「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (15) 「不服申し立てに対する目黒税務署の返答」  1/1/2011 

経過報告 (15) 「不服申し立てに対する目黒税務署の返答」 1/1/2011

あけましておめでとうございます。バンクーバーは先程新年を迎えました。

昨年は嘆願書を書いて頂き、本当にお世話になりました。3年目に入りましたが全く出口が見えない中、皆さまに支えられて気持ちを強くもっております。災難は不運として受け止めながらも、未来は身の振り方次第で運命は変わる、それなら自分の運命は自分で切り開こうと「逃げるな、あきらめるな」と自分に言い続けています。

非常に異例な事が起こりました。国税局は私が悪質な脱税を行ったとして、本税の35%に相当する重加算税を課しています。私がそれを納付した後、徴税を行った目黒税務署に対し不服申立を行ったのが6月末でした。

3ヶ月以内に何らかの決定をするのが通例なのですが、何ら決定がされていなかったことは前回の経過報告でお伝えしました。その返答がようやく目黒税務署から一昨日届きました。

それは決定ではなく「審査請求をすることができる旨の教示書」というものでした。つまり目黒税務署は判断を回避し、通常は不服申立が却下された場合に上告する国税不服審判所に行ってくれというものです。不服申立に関しては、身内の国税局が刑事告発している事案に関し目黒税務署が税還付をすることはありえず、却下が当然だと思っていましたが、目黒税務署は何の決定もしないという表明をする事態になっています。

目黒税務署としては自ら判断をすることはなく、国税局にお伺いをたてていたが、国税局が全く動かないという状況下で、自らの責任を放棄するに至ったのだと推定されます。今回の目黒税務署からの通達においても、何をもって脱税の意図ありと認定しているのか、また、重加算税の要件は「仮装・隠蔽行為を伴った悪質な脱税」ですが、何をもって仮装・隠蔽行為に相当するとしているのかが依然全く明示されていません。こちらとしては、国税不服審判所に行く前にそれらを明らかにしてほしい、脱税の告発を受け重加算税を課されている以上、それらを知る権利は当然あると主張し、重ねて目黒税務署に督促を行うつもりです。

嘆願書を書いてくれなかった人の少なからずの人が「本当に無実かどうか分からない」と言っていると聞き、それはつまり私が嘘をついているということなのですが、彼らから最低限の信頼すら得られなかったというのは非常に残念です。

できれば彼らに伝えたかったのは、虚偽の無実の主張をするデメリットを理解してほしかったということです。日本の司法システムでは、ある程度の軽微な罪を犯した者が、虚偽に無実を主張することのデメリットは非常に大きいものと言えます。

私の場合、告発の時点で諸事情に明るい人から聞いて理解したことは、「国を相手に勝つチャンスはゼロ」でした。その時点で白旗を上げれば、確実に在宅起訴、執行猶予(初犯で私の脱税額で実刑はありえません)であり、今頃は既に全て片がついています。

それを「やっていない」と言って否認すると、非常に高い確率で逮捕され、裁判も相当期間時間がかかります。有罪確定前の被疑者を拘置所に留置することは「人質司法」と酷評されており、基本的人権の侵害である憲法違反に相当することは間違いのないところですが、捜査権力が絶対それを改めないのは「そんなことをしたらみんな否認して大変なことになってしまう」という思いが強いからでしょう。

被疑者勾留の建前としては裁判所の許可が必要であり、そのためには「証拠の隠滅及び逃亡の可能性が高い」という理由づけがされますが、形式化していることは明らかです。私も逮捕される恐怖(今でも時々夢に見ます)から逃れようかと逡巡したこともありましたが、それでは一個人の人権を無視し組織の論理を優先する国税局の思うつぼであり、彼らの過ちは絶対正すべきであると思い留まった次第です。

