「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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嘆願書 (13/146) 田中雪絵 

嘆願書 (13/146) 田中雪絵

犯罪の契機は、結局動機と人品に関わると思っています。その人品に関して、私の友人・知人に「あなたの知っている八田隆を文章にして下さい」と依頼しました。そして集まったのが146通の「嘆願書」です。検察特捜部に提出したものですが、それを本人の了承を得て実名公開します。

13通目の嘆願書はベア―・スターンズの同僚のものです。

私の21年間の社会人のキャリアで3社目だったベア―・スターンズは、入社半年でJPモルガンに吸収合併されました。書けば淡々とした感じですが、金融機関の心肺停止は突然来ます。私は合併発表のまさに前週、部下の一人とロンドンに出張に行っていました(奇しくも、私が脱税したと言われる2007年分の確定申告の期日にはロンドンにいました)。

それまでの半年は私の21年間のキャリアで、最もエキサイティングで、最もストレスフルな半年でした。私にしてみれば、人生を賭けていた一世一代のその時に脱税なんて全くありえない話ですが、そんなこちらの事情は国税局も検察も敢えて勘案しないということなのでしょう。

私の仕事でのモットーは「お客さんは、私個人と仕事をするのではない。会社対会社の仕事を求めているのだ」と思っていたので、私が会社に入ってしたことの一つは、社内のネットワーク作りでした。自分の会社の組織としての強み・弱みを把握して、ベア―・スターンズのブランド力を高めようと思ったからです。また同じ会社の社員は、いうなれば家族のようなものなので、お互い知り合うことは必要だと思っていました。

彼女は、世間話レベルの会話をしている時は、いまどきの若い「女の子」って感じなんですが、仕事の話になるといきなりギアが入れ換わってプロフェッショナルの顔になるので、面白いなあと思って、会社ではちょくちょく話をしていました。ベア―・スターンズは、一人一人個性派ぞろいの面白い会社でした。

<嘆願書>

私は八田さんとはベア―・スターンズ証券東京支店で勤務していた時の同僚でした。

わたくしが感じた八田さんの人格は、まっすぐで、一生懸命で、まじめで、まわりの人たちのために自ら先頭に立って進んで行く、厳しさの中にもあたたかさがあるという印象です。ここに何故そう思うのか、いくつかのエピソードをあげたいと思います。

八田さんがベア―・スターンズ証券に入社されてから、わたくしは八田さんとは違う階の別の部署に所属していましたが、わざわざ挨拶にいらっしゃったことです。外資系証券の出入りの激しい業界で異なる部署の一人一人に役職などとらわれずに丁寧に挨拶にまわられる八田さんの姿に良い意味でとても驚きました。あたたかい人だなぁという強い印象を受けました。マネージング・ディレクター(部長クラス)の方がそこまで一人一人に頭を下げて挨拶する姿を今まで見たことがありませんでした。それが最初の八田さんに対する印象です。

同様に八田さんが採用した新しい人が入ってきた時も同様でした。彼が会社にとけ込みやすいように同様に一人一人に丁寧に紹介をしてまわっていました。

最後にベア―・スターンズ証券のあるヘッジ・ファンドが倒産した時、八田さんは真っ先に社内全員を会議室に集め、緊急にアメリカのマーケットでは一体何が起こっているのか、その背景にあるものを細かく説明してくれました。社内の殆どの社員150名程度が集まっていたと記憶しています。当時社内はヘッジ・ファンド倒産によりかなり混乱している状況でした。その忙しい中、八田さんは自ら資料を集め、作成し、八田さんが理解している範囲での状況を細かく社員全員に教えていました。彼は説明後、どんな質問でも良いので分からない箇所があれば聞いてください、と締めくくりました。その時思ったのが、多くの社員が自分のこれからで心配している中、自分のことよりこの人は人のことに一生懸命になれる思いやりのある心と強さをもった人だと感じました。わたくしもその後いくつか分からない点を質問しました。会議室からの帰り道、丁寧に質問に答えてくれたのを鮮明に記憶しています。

金融業界では特に“自分”のことしか考えない人も多いため、八田さんのような有能で人柄も素晴らしい人が社内の部長クラスにいることを誇りにすら思いました。

ここまで人のことを思いやれる、自分よりまわりのことを思って行動できる人、そして汚いやりかたやずるさを嫌っている人が敢えて意図的に脱税とはとても考えられません。このニュースを最初に聞いた時は間違いじゃないかと耳を疑いました。わたくしは八田さんがごまかして脱税したとは信じられません。

私は八田さんが今回意図的に脱税をしていないと心から信じています。
公正な判断がくだされますよう心からお願いを申しあげます。

田中雪絵

<以上>

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category: 嘆願書

2012/01/21 Sat. 09:04 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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