所属し、国の代理人として訴訟活動を行う。主に出向中の検察官、あるいは判検交流によって裁判所から出向した裁判官(私の一審無罪判決を出した佐藤弘規裁判官も訟務検事経験者)や、ごくまれに任期を定めて任用された弁護士も訟務検事を務めている。

(注2)
先日読んだ『虚構の法治国家』には、検察が有効な有罪立証をできていない場合に、裁判官が「きれいに有罪立証をして優越感に浸る」という裁判官の恐ろしい実態が描かれていましたが、今回の準備書面にも同じような匂いを感じました。「特捜検事より俺の方が法律家としては上だ。俺ならこういう論理構成で有罪に仕立て上げることができる」と言わんばかりの準備書面でした。

ここをクリック→ #検察なう (448) 「郷原信郎氏、森炎氏共著『虚構の法治国家』を読んで」

P.S.
あさって!!
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3/5/2015








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2015/03/05 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 3

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#検察なう (454)「明日、国賠審第4回口頭弁論があります」 3/1/2015 

#検察なう (454)「明日、国賠審第4回口頭弁論があります」 3/1/2015

明日、3月2日(月)午前11時、東京地裁第611号法廷で、私の国賠審の第4回口頭弁論が行われます。

民事裁判の口頭弁論は、その名称のイメージとは全く異なり、刑事裁判の公判のように実質審理を行う場ではなく、書面のやり取りを確認したり、次回期日を決めたりする場です。私は代理人(注1)を立てており、私本人の出廷義務すらないのが、口頭弁論です。

前回の口頭弁論に私は出廷しませんでしたが、第3回口頭弁論以降裁判長が交代したこともあり、明日の口頭弁論では、意見陳述の機会を頂き、私が自ら主張をさせて頂きます。

先週25日に、被告である国の主張が準備書面(注2)として提出されました。これがとんでもないシロモノでしたので、それを踏まえての意見陳述です。

今回の私の陳述は短いもの(2分程度)であり、口頭弁論全体も10分程度だと思われます。お時間のある方は是非、ご足労頂ければ幸いです。

郷原信郎氏ブログ『郷原信郎が斬る』

ここをクリック→ 「八田隆氏が国家賠償請求訴訟で挑む「検察への『倍返し』」

ここをクリック→ 「八田隆氏の対検察国賠訴訟の意義」

(注1)
ここをクリック→ #検察なう (393) 「国家賠償訴訟に関して(2) ~代理人ドリーム・チーム結成!」

(注2)
準備書面
日本の民事訴訟において、口頭弁論での主張の準備のために、自らの攻撃防御方法(自らの申立てを基礎づける主張)並びに相手方の請求及び攻撃防御方法に対する陳述(答弁、認否、反論等)を記載した書面(民事訴訟法第161条)。

P.S.
3月7日、愛知県弁護士会の主催で、「『新時代の刑事司法』は?」と題して元特捜検事前田恒彦氏と名古屋でパネルディスカッションをします。お近くの方は是非お越し下さい。

ここをクリック→ 愛知県弁護士会「取調べの可視化市民集会」

3/1/2015












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2015/03/01 Sun. 00:56 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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