「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (477) 「大崎事件冤罪被害者原口アヤ子さんへのメッセージ」 6/29/2015 

#検察なう (477) 「大崎事件冤罪被害者原口アヤ子さんへのメッセージ」 6/29/2015

来る7月8日、大崎事件(注)の冤罪被害者原口アヤ子さんが第3次再審請求を行うことになっています。そして弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士が、フェイスブックでアヤ子さんへのメッセージを募っていることは以前のブログでお伝えした通りです。

ここをクリック→ #検察なう (474) 「大崎事件再審弁護人からのメッセージ」

ayako haraguchi
写真: 原口アヤ子さん(右)、鴨志田弁護士(中央)と袴田秀子さんと共に

冤罪被害者にとって、自分のことを信じてくれる人の言葉ほど力づけられるものはありません。私も長い戦いの中でどれだけ助けられたか分かりません。その恩返しの気持ちもあり、私もアヤ子さんにメッセージを送りました。

皆さんも是非、大崎事件のことを知り、アヤ子さんにメッセ―ジを送って下さい。メッセージの送付先は、鴨志田弁護士のフェイスブックメッセージないし、彼女のメールアドレスまでお願いします。

鴨志田祐美弁護士メールアドレス
yumikamo@egalite-lo.jp

「原口アヤ子さんへのメッセージ」

アヤ子さん、遅ればせながら米寿おめでとうございます。そして第3次再審請求おめでとうございます。結果が出る前から「めでたい」というのは何事かと思われるかもしれませんが、私にはそれでもめでたいと思えます。それは、再審請求ができるということが、アヤ子さんがここまであきらめずに信念を貫いたこと、そして弁護団の不断の努力、支援者のアヤ子さんを助けたいという思いの賜物だからです。

私と大崎事件の出会いは、東京での布川事件支援者集会の懇親会でした。隣り合わせた方々が、たまたま大崎事件の支援者グループでした。東京にも大崎という地名があり、私はてっきりその大崎だと思いましたが、そのお一人から「鹿児島の大崎だよ」と教えられ、大崎事件が鹿児島の事件で、東京にも支援している人が大勢いることを知りました。そのように全国にアヤ子さんを支援する人が大勢いることは素晴らしいことだと思います。

ここまで三十数年の間のご苦労、悔しさは筆舌に尽くし難いと思います。いつか必ず無罪をという思いを胸に刻み、心が折れることなくここまで来られたことは、賞賛に値することは言うまでもありません。これからも真実を貫き、あきらめてほしくはありません。そして万が一、無罪という結果が得られなかったとしても、アヤ子さんの努力が無駄だったと何卒思わないで下さい。

アヤ子さんの無実は本当に多くの人が信じています。国民投票で判決が決定されるならば、間違いなく無罪です。ところが実際の判決は、裁判長一人の胸先三寸です。そんなものがアヤ子さんの価値を決めるわけがありません。アヤ子さんは既に人生に勝利しています。アヤ子さんの信念を貫く強さが多くの人に勇気を与えています。だからこそ弁護団も我がことのように真剣になり、また多くの支援者がアヤ子さんを支えようとしているのだと思います。

結果にこだわらず、そしてあきらめない。これからも多くの人に勇気を与え続けて下さい。これまでのアヤ子さんの功績に感謝すると共に、微力ながらほかの支援者の方々と共に応援させて頂ければと思っています。ありがとうございました。

(注)
ここをクリック→ 朝日新聞「大崎事件に関するトピックス」

6/29/2015













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category: 大崎事件

2015/06/29 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『海街diary』 是枝裕和監督 

フィルム・レビュー 『海街diary』 是枝裕和監督

umimachi diary

監督デビュー作『幻の光』(95)以来フォローしている是枝裕和監督の最新作。舞台は、極楽寺~七里ヶ浜~腰越という普段見慣れた風景(劇中、加瀬亮と長澤まさみが遺言の話をする海岸は、うちから歩いて2分の材木座海岸。私が天気のいい日にトンビに警戒しながらホカ弁を昼飯で食う海岸の橋)。

前作『そして父になる』ほど心は揺さぶられなかったものの、それはやはり男女の差だろう。主要な登場人物はみんな女性であり、祖母から続く女系三代記ともいえるドラマ。四人姉妹のキャラクターの作り込みが絶妙で、特に異母妹の四女の、子供ながらに背負うものの重さに子供時代を奪われているという設定には感じさせるものがあった(最初の泣きポイントは、予告にもある綾瀬はるかが「一緒に暮らさない?四人で」という問いかけに即答するシーン)。

是枝作品で若干気になっているのが、『奇跡』(11)あたりからの「解りやすさ」や「そつのなさ」。完成度は高くなっているのだが、『ワンダフルライフ』(99)や『誰も知らない』(04)の頃の是枝ワールドの「味」は薄くなっているようにも感じる。とは言え、それは無理に難点を見つけようとしているだけかもしれない。喪服のシーンが多いが、上の三姉妹の喪服(四女は学校制服なので)のスカートの丈だけ見てもそれぞれのキャラクターがよく出ているほど、隅々まで心配りが行き届いている作品。

脇役も手堅い。大竹しのぶ、加瀬亮、リリーフランキー、風吹ジュンといった実力派が揃い、その中でも大叔母役の樹木希林はやはりすごかった。唯一、実力を発揮していないのが堤真一。綾野剛との「ドコモ得ダネ」のCMで発揮されている彼のキャラクターは生かされていなかった。

