「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (494) 「ラジオ出演しました 『ラジオフォーラム』「冤罪はこうしてつくられる~2人の被害者に聞く」」 8/31/2015 

#検察なう (494) 「ラジオ出演しました 『ラジオフォーラム』「冤罪はこうしてつくられる~2人の被害者に聞く」」 8/31/2015

ジャーナリストの今西憲之氏がパーソナリティを務めるラジオ番組に出演しました。番組名は『ラジオフォーラム』、テーマは「冤罪はこうして作られる~2人の被害者に聞く」。

番組収録のスタジオには、布川事件の冤罪被害者桜井昌司さんがゲストとして招かれていました。番組収録時には、私はカナダにいたため、私は電話での参加でした。

番組スタッフから携帯電話に電話をもらい、待つこと数分。今西さんと桜井さんにバトンタッチされた時には、番組の流れが読めておらず、事前打ち合わせもなかったことから、出たとこ勝負の応答でしたが、後から番組を聞いてみると、問題なく受け答えできているようで、ほっとしました。

番組のアーカイブは、『ラジオフォーラム』HPに収録されていますので、是非お聞き下さい。私の出番は、41分10秒からの「みんなジャーナル(電話インタビュー)」です。9分程度のやり取りです。

ここをクリック→ 『ラジオフォーラム』第137回「冤罪はこうしてつくられる~2人の被害者に聞く」

番組HPでは、私の紹介もされています。

「番組後半では2008年11月、「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」で、株式報酬の申告漏れを指摘された約100人のうち、たったひとり起訴された八田隆さんに、お電話でお話を伺います。
全く身に覚えのない容疑で家宅捜索され、在宅起訴された恐怖、また裁判で無罪を勝ち取るまでの紆余曲折を、現代日本の検察、警察、裁判官のあり方を見つめながらお話いただきます。また取り調べの様子を「検察なう」でツイートし続けたユニークなエピソードや、係争中の国家賠償請求訴訟への行方などについてお話いただきます。」
是非、お聞き下さい。

8/31/2015

















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2015/08/31 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『きみはいい子』『チャップリンからの贈り物』『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』 

フィルム・レビュー 『きみはいい子』『チャップリンからの贈り物』『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』

『きみはいい子』 (2015) 呉美保監督
ここをクリック→ 『きみはいい子』

『チャップリンからの贈り物』 (2014) グザヴィエ・ボーヴォア監督
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『胸騒ぎの恋人』 (2010) グザヴィエ・ドラン監督
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『わたしはロランス』 (2012) グザヴィエ・ドラン監督
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2015/08/30 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (493) 「美濃加茂市長事件控訴審で1回結審ならず」 8/27/2015 

#検察なう (493) 「美濃加茂市長事件控訴審で1回結審ならず」 8/27/2015

注目の美濃加茂市長事件控訴審の初公判が先日8月25日に行われました。

検察がしょーもない証拠を並べ立てて証拠調べ請求をするというのは、私の控訴審でもそうであったように、当然のことでした。刑事司法のルールとして、控訴審においては、一審の段階で証拠調べ請求ができなかったやむを得ない事情がある証拠の採用が認められなければ、一審の判決を維持しなければならないと定められているからです。

ここをクリック→ #検察なう (317) 「控訴審とは」

美濃加茂市長事件控訴審では、検察官は捜査段階の事実調べに関するメモなど十数点の証拠と贈賄供述者の取調べを担当した警察官と検察官の証人尋問を請求しました。これらしょーもない証拠の全てが却下され、1回結審であればゲームセットでしたが、裁判所は検察官請求の証拠は「留保」、証人尋問を採用し、第二回以降に勝負は持ち越されることとなりました。

ここをクリック→ 弁護士ドットコムNEWS「美濃加茂市長VS検察」名古屋高裁で「二審」がスタート―ふたたび全面対決

検察官控訴の場合、1回結審は異例中の異例であり(注)、検察官請求の証拠採用はある意味当然のことではあるのですが、やはり過去のデータを紐解くと、検察官控訴の場合の一審判決破棄率は異常というほど高く(これは日本の刑事司法において、推定無罪原則が軽視されていることの表れだと考えられます)憂慮すべきことではあります。

ここをクリック→ #検察なう (284) 「検察控訴における一審判決破棄率」

しかし採用された証拠が、贈賄供述者を取り調べた警察官・検察官の証人尋問ということが、今回の1回結審とならなかったことの鍵だと感じます。

収賄罪と贈賄罪は、収賄行為と贈賄行為の両方の行為が犯罪となることが必要である必要的共犯(対向犯)とされながら、美濃加茂市長事件においては、贈賄側と収賄側の主張が真っ向から対立し、先に審理された贈賄者が有罪となりながら、後に審理された藤井市長は無罪となったのが美濃加茂市長事件の一審でした。藤井市長の無罪判決は、贈賄供述者の信用性が否定されたことを意味します。

新たな事実審理の門戸が開かれたかのように思える検察官請求の証拠採用ですが、その証人は、贈賄供述者あるいは藤井市長その人ではなく、贈賄供述者を取り調べた捜査官であるということは、控訴審裁判体は一審裁判体が認定した、信用ならない供述がどのようにして取られたかに興味を持っているというように感じられます。

これは一審無罪で判じられた藤井市長の無罪に異議を唱えるものではなく、なぜ捜査権力の意向に沿うような供述が取られたかというこの事件の本質に迫ろうという努力なのではないかと私は推測します。

その点について、藤井市長の主任弁護人郷原信郎氏が、ブログ『郷原信郎が斬る』において「美濃加茂市長事件控訴審、事実審理開始で重大なリスクを抱え込むことになった検察」として論じていますので、是非ご一読下さい。私は郷原氏の視点を支持し、引き続き藤井市長を支援したいと思っています。

ここをクリック→ 『郷原信郎が斬る』「美濃加茂市長事件控訴審、事実審理開始で重大なリスクを抱え込むことになった検察」

(注)
その異例中の異例のことが起こったのが私の控訴審でした。

ここをクリック→ #検察なう (347) 「控訴審初公判報告~検察官控訴で門前払いの一回結審」

ここをクリック→ #検察なう (349) 「控訴審初公判法廷画 by 高杉ナツメ」

8/27/2015















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category: 美濃加茂市長事件

2015/08/27 Thu. 02:30 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (492) 「捜査協力型司法取引のリスク その2 ~市川寛氏ブログより」 8/24/2015 

#検察なう (492) 「捜査協力型司法取引のリスク その2 ~市川寛氏ブログより」 8/24/2015

前回ブログ(注1)では、今国会で成立が見込まれる司法取引導入を議論しましたが、今回も引き続きその問題点を論じたいと思います。

「#検察なう フェイスブック・コミュニティ」(注2)の管理者にも加わって頂いている市川寛氏のブログで興味深い指摘がされていますので、ご紹介します。

捜査協力型刑事司法取引は冤罪の温床になると批判されながら、その導入を支持する警察・検察関係者及び御用学者は、いくつかの措置を講じることでそれを防ぐことができるとしています。