現状の人質司法は冤罪を生み出す温床でもあります。分かりやすい例が痴漢のケースです。痴漢のほとんどが常習犯であると言われていますが、彼ら常習犯はつかまった場合、絶対に否認はしません。それは割に合わないことをよく知っているからです。逮捕拘留され、勝ち目のない裁判をするよりは、さっさと認めてしまった方が明らかに得策だからです。逆にその割に合わない否認を強く主張する被疑者は、それだけで冤罪の可能性が高いと言えます。

もしそれでも私が嘘を言っているかもと思われる方にも、絶対私が自信を持って言えるのが、「あなたは私の頭は悪いと思ってますか」の答えが「ノー」だということです。

そもそも脱税とは所得そのものを隠すことで可能な犯罪です。脱税を意図する場合、売り上げのレジを打たないとか二重帳簿を作って所得そのものを初めから「なかったこと」にするわけです。そしてそれを「裏金」として、他人名義の口座に入れたり、庭に埋めたりして、脱税によって得た資金を隠蔽しようとします。マル査の捜査ではその裏金を見つけ、「このお金はどうやって得たのですか」と詰問することが犯罪摘発の端緒となるわけです。

出所が明らかな会社からの給与を脱税するということが、限りなく不可能に近いことを理解することはそんなに難しいことではないでしょう。数十万円や数百万ならまだしも、数億を脱税しておいて「ばれないと思った」というのは余りに荒唐無稽な論理に聞こえないでしょうか。

また先に述べたように、国税局が重加算税を課す際に、彼らは何をもって仮装・隠蔽と認定しているかを明らかにしていません。朝日新聞が「脱税容疑の構図」と報じたように、私が海外口座間の送金を行ったことを仮装・隠蔽とするならば、それは全くもって幼稚な論理だと言えます。「銀行口座の名義がなぜ必要か、それは権利者を特定するためである」という中学生程度の理解力があれば、本人名義口座間の送金をもって資金を隠すことができないことは説明を要しないでしょう。

つまり国税局は告発をもって、私が犯罪を犯す悪人であり、なおかつ知能の程度は中学生以下だと言っているようなものです。彼ら自身が、本当に本人名義口座間の送金をもって仮装・隠蔽できると思っているとは到底思えず(そうだとすれば更に深刻な問題ですが)、全くのこじつけであることは火を見るより明らかです。

100時間以上に亘る取調べの際に捜査官から「八田さんは話をしていてとても頭がいい。その頭のいい方が『知らなかった』『気付かなかった』とは到底思えない」と何度も何度も責められましたが、頭脳が明晰であるということと「知っている」「気付く」ということは全く別であることを最後まで理解してもらえませんでした(するつもりもなかったのでしょうが)。

この時点でも、前例に基づく限り私の勝ち目はゼロです。検察の取調べが始まり、否認することで小菅の拘置所に相当期間勾留されることになるでしょう。何年も裁判に時間を費やして、結局有罪ということになります。それでも自分の正義を貫くため、権力の暴力に屈することなく戦い続けるつもりです。

1月中旬に一旦、帰国します。帰国時にはテレビ局1局と全国紙2紙の取材が予定されています。

引き続きご支援をお願いします。

1/1/2011

P.S.
先日、メル・ギブソン監督の「パッション」を観ました。最も史実に近いイエス・キリストを描いた映画と評価される一方、ユダヤ社会であるハリウッドからユダヤ教批判であると非難され物議をかもした映画ですが、私はキリスト教には門外漢なので、イエス・キリストを一個の人間として映画を観賞することができました。イエス・キリストもさることながら、我が子の死を見届ける聖母マリアの強さに非常に心を動かされました。もし人間は弱い存在であると思われる方がいたらこの映画をご覧になることをお勧めします。苦難にも負けないことを教えられたような気がしました。しかし、磔にされながら、処刑をしたローマ帝国のことを「神よ、彼らは知らないのです。許してあげて下さい」と言った、慈悲の心まではまだまだ人間ができていないので持つことはできないのが正直なところです。










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2011/09/24 Sat. 18:15 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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