ということで、「女は生きているだけでも大変なのよ」とついつぶやく女性は共感すること間違いなし。男性はまず前作を観てからということで。

ここをクリック→ 『海街diary』予告編

(Facebook 6/22/2015より転載)












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category: フィルム・レビュー

2015/06/28 Sun. 01:05 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (476) 「北海道砂川市ひき逃げ容疑事故に思うこと」 6/25/2015 

#検察なう (476) 「北海道砂川市ひき逃げ容疑事故に思うこと」 6/25/2015

実に痛ましい事故です。事故そのものに関しては多く報道されているので、ここで詳しく述べる必要はないと思います。

ここをクリック→ 毎日新聞「北海道4人死亡:後続車も「赤」で交差点進入か」

テレビの報道に接して、まず違和感を覚えたのが、シボレー運転者Kの容疑を「未必の故意が立証されれば、殺人罪での立件もありうる」とする法曹関係者のコメントでした。事故を引き起こした運転者を擁護するつもりは毛頭ありませんが、その報道時点では、その運転者は「人をひいた認識はない」としていました。被疑者の言い分を全く考慮せず、世間に迎合し、煽るかのような姿勢は、メディア上でのコメントとしていかがなものでしょうか。

効率を重んじる検察が、この事件で殺人罪を求刑するとは到底思えません。問題となるだろう蛇行運転に関しても、「ゴミがひっかかっていた」と供述されればそれを突き崩すのは容易ではなく、そもそも殺人罪で求刑しても、有期刑となることが想定されるケースで、同等の罪が危険運転致死傷罪の法定刑の上限(20年、併合罪加重や再犯加重の場合30年)で十分カバーされるため、敢えてハードルの高い殺人罪を検察が求刑することは、私には想像がつきません。

危険運転致死傷罪は、2001年の刑法改正で故意犯たる傷害罪の一部として新設されました。その後、適用基準の不明確さから消極的な運用がされていましたが、2011年、飲酒運転により3児が死亡した「福岡海の中道大橋飲酒運転事故」(2006年)の判例で、「危険運転致死傷罪の規定の解釈については事故の状況を総合的に考慮すべき」とし、危険運転にあたるかどうかを柔軟に判断することが可能になりました。そして2013年に「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が制定、危険運転致死傷罪の適用対象が拡大されるとともに、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」を新設し、逃げ得(時間が経過した後での逮捕でアルコール濃度が事故当時からは変化していたり、車を隠した後でさらに飲酒をしたり、事故を起こした後に大量の水を飲んで血中アルコール濃度を下げるなど隠蔽工作を図ったり、身代わりを頼む例もあった)を防ぐ対策が行われました。同法は2014年5月より施行されています。

今回の長男ひき逃げ容疑に関し、そのほかテクニカルな点では、第一の事故(BMWの軽ワゴン車衝突)がなければ、第二の事故(シボレーによる長男人身事故)がなかったという点でのBMW運転者Tとシボレー運転者Kの罪の加重・軽減や、被害者の過失(定員オーバー及びシートベルト着用義務違反。軽自動車の定員は4人であり12歳以上は定員通りカウントされ、後部座席のシートベルトは足りていなかったため、長女と長男は車外に放り出されたと思われる)は量刑で勘案されるものと思われます。

今回のケースでは、事故を起こした2台にはそれぞれ同乗者がおり、それら同乗者に危険運転致死傷罪の幇助が適用されうることは、あまり報道されていないようです。刑法では、「正犯を幇助した者は、従犯とする」(刑法62条1項)とされます。幇助犯は狭義の共犯であるとされるものです。もし幇助(正犯を幇助する行為と意思があった)が認められれば、同乗者にも危険運転致死傷罪の厳罰が科されることになります(従犯軽減の規定、刑法63条、により正犯よりも刑は軽減されますが)。過去の判例(最高裁判例平25.4.15)では、同乗者にも危険運転致死傷罪の共犯としたものがあります。

この事件に接し感じたことは、厳罰化が必ずしも抑止効果を持っていない犯罪があるという点です。確かに危険運転致死傷罪の一形態の飲酒運転は、厳罰化により著しく減少したと思います。それは飲酒をすれば、「酒気帯び運転の検問で摘発されるかも」という想像力が働くからです。しかし、危険運転致死傷罪を犯す者が、その罪を犯す前に「危険運転で人を死傷させるかも」という想像力が働くことは考えられず、それが抑止効果を持つことはないということです。勿論、危険運転による人の死傷に際しては、厳罰をもって処することは必要ですが、それはあくまで事後的なものでしかないという点に、危険運転致死罪の厳罰化の限界があります。

そして、厳罰化が今回のように「ひき逃げ」という発覚を怖れた隠蔽を招く可能性もあることは留意すべき点です。

それでは、刑法の厳罰化に頼るのではなく危険運転を減らすことは可能でしょうか。

厳罰化という観点では、運転免許の行政処分に関してはその余地が残されているかもしれません。現時点では、致傷では欠格期間5年ないし7年(傷害の治療期間による)、致死では欠格期間8年となっていますが、例えば「永久欠格」のアナウンスメント効果による抑止は期待できないでしょうか(それでも、ひき逃げが増えるかもしれないという懸念は残ります)。

発想の転換で、車の構造上、危険運転を予防する措置は講じられないでしょうか。例えば、呼気のアルコール濃度を検出する装置を義務化して、アルコールを検知した場合、エンジンがかからなくなるとか(シラフの運転者が酩酊者を同乗させる場合はどうなんだ、ということはありますが、例えばです)、一般道では、一定速度以上では燃料カットのリミッターが働き、高速道路のゲートを通過した時に、そのリミッターが解除されるようなシステムを開発するとか、そういったことを考えます。

