「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

07« 2017 / 08 »09
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.

#検察なう (94) 「検察が逮捕したい人」 1/27/2012 

#検察なう (94) 「検察が逮捕したい人」 1/27/2012

先日、元会社の後輩から「はったさんってこの類型2だよね」というメッセージと共にURLが送られてきました。

そのURLがこれです。
ここをクリック→ブログ「検察が逮捕したい人」

開封してみると、ある方のブログで、タイトルは「検察が逮捕したい人」。

「検察が極めて恣意的に“逮捕したい人を逮捕する”ことに、多くの人が気づき始めています。
新聞やテレビなどのマスコミは“検察の広報部隊”と化しているので、この点についてネットメディアの意義は非常に大きいと言えます。
今日は“検察が逮捕したがる人の類型”をまとめておきます」
として、それらを

類型1: 内部告発者
類型2: 成り上がり
類型3: 官僚組織の敵
類型4: 反保守主義者
類型5: 逮捕しやすい人

と分類列挙しています。

既存メディア(「記者クラブ」と言い、警察・検察といった公的機関は、情報を記者クラブに限定して発表し、雑誌、インターネットメディア、海外メディアを排除しています。そして彼らに弓を引けば「出入り禁止」という方法を取って事実上の情報操作を行っています)が「“検察の広報部隊”と化している」という点に関しては、今まで何度も述べているように、メディアも(私の告発の第一報を報じたある全国紙の御用記者を除けば)彼らに利用された被害者であると思っていますので、その意見には与しないものです。

しかし、検察の恣意的な権力行使は明らかです。私個人に関しても、以前ホリエモンがインタビューで、私と、ほぼ同額の過少申告であり明らかな故意があった茂木健一郎氏を比較して、その恣意的な権力行使を指摘しています。
ここをクリック→ホリエモン・インタビュー「その検事、凶暴につき」

類型2は
「日本で一番偉くて最も尊敬されるべきは、東大をでて司法試験や公務員試験に合格した自分達であって、たかが民間で働いているような者や、“起業家”などという試験も受けずになれる卑しい職業の者では決してない。
彼等が経済的に成功したことでこの点を勘違いし、いい気になったり、目立ち始めた場合は、遠慮なく逮捕して、その辺についてきちんと教える」
というもので、その例として
「ライブドア」のホリエモン、「リクルート」の江副浩正氏、ディスコ「ヴェルファーレ」→人材派遣「グッドウィル」の折口雅博氏を挙げています。

勿論、そうした超ビッグネームと比較して、目黒の家賃26万の賃貸マンションに住んでいたサラリーマンの私が、個人としてターゲットとされたことはないと思います。しかし、私が告発・起訴された背景には、類型2に見られるようなパターンと同じ背景での「外資系金融業界叩き」があったと想像するのは難しくありません。つまり先の、「たかが民間で働いているような者や、“起業家”など」という部分を「外資系金融に従事する者」と置き換えて、「外資系金融に従事する者という試験も受けずになれる卑しい職業の者」としてもらえばその意味が通じるところです。クレディ・スイス証券だけでも100人、ほかの外資系証券からも数百人の海外給与申告漏れが指摘される中、スケープゴートとされたのが私ということです。

日本経済が落ち込み、ワールドマネーが"Japan Passing”として日本を一顧だにせず中国に向かっている現状、この当局による外資系企業叩きがどれほど危険なものかを当局は全く理解していないと思います。そうした俯瞰的視野、長期的ヴィジョンを持たないのが役所の役所たるゆえんです。この国際センスのなさは、当局に限ったことではなく、ぬくぬくと島国で育ってきた日本人の一般的な欠点ですが、それはまた別の機会に述べることもあるかと思います。

なぜ、捜査権力が恣意的に権力行使をして、それでよしと思っているのでしょうか。その鍵として、少し長くなりますが、昨日配信された私の敬愛する稀代の論客、田原総一朗氏のメルマガから引用します。

田原総一朗 「正義感は危険だ」

先週19日、映画『J・エドガー』を観た。
2度のアカデミー賞監督賞に輝く名匠、
クリント・イーストウッドが監督、
主演はレオナルド・ディカプリオである。
アメリカFBIの初代長官、
ジョン・エドガー・フーバーを
描いた作品である。

