「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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嘆願書 (11/146) 小島剛 

嘆願書 (11/146) 小島剛


犯罪の契機は、結局動機と人品に関わると思っています。その人品に関して、私の友人・知人に「あなたの知っている八田隆を文章にして下さい」と依頼しました。そして集まったのが146通の「嘆願書」です。検察特捜部に提出したものですが、それを本人の了承を得て実名公開します。

11通目の嘆願書はクレディ・スイス証券時代の後輩のものです。

コジマっちとは仕事を一緒にしていたので、公私ともによく一緒に時間を過ごしました。私がベアー・スターンズ証券に移った後も一緒に仕事がしたくて、彼を迎え入れる段取りになっていました。結局、ベアー・スターンズ証券がなくなることで、その話もなくなったんですが。

思い出の一シーンは、お互い子供を連れてボートに乗った時のことかな。ボートを着岸しようとして、私がボートから岸に乗り移る時、なぜかタイミングを逸して、手は岸に、足はボートに、でそのまま硬直。まさにドリフの一シーンみたいな状況だったんだけど、水は冷たくて落ちたくないし、「助けろ!」って言ってんのに、コジマっち始め大人はみんな笑い転げて写メまで撮り出して。結局、ボートは岸に寄らず、1分後には私は海の中に撃沈。彼の娘には、いまだに「海に落ちたおじちゃん」と言われてるらしいです。

お互い不真面目なのに仕事はほんとに真面目にやったなあ。ゴルフの腕前は相当らしく、一緒にラウンドできるのを楽しみにしてます。

<嘆願書>

外資系金融機関に勤める人間に対して、世間はどのようなイメージを抱いているか?

日本経済がバブルで破綻し、米系を中心とする外資系金融が表舞台へ顔を出す機会が多くなった。当時、事あるごとに“ハゲタカ”などと揶揄され、それが世間にイメージとして植えつけられていった。また、企業買収を題材にした同名のテレビ番組が放映され、世間の話題に上がったことも記憶に新しい。番組名が“ハゲタカ”となったことからも判るように、この言葉は世間が抱く外資系金融機関を表現した最たるものだと言えるだろう。

果たして本当にそうなのだろうか?

ごく一部にそのような詐欺的行為を行った人物がいた事は否定をしないし、実際にお金で何でも出来ると豪語する拝金主義の人間が居たのも事実だ。(外資系金融に限った話ではないが・・・)
しかしそのように考える人間が長らくこの業界で生き残り、信頼を得て、成功が出来るであろうか?ましてや日本企業を顧客とする仕事に従事している人間ならどうだろう?

答えはNoである。

では実際に外資系金融機関に就いている人間の多くは仕事に対して、或いはその結果として何を求めているのか?

決してお金では無い。
やりがいであり、強いプロ意識であり、何かを成し遂げた時に得られる充足感である。

私が知っている八田隆という人物も同様である。
彼とは2006年5月まで約4年間ほど非常に密接に仕事をしたが、私が持っている印象は“興味のある事(=仕事)以外には無関心”で、“世間一般の常識にあきれるほど疎い”である。

仕事の上では、マーケットで第一人者として認知されており、多くの顧客が彼の話を聞きたがるなど非常に有名な人物であった。
自分が担当する分野については抜きん出て博学、驚くほどの積極性とスピードで目を輝かせながら業務をこなしていくプロフェッショナルである反面、興味のない、自分の守備範囲以外の業務については全く無関心で、その知識は新人と大差無いのでは?と思ったほどである。

また、プライベートでは何に興味があるんだろう?と周囲が首をひねるほど話題に欠ける人物で、最近でこそスノーボードやワインに興味が涌いたものの、それ以前の彼はただの無趣味な人間、呆れるほど子煩悩という印象しかない。

そして問題となっている個人資産の運用。
当時、彼にどれだけの資産があったか知らないが、資産運用を行っているという話は聞いたことがない。そもそも証券会社の社員は株式投資等に相応の社内規制が敷かれており、これを行うためにはコンプライアンスの承認手続きが必要となる。また、株式に投資するなら相応の知識が必要になるが、彼は自分が扱っているプロダクト以外に興味がなく、そのようなことはしていないという認識だ。

日経新聞を含めニュースを見ているふしもなく、ましてや個人投資家を対象とした取引やリテールが業務にある証券会社の勤務経験もないのだから、証券会社の社員なら当然知っているだろうと世間が思うような事柄、例えば株式投資に係る税制や利子・配当に係る税金の知識は皆無だったと思われる。

またクレディスイスで株式を付与された大半の社員が申告漏れを指摘されたように、給与として付与された現物株式に対する課税の知識が全く無かったのではないか?
もしくは給与の一部として株式が現物支給されたわけだから、会社が源泉徴収を行い、課税関係は終了していると考えたのではないか?
いずれにせよこれほど大量の社員が申告漏れを指摘されたという事実から判るように、個人というよりは会社に問題があったと考えるのが妥当ではないだろうか。
脱税行為を故意に行ったのであれば然るべき処分が課されるべきであるが、上記全てを加味すると故意に行ったと推測するのは難しい。
当該案件は過失であり、もし責任がどこかにあるとすれば、それは周知を怠った会社側にあると思える。

税務署側がどういった証拠又は事由をもとに刑事処分を課そうとしているのかは知らない。
挙げた手を下すのは簡単ではないかもしれないが、事実にもとづいた、公平で正しい解決をしてもらいたい。
最後に改めて言うが、私の知っている八田隆は断じて報道されたような事を行う人物ではない。

小島剛

<以上>

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category: 嘆願書

2012/01/19 Thu. 08:52 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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