誰でも危険運転の被害者となりえるため、これは我々みんなが考える問題です。みなさんも是非考えてみて下さい。

こうした事故の被害者が一人でも少なくなる社会を作る義務を我々は負っています。最後に、今回の事故の被害者となった永桶さんご一家のご冥福をお祈りします。

6/25/2015











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category: 刑事事件一般

2015/06/25 Thu. 08:23 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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#検察なう (475) 「捜査当局のデジタル・フォレンジック能力とクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」 6/21/2015 

#検察なう (475) 「捜査当局のデジタル・フォレンジック能力とクレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」 6/21/2015

皆さんは知りたいことがあるとどうやって調べるでしょうか。情報化時代の今日、「それはインターネットでしょ」と答える人は多いのではないでしょうか。

これは先日の事件報道です。5億円の詐欺事件の容疑者が夫の自殺ほう助を疑われているという事案です。

ここをクリック→ FNNニュース「デパート会員詐欺で逮捕の女、夫の自殺前にネットで練炭自殺調査」

正直、事件そのものには興味は惹かれませんでしたが、報道にある「インターネットで練炭自殺について調べていたことがわかった」という部分には思うところがありました。

私が巻き込まれた事件の捜査でも、私の家のデスクトップ・パソコンは押収され(無罪確定後に返還された時には起動しなくなっていました。それに対する補償も謝罪も一切国税局からはありません。ちょームカつきます)、ラップトップ・パソコンのデータは全てダウンロード・コピーされました。

いかに検索履歴やデータを消去しても、捜査当局は難なくデータを回復します。それがデジタル・フォレンジックです。サイバー犯罪の増加を見据え、彼らのデジタル・フォレンジック能力は相当高くなっているものと思われます。

私の刑事裁判において、弁護団は数々の「脱税の故意があれば矛盾する事例」を挙げて無罪立証に努めましたが、「インターネット検索、及びアマゾンの購入履歴、読書履歴(私は、読んだ本のタイトルを全てエクセルに記録していました)にも、脱税おろか税務に関するものが一切ない」ということもその一つでした。

そのデータ全てを検証し、脱税・税務に関するものが全くないという時点で、国税局査察部は否認している私の言い分を聞くべきであり、検察特捜部は国税局査察部の捜査が間違っているのではないかという「弾劾的捜査」をすべきだったと思います。

それらを全てしなかったのは、それらをすることで自分たちの望む結果、即ちそれは訴追対象である私の無罪の証拠が明らかになることを怖れたのだと思います。

この報道を見て、有罪立証にしか全く関心を払わないという捜査権力の思考回路が冤罪を生んでいるということを改めて確認しました。

冤罪は構造的に生まれているということの反省を捜査権力に求めるため、私は国賠審を戦っています。引き続きご理解と変わらぬご支援のほどよろしくお願いします。

6/21/2015















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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2015/06/21 Sun. 00:03 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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フィルム・レビュー 『エレファント・ソング』 シャルル・ビナメ監督 

フィルム・レビュー 『エレファント・ソング』 シャルル・ビナメ監督

elephant song

映画『エレファント・ソング』観賞。

今一番注目されている監督と言ってもいいグザヴィエ・ドランが、脚本を読み(ゲイやシングルマザーといった共通点からであろう)「自分がやるべき役」と熱烈にアプローチして役者に徹した作品。

監督のシャルル・ビナメ(TV畑の人の模様)は「監督は二人はいらない」とドランに言ったらしい。作品の全体的なタッチこそドランの作品とは異なるが、彼の存在感はスクリーンを支配していると言ってもいい。

精神病院を舞台にした戯曲の映画化。戯曲を脚本とすると、シーンの変化が乏しく、セリフが冗長になりがちで、この作品も、効果的なイメージ映像(舞台は雪国の英語圏なので多分カナダ。ドランの少年時代のイメージとしてキューバやアフリカの映像)をはさみながらも、やはり前半は少々散漫。

しかし、ドランの磁力に引きつけられ、映画の中で彼に翻弄される他の登場人物と同じく翻弄され始める後半からぐいぐい来て、そして意外なエンディングに。よくできた心理サスペンスと評価できる。

ドランの役柄は、心を病み精神病院に収容されている、知性は非常に高いが虚言癖で人を振り回すことを喜びとする青年。彼の出生は、キューバで名声を誇るソプラノ歌手を母とし、彼女がアフリカに旅行中に知り合った白人ハンターとのアヴァンチュールで生まれたと映画の中で語られる。

彼の主治医が失踪したことに関して、彼が何らかを知り得ているのではと聞き出そうとする院長と、彼の会話が映画のほとんどのシーン。

両親から拒まれ孤独な生い立ちの青年は愛を渇望し、ハンターに撃たれ死にゆく象の悲しみを心象風景として持ち続ける。その彼が初めて愛されたと感じたものの、それが自分の思い通りにならないと分かったことから彼の取った行動は......というストーリー。
映画では、彼の悲しみに触れ、自らの悲しみを掘り起こす院長の方にも同様にスポットが当てられており、むしろそちらの方が主題的なプロットとなっている。ゆえにドラン演じる青年の生い立ちもイメージのみで、あまり詳しく描かれていないのがミソと言えばミソ。

この作品をドランが自ら監督すれば、もっと斬新かつ鮮烈な作品になっただろうか。かなりこなれた上質の作品ではあるが。
ストーリーは練り込まれ、よく出来た作品だとは思うが、『Mommy/マミー』ほどずしんと心に響くものはない。観て損はない程度ということで。

