「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

07« 2017 / 08 »09
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.

#検察なう (103) 「初公判予定」 2/16/2012 

#検察なう (103) 「初公判予定」 2/16/2012

今朝、早朝に友人からの電話で起こされた時に夢を見ていました。

大きなスクランブル交差点を、私はなぜか両手に一杯CDを抱えて、なおかつ大きなトランクを引いて渡っているところでした。人がぎゅうぎゅう詰めに立ち往生して止まってしまったので、私は一旦両手に一杯のCDを地面に置いたのですが、人が動き出したため、慌ててそれを拾おうとしていました。それを見かねて人が助けようとしてくれ、私も「あ、すいません」とか「そのトランクお願いします」と言ったところで電話で起こされました。

夢の続きを二度寝で見ようとしたのですが、続きは見れず、その後見た夢はこんなでした。

私はスパークリング・ワイン(なぜかオーストラリアのモエ・エ・シャンドン・ブリュット)を開けてボトルを持っているのですが、注ぐグラスが見つからず、どうしたものかと思っていました。すると小沢一郎氏が現れ、「言いたいことも一杯あるんだろうけど、頑張んな」と私に言いました。

何か深層心理が影響しているのでしょうが、それぞれ不思議な夢でした。

昨日は、内幸町にある弁護士事務所で、4時間半みっちりとミーティングを行い初公判の準備をしました。

そのミーティングの前に、日比谷公園をはさんである東京地裁に傍聴に行き、若干のイメージトレーニングをしました。

最初に傍聴したケースは大麻所持の刑事事件。証人尋問として呼ばれたのが、逮捕にたずさわったかなりランクが上の警察官(肩書は警部だったかな)の方でした。逮捕の時に、被告が「俺はベジタリアンだ!大麻を食って健康でいられるんだ!」とか「どひゃーっ」な証言もありましたが、あごひげ15cmくらいはあろうかというロンゲの被告は終始余裕綽々の表情でした。公判検事が実にかったるい質問を繰り返し、証人の警官の方はなぜか異様に緊張していて、事前の打ち合わせをしているのでしょうが、あまり話しがかみ合いません。その様子に、裁判長が業を煮やして切れまくっていました。私も、「あー、それ全く答えになってないよ―」とか「検事ももっと空気読めよー」と思って傍聴していました。

次に、私の公判が行われる718号法廷に入ろうとしたところ、開廷前からすでに満席で入れず。強姦致傷のケースでした。傍聴マニアには人気の題材なのかもしれません。

それで、次に傍聴したのは、中国人のおばさんが被告人の傷害事件。丁度、被害者のおじさんの証言が行われていました。こちらの裁判は、先程の大麻のケースとは打って変わって、ものすごい緊張感。それは被害者証言の最中、被告人の中国人のおばさんが、手に持った書類を叩いたり、「嘘つくな!」とか叫ぶので、その都度、裁判長が「被告人!これ以上証言を妨げる場合退廷してもらいます!」と言っていた状況だからです。また公判検事も女性の方でしたが、すごく切れ者系のさっそうとした感じで、また書記官席に座っていた通訳の方が、証言の都度、非常に流暢な中国語で訳しており、「おー、インターナショナルぅ」という感じでした。

確かに一階に置いてある公判予定表を見ると、「~(日本名)こと~(外国名)」という被告人名が少なからずあり、犯罪も国際化している様子が伺えました。

さて、来週水曜日22日の私の初公判ですが、そこで何が行われるかをお知らせしておきます。私も初めての経験なので、逐一弁護士と確認したものです。

まず開廷後、最初に私の人定質問が行われます。私が被告本人であることを確認するため、氏名、本籍、住所、年齢、職業が質問され、私がそれに答えるものです。

それから検察官が起訴状を朗読。これは起訴状に記載された、簡潔な公訴事実と罪名および罪状が朗読されるだけです。

その後、裁判官が被告人に黙秘権の告知をした後、起訴状の公訴事実に対して被告人(私です!)の意見を述べます。「罪状認否」と言われるものです。きっちり否認させて頂きますので、お越しの方はしっかりと聞いて下さい。