その一つが、司法取引には弁護士を同席させるというものです。

市川氏のブログでは、「弁護人は供述者の虚偽供述を見抜くことができるのか」あるいは「弁護人が虚偽供述を疑った場合、何が起こり得るのか」といった疑問に答えていると思います。

この捜査協力型司法取引を「弁護人殺し」の制度だと看破する市川氏のブログを是非ご覧下さい。

ここをクリック→ 『検事失格 弁護士 市川寛のブログ』「日本版司法取引の問題点」 

(注1)
ここをクリック→ #検察なう (491) 「捜査協力型司法取引のリスク~法務委員会における笹倉香奈参考人の意見より」

(注2)
ここをクリック→ #検察なう (452) 「#検察なう フェイスブック・コミュニティ」

8/24/2015















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2015/08/24 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『野火』 『HERO』 『この国の空』 

フィルム・レビュー 『野火』 『HERO』 『この国の空』

『野火』 (2015) 塚本晋也監督

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『HERO』 (2015) 鈴木雅之監督

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『この国の空』 (2015) 荒井晴彦監督

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2015/08/23 Sun. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (491) 「捜査協力型司法取引のリスク~法務委員会における笹倉香奈参考人の意見より」 8/20/2015 

#検察なう (491) 「捜査協力型司法取引のリスク~法務委員会における笹倉香奈参考人の意見より」 8/20/2015

刑事訴訟法改正法案が衆議院本会議を通った以上、刑訴法改悪は現実のものとなりそうです。

ここをクリック→ 『日本経済新聞』「刑訴法改正案が衆院で可決、今国会で成立見通し」

大勢は決したとはいえ、やはり我々に問題認識があるとないとでは、何か違うのではないかと期待を込めて、刑事訴訟法に新たに盛り込まれる司法取引について議論したいと思います。

司法取引と言えば、アメリカで多用されていると知る人も多いのではないでしょうか。その本場アメリカでの司法取引には大きく分けて、自分の罪を認めることで量刑減免等を得る「自己負罪型」と他人の罪を証言することで自分の罪を軽減してもらう「捜査協力型」があり、今回日本で導入が見込まれているのは後者です。

「捜査協力」と言えば聞こえはいいのですが、要は他人を密告して自分の罪を軽くすることを認めるというのがこの刑事訴訟法の改正による刑事司法の導入です。

先のブログでも紹介した衆議院法務委員会でのディスカッションで、この司法取引導入に異を唱えたのが、笹倉香奈甲南大学准教授でした。

ここをクリック→ 甲南大学 研究者詳細

彼女はイノセンス・プロジェクト(注1)で冤罪事件の調査に関わってきた経験を元に、アメリカでは捜査協力型司法取引が冤罪の温床となっている実態を、法務委員会の参考人として意見陳述しました。

その14分間の意見陳述は衆議院インターネット審議中継で見ることができます。

ここをクリック→ 衆議院インターネット審議中継ビデオライブラリ(2015年7月1日)

「この法案のままでは、更なる虚偽供述を生み、引いては新たな冤罪を生む危険性があるのではないか」とする彼女のポイントをまとめてみました。

彼女が指摘する最重要事項は、今回の司法取引導入に当たり、「アメリカの司法取引における現状の検討が十分に行われていない」「アメリカにおける、ここ10年のおける捜査協力型司法取引の議論が全く考慮されていない」という点です。

捜査協力型司法取引は、情報提供者あるいは「密告者(”snitch”)」が、「より寛大な処罰・量刑」「不起訴の約束」「身体拘束の回避」と引き換えに捜査への協力=情報提供をするものですが、それはアメリカにおいては冤罪を生み危険であるという認識が高まっており、個別の州で実際に改善の努力がされているものです。

捜査協力型取引が冤罪原因になっている実証として、イノセンス・プロジェクトで雪冤を果たしたケース(今日現在までで330件がDNA型館鑑定により無罪、そのうち20名が死刑確定者)が分析されています。

その結果明らかになった問題点には以下の3点があります。

①  「情報提供者の証言が冤罪の大きな原因になっている」

ノースウェスタン大学ロースクールのロブ・ウォーレン教授の2004年の研究によれば、当時明らかになっていた死刑冤罪の45.9%の原因が誤った情報提供者の証言であり、冤罪原因の第1位。

2004年カリフォルニア州の報告でも、州の冤罪事件の20%の原因は、虚偽の情報提供者の証言であった。

2005年サミュエル・グロスらによる研究によると、殺人冤罪事件の約半数が逮捕勾留されている情報提供者その他何らかの恩典を得た者の偽証が関わっている(注2)。

2011年、ブランドン・L・ギャレット、イノセンス・プロジェクトで雪冤がなされた最初の250件を詳細に検証した結果、情報提供者の証言が確定判決の有罪認定を支える証拠となっていたものが52件、つまり21%の冤罪の原因。それは誤った目撃証言や誤った科学鑑定に次ぐ原因だった。

②  「当該取引過程が妥当なものであったのか、情報提供者の証言が虚偽ではなかったのかという事後的な検証が行われにくい」

司法取引が秘密裏に行われることが少なくなく、それが冤罪の原因であることが分かっても、その内容が明らかになりにくい。それは情報提供者と捜査側のやり取りが記録されていないためである。

訴追側は、情報提供者の証言によって有罪立証をすることができるため、その証言が虚偽であるかどうかを精査する訴追側のインセンティブは低い。

③  「情報提供者が法廷で虚偽あるいは信用性の低い証言を行う場合にも事実認定者(アメリカでは陪審員)はそれを見抜くことができない」

司法取引導入擁護派は「反対尋問を通してその信用性を判断することが可能である」とする。しかし、アメリカにおける最近の実証研究によれば、陪審員は恩典を受けた情報提供者の証言を低く評価するとは限らない、即ち、本来信用性が低い可能性がある証言も有罪立証の証拠となりえる。

2000年代以降アメリカでは、捜査協力型司法取引の改革や提言がなされてきています。

第一に、「適宜な証拠開示が必要」とされています。

イリノイ州2000年の改正法では、逮捕勾留された者が情報提供者である場合、特別な証拠開示ルールが定められています(情報提供者の犯罪歴、恩典の内容、情報提供者が聞いたとされる原供述の内容、原供述が行われた日時や場所、情報提供者によって初めて情報が捜査機関に伝えられた日時や状況、過去に情報提供者が証言を行った事件、そのほか情報提供者の信用性に係る全ての情報を開示しなければならないとされる)。