ここをクリック→ 『エレファント・ソング』予告編

(Facebook 6/14/2015 より転載)













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category: フィルム・レビュー

2015/06/20 Sat. 20:34 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (474) 「大崎事件再審弁護人からのメッセージ」 6/18/2015 

#検察なう (474) 「大崎事件再審弁護人からのメッセージ」 6/18/2015

確定判決の有罪判決を再審理するのが「再審」です。日本の裁判所においては、再審請求が認められるには、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」があることが必要とされ(刑事訴訟法第435条6号)そのハードルは著しく高いため、再審は「開かずの扉」「針の穴にラクダを通すほど困難」と言われています。

そしてその開かずの扉を一旦はこじ開けたにも関わらず、再び閉ざされてしまったという事例がいくつかあります。再審開始が一旦は決定されながら、検察の異議申し立てにより再審開始が取り消されたものです。「名張毒ぶどう酒事件」(注1)しかり、「福井女子中学生殺人事件」(注2)しかり。

ある裁判官が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」があると考え再審開始を決定しながら、別の裁判官がそれを覆すということは、そのことだけでも推定無罪の原則が日本の刑事司法では軽視されていることの表われであると言えます。日本の刑事司法には後進的な事柄が多々ありますが、再審開始決定に対し検察の異議申し立てを許しているのもその一つ、そしてそれは非常に由々しいものです。

ここで紹介する「大崎事件」も一旦は再審開始が決定されながら、取り消されるという冤罪中の冤罪です。大崎事件の冤罪被害者原口アヤ子さんは今年88歳。6月15日の彼女の誕生日に、私のフェイスブックのニュースフィードに上がってきたのは、大崎事件再審弁護人の鴨志田祐美弁護士(注3)のメッセージでした。

7月8日に第3次再審の申し立てを行うことが決まっています。それに先立ち、支援の声を寄せてほしいというものです。

以下、引用します。

「FBお友達のみなさまにお願いです(長文になります。申し訳ございません)。

大崎事件の再審請求人、原口アヤ子さんは本日88歳になりました。

アヤ子さんの年齢を考えると、今回行う第3次再審請求が,彼女にとって存命中の最後の再審請求となることは間違いないでしょう。

今年2月2日に、最高裁が大崎事件の第2次再審請求を棄却してから、わずか4か月あまりという猛スピードで、この7月8日に第3次再審の申立てを行うのは、ひとえに、アヤ子さんの存命中に再審無罪を勝ち取りたいという切なる思いがあるからです。

大崎事件は、主犯とされたアヤ子さんは一度も自白したことがなく、客観的証拠もほとんど存在せず、「共犯者」とされた3人の男性の自白がほぼ唯一の証拠となって有罪判決が確定した、証拠構造が極めて脆弱な事件です。

確定審の審理は、知的障がいをもつ「供述弱者」への配慮を欠いた密室の取調べによって得られた自白のみで有罪が認定された点、否認のアヤ子さんと自白した「共犯者」の公判が分離されたとはいえ、刑事部が1か部しかない鹿児島地裁では、同じ裁判体が審理したことで予断が生じた可能性が濃厚である点、1審の弁護人が「アヤ子さんの関与の有無」のみを争点としたため、犯行態様にかかる自白の信用性が実質審理から欠落した点などの問題を孕むものでした。

第1次再審においては2002年に鹿児島地裁で再審開始決定がされたにもかかわらず、検察官の即時抗告により開始決定が取り消され、結果的に事件から35年以上経った今日まで、アヤ子さんの雪冤を果たせずにいます。

第2次再審の請求審では、再審における証拠開示をめぐる「再審格差」の犠牲になりました。

即時抗告審では、我が国の再審史上初めて供述心理分析を行った心理学者の尋問が実現しましたが、結論は棄却でした。殺害行為に関与した2名の自白の信用性は「高くない」としながら、死体遺棄だけに関与したもう一人の「共犯者」と、彼らの言動を目撃(耳撃)した親族の供述が信用できるから有罪認定は揺るがないという不可解な認定になりました。

私たち弁護団にとって、アヤ子さんの雪冤が一番の目的なのは当然ですが、それにとどまらず、ずさんな「科学的証拠」(法医学鑑定)と「供述弱者である共犯者供述」だけで有罪認定され、客観的証拠が存在せず、したがってDNA再鑑定も考えられない大崎事件がどう判断されるかは、我が国の再審、ひいては刑事司法の将来を左右する問題だと思っています。

7月8日の申立ての直後に当地で開催する報告集会には、布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さん、そして映画監督の周防正行さんが、遠方からわざわざ鹿児島に駆けつけて下さることになっています。

しかし、日本の南の端っこで行う集会に、県外の方々に足を運んでもらうのが難しいことも現実です。

また、心身の衰えの著しいアヤ子さんが演壇に立つことも困難な状況です。

そこで、報告集会では昨日行ったアヤ子さんの米寿祝いの映像をバックに、会場に来られない遠方の方々からのメッセージを読み上げる、という時間を作ろうと考えました。

私のFBお友達には、研究者、同業者、非法律家、さまざまな方々がいらっしゃいますが、皆様方におかれましても、可能であればアヤ子さんへの応援メッセージをお送りいただきたく、ここにお願い申し上げる次第です。

