「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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嘆願書 (9/146) 五十嵐雅祥 

嘆願書 (9/146) 五十嵐雅祥

犯罪の契機は、結局動機と人品に関わると思っています。その人品に関して、私の友人・知人に「あなたの知っている八田隆を文章にして下さい」と依頼しました。そして集まったのが146通の「嘆願書」です。検察特捜部に提出したものですが、それを本人の了承を得て実名公開します。

9通目の嘆願書は会社後輩のものです。

彼は、会社の後輩というよりは競馬仲間といった方がいいでしょうか。夏競馬を観に一緒に新潟や福島に旅行したり、会社有志と競馬新聞を作ったり、正月明けの金杯(一年最初の重賞レースでこれだけは平日開催)には会社を一緒に抜けて後楽園に馬券を買いに行って、「金杯で乾杯!」なんて馬鹿なことを言っていたのを思い出します。彼とは気が合って、よく一緒に遊んでました。

私の持論は、「競馬好きに悪い奴はいない」です。全く根拠はありません。それは競馬をやらない人には納得いかないものかもしれません。でも私の周りで競馬をやる人で、本当に悪い人はいないんです。「競馬は人生の縮図」と言ったのはヘミングウェイです。そして競馬好きなら、そこですかさず「逆だよ。人生こそが競馬の比喩なんだよ」と寺山修司の言葉を持ち出すことになるでしょう。私の解釈は、「競馬を単なる『勝ち』『負け』と見る人がいる。そして人生も単なる『勝ち』『負け』と考えがちである。競馬にはそうした『勝ち』『負け』を越えたものがあり、それを感じることで、人生もより深く感じることができる」というものです。な、五十嵐、そうだよな。

競馬オヤジのたわごとでした。

<嘆願書>

八田氏と私は、ソロモンブラザーズアジア証券会社における先輩(八田氏)・後輩(私)の間柄であり、私が1992年4月に入社して以来の付き合いであります。

今回の八田氏の容疑に関する報道を耳にした際、まず真っ先に感じたことは、「八田氏という人間に関し、ずいぶん歪曲された報じられ方をしているな」ということでした。

おそらく多くの人は、現在、彼に対し「外資系金融で数億円の年収を稼ぐ金の亡者」とのイメージを持っていることと思います。しかしながら、私が過去十数年付き合ってきた八田氏は、そのような人物像とは全く異なり、自分自身の、特に年収に対して常に謙虚であろうと努めてきた人間であります。当時も今も、外資系金融機関は、国内の一般的な企業と比較すれば、収入の絶対額が大きく異なる人間は多いですし、またそれを人間的な評価だと錯覚し、勘違いしてしまう人間が多いのも事実です。しかしながら、八田氏はそのような種類の人間とは対極におりましたし、自らを律する姿勢を持っている人間だということをまずは申し上げます。

当時、八田氏と私では、フロントオフィス(営業部門)とバックオフィス(管理部門)という所属の違いがあり、これは例えて言えば、官僚組織で言うところの「キャリア」と「ノンキャリア」のような違いであり、社内の立場も収入も全く違っておりました。バックオフィス所属の当時の私は、そのような社内格差が存在することに疑問があり、また「キャリア」組の中には私から見て上記のように勘違いをしている人間が多くいたような気がしていましたので、あまりフロントオフィス所属の人間とは付き合いがありませんでしたが、その中で唯一、そういう意識を持たずに接することのできた人間が八田氏です。

お互いに担当する仕事は全く異なっていましたから、仕事での付き合いは一切ありませんでしたが、お互いの共通の趣味(競馬)を通じて、かなり親密な付き合いをさせてもらっていました。しかしながら、親密になった一番の理由は、ただ趣味が共通であるということではなく、彼の庶民性にあったと思われます。当時の八田氏と私では、収入が一桁違っておりましたが、そんな私と同様の感覚で遊び、喜び、笑うことのできる人間が八田氏という人間です。競馬場にいっては場末の食堂でビールを飲みながら揚げ物をつまみ、500円の指定席を取るのに競馬場の開門と同時に指定席売り場に駆け出すなどということもよくやっていたことを記憶しております。

今回の件に関して、国税局がどのような意図で告発を行ったのかは測りかねますが、少なくとも彼が現在一般的にイメージされている「狡猾な金の亡者」という人間とは全くの正反対の人間であることは疑う余地がありません。

また、自分自身を磨き、人知れず努力し、所属企業の利益に貢献した分の正当な報酬を受け取った人間に対し、その報酬を故意に隠蔽したという明確な証拠がないにも関わらず、受け取る権利のあるべき報酬を全て吐き出させる額の追徴金を払わせ、告発を行い(それに伴い全国に実名報道がなされ)さらには刑事罰を科そうとしている国税局の今回の行動は、一般市民から見て全く説得力が無く、むしろ勤労の意欲を削ぐ様な結果になっていることが何故わからないのか理解に苦しむところです。

・ 賞与や給与のような所謂ガラス張りの中で故意に脱税しようとは考えられないこと。
・ サラリーマンにとっては給与天引で納税は完結していると考えるのは常識であること。
の2点が通常の感覚だということを最後に申し上げさせていただき、本件について何とぞ寛大な措置をお取り下さるよう、ここに嘆願いたします。

五十嵐雅祥

<以上>

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category: 嘆願書

2012/01/17 Tue. 08:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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