「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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外資系証券なるもの (1) 「所信表明」 3/20/2012 

外資系証券なるもの (1) 「所信表明」 3/20/2012

いつもご支援ありがとうございます。

これまで経過報告をブログに「#検察なう」として掲載してきましたが、どうも内容がヘビーになってきたので、閑話として新しいコーナーを作ります。題して「外資系証券なるもの」。

ブログの注目度もアップしてきましたが、このどさくさに紛れて私の外資系証券での半生記なぞを書いてみたいと思います。

と、軽目にスタートしましたが、実は腹には据えかねるものがあります。

皆さん、小沢氏の一件どう思います?まあ4/26の判決を待つということなのですが、これが小沢氏の主張するように検察の妄想であるなら、これはもう国家の損失ですよ。

「バッジを挙げたい(政治家を逮捕したい)」というくだらん特捜部のエゴで政治生命が絶たれようとしているわけですから。余り日本の政治には詳しくないのでここで「小沢ドクトリンは....」とか言い出すと墓穴を掘りそうなので言いませんが。

腹に据えかねると言ったのは、小沢氏のこともありますが、勿論、自分のことです。

これで3年以上冷や飯を食わされて、マーケットから撤退ですからね。日本の金融市場がどれだけグローバル化から遅れているかというこのご時世に、優秀な人材を役所のメンツだけで戦力外通告というのも本当にセンスのなさにあきれてしまいます。

ということで、直接マーケットに影響を与えることはできなくなったものですが、せっかくのノウハウを私の頭の中で朽ち果てさせるのも何かと思い、ブログにでも書いてみようかなと思ったものです。

金融のみならず、全ての日本人に何らかのヒントを与えることができればと思っています。

せっかくの初回ですので、エピソードを一つ。

私の告発は、おととし2010年の2月でした。強制捜査が更にそれに先立つこと1年と2カ月前。その間、私は雌伏の時を過ごしていました。ただその頃は国家権力がこれ程腐ってるとは思っていなかったので、まさか無実の者を告発するなどとは思っていませんでした。

告発前の最後の取調べが2009年の10月です。例の国税局査察部統括官の方の「証拠はありません」という言葉に、「これで国税局も諦めただろう」と思い、私はバンクーバーで就職活動を再開したものです。

たまたまタイミングよく声がかかったのは、クレディ・スイス証券で同じトレーディングをしていたアメリカ人から、一緒に仕事しないかと誘われました。彼が働いていたのは、ある日本の銀行系証券。

20数年外資系証券一筋でしたが、最後に骨をうずめる場所として日本の会社も悪くないかなと思ったものです。

彼らのNYのオフィスで、一通り面接を終え、私が理解したのは、日本の本社営業スタッフとNYのトレーディング・デスクのコミュニケーションが全く取れていないという典型的な悲惨なパターンでした。

そのアメリカ人の友人のトレーダーからは、「日本に営業がいないから、日本に行って一人でトレーディングから、マーケティング、営業まで全てやってくれ」と言われました。しかし、NYオフィスに駐在している日本人スタッフに聞くと、東京オフィスに営業はいるとのこと。まさに日本のスタッフはNYからはinvisibleだったということです。

NYのトレーディング・デスク及びマネージメントからは、彼らの「共通言語」を話す日本人として歓待され、是非一緒に働いてくれと言われました。

私は、直前のベアー・スターンズ証券では、債券営業部長という完全にマネージメントでしたが、その銀行系証券では一プレイヤーとしての雇用です。しかし、それには全くこだわることはありませんでした。但し、採用はアメリカ人採用という条件でしたが。完全に一兵卒からの再スタートですが、またトレーダーとしてひと暴れできるかと思うとわくわくしたものです。

NYオフィスのマネージメントから言われたのは、「NYサイドは大歓迎だし、雇用はあくまでNYのトレーディング・デスクでということなのだが、なにぶん政治的なこともあるんで、一応東京オフィスに行って、彼らと面通しをしてほしい」というものでした。

NYトレーディング・デスク直属といっても働く場所は東京オフィスという条件でしたので、一緒に働く彼らと早いうちに打ち解けるのはむしろ望むところと、その「面通し」に臨んだものです。

ミーティングを何回かした後に、その東京オフィスのマネージャーから電話をもらって「今回の採用は見合わせたい」と言われた時は「何を言ってるんだろう」と思ったものです。その理由が「外資系のスーパースターを迎えるには、我々はまだまだ力不足で、内部で『時期尚早』の声が上がった」と聞いた時は、驚いて開いた口がふさがりませんでした。

その後、NYの私の友人からひた謝りされましたが、彼が言っていたのは「一事が万事これなんだよ。何で日本人ってああなんだろう」って、俺も日本人なんですけどと思いながら、それでも彼の言うことはよく理解できました。

そして、そのことをその銀行系証券出身のベア―・スターンズ証券の元部下に「こんなことがあったんだよ」と言ったところ、その元部下にはあきられてしまいました。

「八田さん、何考えてるんですか。その東京のマネージャー達って八田さんとほとんど同じ歳の人たちですよ。その年代で、外資に転身しないでやってるってことはよほどセンスがない人たちですよ。そんな田舎球団にメジャーリーグ帰りが入団しようとして歓迎されるわけないじゃないですか。全く分かってないなあ」

全く情けない。私が田舎球団のプレイヤーでもイチローが来てくれるんだったら、そこから何かを得ようと努力すると思うんだけどな。4番バッターの座を奪われるとか、自分のポジションが脅かされるとか、そんなもん下らんと思わんのかな。

ところが、万事塞翁が馬ということなのでしょうか。その後、刑事告発されましたから、その会社に入っていたら、あっという間に解雇だったでしょうね。

その会社の後に、今度はソロモン・ブラザーズ証券時代の元ボスに誘われて、香港をベースにやはりトレーディングで働くことになっていましたが、それも告発で一旦保留。いくら待てど暮らせど検察の動きがない中で、それでも8ヵ月は待ってくれたのですが、結局、向こうから断られてしまいました。

ということで、「外資系証券なるもの」連載が開始しますので、よろしくお願いします。

あ、別に暇なわけじゃないですからね。弁護士からも「ブログ書いてる暇があったら、証拠の読み込みお願いしますよ」とプレッシャー掛けられてますから。

3/20/2012

category: 外資系証券なるもの

2012/03/19 Mon. 21:21 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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