第二に、「情報提供者の証言のみにより有罪立証はできず、被告人の犯人性を裏付ける補強証拠が必要である」とされています。

テキサス州・マサチューセッツ州の法律では、薬物事件の情報提供者の証言や収監中の情報提供者の証言には補強証拠が必要であり、補強証拠の範囲は被告人の犯人性を裏付けるものでなければならないとされます。そのほかの州においても、情報提供者の証言には特に留意し詳細に検討しなければならないとする説示を事実認定者である陪審員に対し、裁判官が公開の法廷で行うことが求められています。また、情報提供者の証言は録音録画されなければならないとされます。

これらアメリカにおける改革案の共通点は、秘密裏に行われる司法取引を透明化することで、冤罪原因としないことです。

今回の刑事訴訟法改正に当たり、冤罪原因となることを防ぐ方策として3つが挙げられていますが、それらは有効ではないと考えられます。

一つ目の「弁護人の関与」に関しては、司法取引に同席する弁護人は、引きこむ側の弁護人であり、ターゲットとされる被告人の弁護人ではないため、冤罪を防止することにはなりません。

二つ目の「合意内容書面の請求」に関しては、合意内容書面作成の経緯やそれ以前の取調べが可視化されていないため、やはり冤罪を防止することにはなりません。

そして三つ目の「虚偽供述に対する処罰規定」に関しては、むしろそうした処罰規定があれば、虚偽供述の事実を隠し通すことにつながり、やはり冤罪を防止することにはなりません。

これらは、引きこみ供述の防御の手当てとは到底言えないということになります。

司法取引は捜査当局には利益となるものですが、アメリカにおいて司法取引を導入することで多数の冤罪を生んできたということにも学ぶべきだと思われます。

(注1)
ここをクリック→ #検察なう (146) 「イノセンス・プロジェクト」

(注2)
ここをクリック→ 「米2013年の再審無罪、過去最高に迫る」

8/20/2015
















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2015/08/20 Thu. 01:03 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (490) 「恵庭OL殺人事件再検証 (5) ~プロファイリングにより真犯人像に迫る」 8/17/2015  

#検察なう (490) 「恵庭OL殺人事件再検証 (5) ~プロファイリングにより真犯人像に迫る」 8/17/2015

恵庭OL殺人事件には重要な証拠が数々あります。それらの証拠を元に事件を俯瞰し、再検証の最後として、プロファイリングにより真犯人像に迫ることを試みたいと思います。

まず、この事件は突発的に起こったものでしょうか、それとも計画的に行われたものでしょうか。

殺害から遺体焼損まで短時間(約1時間半)になされ、燃焼に使われた燃料がガソリンまたはジェット燃料であるということから、計画的に行われたと考えることが合理的だと思われます。

ガソリンをガス欠対応のために予備タンクに保管している人はいるでしょうが(違法行為ですが)、その場合でも、その量は次のガソリンスタンドに辿り着くに十分な少量だと考えられ、やはり遺体を焼損するための分量となれば、それを事前に準備していたと考えられます。

燃料は、アイスバーンの地面にこぼれ落ちたものが引火したことから、引火温度が40度以上という灯油ではなく、マイナス40度程度のガソリンか、マイナス20度程度のジェット燃料(ワイドカット系)と考えられますが、可能性としては、やはり入手が容易なガソリンの可能性が高いと思われます。しかし、ジェット燃料の可能性があるということは非常に重要です。「ジェット燃料の入手が可能な人物」が犯人像として浮かんでくるからです。

犯行が計画的であったとすれば、犯人は男性であると断じてもいいと思います。それは殺害方法が絞殺だからです。殺害を意図し(遺体焼却の準備までしているわけですから、最初から殺意をもっていたと考えていいと思います)、それを確実に遂行するために、絞殺を選ぶという場合は、体力が相手より十分に優っているということが条件です。

つまり、「体重47kgでどんぶりも持てないほどの握力しかない女性が、自分より体力的に勝る体重60kgの女性を殺害する方法として、絞殺を選ぶことは考えられない」ということです。もし犯人が被害者より体力的に劣る女性であれば、当然、体力をカバーする凶器(毒薬や刃物)を用意して凶行に及ぶということがより合理的です。

弁護団の推理は、被害者が強姦された可能性があり、だから犯人は男性(つまり大越美奈子さんは犯人ではない)という主張をしていますが、私にはすっきりしないところがあります

それは性犯罪と計画的犯行による殺害が結び付きにくいからです。性犯罪の被害者が殺害されるのは、「騒いだため突発的に」という可能性が高いのではないでしょうか。勿論、最初から殺害することを前提で強姦のターゲットを選ぶということもありえますが、犯人は正業に就いている者であると考えられ、やはり殺害が主たる目的だと考えるべきだと思います(遺体焼損においては陰部の炭化が著しいということから、性犯罪の要素は排除するものではなく、ただそれが主目的ではないということです)。

犯人が通りすがりの異常者ではないことは、被害者の携帯が、犯行後会社の社員控室の被害者制服ポケットに返されていたことから伺われるものです。そうした被害者の携帯電話の状況により、警察は、犯人を会社内の人間であり、しかも女性であると見定めました。しかし、関係者の供述から、社員控室は男性も出入りでき、取引業者であれば、その場所は知っていたということが分かっています。見知らぬ者の犯行ではないという見立てはよかったのですが、対象を絞り過ぎたということです。つまり犯人は、取引業者も含めた会社関係者だと考えられます。

犯人は、なぜ被害者の携帯を被害者の元に返したのでしょうか。犯行時間以降に、発信履歴があることから、被害者が生存していた時間を工作し、自分のアリバイの助けにしようとしたとしか私には考えられませんが、それでもこの事件のミステリーの一つです。

犯人は捜査が進んでいき、容疑の対象が大越さんに絞られていく中で、彼女に罪を着せるべくいくつかの偽装工作(被害者の遺留品を大越さん自宅近くで焼却しその痕跡を残す、被害者のロッカーキーを大越さんの車のグローブボックスに入れる)をしますが、この携帯電話を返した犯行当日深夜ないし早朝の段階では、大越さんに罪を着せるつもりだったかは疑問です。

私には、いたずら電話を200回以上掛けた着信側の携帯電話を、いたずら電話を掛けた本人が犯人であればわざわざ返却するとは到底考えられません。どうせ通信記録を調べれば、いたずら電話の件は発覚するはずですから、もし初めから大越さんに罪を着せるつもりなら、携帯電話を隠した方がむしろ犯人らしい行動だと言えます。

大越さんは、当初の警察の取り調べでは、被害者の電話番号を知らなかったと嘘をついていましたが、どうして携帯電話を返した犯人がそのような嘘をつくことがありえるのでしょうか。この携帯電話が返されていたことは、私には大越さんの無実の証拠としか考えられませんが、一般常識にはかからない常軌を逸した主張・判断がなされるのが刑事司法の現実です。

犯人は被害者の顔見知りであり、被害者の近況(事件5日前に新しい交際を承諾)を好ましく思っていなかったことが動機となったという警察の見立ては正しいと思います。しかし、事件の3日後頃には既に大越さんに捜査の対象を絞ったということが間違いだったと思われます。警察は、被害者の会社関連の男性知人との関係、特にストーカー被害にあっていなかったかどうかといった捜査をすべきだったと思います。

