「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (547) 「捜査権力の取調べ能力の高さが冤罪の一因」 7/25/2016 

#検察なう (547) 「捜査権力の取調べ能力の高さが冤罪の一因」 7/25/2016

郵便不正事件における自身の経験を語る、前田恒彦氏による有料記事の連載が続いています。題して『元特捜部主任検事の被疑者ノート』。連載24回目にして、特捜部取調べが開始しました。

ここをクリック→ 前田恒彦『元特捜部主任検事の被疑者ノート』「第24回 口が重い被疑者の取調べでは、どのような話題から切り出すのか」

前田氏は、取調べ導入の「基本中の基本」として「本人にとって比較的話しやすい話題を設定し、ゆっくりと、かつ、遮らずに自由に話をさせ」ると書いています。また身上申立書を書かせ、その「記載に基づき」「身上や経歴に関する話題を出し、少しずつ話しやすい雰囲気作りをしていく」としています。

これらは、「話を聞く側と話をする側との信頼関係」を「十分に構築」するために行われるものだとのことです。

これが、「基本中の基本」であれば、私の特捜部での取調べはかなり異質なものでした。取調べは全19回、延べ100時間以上に亘りましたが、その最初から最後まで世間話は一切なし。前田氏の記事で書かれている身上申立書を書くこともなく、第―回取調べの冒頭から、いきなり事件の核心を問い質す取調べが開始されました。

それは、リングに上がった私にガードの余裕を与えず、かろうじて上げるガードの上から、ガードお構いなしにパンチを次から次へと叩きこんでくるという印象でした。初日の取調べを終えて、主任弁護人の小松正和弁護士の事務所でミーティングをしましたが、後日、「あれほど疲れた八田さんを見たのは初めてでした」と言われたほどでした。

ここをクリック→ 経過報告 (37) 「検察取調べ第一回」

前田氏の記事を「#検察なう」フェイスブック・コミュニティに紹介し、自分の取調べの状況を「叩き割り」とコメントをしたところ、前田氏からフェイスブック・コミュニティにコメントを頂きました。

「だからこそ対決姿勢になり、担当検事も取調べや調書の体裁に関するイニシアチブを八田さんに握られ、最後まで自白調書的な書面にサインさせられなかった、とも評価できます。

ただ、八田さんの著書を読む限り、あの担当検事の取調べは「理詰め」であり、「叩き割り」ではありません。特捜部の行う本当の「叩き割り」は、リクルートの江副さんの著書に出てくるとおり、もっと壮絶です。

なお、もし厚労省事件がなく、八田さんが定石通り東拘に放り込まれていたら、むしろ取調べの担当官は被疑者を抱きしめるタイプの検事に変えられ、弁護人を巻き込んだ形で相当の説得工作が行われていたことでしょう。やはり最後まで「あきらめない」という姿勢が重要ですね。」

ここをクリック→ 「#検察なう」フェイスブック・コミュニティ 前田氏コメント

前田氏が言及した、リクルートの江副浩正氏が体験した特捜部の取調べは、伝説的なものです。

事件とは直接関係のない江副氏の女性問題を執拗に問い質し、人格を否定し精神的に屈辱を与えて追い込み、続けて肉体的にも 苦痛を与えるものであったとされます。

至近距離で壁に向かって立たされ、「近づけ!近づけ!」と命令された。鼻が壁に着く寸前まで近づけさせられ、耳元で鼓膜が破れるかと思うほどの大声で「バカ野郎!」と怒鳴られた、と言われています。

「叩き割り」とはさほどまで壮絶なものかもしれません。しかし、「理詰め」にせよ「叩き割り」にせよ、取調べをする側に圧倒的に有利な状況下で作成される調書が裁判においては、最重要な証拠とされていることが、冤罪が産み出される一つの要因だと感じます。

捜査権力の高い取調べ能力、それは即ち優れた調書作成能力のことですが、それが冤罪の要因となり得ることを理解し、対策を講じることが必要です。

7/25/2016

















ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう フェイスブック・コミュニティ






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category: 刑事司法改革への道

2016/07/25 Mon. 04:55 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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