お送り下さるという方は鴨志田宛に直メッセージをいただけると幸いに存じます。

なお、応援メッセージはまとめて当日配付資料にして、メディアにも配布して活用したいと思っています。その際、メッセージは実名で公表させていただく所存ですので、趣旨にご賛同いただける方は、ご所属とフルネームを記載して下さいますよう重ねてお願い申し上げます。

長々と書き連ねましたが、アヤ子さんの人生のフィナーレに向けた最後のチャンスとなる今回の再審請求に賭ける弁護団の覚悟に免じて、どうかご容赦下さい。」
(引用以上)

鴨志田弁護士に確認したところ、分量は短くても長くても構わないとのこと。6月中に鴨志田弁護士のフェイスブック・メッセージまで送って頂ければよいそうです。私もカナダ帰国の飛行機の中でじっくり考えて、地球の裏側からアヤ子さんにエールを送りたいと思っています。

大崎事件に関してはこちら。
ここをクリック→ 冤罪ファイル その8 「大崎事件」

ブログ添付の鹿児島読売テレビが制作したドキュメント『あたいはやっちょらん!鹿児島大崎事件「再審格差」』では、鴨志田弁護士が裁判所、裁判官によって当たりはずれがあるというメッセージ中にもあった「再審格差」に関して熱く語っています。是非ご覧下さい。
ここをクリック→ 『あたいはやっちょらん!鹿児島大崎事件「再審格差」』

(注1)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その1 「名張毒ぶどう酒殺人事件」 

(注2)
ここをクリック→ 冤罪ファイル その9 「福井女子中学生殺人事件」

(注3)
鴨志田祐美弁護士 大崎事件弁護団事務局長
ここをクリック→ えがりて法律事務所弁護士紹介 

6/18/2015















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#検察なう (473) 「名張毒ぶどう酒事件第9次再審請求と6・25集会」 6/15/2015 

#検察なう (473) 「名張毒ぶどう酒事件第9次再審請求と6・25集会」 6/15/2015

先日、実家の金沢に帰省したところ、「名張毒ぶどう酒事件・奥西勝さんを守る東京の会」から会報が届いていました。奥西勝氏の命の灯が消えないよう祈願して、私が5年分の会費をまとめて納付したのは、彼が八王子医療刑務所に移送された直後の3年前のことになります。奥西氏は、この3年の間に2度の危篤状態となり、気管切開によって声を失い、酸素吸入と点滴のみによって命を維持する日々を送りながらも、冤罪を晴らす精神力で命を保っています。

今回の会報『NABARI News』には、弁護団が第8次再審請求を取り下げ、第9次再審請求を行った報告がありました。

弁護団は、第8次再審請求の名古屋高裁棄却後、最高裁に特別抗告を申し立てていましたが、それを自ら取り下げ、新たな再審請求を行うというのは異例のことです。彼らの再審請求が死刑執行を停める延命措置ではなく、奥西氏を獄中から救い出そうと本気で行っていることがひしひしと伝わってくる決断です。

会報には、弁護団長の鈴木泉弁護士の「名張事件を支援している皆様へ」と題して、一連の経緯の詳しい説明が添えられていました。そこには、「最高裁決定を待っていたのでは、時間がかかり過ぎる」「特別抗告審で提出する証拠は、今後新たな再審請求には用いることができない」といった事情が説明されていました。また新証拠に関する情報もありました。鈴木弁護士のメッセージを添付します。

ここをクリック→ 「名張事件を支援している皆様へ」

来る6月25日には、東京都千代田区永田町で奥西氏を支援する「6・25集会」が開催されます。そこでは映画『約束』の上映と、原作者の門脇康郎氏の講演が行われます。万障お繰り合わせの上、ご参加下さい。私もバンクーバー帰国前日ですが、できる限り参加し4回目の『約束』観賞をしたいと思っています。

ここをクリック→ 「6・25集会チラシ」

FREE OKUNISHI!!

ここをクリック→ 冤罪ファイル その1 「名張毒ぶどう酒殺人事件」

ここをクリック→ #検察なう (278) 「映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』観賞」

ここをクリック→ #検察なう (339) 「司法の自殺~名張毒ぶどう酒事件で第7次再審請求棄却決定」

ここをクリック→ ブック・レビュー 『名張毒ブドウ酒殺人事件―六人目の犠牲者』 江川紹子著

6/15/2015









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category: 名張毒ぶどう酒事件

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フィルム・レビュー 『ザ・トライブ』 ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督 

フィルム・レビュー 『ザ・トライブ』 ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督

the tribe1

頭をハンマーで殴られたかのような衝撃。こんな映画があっただろうか。

全く共感できないし、人に「よかったよ」と勧めることもできないが、こんな映画もあるんだと人に語りたくなる作品。それが『ザ・トライブ』だと思う。

例えは妙だが、年老いた両親がテレビの前で『水戸黄門』を見ていると「日本は平和だな」と感じるが、この映画はその真逆、極北の世界。ウクライナのハンディキャップを背負った貧困な若者の行き場のない憤りを生々しく映し出している。もしISISに身を投じる若者のドラマを描くならば、共通項は多く見出せるのではないかと思った。

予告の「純粋な愛」のような前振りはクソくらえ。そんな言葉を超越した激しさがある。

もし日本で人の命を軽視する人間を描くならば、どうしようもないアウトサイダーという印象を与えるであろうが、この映画の登場人物には、あまりにも自然に人の命をもてあそぶ怖さがある。

全編全くセリフなし(本当に一言もセリフがない)、手話だけでその字幕もないため、何を言っているのか全く分からない中で映画は進行する。そういうキワモノ感はあれど、主張したいメッセージは枝葉がない分、ストレートに伝わってくる。

