「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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嘆願書 (19/146) 神野悦子 

嘆願書 (19/146) 神野悦子

犯罪の契機は、結局動機と人品に関わると思っています。その人品に関して、私の友人・知人に「あなたの知っている八田隆を文章にして下さい」と依頼しました。そして集まったのが146通の「嘆願書」です。検察特捜部に提出したものですが、本人の了承を得て実名公開します。

私は21年のキャリアの間に2度会社を変わっていますが、人生最初の離職であったソロモン・ブラザーズ自己都合退社の時も次の会社を決めることなく、半年間のブランクがありました。

当時、会社の元後輩に言われたものです。

「八田さんって、モモンガみたいですよね。普通は猿が木から木に乗り移るように、次の会社を決めて、一方の手でしっかりと次の枝を握ってから、反対の手を離すものなのに、ぱーっと空に飛び立つように辞めましたもんね」

その半年間は、スノーボードをするために白馬に山籠りしていました。

白馬ではゲレンデから車で10分足らずアパート(家賃6万円)に住んでいました。岩岳のスノーボード・チームに入り、ゴールデンウィーク明けまで約4ヶ月、朝8時45分の集合から、夕方4時くらいの解散まで平日は毎日滑っていました。終わるとジャスコ白馬店で夕食の買い出しが日課。週末はゲレンデが混むため、祖母が植物人間で入院していたこともあり、毎週金沢の実家に戻っていました。

そしてゴールデン・ウィーク明け頃に、雪が溶けてクマが山から下りてくるように、のそのそと都会に戻って再就職活動を始め、入社したのがクレディ・スイスでした。

白馬では、チームメイトやインストラクター、スキー場スタッフと大勢の友人ができました。もう10年が経ちますが、その何人かとは今でもつながっています。スノーボードのことしか考えていなかったあの約半年間は楽しかったなあ。

そのチームメイト同士が結婚することになり、結婚式にお祝いに行きました。そこでスピーチを振られ、若干不謹慎な発言をしたことを覚えています(ついウケ狙いで言っちゃうんですよね。「性(さが)」ですね)。その二人に嘆願書を頼みました。最初は旦那の方に頼んだのに、彼が書いたものをかみさんの方がダメ出しして、書き直してくれたそうです。

神野さん、ぶー、片がついたら名古屋に遊びに行くからね―。

<嘆願書>

八田隆さんの友人の神野悦子と申します。
八田さんと私は9年ほど前、趣味のスノーボードを通じて知り合い、以来私の主人共々交流をさせて頂いております。
今回の騒動をネットやニュース報道で見聞きし、私たち夫婦が知る八田像とはあまりにもかけ離れた報道のなされ方に驚きを隠せません。

私と知り合った当時、八田さんは勤めていた会社を退職し次の職に就くまでの空いた一シーズンスキー場近くに部屋を借り技術の向上に打ち込んでいました。
知り合った環境が利害関係がまったく無い趣味の世界だったこともあり、彼の前職や経歴などは知る由も無く、親しくなるうちに伝え聞く彼の素性に正直驚きました。

それ程、彼の雪山での暮らしぶり、スタイルは庶民性に溢れ、エリートビジネスマン的な選民意識など微塵も感じさせない、飾らないものであったからに違いありません。

9年前、世間では大抵の大人たちが携帯電話のメール機能を使いコミュニケーションを取り始めていた時代に、メールアドレスを持たないどころかアドレス機能さえ使うことができないアナログぶりでした。驚く私たちに「株のことなら分かるけどコンピューターとかそう言うのまったく分からない」「パソコンの設定とかも会社の専門の人間に全部任せていたから」と覚えようともしないそぶり。ボロの手帳をウェアーのポケットから出して携帯番号をメモする八田さんを見ながら、ものすごく有能な人なのだろうが、何と極端な人・・・と思ったものです。

高額所得者への興味から税金の額など質問した折にも「おれは株はプロだけど税金関係はさっぱり。幾ら払ってるかも分からない、全て税理士任せ。だってプロに任せるのが一番でしょ?」と。口座の中身に自由度が少ない我々とは違い、払うお金に困らない人と言うのは税金に対しても鷹揚なのだなと感心した覚えがあります。

無駄を徹底的に嫌う倹約家でもありながらも、何事もプロの仕事を尊重、信用しすべてを任せる合理主義者。仕事や趣味、自分にとって重要な事柄にはストイックにのめり込む反面、必要性の感じない物事に関しては驚くほど無知で無頓着で鷹揚。今回の件もそんな彼の無頓着さが招いてしまった錯誤ではないでしょうか?

今回、脱税があったのかなかったのか・・・本当のことは私達にはわかりません、しかし、少なくとも私が知る八田隆という人物は、億のお金を稼ぐ自分の能力に執着することはあっても、一億程度のお金自体に執着するような人ではなかったのではないか?と思っております。

実名で報道され、すでに修正申告を済ませ追徴金も支払っていると聞きます。
申告漏れは否めませんが、もう十分に社会的な制裁をうけているのではないでしょうか。

どうぞ、公正な目で判断を下して頂きたく、ここに嘆願いたします。

神野悦子

<以上>


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category: 嘆願書

2012/01/28 Sat. 05:33 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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