遺体焼損に際しては、顔に(目隠し様に)布が掛けられ、顔部の焼損状況も頸部・陰部に比較するとさほどでもなかったということは、焼損が単なる証拠隠滅のためだけではなく「弔い」の要素を含む複雑なものを感じさせます。その事実も私が、犯人は女性ではなく、被害者女性に(一方的な)思慕を寄せる男性だと考える根拠の一つです。

被害者女性及びその家族にとっては、言葉では尽くせない不幸な事件ですが、真犯人が野放しとなっている冤罪は、冤罪被害者の大越さんだけではなく、被害者、被害者家族も冤罪の被害者であるという二重の不幸を生みます。誰かを犯人に仕立て上げて有罪にすれば一件落着という感覚では、冤罪を繰り返すだけだと考えます。

しかし、その背景には犯人を見つけなければならないという捜査機関のプレッシャーがあると考えられます。犯人が見つけられない場合、捜査機関への批判は相当なものがあると思われますが、それが冤罪の遠因となっていることは非常に難しい問題です。

8/17/2015













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category: 恵庭OL殺人事件

2015/08/17 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『バケモノの子』 細田守監督 

フィルム・レビュー 『バケモノの子』 細田守監督

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映画『バケモノの子』観賞。

『時をかける少女』に衝撃を受け、以来追っかけている細田守。しかしこれまでの『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の2作は決して悪くはないものの、テーマを複雑にし過ぎて消化不良の印象があった。だが今回はいい、とてもいい。ただ映画館を出た時に思ったのが、この映画は子供も観るだろうが残念ながら子供には理解できないであろうということ。

舞台は人間世界とバケモノ世界のパラレルワールド。そして人間は、心に闇(妬み、嫉み、差別、憎しみ)を宿す存在として描かれている。主人公は、父からの愛を受けられずに喪失感を抱いた少年。その彼をハンパ者のバケモノが育てるのだが、そのハンパ者が少年の喪失感を埋めると共に、自分がハンパであることも補完していくという、父(といってもバケモノだが)と子の彼ら両者の成長の物語。

心の闇+父と子の物語といえば、スターウォーズやエヴァンゲリオンがあり、テーマに共通項も多いが『バケモノの子』はそれらに比べ圧倒的にポジティブ。

前作が世の母親にアピールする作品だったからではないだろうが、この作品は世の父親にアピールする作品。そして「親の心子知らず」であるがゆえに、子供には理解できないだろう。

声優陣にスペシャリストではなく、役所広司、宮崎あおい、染谷将太、広瀬すず、大泉洋といった旬の役者をずらっと揃えたのがこの映画の特徴だが、概ね好感できるものだった。ただリリー・フランキーだけは、本人のイメージが強すぎて、声優に顔が売れている役者を使うリスクを感じた。

さすが日本のアニメは実にディープという好作品。そして細田守はそのリーディングポジションにあり、彼があこがれていたジブリは越えたと私は考えている。

ここをクリック→ 『バケモノの子』予告編

(Facebook 8/13/20015より転載)













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2015/08/16 Sun. 00:12 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (489) 「恵庭OL殺人事件再検証 (4) ~アリバイ」 8/13/2015 

#検察なう (489) 「恵庭OL殺人事件再検証 (4) ~アリバイ」 8/13/2015

恵庭OL殺人事件の冤罪被害者大越美奈子さんのアリバイは、完全に成立しています。

争いのない事実は、大越さんが事件当日午後11時30分43秒にガソリンスタンド(ガソリンキング恵庭店)に入店した様子がビデオに写っていたことです。

そして犯人はこの午後11時30分の時点では、まだ遺体の焼却現場に立ち止まっていたと考えられます。それは目撃者の証言から、遺体の焼却は11時15分頃から開始され、燃料が追加投入され大きくなった炎が数度、最後は午前0時5分頃目撃されているからです。

ガソリンスタンドに立ち寄る前に大型書店で立ち読みや文具を見ていた大越さんを、遺体の焼却されていた時間にガソリンスタンドから約13.8km離れた遺体の焼却現場にいたとする検察の主張と裁判所の判断は無理に無理を重ねるものでした。

まず遺体の焼却開始時間の目撃証言を10分早めて11時5分頃に変えさせ、犯人は「殺人及び死体損壊の嫌疑が自分に迫ることを免れるため可及的速やかに現場から離れたい」という心理状態であったため、遺体焼却開始後ただちに現場を離れたとし、遺体焼却開始時間後に目撃された2台の車は、犯人ではなく「ゴミを燃やしているのだろう」とする見物人であり、3月の夜中の北海道であっても道路は全行程乾燥しており、街灯の少ないあるいは全くない無舗装の道であっても事故を起こすリスクなど考えもせず法定速度を大きく越える速度で走行してガソリンスタンドに辿り着いたというものです。そして、現場不在証明を不成立とする最も重要な主張が、前回までのブログで紹介した、遺体の脂肪が独立燃焼することにより燃焼の途中でも炎が大きくなりえるというものです。

検察の主張通り、もし犯人が現場を11時10分頃に立ち去ったとしても、弁護側鑑定人中辻隆氏(北海道大学教授、土木・交通工学、注)の走行実験では、20分を越える時間が必要であり、アリバイは成立すると弁護団はその鑑定書を再審請求の新証拠として提出しています。ところが裁判官は、燃焼実験の結果同様、この科学鑑定も「ぶっ飛ばせば20分以内で到達することは可能」と、「素人の常識」で一蹴しています。

事件翌日の現場付近の捜索の様子(2000年3月17日撮影)

現場付近 2000年3月17日撮影

(路面が凍結している様子が伺えます)

そもそも、遺体を焼却した犯人がその直後に現場近くでのんきにガソリンを給油するという発想自体常軌を逸していると感じますが、法廷というところは我々の一般常識を大きく逸脱した主張や判断が平然となされることは、私も自分の経験から知っていることなので、さして驚くことではありません。

アリバイに関して最も需要な二つの証拠は、大越さんがガソリンスタンドに入店した模様を録画したビデオと、散歩の前後及び途中で炎の様子を目撃した目撃証言です。そしてその両方の証拠とも検察により公判に提出されることなく一旦は隠蔽され、前者は第一審有罪判決後の控訴審で開示され、後者は有罪確定後の再審請求審になって初めて開示されたものです。

なぜ検察は、これらの証拠を公判に提出することなく隠蔽したのでしょうか。それは、これらの証拠を提出すればアリバイが成立し、大越さんの無罪が立証されるということを彼らが十分に理解していたからにほかなりません。