とにかく観終わった直後は全くどん底の気分で(そういう意味ではラース・フォン・トリアーに通じるものがあるかもしれない)、そこから何を学び取るでもなく、受け入れるしかないという類の映画。怖いもの見たさのチャレンジャーには是非。自分は観て後悔はなかったです。


ここをクリック→ 『ザ・トライブ』予告編

(Facebook 6/7/2015より転載)














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2015/06/14 Sun. 00:45 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (472) 「暴力団関連報道の「陰の主役」」 6/11/2015  

#検察なう (472) 「暴力団関連報道の「陰の主役」」 6/11/2015

前回ブログでは、メディア報道と名誉回復に関して論じました。

ここをクリック→ #検察なう (471) 「メディア報道と名誉回復」

私の刑事裁判主任弁護人小松正和弁護士の直近扱った事案が、暴力団がらみの事実無根の記事による名誉棄損であったため、青木理氏の過去のコラム(注)を思い出しました。田島美和氏を中傷する記事のネタ元は芸能関係者のT.I氏であるとのことなので、直接的な関係はないはずですが、依然配慮すべきポイントだと考えますので、ここで引用させて頂きます。

コラムは2011年9月に『週刊現代』に掲載された島田紳助引退に関わるものです。青木氏は、「島田紳助というタレントに一片の同情も寄せるつもりはない」と前置いた上で、次のように述べます。

「この騒ぎを高みから満足げに眺めているだろう連中を思い浮かべると、ちょっと待てよ、という気にもなる。全国の自治体に「暴力団排除条例」なるものを制定するよう音頭を取ってきた警察官僚である。

2010年春に福岡県で初めて施行された暴力団排除条例は、警察庁と各地の警察本部が主導し、瞬く間に全国へと波及した。2011年10月1日には東京都でも施行予定となっており、これでほとんどの都道府県で同内容の条例が整備されることとなる。

これを端的に許せば、1992年に施行された暴対法を補完するものといえる。憲法違反との指摘もある暴対法が暴力団そのものを締め上げる法律なら、各地の条約は“カタギ”の側にもタガを嵌めようとしているのが特徴なのだが、条文をつぶさに眺めると、ひどく異様な内容であることに気づく。

たとえば東京都の条例。「基本理念」として「暴力団に資金を提供しない」「暴力団を利用しない」などとともに「暴力団と交際しない」とうたい、「暴力団排除活動」への「自主的」な参加を「都民等の責務」と定めている。その上、「暴力団排除活動に資すると認められる情報」を知ったら都などに通報することも「都民等の責務」とし、利益供与した場合などは懲役を含む罰則まである。

密告を奨励しているかの如き内容も不愉快だが、誰と交際するかまで“お上”にうんぬんされることに、私は虫酸が走る。まるで「あの子とつきあっちゃダメ!」という母親の小言を法律化したようなものであり、あまりに馬鹿げてはいないか。

さらにいえば、暴対法にみられるように、ある集団や階層に属している人々を、その集団や階層に属しているからという理由で社会的に排除し、罰則まで科すのは、明らかに行き過ぎた法である。罪を犯せば、一般人であろうと暴力団員であろうと、その犯した事実によって処罰すればいい。「暴力団だから仕方ない」などという理屈を許せば、その刃は拡大し、いつか己に向きかねない。

もう一つ、指摘せねばならないことがある。暴力団など警察がいうところの「反社会的勢力」との接触を法で締め上げられた企業などは、その防波堤として警察OBを内部に取り込む。警察組織を長く取材してきた私は最近、警察の天下り先がずいぶんと拡大していることに驚愕している。「反社会的勢力」の排除を呼びかける警察が、その後釜の“用心棒”としてOBを送り込む構図―。誤解を恐れずに記せば、「広域指定暴力団」の上前をはねる「公的広域暴力機関」すら見えてくる。

島田紳助なるタレントが消え去るのは一向にかまわない。だが、彼のような「まっくろくろすけ」は“お上”の意向とは別の形で断罪されるべきであり、今回のムードを裏で演出してほくそ笑む“陰の主役”にも警戒の目を注がねばならない。」

(注)
『青木理の抵抗の視線』に収録。

青木理 抵抗

6/11/2015










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2015/06/11 Thu. 00:19 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (471) 「メディア報道と名誉回復」 6/8/2015 

#検察なう (471) 「メディア報道と名誉回復」 6/8/2015

私の刑事裁判主任弁護人の小松正和弁護士の直近の事案です。

ここをクリック 週刊文春サイトトップに「謝罪広告」を1年間掲載しろ――なぜそんな判決が出たのか?

事実無根の記事であることを裁判所が認定し、中傷記事を書かれた田島美和氏の名誉回復を図るべく、週刊文春WEBのトップページに謝罪記事を1年間掲載し続けることを命じたものです。

この記事を読んで私が感じたことは、いかに謝罪記事が出ようとも一旦記事で書かれてしまえば、失われた名誉の回復は難しいであろうこと、そしてそれに比してこの判決の処分が出版社に与えるダメージは相当なものであるということでした。

この事案に関する更に詳細な内容は、こちらをご覧下さい。

ここをクリック→ (株)文藝春秋に対する名誉棄損訴訟判決の報告

情報社会の今日においても、既存メディアに対する信頼感は大きく、一旦記事になってしまうと、それを読んだ読者のイメージを覆すことは容易いことではありません。センセーショナルな記事を書いて、それがもし間違いであったとしても、些少の和解金と、探しても見つけられないような謝罪記事だけであれば、掲載したもの勝ちという感は否めません。

