「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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外資系証券なるもの (9) 「怒鳴られる毎日」 

外資系証券なるもの (9) 「怒鳴られる毎日」

ソロモン・ブラザーズでは、毎年、その年に入社した新入社員を全世界からNYに集めて研修を行う、トレーニング・プログラムがありました。それは7月下旬からスタートします。

東京オフィスで採用された我々も、そのトレーニング・プログラムに参加することになっていました。

そして4月の入社から7月のNY研修までは、東京オフィスで研修を受けることになります。研修といっても、その内容は雑用+自習で、はっきり言えば放置プレーです。

現場のスタッフには手取り足取り新入社員の面倒を見る余裕もなく、NY研修までは邪魔にならないようにオフィスにいて、できる限りそして思いつくまま仕事を手伝えという状況でした。

しかし今思い返すと、この3ヵ月半の間は、毎日先輩社員に怒鳴られに会社に行っていたような気がします。

業務時間は電話が鳴りっぱなし。仕事らしい仕事といえば、その電話を取り次ぐことくらいでした。「電話を取るのが遅い」や「対応が悪い」とか、とにかく怒鳴られまくりです。

例えば、同じ会社から電話があっても、電話の相手が取引を執行するファンド・マネージャーなのか、事務処理をする事務の方なのかによって、緊急度や重要度が違います。気難しいファンド・マネージャーの中には、名前を尋ねるだけで怒り出す人もいます。「こっちは急いでるんだから、早く営業とつなげ!」といった感じです。

あと私が特に「いじめ」にあったのは服装に関してでした。ネクタイの柄はよく言われたなあ。あとカレッジ・リングね。今でもそのカレッジ・リングはしています。

その理由というのが、「外資系証券はただでさえ給料が高いと思われてるから、とにかく地味な服装でいろ」というものでした。

新入社員の私はその理由が全く理解できず、そうした罵声を完全に無視したこともM氏(一応ここは匿名にしとこっと)ら先輩社員からの「いじめ」の原因でした。

私はその後、20年以上外資系証券に勤めることになりますが、顧客からそうした「偏見」や「差別」を感じることは、実際には一切ありませんでした。今、思い返すとそれは日本の会社から、高い給与と引き換えに「都落ち」した中途入社組の負い目からきたものではなかったかと思います。

日本の会社を経験した中途入社組と、新卒から外資という純粋培養組との間には、そのカルチャーに(勿論、個人差はありますが)歴然とした差があります。新卒外資純粋培養組が外資を選んだ理由の中で、給与がその主たる志望ファクターになっているケースはまれだと思います。

私の場合は、電通の内定を断った時点で就職協定に縛られる日本の会社に入ることができなくなったという特殊事情はあったものの、「ウォール・ストリートで働きたい」という単純な夢がありました。

ちなみに私の「将来の夢」というテーマの小学校卒業文集は、「世界を股にかけて活躍する」でした。

とにかく毎日怒鳴られまくり、打たれたサンドバッグ状態で、しばし逃げ込む場所はトイレの個室でした。ほっと一息入れて、10分ほど思考停止して、ぼーっとしていると、またファイティング・スピリットが復活して、「よーし、また怒鳴られに行くか」とトレーディング・ルームに戻ったものです。

怒鳴られるのが好きな奴はいません。自然とそれを回避するよう身を処するというのが、普通の感覚なのかもしれません。私も別に反発するつもりは全くなかったのですが、自分の納得いかない雑音を無視していただけです。同期からは変わり者扱いされて、少し距離が置かれていたように感じました。

こうした状況が、後々自分の職種に大きな影響を与えるとは当時全く予想していませんでした。

(続く)



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category: 外資系証券なるもの

2012/05/05 Sat. 12:13 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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