つまり、これら証拠の内容を精査するまでもなく、検察がそれらを隠蔽していたということだけをもってして、大越さんのアリバイは成立していると考えていいと言えます。

以下は、特別抗告申立書のアリバイに関する部分の冒頭に書かれた文章です。

「請求人に関するアリバイの成否は、確定第一審以来激しく争われてきた、本件における最大の争点の一つである。そして、現段階で明らかになった全ての証拠を総合して考察すれば、請求人のアリバイが成立することは明らかである。弁護人は、現段階で裁判所に提出されている証拠が確定審段階で全て取り調べられていれば、あの確定審裁判官であったとしても、請求人に有罪判決を言い渡すことはなかったであろうと考え、無念の思いに駆られている。」

郵便不正事件では、検察による証拠捏造が大問題となり、世間の批判が集中したことは記憶に新しいところですが、無実を示す証拠の存在を知りながら、有罪立証の妨げになるからと証拠を隠蔽する行為は、証拠捏造と何ら変わらない犯罪行為です。そしてそれが現在日本の刑事司法では当然のように行われているという実情を、我々は周知する必要があると思います。

ここでは、再審請求審の段階で明らかになった目撃証言に関する内容を特別抗告申立書から引用します。

「Hは、本件死体焼損現場から約558メートルの南方にある自宅から、飼い犬を散歩させるため外出した際、本件死体焼損現場方向に燃え上がる大きな炎を目撃した重要証人であった。しかし、先に述べたとおり、画定審では、捜査段階で作成された調書のごく一部(捜査の最終段階で作成された検察官調書だけ)しか開示されていなかった。

ところが、原原審(引用者注:再審請求審)裁判長の訴訟指揮に基づいて開示された同人の初期供述の結果、次の諸事実が明らかになった。すなわち、

①  同人は、事件翌日の事情聴取の段階で、「午後11時15分頃に納屋の間口と同じくらいの大きさと形の大きな炎を見たとして、それは「太陽が地平線に落ちるときのようなオレンジ色」であった旨、極めて印象的な目撃供述をしていたこと、

②  その後警察官が目撃位置の特定をするための引き当たりをした際には、その約8分後である午後11時23分頃、最初の炎の3分の1くらいの大きさの炎を見た旨供述していたこと、

③  また、午後11時42分頃、最初に見た時と同じくらいの大きさの炎を、さらに、翌17日午前零時5分頃、自宅から最初の炎の3分の1くらいの炎を見た旨供述していたこと

が明らかになった。

このように、Hは、最初に炎を目撃した午後11時15分ころだけでなく、その後約1時間にもわたって、大きな炎を何度も目撃した旨具体的に供述していた事実が明らかになったのである。これは、犯人が、死体に着火した後も現場に止まり続け、燃料を補給しながら念入りに死体を焼損した事実をきわめて有力に示唆するものである。そして、その想定は、本件死体が完全焼損に近い状態であった事実ともよく符合する。これらの事実によって、午後11時30分頃にガソリンキングにいたことが確実な請求人に完全・完璧なアリバイが成立する筈である。」

新証拠によってアリバイが成立することが立証されても、「疑わしきは確定判決の利益に」という裁判所の論理で再審請求は棄却され、冤罪被害者の救済がなされることはないというのが日本の刑事司法の厳しい現実です。

次回以降のブログで、この事件の再検証の最後として、プロファイリングにより真犯人像に迫ってみたいと思います。

(注)
中辻隆氏
研究に「凍結路面状態における交通渋滞と旅行時間の動的予測手法に関する研究」等あり。
ここをクリック→ 中辻研究室

8/13/2015

















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2015/08/13 Thu. 07:03 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (488) 「恵庭OL殺人事件再検証(3)~燃焼実験 その2」 8/10/2015  

#検察なう (488) 「恵庭OL殺人事件再検証(3)~燃焼実験 その2」 8/10/2015

前回ブログでは、この事件の真実を探るための非常に大きな鍵である遺体の焼損状況と、弁護側が行った燃焼実験について述べました。

ここをクリック→ #検察なう (487) 「恵庭OL事件再検証 (2) ~燃焼実験」

ブログを読んでくれた熱流体工学の専門家である石田博樹氏(注)からメッセージを頂き、弁護側証拠として提出された彼の意見書を目にする機会がありました。

ここをクリック→ 石田再意見書(2015年4月27日)

その意見書は、私が一般的な感覚で感じたことが、科学的に立証されることを示すものでした。そして私が驚いたことは、再審請求に提出されたこの意見書を読みながら、裁判官はその科学的事実を無視して、人一人を冤罪に陥れたという事実です。こうなると、日本の刑事司法は、科学的事実を無視して天動説を是としたガリレオ・ガリレイの異端審問と何ら変わらないとさえ感じてしまいます。

検察の主張に基づき裁判官が認定したことは、「脂肪の独立燃焼」(10Lの灯油散布による焼損でも、遺体の脂肪が燃え続けるため、遺体の内臓が炭化するまで燃焼し続け、約9kg=15%の重量減をもたらすほどの焼損が可能)でした。

以下の質問にあなたはどのように答えるでしょうか。

「肉の脂身2.3kg(「23kg」ではありません、その1/10の「2.3kg」です)と灯油29リットル(一斗缶1個半)を燃焼させた場合、どちらの方が発生する熱量は多いでしょうか」

それらを同じとするのが大越美奈子さんを有罪とする判決です。

また、10Lの灯油を一度に散布した場合、相当量が地面にこぼれることが想定されますが、検察もそれを認識していたことが意見書から伺えます。そして「弁護団の実験によれば衣服を着せたマネキンに灯油10リットルをかけた場合、実際に着衣に灯油が滲み込む量は4リットル程度であり、他の6リットルは地面に落ちて滲み込んだ」とされます。雪で覆われた地面に落ちた灯油が引火しないことは、前回のブログで述べた通りです。10Lでも無理なことは、4Lならなおさらというものです。

また私が重要視している遺体焼損現場付近の地面の露出状況に関しても、石田氏の意見書では明快に解説がされています。

「雪に覆われた地面に置かれた遺体に燃料をかけて焼損するという状況下において、周囲に特定方向への強い風が吹いている場合でなければ、通常、火炎はその周囲に誘起される対流(上昇気流)により遺体の上方に伸びる。そのため、火炎からの熱により遺体周囲の雪が融解したことによる地面の露出部分は、遺体の直下、ないしはごく周辺に限られる。」

「遺体の手前部分(道路側)では燃焼物がないにもかかわらず黒い地面が広く露出しているという事実は、焼損中に遺体が動かされたことや、燃料が灯油ではなくガソリンないしジェット燃料であったことを示唆している。」

無実の証拠をこれでもかと提出しながら一顧だにされない日本の刑事裁判の実態が放置されているのは、看過している我々の責任かもしれません。まず知ることからだと思います。

(注)
ここをクリック→ 石田博樹氏(長岡工業高等専門学校名誉教授)

8/10/2015














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2015/08/10 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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フィルム・レビュー 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』 ブラッド・バード監督 