今回の判決は、そうしたメディアの「やり得」といった風潮にNOと言ったものだと評価します。

メディアの存在意義は、あくまで弱きを助け強きを挫くであるべきですが、少なからずの記事、特に公権力をソースとする事件報道は、むしろ弱い者いじめになっているように感じます。

私も、刑事告発時には大々的に報道されながら(注)、その後の報道は圧倒的に少なく、国税局査察部告発・検察特捜部起訴の事案では、日本の歴史上初めての無罪でありながら、完全にメディアからはシャットアウトされました。

ここをクリック→ 江川紹子氏記事「無罪確定。されど・・・・」

こうしたメディアの無責任を放置しているのは、我々国民のメディアリテラシーの低さが原因だと、メディアを一方的に責めるのではなく感じるところです。

第四の権力たるメディアといかに折り合いをつけるか。是非、自分が当事者になったと仮定して考えてみて下さい。

(注)
ここをクリック→ #検察なう (388) 「報道被害について考える~刷り込まれる『推定有罪』(2)クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」

6/8/2015














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2015/06/08 Mon. 00:22 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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フィルム・レビュー 『あん』 河瀨直美監督 

フィルム・レビュー 『あん』 河瀨直美監督

あん

いわゆる「いい映画」とはどのようなものを言うのだろうか。それは人によって様々だろうが、私は「人間(の生き様)が描かれている」を前提として、「心を動かされる」そして「いつまでも心に残る」作品だと思っている。

前作『2つ目の窓』も素晴らしかった河瀨直美監督最新作『あん』鑑賞。今年これまで鑑賞した作品の中ではベストであり、多分この作品が年末の時点でもベストではないだろうか。

主人公の二人は、それぞれ社会から指弾、隔絶された経験を持つ。彼らは子を失った母、母を失った子であり、その喪失感が彼らの生き様に影響を与えているはずだが、それは直接的には描かれていない(が、隠れた味わいとして伝わってくる)。

ハンセン病患者を扱った映画というと社会的メッセージが強いのではと訝るが、そうした意識を持たずとも観ることができるほど、ハンセン病患者の描写は婉曲的である。とはいえ、樹木希林演ずる徳江の言葉は、表現こそ柔らかだが語られたことはあまりにも激烈であり、観る者の心を抉る。生きることの喜びを語る徳江の言葉に涙しない者はいないだろう。そのポジティブ感が、ハンセン病患者をモチーフとしながらも、全く陰鬱な感じがなく、むしろ勇気を与えられる。

私の評価する是枝裕和や西川美和が、広く観客を求める中で、ややもすると商業的な方向にあるような印象を受けるが、表現者として同じく広く観客を求めているであろう河瀨直美の作品が、その瑞々しさを失わないのはなぜだろうか。エンディング・クレジットを眺めながら、そのヒントを得たように感じた。彼女の視野は日本に留まらず、地球規模である。非常に日本的な題材を扱いながらも、彼女が求めているものは、あくまで世界の映画愛好家に受け入れられる作品を目指していると感じた。

ざらついたフィルム感の画像や、露出過多、アウトフォーカスの画像を挿入する技巧は、鼻につくと台無しだが、この作品では効果あり。

樹木希林の演技は素晴らしい。全身ガンに犯されている彼女の遺作となりえる作品だけに、この作品と巡り合えたことは、彼女の役者としての人生に大きな意味があるだろう。永瀬正敏がこれほど演技ができることも驚かされた。残念なのは内田伽羅。自分は映画を観終わるまで、彼女が樹木希林の孫とは知らなかったのだが、知るまでは「別に」という感想だったが、知った後は「なぜ彼女を使ったのだろう」という感想に変わった。彼女に『イノセントワールド』の竹内結子や『がんばっていきまっしょい』の田中麗奈の清冽さを期待するのは過大かもしれないが、そうであれば、更にこの作品の完成度が増しただろうに。

とにかく映画が好きな人には是非観てほしい作品。期待を裏切らないはず。

ここをクリック→ 『あん』予告編

(Facebook 6/2/2015より転載)












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2015/06/07 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その13 「「被告人力」をいかにして高めるか」 

無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その13 「「被告人力」をいかにして高めるか」

以前のブログで取り上げた「被告人力」について論じたいと思います。

ここをクリック→ #検察なう (468) 「早稲田大学大学院法務研究科にて講演してきました」

被告人という特殊な状況で、理解しておかなければならないことが2点あります。それらを理解することが、「被告人力」を高めることにつながると考えています。

それは
1) 自分一人では無力に等しい
2) 努力が必ずしも報われるわけではなく、ほぼ確実に報われない
ということです。

まず1)に関して。自分だけが頑張ればいいというのであれば、話は簡単なのですが、被告人という場合には、あなた一人ではどうしようもありません。そして、被告人の強力な相棒が弁護人です。被疑者段階で、検察に不起訴を選択させる策を講じる、あるいは公判ともなれば、それこそあなたの盾となってくれるのが弁護人です。

弁護人を選択することはあなたの責任です。弁護士としての能力もさることながら、やはり相性が重要です。依頼を決める前に話をして、その見極めをするべきだと考えられます。そして、選択してもそれで終わりというわけではありません。彼らの能力を最大限に引き出すこともあなたの責任だと考えて下さい。

拙著『勝率ゼロへの挑戦』から引用します(p.52)。
「弁護士とは忙しい仕事である。何件も同時に案件を抱える弁護士に、どれだけ自分の案件に時間を割いてもらえるか、あるいはその弁護士の実力以上のパフォーマンスを引き出すか。これは依頼人の責任である。」

