「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (9)  「郵便不正事件で大阪元特捜部長、元特捜副部長逮捕」 10/2/2010 

経過報告 (9) 「郵便不正事件で大阪元特捜部長、元特捜副部長逮捕」 10/2/2010

嘆願書は127通になりました。他の方にも声を掛けて頂き、本当にありがとうございました。

郵便不正事件を巡っては主任検事の上司二人が逮捕され、さらに世間の耳目を集めています。先日、故郷の父から新聞の切り抜きが送られてきて、随分と大きな扱いになっていることを認識した次第です。

証拠捏造は論外としても、問題は主任検事にそうさせた組織の精神風土にあります。それは、被疑者を本人直接の取調べ以前に犯罪者であると決めつけ、自分たちのストーリーを既定路線として事実関係を捻じ曲げることに何ら疑問をはさまないというものです。証拠捏造はその延長線上にあります。
先週、知り合いの弁護士からもらったメッセージにも

「検察官が調書を作文するといった話は,私が司法修習生のときに検事から『調書に被疑者の言ったとおりを書いてどうするんだ?』と言われたとおり,検察内部では当たり前のことだと思います」

とありました。業界の新人への洗礼のつもりだったのでしょうが、自分が正義(それは正義ではなく欺瞞ですが)だという驕りが感じられます。

逮捕された上司二人のインタビューにはまさにそういった状況が映し出されており、検察内部の薄汚さが透けて見えます。

(以下インタビュー)

--犯人隠避容疑で逮捕される可能性があるが

大坪氏「犯人隠避罪は積極的な隠避行為がなければ成立しない。仮に調査しなかった不作為があったとしても、不作為を隠避と認定するのは強引で捜査は無理筋。組織防衛の怖さを感じる。腹に据えかねるものがあり、断固として組織と闘う」

--小林検事正らは「データ書き換えの話は聞いていない」と話しているが

佐賀氏「きちんと報告した。私の『執務記録』にも報告の日時や内容が記してある。最高検にも提出している」

--前田容疑者が「故意に改竄したと大坪前部長、佐賀前副部長に報告した」と供述している

佐賀氏「当時、そんな話は聞いていない。最高検の描く事件の筋通りに素直に認めることで、罪の軽減を図るために言ったのだろう」 

--最高検の構図とは

佐賀氏「『正義感のある部下の進言に対し、幹部は隠蔽するために上層部に報告しなかった』という筋立て」

--逮捕の可能性は

佐賀氏「私と大坪前部長を逮捕してトカゲの尻尾切りをするつもりだろう」

私はこれを目にした時、拷問のプロが自分が拷問にかけられる立場になった時の狼狽を思い描いて滑稽に感じました。そして、この検察のやり方はまさに国税局のそれと相似形です。国税局が「証拠はありません。私たちの仕事はあなたを告発することです」と私に言って、何の道義的疑問を感じてないという状況は、「国税局」を「検察」に、「告発」を「起訴」に置き換えれば、まさに村木氏の身に降りかかったことと同じだと思います。

さらに恐ろしいと思ったのは、こういった市民感覚では明らかに誤っていることが一部識者の間では常識であり、放置されているという現実です。私もいろいろ本を読むと、「刑事裁判での有罪率99.99%」「否認すると逮捕される『人質司法』」「判検交流にみられる裁判官の検察官に関する親和傾向」といったことが悪弊として批判されても、何ら是正されず必要悪のように看過されています。告発後、私は弁護士を依頼しましたが、人に紹介された弁護士の方で、検事上がり(「ヤメ検」と呼ばれます)の方とお会いしました。彼は、私の説明を聞いた後、「国税局の告発を受けて、検察が起訴しないということは未だかつて例がない。起訴されれば有罪はほぼ確定。また否認すると逮捕される。これは痴漢の冤罪と同じようなもので、自分で納得することが必要。敢えて勧めるわけではないが、逮捕の精神的苦痛、その後の裁判にかかる時間的損失を考えると、自ら認めるということも考慮した方がいい」と言いました。検察におもねる検察出身の弁護士がいること自体、この世の中に冤罪を製造するマッチポンプを作っていると残念に思ったものです。

またメディアの影響力もすごいと実感しています。私の告発の報道を一番悪意をもって行ったのは朝日新聞(単なる送金フローを「脱税の構図」とご丁寧に解説し、直接の取材後も一切記事の訂正・削除を行わなかった唯一のメディア)ですが、その時「ああ、彼らは捜査当局と随分近いんだな」と感じました。学生時代に朝日ジャーナルを愛読していた者(左手にはパンチではなくて別マでしたが)としては、「なんだ転向かよ」と大きく失望したものです。その彼らが証拠捏造のスクープをすっぱ抜いたことに関しては、その後のスピード逮捕を考えると、作為的なものを感じないわけにはいきません(前にも言ったように、北朝鮮の全ての人が拉致に関与してるわけではありませんが、キム・ジョンイルは少なくともその事実認識はあるでしょう。そういうことです)。ただその後にメディア報道で、国民の意識が高まり、何かが変わるかもと期待をもつことができるようになったのは、やはりメディアの貢献だと思います。彼らには社会の木鐸としての役割を自覚し貫き通してほしいと切に望みます。

バンクーバーは木立ちの葉が色づき始め、随分涼しくなってきました。変わらぬご支援よろしくお願いします。

10/2/2010

P.S.
もし何か具体的に助けて頂けるのであれば(嘆願書の依頼のほかに)、是非「それでもボクはやってない」をご覧になって下さい。2007年公開、周防正行監督の映画作品です。周防監督はエンターテイメント系の監督なので、肩肘張らずに観れると思います。そして冤罪が作られる構図に関し少しでもお考え頂ければ幸いです。



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category: 支援者の方へ、支援者の方から

2011/09/24 Sat. 18:02 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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