そして弁護士の意見。ここでは争点の設定というだけで、非常にシンプルなものです。

それから、検察官の冒頭陳述となります。私も弁護士も、検察が一体どんなストーリーを作って故意の捏造をしてくるのか見当がつかないので、ここで検察の主張が明らかにされてから勝負の開始という感じです。今回は、敢えて公判前整理手続きを取らなかったので、検察に対して、冒頭陳述で立証予定事実の開示を十分にするよう請求しています。これが15分から20分くらいなものでしょうか。

それが終わると、「証拠調請求」といって、検察が「以上の事実を立証するため、証拠等関係カード記載の各証拠の取調べを請求します」と述べます。つまり検察が、集めた証拠の提出する旨申し出るわけです。

証拠には、2種類あり、「物証」と「書証」があります。「物証」はそのまま証拠として裁判に提出されますが、「書証」は「伝聞法則」により本来証拠能力がないため、弁護人の同意がないと提出できない(刑訴法326条)ということになります。今回の私のケースでは「物証」はなく、私の供述調書、関係者の供述調書、及び会社契約書等の書類の膨大な量の証拠は全て書証となっています。

書証に関し、弁護士が同意・不同意の意見を述べ、同意したもののみが証拠として裁判に提出されます。供述調書が不同意とされた場合には、検察は供述者を法定に証人召喚して、証言を再現することで、同じ証拠を提出することを試みるということになります。

郵便不正事件で、村木氏に不利な証言を供述調書として検察は取っていましたが、弁護側はこれを不同意。検察は、証人尋問で同じ供述内容を法廷の証言で再現しようとしたのですが、供述者が軒並みそれを翻したため、検察のストーリーが崩れたというのは、記憶に新しいところです。

どの証拠を同意するか、不同意するかは非常に重要なところです。検察は、基本的に私に不利な証拠だけを集めて提出の請求をしているのですが、全てを不同意にするのも裁判所に対して心証を悪くするだけです。現時点で、膨大な資料の読み込みを弁護士はしているところですが、初公判までには間に合いそうもなく、同意・不同意の判断を「留保」するということがかなりの部分出てきそうです。しかし、我々弁護側の基本方針は、何も包み隠すこともないので、基本、同意でいいのですが、検察の悪意に満ちた部分だけは排除したいと精査しているものです(検察は、英文の資料には必ず和訳をつけますが、これが「意訳」ならぬ「超訳」になっているようなことがままあります。また関係者の供述調書は一人称で書かれていますが、見事なことに検察の作文の努力が伺えます。「これはやり過ぎだろー」と結構センスのない供述調書が多いというのが、率直な感想です)。

弁護側同意となると裁判所の権限で採用決定となりますが、その採用決定された証拠に関して、検察が要旨の告知を行います。それら証拠がどういうものかをざっくり説明するわけです。

そしてその後、通常の裁判では行われない弁護側の冒頭陳述を弁護士が行うことを予定しています。

これは先の検察の冒頭陳述に対抗する、被告人側の主張(アナザ―・ストーリー)の積極的主張を行うものです。法律用語では「ケース・セオリー」と呼ばれるもので、言ってみれば弁護側の「勝利の方程式」ですが、これを早い段階で明らかにすることで、争点をより明確にしようとするものです。

ここまでで一回目の公判は終了です。

残念ながら、初公判で私が話す機会はあまりなさそうです。被告人質問は、公判の流れでも最後の最後になるので、それまでは、証人喚問がされた場合など、私も積極的に質問したいと思っています。

公判は11時開始ですが、混み合うことも予想されます。開廷中の途中入場・退出は自由ですので、11時前に来て、718号法廷に入り、前の法廷を傍聴して待つことをお勧めします。せっかく来てもらって入れないと残念ですから。あと、くれぐれも録音・録画はご法度ですので、その点よろしくお願いします。

それでは法廷でお会いしましょう。

2/16/2012

category: 刑事裁判公判報告

2012/02/15 Wed. 20:12 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/tb.php/195-c9955bfa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top