フィルム・レビュー 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』 ブラッド・バード監督

rogue nation

映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』鑑賞。

ミッション・インポッシブル・シリーズはトム・クルーズが初めてプロデューサーに挑戦し、自ら監督を選んでいる。1作目はブライアン・デ・パルマ(『キャリー』『スカーフェイス』『アンタッチャブル』)、2作目はジョン・ウー(『男たちの挽歌』)、3作目はJ.J.エイブラハムズ(TVドラマ『ロスト』、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』)と彼のセンスで選んだ尖った監督が作品を監督してきた。そして今作では、前作に続きブラッド・バード監督。

ブラッド・バード監督はアニメ映画の監督であり、『ザ・シンプソンズ』『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』を手掛け、前作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が初の実写映画監督。

MIシリーズは1~3作目を観て、あまり感心させられなかったことから前作を見逃していたことを、この作品を観て後悔している。

シリーズ物のパターンは1作目のヒットを受けて、続作が製作されるが、1作目を越える作品は生まれないというもの。これは自分の中では確固とした法則だと思っていたが、何事にも例外があるのだということを改めて思い知った。この作品はMIシリーズの最高傑作(未鑑賞の前作は除く)であることは間違いない。

スパイ組織といえば、ジェームズ・ボンドが所属するイギリス秘密情報部(MI6)が横綱級だが、アメリカでといえばやはり1966年から1973年までのTVドラマ『スパイ大作戦』で描かれたCIAの特殊作戦部Impossible Mission Forceだろう(但し、TVドラマではピーター・グレイブスが演じたジム・フェルプス役が作品の「顔」だが、映画版でトム・クルーズが演じるのは彼の部下であるイーサン・ハントというTVドラマにはない役)。

007シリーズがダニエル・クレイグが主演となってから、よりタフでシリアスになって新味を吹き込んだの対し、MIシリーズでブラッド・バード監督が選んだのはコミカル路線。そのために、前作から出演しているサイモン・ペグ(元イギリスのスタンダップ・コメディアンで『ショーン・オブ・ザ・デッド』でブレイク)の存在は欠かせないものであり、完全に主演のトム・クルーズを食っている。

『ハート・ロッカー』でブレイクしたジェレミー・レナーも前作から。そのほかの役者、ルーサー役のヴィング・レイムス(トム・クルーズ以外でMIシリーズに全作出演しながら、前作でなぜかノン・クレジット)とヒロインのレベッカ・ファーガソン(無名ながら、女性のアクションでは『キル・ビル』のルーシー・ルー以外に彼女ほどカッコいいアクションを見たことがなかった位)、それぞれがいい味を出して、作品を「トム・クルーズの映画」に終わらせていない。

とにかく、イーサン・ハントは普通なら10回位死んでもおかしくないアクションの連続で、「え~、マンガだろ~」と言いながら、そのとんでもなさがコミカルな雰囲気にマッチして、上級のエンターテイメントになっている。最後で実在のスパイ組織であるCIAをコケにしているのも実に痛快で風刺が効いている。

最近のアクション物として、シリアス路線なら『サウスポー』、コミカル路線なら『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』がイチ押し。これは観て損はない。

ここをクリック→ 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』予告編

(Facebook 8/6/2015より転載)










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2015/08/09 Sun. 01:34 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (487) 「恵庭OL殺人事件再検証(2)~燃焼実験」 8/6/2015 

#検察なう (487) 「恵庭OL殺人事件再検証(2)~燃焼実験」 8/6/2015

前回ブログに引き続き、恵庭OL殺人事件を再検証します。
ここをクリック→ #検察なう (486) 「恵庭OL殺人事件再検証(1)~再審請求で原告側即時抗告を棄却」

この事件で最大の鍵を握る証拠の一つが、遺体の焼損状態でした。被害者橋向香さんの遺体は殺害後、何らかの理由で(その理由も重要だと考えますが、ここでは敢えてそれを推認することは保留します)、犯人により焼かれていました。

橋向さんは身長165cm、体重60kg、学生時代には陸上部に所属しており、筋肉質の体格でした。その遺体は、焼損の結果9kgも重量を失っていました。その重量減少が物語っているように、焼損状態は内臓までも炭化するほどでした。検察の主張に基づき確定判決が認定したことは、「灯油10Lを死体に散布して着火し焼損した(そして犯人は5分間だけ現場にいた)」というものでした。そして大越美奈子さんが、事件直前に灯油10Lを購入したことが、有罪立証の最重要証拠の一つとされました。

はたして灯油10Lを一度に散布して燃焼した程度で、内臓まで炭化し15%もの重量が失われるのでしょうか。被害者の遺体を扱った納棺業者は、「灯油を何回もかけ時間をかけてじっくり焼いたか、ガソリンかジェット燃料で焼いたように思われる」旨、供述しています。

弁護団は公判に提出する証拠として、豚の死体を使った燃焼実験を繰り返しましたが、確定判決では「豚と人間とでは皮膚の厚さや体毛が違うから、豚を使った実験は、被告人の無実を証明するものではない」と退けられました。裁判官の論理は、実施不能な人体実験による立証を要求するかのようです。

再審請求に際し、弁護団は更に燃焼実験を行うと同時に伊藤昭彦氏(弘前大学教授、燃焼学・混相流工学、東住吉事件で弁護側鑑定人、注1)に科学鑑定を依頼します。

弁護団が行った燃焼実験では、豚の皮を剥いだ上での実験も試みられました。その燃焼実験の模様がこちらです。

ここをクリック→ 燃焼実験の模様(『北方ジャーナル』)

弁護団の燃焼実験あるいは燃焼工学の権威による科学鑑定でも、灯油10Lによる燃焼では9Kgもの重量減少とはなり得ず、結果はそれとはかなりかけ離れた4Kg弱の重量の減少でした。

この弁護側の新証拠を退けるために裁判官が採用したのが「脂肪の独立燃焼説」です。これは、検察側証人須川修身氏(東京理科大学教授、社会システム工学・法火災科学、東住吉事件で検察側証人、注2)が供述した、実験に基づかない「灯油が燃焼し終わった後にも、体脂肪が独立に燃焼し続けるから、灯油10Lでも、本件死体のような焼損状態を惹起することはあり得る」という仮説によるものです。

「バーベキューで肉を焼いていて、燃料の炭がなくなっても肉の脂がそのまま焼け続けるから真っ黒こげになりうる」とでもいうような、一般常識からはかけ離れた仮説が、実験結果に基づいた科学的事実を否定するというのですから、裁判官の「自由心証」というのは恐ろしいものです。

特別抗告申立書で弁護団は、裁判官の姿勢を次のように激しく批難しています。
「当然のことではあるが、科学的争点について専門家の意見が大きく対立している場面において、科学に素人である裁判官が「素人の常識」によって独断的に判断することは許されない。裁判官は、その問題について専門的知識がないことを自覚した上で、謙虚に専門家の意見を聴き、その上で慎重に判断するべきである」(注3)

