「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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上申書 (22/60) モレン淑子 

上申書 (22/60) モレン淑子

裁判所に提出する目的で、私の知人・友人に「あなたが裁判員になったとしたら」という観点で上申書を書いてもらうことを依頼しました。1ヶ月で60通の上申書が集まりました。ところが上申書の裁判所提出は検察の不同意で阻まれ、それはかないませんでした。彼らの正義を希求する声を無駄にしないために、本人の了承を得た上でブログでの実名公開に踏み切ります。

ここをクリック→ #検察なう (183) 「上申書に関して」

私はまじめな人間が好きです。「まじめ」というと、杓子定規でKYな奴という様に取られかねないので、言い換えれば、「生きることに一生懸命な人」です。

飲み屋でばか騒ぎしていても、真面目な話題になると突然顔付きが変わるような人が好きです。そういう人とはこちらも心して相対せねばならぬため、心地よい緊張感があるものです。

そしてそういう人ほど、他の人の人生に対しても敬意を払っています。上申書を書いてくれた60人はまさにそういう人たちだと思っています。

逆に、私が嫌いなのは、人生をなめている奴です。いきあたりばったりで、どうにかなるだろうという甘い考えを持っている人間です。「生きる」ことの大変さ、気高さを理解していない奴にろくな奴はいません。

そうした人間は他人の人生も軽視しがちです。

極端な例を挙げれば、北朝鮮の拉致実行犯です。彼らの言い分は、「国家のため。将軍様が言うのだから仕方ない」とでもするのでしょうか。

国税局査察部の取り調べで、「我々の仕事はあなたを告発することです」と言った統括官に対し、私は「あなた方は仕事は真面目かもしれないが、人間としては実に不真面目だ」と言いました。彼らの論理は、私にとっては北朝鮮の拉致実行犯のものと寸分違わぬように思えます。

今回紹介する上申書を書いてくれたのは、私の古くからの友人ですが、私の言うところの、実にまじめな奴です。更に最近パワーアップしたのは、母親としての慈しみまで加わりました。時折もらう応援メッセージにそれを感じます。

私の個人的マイブームは2年前始めたゴルフですが、昨年夏に石巻にボランティアに行ったことをきっかけに、遼ちゃんにならってバーディー募金を始めました。私としては、昨年末までの時限イベントのつもりだったのですが、年が明けてから、「今年もバーディー募金を続けてくれるとうれしい」というメールが届きました。彼女の全方向的な慈しみに敬意を表して、バーディー募金継続中です(なかなか募金に至っていないのが残念ですが)。

「上申書

私、モレン淑子は八田隆さんの無罪を主張いたします。

その理由は以下の2つの理由により脱税に故意はなかったと判断するからです。

一つ目は故意に脱税をする理由が八田さんにはないということです。

脱税の目的は一言で言えば収入をより多く得るため。八田さんが収入を脱税によりより多く得たいという理由があったとすれば、1.もうこれ以上働きたくない、または近々引退の予定があり今後収入が見込めない。将来まだ金銭的に不安が残る。2.もっと贅沢したい。

1に関して言えば、40代の働き盛り、ベアスターンズ在職中にニューヨークでお会いした時も、マネージングディレクターというタイトルを持つ人のプレッシャーをまるで楽しんでいるかのように忙しいながらも充実された毎日を送っていらっしゃるようでしたし、ベアスターンズ退職の後、ニューヨークで再びお会いしたときもどこかの会社の最終インタビューを翌日に控え働く気マンマンでした。おそらくその会社に決まり、今後は香港勤務になる可能性が強い。大変な仕事だと思うがとてもやり甲斐があると言っていた八田さんが、本人も言っているように1~2年で稼げるような金額のために人生賭けてまで危険を冒し脱税を試みるほどバカな人ではないと断言できますし、もし万が一故意で脱税しようとするなら、少なくとも本人名義で税務署が把握しているような口座への送金はしないだけの知識は最低限持ち合わせている人だと思います。そして頭のいい八田さんのこと、きっとより巧妙な手口を使い、そして万が一ばれた時のことも考えて様々な布石を打っていたでしょう。しかし実際の八田さんは常に前を向き、次の仕事へと情熱を燃やしていました。よって将来的金銭不安から脱税を考えるというようなことは決してなかったはずです。