もしかすると、あなたは弁護士の先生が「自分の案件に時間を使ってくれていない」と疑心暗鬼になるかもしれません。しかし、弁護士を非難するのではなく、自分に責任があると考えることが必要です。

弁護士の最大限のパフォーマンスを引き出すにはどうすればよいか。それは弁護士の立場になって考えることです。想像力が決め手になります。

私は、刑事裁判主任弁護人の小松正和弁護士には、当初2か月ほどの間、1日も欠かさず毎日メールをしました。その内容は、自分の事件の手がかりになると思われることを自分なりに考え、参考にしてもらおうとしたものです。私は、彼が風呂に入っている間にも自分の事件を思い出してもらうことを目指していました。

また、あなたに大きな力を与えてくれるのが支援者です。彼らをいかに鼓舞し、伴走し続けてもらうか。これを考えるのもあなた自身の責任です。

2) に関して。これは考え方次第です。先日の早稲田大学大学院法務研究科の授業でも、小松弁護士がとてもいいことを言っていました。
「我々の仕事は、「無罪を取ること」ではありません。「無罪を取る可能性を上げること」です」

この差は非常に大きいものです。無罪を取るために最大限の努力を惜しまないものの、結果は裁判長の胸先三寸ということです。

我々が通常経験するビジネスや日常の世界では、「陰日向なく努力することで、結果は自然とついてくる」と考える方が、結果がよくなることが多いのですが、残念ながら被告人という立場では、それは通用しません。

そして毎日、1ミリでも前進するように努力することです。結果にこだわらず、そしてあきらめない。その心持ちが被告人力を上げるためには必須だと思われるため、このシリーズの最初の回にそのことについて書きました。

ここをクリック→ 無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その1 「被告人の心構え (1) 執着せず、あきらめない」

被告人力は、能力以前に、考え方の違いで大きく差が出てくると思います。私は、刑事被告人として実にいろいろなことを試みましたが、それらは私なりに考えて、一つ一つ意味があることでした。ヒントは、「もしあなたが本当に犯罪をしていたならば、絶対にしないであろうこと」をするよう努力することです。

そして最後は、被告人となったことを、自分にとって何が人生のプライオリティなのかを考えるいい機会だと考えることです。「人間万事塞翁が馬」- 是非考えてみて下さい。














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2015/06/04 Thu. 08:51 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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#検察なう (470) 「無関心でいることは積極的加担と同罪と知るべし」 6/1/2015 

#検察なう (470) 「無関心でいることは積極的加担と同罪と知るべし」 6/1/2015

かつて冤罪に全く関心がなかった自戒の念も含め、冤罪に無関心であることは、冤罪を作り出していることと全く同罪だと感じます。エミール・ゾラは、スパイ容疑にかけられたユダヤ系軍人を擁護する新聞への寄稿文の中で次のように激しく宣言しました(ドレフュス事件)。

「冤罪を見逃す者はその共犯者である。私は決して共犯者にはならない」 (1898年 『我弾劾す(“J’accuse”)』 )

昨日5月31日、フェイスブックの私のタイムラインに上がってきたのは、私が支援してきた「ロボスクエア贈賄冤罪事件」(注)被害者の永末康子さんのコメントでした。

これまで支援してきたよしみで勝手に(笑)全文転載させて頂きます。

「早いものでもう5年!今年も5月31日がやってきました。何の日か忘れた人も多いのでは・・・笑?

2010年5月31日は『ロボスクエア贈賄冤罪事件』で任意捜査が始まった日です。普通のOLとして過ごしていた人生が180度変わった日でした。

あれからすっかり環境も変わり、今日も穏やかな朝を迎えられていることが、本当に幸せです。思い出したくない人もいるだろうし、忘れてもいいのかもしれないけど、司法の現状が良くならない限り、忘れることはないでしょう。

「知ってしまったからには目を背ける事はできない」

周防正行監督の言葉でしたね。まさにその通りだと思います。あんまり平和ボケしてると大事な事を見落としてしまいます。
憲法改正問題
刑事訴訟法改悪問題
原発問題
etc・・・

遠い世界の話のようだけど、いつどこで、自分が、家族が、大切にしている人たちが、理不尽な目に遭うか分かりません。

そんな時、必ず後悔するのは『無関心』であったこと。

今、私たちが無関心にしていることのしっぺ返しは、私たちだけではなく、次の世代に降りかかってくるものでもあります。

政治や司法の世界だけでなく、世界のあらゆる所で起きていることをいつでも身近において、考えることをやめないようにしておきたいと思います。

プラスαできることを行動に!

そんなこんなを考えている5年目の朝です。

あー、でもホント最近ツメが甘いなぁと思うことが多々ありまして。やはり平和ボケしているのでしょう。ここらでもう一度気合い入れていきたいと思います・笑

皆さま、いつも応援本当にありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m」

ここをクリック→ 冤罪と戦うやすこを応援する会

永末さんも私も皆さんと同じ一般市民の一人ですが、我々と同じ経験をする人が一人でも少なくなってほしいと願っています。是非とも変わらぬご支援をお願いします。

(注)
ここをクリック→ #検察なう (115) 「氷山の一角」

ここをクリック→ #検察なう (126) 「氷山の一角 パート2 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

ここをクリック→ #検察なう (287) 「氷山の一角 パート3 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

ここをクリック→ #検察なう (377) 「氷山の一角 パート4 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」

6/1/2015











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2015/06/01 Mon. 00:56 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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