「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (179) 「否認の被疑者・被告人に対する検事の方々へ」 8/11/2012 

#検察なう (179) 「否認の被疑者・被告人に対する検事の方々へ」 8/11/2012

先日、無罪の弁護をされる弁護士の方々へメッセージを発信したところ、検事に言うべきだとのご指摘があり、それもそうだと思いました。

ここをクリック→ 「無罪の弁護をされる弁護士、将来の弁護士の方々へ」

そこで思うところを書き留めたいと思います。

犯罪者と向き合う異常な状況に日常的に置かれている検事の方々が、被疑者・被告人に予断をもって当たるであろうことはある程度理解できます。しかしそれでよしとしないで下さい。

特に被疑者が無実の主張をしている場合は、それを虚偽であると決めつけないで下さい。性悪説に立って人を判断しないで下さい。

勿論、犯罪者が保身のために嘘をつくということは考えられます。そのため取り調べが厳しくならざるを得ないことも理解します。

私が特捜部の取り調べを受けた感想は、その迫力ある取調べに、「誰かが嘘をつき通そうとしても、それは到底できないだろうな」と思いました。私が、捜査のプロである特捜検事と対抗できたのは真実が後ろ盾にあったからです。

しかし、それと同時に「真実があったとしても、知力、気力、体力が検事に劣る人は、やり込められて、検事の言うがままの調書を取られるんじゃないだろうか」とも思いました。真実を見極めるため以上に負荷をかければ、真実が見失われてしまうということをご理解下さい。

あなた方の仕事は、犯罪を摘発し、世の中から犯罪を減らすことであり、決して犯罪をつくることではありません。あなた方の仕事は、起訴をすることではなく、真実を追求することです。

そのさじ加減は難しくありません。初めから「結論ありき」「起訴ありき」の取り調べをしなければそれは達成できます。あくまでも真実を追求する姿勢を忘れないことです。

そしてもし見立てが間違っていた場合には、引き返す勇気を持って下さい。引き返すことはいつでもできます。過ちを正すのに、遅すぎることはありません。勿論、早いに越したことはありませんが、それでも引き返さないよりははるかによいものです。

常に正しくあるということを求められるのはプレッシャーがあると思います。そして正しくある状態を理想とすればするほど、間違った状態を受け入れられなくなり、それを否定・隠蔽するようになります。常に正しくあることは不可能です。しかし、常に正しくあるよう努力することはできます。その正しくあるための唯一の方法が、自ら過ちを正し、その原因を徹底追及して、再発を防ぐことです。それ以外にはありません。

そして被疑者・被告人を一人の人間としてリスペクトすることをお願いします。彼らには彼らの人生があります。あなた方は、その人生を左右する重要な責任を持っています。

私の息子の嘆願書を全文引用させて頂きます。

「八田隆は、国税局の方々からすれば、ただの調査対象の一人、あるいは犯罪者と見えてるかもしれませんが、僕にとっては大事な父です。そして僕も彼が犯罪者でないと確信しています。父は昔から仕事一筋で真面目にやってきました。

それをただ一回の誰にでもありうるミスで咎められるのはあんまりだと思います。父は無実故に犯罪者として扱われる事に苦しみと悲しみを感じています。応援する家族の側もみな同じ気持ちでいます。私達も国税局の方々と同じように生活し、家族、そして同じ人間であるという事をもう一度ふまえて父を犯罪者と決めつける前に人間として考えて欲しいです。」

あなた方にとっては毎日あなたの前を通り過ぎる何百人、何千人という被疑者・被告人のうちの一人かもしれません。しかしその被疑者・被告人にとっては人生がかかっていることをご理解下さい。

そして、もしあなたが被疑者の無実を知ることができた場合に、それでも起訴しなければいけない組織の要請があった場合はどのように行動するべきでしょうか。

当事者の私からすれば、組織の論理と対抗して、自分の信ずるところを突き通してほしいと思いますが、そうもいかない事情がある場合もあるでしょう。国税局査察部の捜査官は「上司が『お前は八田に騙されているのだ』といって納得してくれない」と真情を吐露してくれましたが、結局のところ私は告発されました。

私もかつては組織に属していました。上司と意見が異なった場合のベストの対処法は、彼らと対話の機会を持つことです。お互い納得いかなければ、ベストのパフォーマンスが期待できないことは、大きな組織のそれなりのポジションにつくような人物であれば、理解しているものです。何が組織にとってベストかを、長期的かつ建設的な視点でとことんディスカッションすれば、自ずと結論は出てきます。

それでも自分の正義が通せなかった場合は仕方ありません。フェアに証拠の全面開示に応ずることで、裁判所に下駄を預けるしかないのではないでしょうか。

司法の場は、検察にとって、有罪を勝ち取るゲームの場ではありません。真実を追求し、正義を追求する場です。それに異議を唱える方はいらっしゃらないと思います。そうでない場合には、ただちに公僕の職を去るべきです。そして、真実や正義の追求と証拠の全面開示が矛盾しないことは火を見るより明らかです。

司法修習生の中でも検事志望の方々は、一番正義心が強いと想像します。その初心を忘れることなく、重大な責務を全うして下さい。あなた方の秋霜烈日の気概に日本の正義はかかっています。

8/11/2012




ここをクリック→「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会動画ダイジェスト版」

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category: 刑事司法改革への道

2012/08/11 Sat. 06:21 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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