遺体の焼損状況は、次回以降のブログで再検証するアリバイとも深く関係してきます。大越さんの現場不在証明を成立させないためには、彼女が犯人だとすれば、遺体に火を放った後、ただちに現場を立ち去る必要があります。もしただちに現場を立ち去ったとしても、実に微妙な時間的制約の中で(ただちに立ち去ったとしても、検察が犯行時間を15分ずらすよう画策しなければアリバイが成立するくらい)、まして遺体を十分に焼損させるべく、その場に立ち止まっていたとすれば、大越さんの完璧なアリバイが成立します。

そして検察が隠していた目撃者の証言の中に、散歩の前後及び途中で数回炎を目撃し、最初に炎を見た後(最初の炎の大きさが「ビニールハウス2棟分の高さ」)、一旦納まりかけた炎が、50分後にも当初の1/3の程度に大きくなったというものがあります。

判決では、この長時間の燃焼は「脂肪の独立燃焼」によるものであり、結果、15%もの重量減少を引き起こしたとされました。

百歩、いえ十万歩譲って「脂肪の独立燃焼」によって長時間の燃焼が可能だったとしても、追加の燃料投与なしに、炎が再度大きくなることはありえません。燃焼実験では、炎の大きさは着火後短時間のうちに最大となり、「着火後3分で炎は最初の高さの半分以下(100cm)となり」、以降は「間欠的に燃えてはいたが、炎の大きさは最大でも30cmに満たない大きさであった」とされています。

これら「灯油10Lを一度に散布して燃焼させ、15%もの重量減が生じた」であるとか、「一旦小さくなった炎が、燃料の追加なしにひとりでに大きくなった」といった非科学的な「素人の常識」が判決の基礎になっていることは、もはや裁判所の信頼を著しく損なわせているとしか言い様がありません。

そして、更に私が重要視しているのが、遺体焼損現場付近の地面の露出状況です。

判決では、「被害者の遺体から燃え上がった炎が北側から吹いてきた風にあおられて、南南西に流れ出していた灯油に引火したことにより、元々厚みが小さかった南南西側の雪が北北西側の雪よりも早く溶け終り地面が露出するととも、その部分に黒いすすが付着したと認定することが出来る」とされました。

遺体が焼かれたとされるのは3月の北海道の夜の11時頃です。「地面に流れ出していた灯油に引火」は科学的にありえません。それは灯油の引火点が40度以上だからです。

ここをクリック→ Wikipedia 「灯油」

燃料が地面に漏れ落ち、それに引火したために、地面の一部が黒くすすけたとするならば、それは引火点が相当低い燃焼物でしかありえません。つまりそれはガソリン(引火点-40度以下)ないしワイドカット系のジェット燃料(引火点-20度程度)であり、遺体を処理した納棺業者の供述とも一致します。

ここをクリック→ Wikipedia 「ガソリン」

ここをクリック→ Wikipedia 「ジェット燃料」
(「ケロシン系」のジェット燃料の場合、引火点は灯油とほぼ同じです)

大越さんが事件前に灯油10Lを購入したということが有罪立証の最重要証拠の一つですが、遺体が焼かれた燃料は灯油ではないということが、遺体焼損現場付近の地面の露出状況から推認できます。

恵庭OL殺人事件は「科学裁判」であり、大越さんの無実は科学的客観証拠で立証されていながら、裁判官の結論ありきの非科学的なこじつけにより真実がねじ曲げられたものということがお分かり頂けたのではないでしょうか。

(注1)
ここをクリック→ 伊藤昭彦氏

(注2)
ここをクリック→ 須川修身氏

(注3)
特別抗告申立書より
「原決定は、「伊藤鑑定は、灯油の有無に関わりなく死体の脂肪が独立に燃焼することによる熱量を考慮せず、脂肪の燃焼による水分や脂肪等の減少を考慮していない点で、不合理と言わざるを得ない」として信用性を否定している。しかし、この判断も不当極まりないというほかない。

なぜなら、伊藤教授は、原審新弁第4号証において、きちんと上記の燃焼における体重減少量を脂肪の燃焼の点も含めて具体的数値で示しているからである。すなわち、「体重減少分9kgの脂肪の量は約2.3kgであり、脂肪は灯油の発熱量の80%であるから地面に流れた脂肪を度外視して灯油に換算した燃料の総量は9.8kgになる(灯油10L [8kg] +2.3kg x 0.8 = 9.8kg)。その結果、灯油10Lと脂肪2.3kgの燃焼による水分の蒸発分は1.38kgとなるため、脂肪の燃焼による体重の減少分2.3kgをこれに加えると、体重の減少は3.7kgになる」旨を、きちんとした計算式を用いて数値で示している。しかもこの数値は、弁護団がアイスバーン状の雪の上で皮を剥いだ52.5kgの豚を灯油10Lで焼いた燃焼実験における体重減少値3.52kgとほぼ符合しており、正確性が高い。このように伊藤教授は原審新弁第4号証と同第18号証において、灯油10Lと脂肪が燃焼した場合の体重減少量を合理的に算出しているものであって、原決定の上記判断は明らかに誤りである。」

8/6/2015















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2015/08/06 Thu. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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#検察なう (486) 「恵庭OL殺人事件再検証(1)~再審請求で原告側即時抗告を棄却」 8/3/2015 

#検察なう (486) 「恵庭OL殺人事件再検証(1)~再審請求で原告側即時抗告を棄却」 8/3/2015

さる7月17日、札幌高裁は恵庭OL殺人事件の再審請求で、原告側の即時抗告を棄却しました。
ここをクリック→ 「原告側の即時抗告を棄却 恵庭OL殺人事件再審請求」(苫小牧民報)

2010年10月の上告棄却により大越美奈子さんの懲役16年が確定。その後弁護団は2012年10月に札幌地裁に再審請求を行いましたが、2014年4月に棄却され、札幌高裁に即時抗告していたものです。

事件については以前のブログで詳細を解説させて頂きました。
ここをクリック→ 冤罪ファイル その13 「恵庭OL殺人事件」

そのブログを読んでくれていた弁護団の伊東秀子弁護士から、即時抗告棄却後にその連絡を頂きました。弁護団は、既に最高裁への特別抗告への動きを始めています。

次回以降のブログで2回に分け、再審請求における特に重要と思われる「新証拠」(燃焼実験とアリバイ立証)を再検証したいと思います。

それに先立ち、この事件における弁護団の再審請求の魂ともいうべき特別抗告申立書の「結語」を引用します。

特別抗告申立書「結語」

1. はじめに
時あたかも、本年は、再審制度に新しい生命を吹き込んだ白鳥決定から40年目に当たる。白鳥決定、そして、それに続く財田川決定が、「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が、再審手続においても適用される旨明言し、従前の「疑わしいときは確定判決の利益に」という再審制度の運用に対し、重大かつ根本的な反省を迫ったことは余りにも有名である。そして、1980年代には、これも有名な死刑4事件について再審無罪判決が言い渡され、4人の死刑囚が死刑台から生還した。

