「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (174) 「死刑に関する国際世論」 8/2/2012 

#検察なう (174) 「死刑に関する国際世論」 8/2/2012

1989年12月に死刑廃止議定書が国連総会で採択されて以後、世界の多くの国々が死刑制度を廃止ないし死刑執行を停止しています。

ここ20年(1991-2010)で死刑執行を行った国は、1995年の41ヵ国をピークに漸減し、現在20ヶ国前後で推移しています。

それに対し、死刑制度を全面廃止した国の数は、1991年の48ヵ国から2010年の96ヵ国まで一度も減少せず推移しています。即ち、それらの国では、ひとたび廃止された死刑制度が再導入されることはほとんどないと言えます。

こうした世界的趨勢の中、2007年5月国連拷問禁止委員会は日本に対し死刑執行停止を求める勧告を行っています。国際人権規約を批准し、国連人権理事会理事国をつとめる国として、日本は死刑制度のあり方を再考すべきであると思います。

また2007年12月18日には、国連総会で、死刑執行停止決議がなされました。

「総会は、国連憲章に盛り込まれた目的と原則に導かれ、世界人権宣言、市民的及び政治的権利に関する国際規約、及び子どもの権利条約を想起し、また、人権委員会において、いまだ死刑を存置している国々に対し、死刑の完全廃止及び廃止するまでの間の死刑執行の停止を求め、
(中略)
死刑の使用が人間の尊厳を損なうことを考慮し、及び、死刑の使用の停止が人権の強化及び進展に貢献し、死刑の抑止力としての価値にはなんら確証がなく、及び死刑執行における司法の誤りや欠陥は、撤回できず回復不可能であることを確信し、ますます多くの国々が死刑執行の停止を行い、多くの場合、その後死刑を廃止していることを歓迎し、
(中略)
いまだ死刑を存置している全ての国々に対し、死刑の使用を徐々に制限し、死刑を科すことのできる犯罪の数を減らし、死刑の廃止を視野に入れた死刑執行停止を確立することを求める。 」

この決議では、賛成104カ国、反対54カ国(棄権及び投票せず34カ国)でした。

日本は、アメリカ、中国、北朝鮮と共に反対票を投じています。

国連総会・死刑執行停止決議賛否一覧
ここをクリック→ 国連総会・死刑執行停止決議賛否一覧

日本は、先進国の中では突出して死刑存置の支持が高く、2009年内閣府世論調査では85.6%の人々が死刑を支持しているとされました。

捕鯨に関して、日本が国際的にバッシングされることがありますが、捕鯨は日本の文化だと主張できても、死刑を日本の文化であるとは主張し難いものです。国際的に発言力を増すためにも、我々は国際世論に敏感であるべきだと思います。

救援連絡センターの機関誌「救援」にこの数字に関する記述があった(2012年4月10日号)ので引用します。

「死刑執行の口実として、世論調査が使われている。

09年12月に実施された世論調査では死刑存続が85%、死刑廃止が5.7%と報道されているが、ここには問題がある。

世論調査は死刑存置か、廃止かを質問していない。『どんな場合でも死刑は廃止すべきである』が5.7%、『場合によっては死刑もやむを得ない』が85.6%。明らかに死刑をやむなしとする誘導する質問である。実際に『場合によっては死刑もやむなし』と回答した人のうち、『将来も死刑を廃止しない』が60.8%。『状況が変われば将来的には死刑を廃止してもよい』が34.2%である。

従って、『将来も死刑を存続すべき』は52.6%。『現在はやむを得ないが、将来は廃止してもよい』が29.3%となる。『死刑廃止』と『将来は廃止も』を合わせると39.9%になる。国民の圧倒的多数が死刑を支持しているという意図的な世論操作だ。しかも若い世代ほど、死刑を廃止すべきが多いという結果が出ている。

また設問の仕方にも問題がある。たとえば『世界の国の70%は死刑を廃止(10年以上死刑を執行していない事実上の廃止国を含む)していることを知っているか』とか『日本において年々殺人事件が減少していることを知っているか』という質問をしてから、死刑についてどう思うかと質問すれば結果は変わると思う。つまり死刑の実態やその背景事情についての情報は知らせずに死刑存置が多数派だという世論操作をし、それを口実に死刑執行をすること自体が問題なのだ。」

先進国でも、死刑を廃止した背景は様々ですが、イギリスでは死刑を執行した後で真犯人が見つかった事件をきっかけに政府が先頭になって死刑を廃止しました。

日本においては、過去4人もの死刑囚が再審無罪となっても死刑廃止にはつながっていません(免田事件、財田川事件、島田事件、松山事件)。取調べの全面可視化ですら行われていない司法後進国の日本で、合法的な殺人である死刑が制度として認められていることはとてつもなく恐ろしいことだと思います。

冤罪被害者の立場からすると、国家権力の恣意的な行使を知っているだけに、その恐ろしさは本当に身に沁みて感じます。

8/2/2012




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category: 刑事司法改革への道

2012/08/02 Thu. 09:08 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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