「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (16) 「高校後輩からのメッセージ&会社の指導=メモランダム」 1/28/2011 

経過報告 (16) 「高校後輩からのメッセージ&会社の指導=メモランダム」 1/28/2011

依然検察の動きはありません。雌伏の時が経過しています。

今日まで一週間香港に行ってきました。面接も兼ねて数社とカジュアルなミーティングをしてきたのですが、判を押したように「経歴もすばらしいし、能力も全く問題ないけれど、今の状況では法務部の承認が下りない」との返事でした。

他業種ならまだしも、信用を重んじる金融業において、準犯罪者のレッテルは致命的であると言えます。「片がついたらまた」と言ってくれる会社もありましたが、「時間がかかることで、マーケットから離れて商品や市場の知識がアップデートできず、顧客との関係も失われていくのでは」と心配してくれる会社もありました。

高校の後輩からのメッセージです。
「日本の検察の杜撰さが日に日に明かされ、先輩の指摘されている、これまでの多分相当数に当たる冤罪で泣いてきた、権力に抗いきれなかった力無き善良な一般人に想いを寄せる光が当てられてきています。

先輩もその中に落ちてしまった一人。先輩よりもっと力の無い人々は自分の正当性を訴える術もなく、日々追われる生活、家族の苦痛に耐え切れず、涙を飲んで、存在しない罪を認め、涙と屈辱にまみれ、国と人に絶望し、あるいは投げやりになり、わが子には権力を行使する側にさせようと必死になっているのかも知れません。

日本という国がそんなものであることは百も承知のことではないか?だから、そんな落とし穴にはまらないよう注意しなければならないし、そうなったときの為の保険として、日ごろから、人脈を広げて、、、。という説教を昔、エリートと言われるような人たちから、聞いた気もします。大切な、”誰に恥じる事なき、心。”を例え捨てたとしても。と。
 
先輩の真っ白なまっすぐな正義に対するこころが折られる事なく、本懐が遂げられる事。これは私にとっても強い願いであり、希望です。

次世代の子供たちのためにも。

私の中では先輩が収監されることなく、その主張が認められる事が本当の正義であり、日本の国と人に対する願いであり、そこに生きて、子供に生き方を示している一人の母親としての希望です。」

私は「腑に落ちる」とはこのことのような気がしました。

日本に一時帰国して以来、TBS、読売新聞、毎日新聞、東京新聞の取材を受けました。これまでの取材で、各社取材内容に若干の違いはありますが、興味深いのはテレビと新聞でそのアプローチに違いを見出すことが出来ることです。テレビは適時性をより重視し「ニュース」を取材しようとしているのに対し、新聞は担当記者の経験値の高さもあるのでしょうが、「木を見て森も見る」といった印象の取材内容でした。メディアとしての性格の違いが大きいのだと思います。

新聞記者に逆取材をして分かったことは、私の刑事告発以前から記者間では、クレディスイスを始めとする外資系金融に多くの申告漏れが見つかっていたことが知られており、私を含めた数人の名前が捜査対象として挙がっていたことです。そこで私が驚いたことは、「犯意の立証がかなり困難な事案であるが、その立証における有力なファクターが『会社は指導していたにも関わらず』ということである」という印象を記者がもっていたことです。

つまり私が「海外給与の申告義務を知っていた」ということですが、私はこのストーリーを国税局が取ってくることはないと思っています。それは会社の指導内容が不十分であったことは明らかなので、この筋に依拠して告発をするのはリスクが高いからです。

しかし、国税局が記者に情報をリークする際、彼らに予断を与えるためそのような印象を盛り込んだのだと思います。「悪質である」というイメージを高めるため、「海外口座間の送金をしている(私は今ではこれをもって仮装・隠蔽に相当するという馬鹿馬鹿しいストーリーを国税局が取ってくることはないと思っています)」や海外逃亡したかのように「告発以前に海外に転居している」と告げたことと同じ背景です。

会社の指導とはいかなるものであったかは、添付のファイルをご参照下さい。これは株式が付与されたことを社員に通知する文章です。私本人のものは、強制捜査の際に押収され、会社に協力を要請しても拒絶されたため手元にありません。私のことを心配してくれた後輩/友人が弁護士の元に参考資料として届けてくれたものです(書き込みは弁護士がしたものです)。内容には私のものと数字以外の大きな差異はありません。弁護士が星印を付けた文章が「会社の指導」の全てです。

この文書は、株式の通知のためのものですが、この通知は株式の付与から遅れること2-3週間後に社内便で配布されます。実際の株式付与は、事前にメールで通知され知ることができます(私は、この文書が届く前に株式の売却を行っていたこともあります。この友人も同様に売却をしていたことが文章から読み取れます)。

私は、この「後入れ」の文書を注意深く読むことはありませんでしたし、ましてやこの文書が税務に関するものだという認識も全くありませんでした。

「この文書は雇用者個人の納税を通知するものでもなければ、会社が源泉徴収していることを知らせるものではない」という一文をもってして、海外給与は自分で申告しなければいけないということの十分な指導でないことは明らかです。クレディ・スイスでは今年から海外給与に関しても源泉徴収を始めると聞いています。もし彼らが始めからそうしていれば、このような悲劇は起こらなかったと容易に想像できます。

このことが起こる随分以前に、私の敬愛する従兄に「隆君はそれなりに成功を収めたんだから、残りの人生の中では社会貢献を考えなきゃだめだよ」と言われたことがあります。

その時は私はそんな器ではないし、自分や自分の身近な人のことだけ考えていれば十分だと感じていました。刑事告発後に私は弁護士を雇うことになりましたが、彼にいきなり聞かて驚いたのが、「八田さんは社会貢献していますか」という質問でした。弁護上、心証形成のため主張することができるということでした。

自分で偉そうに言えることは何もないというところから端を発したのが嘆願書のアイデアでした。今、私の状況を考えると失ったものが余りにも大きく、それに比してこれから戦って得ることのできるものの少なさに暗澹としてしまいます。犯罪者のごとく報道されて受けた精神的苦痛、離れていった友人や失った再就職の機会、これまで膨大な時間心を砕いてきたことは取り返しがつきません。

それでも自分を奮い立たせるために、これは私がすることができる社会貢献だと思うようにしています。世の中を変えようなどと大それたことは考えていません。しかし、国家権力の暴力に屈することなく戦う者もいるのだと一石投じることができればいいと思っています。

検察の取り調べが始まっても、「巨悪をいさめるのが検察の仕事であるのなら、私が無実であることを高いレベルで認識しながら確信犯的に刑事告発した国税局の行為こそ巨悪であり、それを正すよう協力してほしい」とお願いしようと思っています。

皆様も嘆願書を書かれた際は、私を助けたいという気持ちであったと思いますが、その純粋な行為が社会貢献につながると思っていただければ幸いです。重ねてお礼を申し上げるとともに、変わらぬ応援をお願いします。

1/28/2011


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category: 支援者の方へ、支援者の方から

2011/09/24 Sat. 18:19 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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