「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (177) 「刑事裁判の足枷 = 謄写費用」 8/6/2012 

#検察なう (177) 「刑事裁判の足枷 = 謄写費用」 8/6/2012

先日、弁護士から電話がありました。若干歯切れが悪い言い方に悪い予感がしましたが、その予感は的中しました。

「八田さん、お伝えしなくちゃいけないことがあるのですが」

「はいはい、何でしょうか」

「実は、検察が公判に提出する資料の謄写費用を立て替えていまして」

「はあ、それをお支払いすればいいんですね」

「それが、現在の時点で20万円を越えていまして」

「えっ!な、何でそんな金額になるんですか!?」

たかがコピー代です。確かに資料の量は膨大ですが、なぜそんな金額になるのか、理由を聞いて驚きました。

公判に検察が公判に提出する資料は、弁護側は自分でコピーしなくてはいけない上に、改竄・紛失を防ぐため持ち出しができず、コピーを依頼する場合は、「東京謄写センター」という一社にしか依頼できないらしいのです。

そしてそのコピー代が1枚なんと30円。Kinko’sならコピーを依頼しても1枚7.35円ですから、民間企業の4倍の値段ということになります。独占禁止法違反すれすれの状況です。

しかも「東京謄写センター」は、旧名称を「検察更生会」といい、検察の天下り企業のようです。どうせそんなことだろうとはすぐに思いましたが。

以前、ブログで、捜査権力は湯水のように税金を使って有罪にすべく捜査を行うのに対し、弁護士費用が賄えない被告人の弁護をする国選の弁護人の報酬は数万円という実態を書かせてもらいました。

ここをクリック→ #検察なう (161) 「国選弁護人の弁護報酬について考えること」

「もし、被告人が謄写費用を負担できないような場合、国選の弁護人はどうやって数万円の報酬からコピー代をカバーするんですか」

「確かに国選の弁護人の場合、謄写費用を被告人に請求するということはあまりないですね。大概は自腹です。閲覧室で自分で手間暇かけてコピーして少しでも節約しようとしたり、デジカメを持ち込んで撮る方もいますよ」

これが民事裁判であれば、原告であれ、被告であれ、裁判に提出する資料は自前でコピーして、相手に渡すことが規則で定められています。それが刑事裁判になると、検察側が裁判所に提出する資料は被告人に渡さずとも閲覧の機会を与えれば足りるという規則になっています。

検察は、税金を使い放題で捜査しながら、国を相手に戦うけしからん被告人にはコピーしたければ自分でしろ、そして法外な料金を請求するぞと、証拠を見せたがらないかのような態度です。

証拠の全面開示はしない、逮捕して身柄を拘束しながら弁護士の立会を認めず可視化されない強硬な取調べをする、取り調べた結果検察に不利な事実は調書に記載しない、調書を作成する場合は検察ストーリーに合致するよう作文する、それだけでも十分ひどいと思っていましたが、その上、被告人が証拠資料をコピーするには検察の天下り団体が法外な値段を吹っ掛けます。そして、被告人がこんなに大きなハンディを背負っているにも関わらず、裁判でも無罪推定の原則は形骸化し、DNA鑑定などで明らかな無罪が立証されない限りは検察を信頼して有罪判決を下します。

どんな国なんですか、日本は。

私は、会社関係の書類のうち、個人宛てのものは大概保存していました。後で見返すことはないだろうと思いながら、重要性の判断、取捨選択が面倒だったこともあり、一通りは保存していたものです。そのほかにも「とりあえず取っておく」とした文書は結構あります。その場できちんと確認すれば保存する必要もないのでしょうが、保存しておけば何となく確認した気にもなったものです(本の「積ん読」と似たようなものでしょうか)。

検察が裁判の証拠資料として提出する膨大な資料の大方が、書類を保存するのが基本パターンの私ですら保存する価値もないと思う書類や、仕事をしていれば絶対読むはずもない大部の会社の給与プログラム等の資料です。つまり、ゴミをコピーするのに20万円以上も払わされてしまったということです。

雪冤はプライスレスではありますが、検察の天下り団体のためにコストを強いられることに怒りが生じると共に、謄写費用が支払えずに記録を入手できない被告人や弁護人もいただろうと思うと怒りは倍増します。

それが正義のためなら仕方ないということもあるでしょうが、私のケースでは役所のメンツを保つだけの国家権力の恣意的行使ということが分かっているだけに、本当に残念な気持ちになります。

民事裁判並みに、証拠調請求する側が、相手方に資料を謄写して渡すという当たり前のルールに変更するだけでも、司法がフェアに近づくような気がします。結局のところ、公僕は国民の公益を守るのがプライオリティーだということは夢にも思わないということなんでしょう。残念なことです。

8/6/2012



ここをクリック→「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会動画ダイジェスト版」

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」 改訂版

ここをクリック→ 嘆願書まとめ






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category: 刑事司法改革への道

2012/08/06 Mon. 09:06 [edit]   TB: 0 | CM: 1

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この記事に対するコメント

国選弁護と謄写費用

国選弁護と謄写費用について、赤いブログに連載していました。ご参考に。

http://blogs.yahoo.co.jp/kokusen18_21/folder/1508461.html?m=l&p=3

knob #- | URL | 2012/08/07 Tue. 15:25 * edit *

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