2. 再審運用の現状
ところが、その後、再審制度の運用は再び「冬の時代」を迎えてしまった。下級審の実務では、再審開始に必要な新証拠をそれ自体で「完全無実を証明するような決定的証拠」に限定し、そこまでの証明力がない新証拠では、いかに旧証拠の証拠構造が脆弱であっても再審を開始しないという運用が定着しかけている。比較的最近再審が開始された事案として有名な足利事件、東電OL事件、氷見事件などは、新たなDNA鑑定や真犯人の発見などを理由とするものである。これらの事件は、白鳥・財田川決定が示した理論を用いなくても(つまり、同決定の出される前の実務を前提としても)再審が開始される筈のものであった。比較的最近の事例のうち、その種の決定的証拠がないまま再審開始決定が確定したのは、布川事件だけである。

昨年から本年にかけてされた一連の決定(大崎第2次、飯塚、北稜クリニック、名張第8次、姫路郵便局、高知白バイ、特急あずさ号など)は、本件を含めすべて棄却決定である。ごくたまにされる開始決定に対しては、ほぼ例外なく検察官の上訴(異議申立てを含む)が申し立てられて容易に決着がつかず、上級審で取り消される事例が相次いでいる(開始決定が取り消された最近の事例として、名張第7次と福井女子中学生殺し事件があり、上訴審で未だに決着のついていない有名事件としては、袴田事件と東住吉事件がある)。 

このように、判で押したように再審が棄却される近時の現実にかんがみ、弁護士の間では、「再審請求は棄却するようにという指示が、最高裁から出されているのではないか」という憶測が、公然と語られ始めた。

3. 本件再審の本質
当弁護団一同は、これまで「まさかそのようなことはあるまい」と考えていた。しかし、本件のような証拠構造の脆弱な事件で、有力な新証拠が提出されたにもかかわらず、即時抗告審裁判所が、やみくもに棄却に向けて突き進むのを見て、この噂はひょっとすると真実ではないかと考え始めている。原決定を読むと、裁判所は弁護人提出の書面や証拠を真面目に読んでいないことが容易に推測できるのである。

本文中でも繰り返したとおり、本件は「科学裁判」である。燃焼科学に関する正確な知識なしに、裁判官が独自の判断をした場合、とんでもない見当違いの決定になる。その結果、裁判所は、科学者から嘲笑される結果となりかねない。否、現時点においても、原決定を読んだ燃焼科学の専門家は、裁判所を軽蔑しているに違いないのである。もし最高裁判所までも、この非科学的な原決定をそのまま維持するようであれば、科学者からの軽蔑は決定的なものになるであろう。

我々弁護団は、法曹の一員として、そのような事態にだけはなってほしくない。

4. 結論
どうか、最高裁判所におかれては、本書面で指摘した諸点を中心に、まず記録を熟読していただきたい。「わが国最高の知性の集団」といわれる最高裁(最高裁判事と最高裁調査官)が少しでも本気に記録をお読みになれば、原決定の誤り・違法性を容易に理解されるはずである。

以上、前記本書面第4ないし第8において記述した原決定の判示の誤りは、憲法違反及び判例違反が免れない。そればかりでなく、決定に影響を及ぼすべき法令違反及び重大な事実の誤認もあり、原決定を破棄しなければ著しく正義に反するから、刑事訴訟法第411条を準用して、原決定を破棄すべきである。

最後になるが、なにとぞ、慎重の上にも慎重なご審議を賜りたい。
(引用以上)

この特別抗告申立書では、非常に重要な2点が述べられていると感じました。その2点とは、

1) 恵庭OL殺人事件は「科学裁判」であり、客観的な科学的事実により真実は明らかになっていますが、再審請求を棄却した裁判官は、その真実を呪術的とも言える非科学的こじつけでねじ曲げ、真実を求めることを放棄しています。

2) 冤罪被害者大越美奈子さんの有罪立証は、悪質な検察によるアリバイ証拠隠しにより達成されましたが、なぜ彼らがそれら証拠を隠蔽し続けたかという理由は、それを公判に提出すればアリバイが成立することを彼ら自身が理解していたからであるということを物語っています。

次回以降のブログで、この2点を踏まえ、恵庭OL殺人事件を再検証したいと思います。

8/3/2015
















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2015/08/03 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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フィルム・レビュー 『サウスポー』 アントワーン・フークア監督 

フィルム・レビュー 『サウスポー』 アントワーン・フークア監督

southpaw.jpg

映画『サウスポー』観賞。

Great Movie。これは現代版『ロッキー』('76)であり、現代版『チャンプ』('79)である。

監督のアントワーン・フークアの作品では、デンゼル・ワシントンにアカデミー主演男優賞を授けた『トレーニング・デイ』('01)はなかなかだったが、同じデンゼル・ワシントン主役の前作『イコライザー』('14)は今イチだっただけに、それほど期待していなかった。

それを観る気になったのは、最近絶好調のジェイク・ジレンホール(近作の『エンド・オブ・ウォッチ』('12)、『プリズナーズ』('13)、『ナイトクローラー』('14)はいずれも観るべき作品。ちなみにアメリカでは「ジレンホ―(ル)」という発音で通っている名前はスウェーデン系で、本国での正しい発音は本人によれば「イーリンヘイロ」らしい)のキレギレの演技が観たかったため。レイチェル・マクアダムスも好きな女優だし。

ジェイク・ジレンホ―ルの演技の出来は期待通りだったが、作品がよかったのはいい意味で期待が裏切られた。

主人公は、打たれることで燃え上がるインファイター系ボクサーのビリー・ホープ。世界チャンピオンとして頂点にいた彼が、自分の軽はずみな行動から、最愛の妻を失ったことをきっかけに、結局全てを失ってしまう。その超どん底からはい上がる話。

ボクシングをテーマにした成功譚といえば、『ロッキー』がローモデルを設定したが、その『ロッキー』ではただの借金取りがチャンピオンにという出来過ぎ感があった。この作品でもテーマは共通するが、彼は元世界チャンピオン。ということで、ストーリーの出来過ぎ感は自分の中では解消(無理やり?ww)。ただ防御をしないボクサーが無敵のチャンピオンというところがどうなのというのはあったが。勿論インファイターのボクシングは観ていて面白いし、それが実は映画では重要な伏線にはなっている。

どん底からはい上がる時の起爆剤となるのが子供の存在であり(それが『チャンプ』との共通項)、やはり子供がけなげという作品は泣けるわー。

ということで、最近のアクション映画の中では出色の出来。ボクシングシーンの迫力は、『ロッキー』の時代からは映像技術の進歩を感じる。お勧めです。

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(Facebook 7/29/2015より転載)













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ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

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category: フィルム・レビュー

2015/08/02 Sun. 02:24 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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