フーバーは77歳で亡くなるまで
ほぼ半世紀にわたってFBI長官を務めた。
死ぬまで現役でFBIに君臨した独裁者だった。
なぜ、そんなにも長く長官であり続けたのか。

48年間の在任中、フーバーは8人の大統領に仕えた。
そして、歴代大統領も彼の能力と手腕を買っていた。
だが、どの大統領からも信頼されていたから
クビにならなかったというわけではない。
誰もフーバーをクビにできなかったのだ。

歴代大統領のプライバシーを
徹底的に調べて弱みを握り、
極秘ファイルをつくっていたのである。
アメリカの数多くの要人たちに対しても
そのプライバシーも同様に調べ上げ、
極秘ファイルをつくった。
フーバーをクビにしようとしたり、
楯突こうとしたりするものなら、
その極秘ファイルをもとに
スキャンダルが表沙汰にされてしまう。
誰もがそれを恐れたのである。

黒人解放運動を指導したキング牧師を
標的にしたこともあった。
キング牧師が女性とホテルで過ごしたときの
音声を録音したのである。
その録音を使ってキング牧師を陥れようとしたが、
牧師がノーベル賞を受賞したことによって、
策略は実行されなかった。

フーバーはアメリカきっての
正義感の持ち主であったようだ。
そして同時に、アメリカきっての
スキャンダリストでもあった。
「アメリカの平和と安定を、何としても守らねばならない」
という正義感に燃えていたのである。

僕は、この映画を観て、
いろいろなことを考えさせられた。

アメリカを平和で安全な国に
しなければいけないという信念を持ち、
アメリカにとって害になると
判断した人間や勢力を
あらゆる手段で叩き潰す。
そのために謀略もトリックも躊躇なく使う。
日本の検察はフーバーを
手本にしているのではないか、と。

そして、もうひとつ。
「正義感」というものが持つ
危険性についてである。

「アメリカの平和と安定を守る」
という強い正義感ゆえに、
謀略を尽くし、法をねじ曲げる。
政治家や著名人への諜報活動や恐喝、
政治的な迫害を次々と行う。
信念に裏打ちされた正義感が
彼をそうさせたのである。
アメリカで一番恐れられた
フーバーという男を見ると、
「正義感」とはかくも危険なもの
と思わざるを得ない。

少し前に足利事件の菅家利和さんが
再審公判で無罪を勝ち取った。
厚生労働省元局長の村木厚子さんも
逮捕起訴されたが、無罪を確定させている。
このような冤罪事件が後をたたない。
もっといえば、僕は
ロッキード事件の田中角栄さんも
リクルート事件の江副浩正さんも
冤罪だと思っている。

これらの冤罪事件の背景には、
「悪い奴はやっつけろ」
「誰が悪い奴かは俺たちが決める」
「徹底的にやっつけるためには何をしてもよい」
という検察や警察の
「正義感」があるのだろう。
まさにフーバーのやり方である。
こうした価値観はとても危ないものだと
僕は考えている。

私が、田原総一朗氏と対談した際も、氏はリクルート事件の例を挙げて「正義の罠」(これは彼の著書のタイトルにもなっています)について述べられていました。結局、検察は、郵便不正事件というショックを受けてもなお、彼らの「正義」を信じて相も変わらず権力の恣意的行使をしているというのが実態だと思います。我々国民にとっては、「出る杭は打たれる」ということに戦々恐々として生きて行かねばならないということです。残念なことですが。

1/27/2012

P.S.
昨日1/26に、西武池袋線痴漢冤罪事件の被害者小林さんが仮釈放となりました。本当によかったと思います。
ここをクリック→西武池袋線痴漢冤罪事件被害者小林さん仮釈放

なぜこのような好々爺であり全身性膠原病の小林さんが、痴漢をしたと言われ著しい精神的苦痛及び肉体的苦痛を受けて受刑しなければならないのか、実に理解に苦しみます。

そして冤罪の問題は当事者のみの問題ではありません。それが社会のシステムによるものである以上、国民全員の脅威だからです。事件を知り、背景を理解し、冤罪の問題を考えてみて下さい。


category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2012/01/27 Fri. 15:33 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/tb.php/152-088d0429
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top