2については、他の方もおっしゃっているように八田さんは贅を尽くすような生活を好む人ではありません。私が八田さんと初めて出会ったのは八田さんがまだソロモンブラザーズに勤務されていた頃ですが、当時も外資系証券のエリートサラリーマンということでそれなりのお給料をもらっていたと思うのですが、用賀のマンションは狭いワンルームでしたし、八田さんと一緒にごはんを食べる時はたいてい居酒屋でした。八田さんに一度「いつもジーンズだな」と言われたことがありますが、職場へは99%ワンピースを着て行く私でも八田さんとの食事は場所に合うジーンズに着替えて出かけていました。新橋で一度食事をしたときは路上で配っていた割引券の居酒屋だったこともあります。

八田さんは当初は鎌倉に家は持っていませんでしたが、贅沢だと言っていたバケーション用のアパートを最初に鎌倉に借りたのも離れて暮らしていた息子さんと一緒に週末を楽しく過ごすためだったと記憶しています。

一度車で一緒に出かけた時に降りる予定の一つ手前の高速出口で降りたので、「どうして?」と聞くと「ここで降りると60円(…だったかどうか覚えておりませんが微々たる金額でした)安いから」と外資証券で働く人の私の勝手な像を木っ端微塵にしてくれたこともあります。

クレディスイスで働き始め、ファーストクラスの飛行機でニューヨークへ出張に来ていた時でさえ、八田さんのニューヨークでのお買い物はアバクロの安い水着(この数十ドルでさえもかなり迷い、その日は決心がつかず、私は翌日時間のない八田さんのかわりに再びアバクロに出向き、彼の水着を買いホテルに届けるというメッセンジャーをさせて頂きました)やご自分のビタミン剤、息子さんのお土産にカルシウム入りのキャラメルビタミン剤、デンタルフロスといったもので高級ブランド買いには程遠いお買い物でした。

以上のように極めて普通のサラリーマン金銭感覚の持ち主かと思いきや、次のようなこともありました。

私が30歳後半にしてニューヨークに来て、再び大学生となり学位を取った後、もう少し専門的に勉強するために別の大学へ行くことを考え始めました。が、ニューヨークの生活費だけでも毎月ぎりぎりでこれに学費となると到底無理だと言う話を出張でニューヨークに来ていた八田さんに話した時に「1000万円くらいなら貸してやるよ」とまるで数万円貸すような調子で家族でもない、数年ぶりに会ったただの友達の私に言ったのです。「借りてもすぐに返せるかどうかわからない」と言うと、「出世払いでいいよ。」と。結局八田さんから借りることはありませんでしたが、八田さんの性格なら出世払い、無利子は大いにありえたと思います。

贅を尽くす生活を好む人ではないけれど、自分の持ってるお金をあっさりと人に差し出す、不仲になっていた弟さんのために借金を返してあげたり、人生波乱万丈の私に1000万円を出世払いで貸してくれようとしたり、決して自分の欲のために不正をしてお金を溜め込むような悪人ではありません。

脱税に故意がなかったとする理由の二つ目は、Option Exercise Formの記載について八田さんが主張する社員各個人に申告義務及び納税義務があるということを理解せず但し書きの設問を斜線で消したということは信じられるということです。

第一に、クレディスイスで調査を受けた約300名のうち約100名が海外給与を正しく税務申告せず無申告であったことは明らかに会社からの指導が行き届いておらず、申告・納税義務を知らないものが多数であったという説がもっともだと思います。

八田さんと同じようにこの但し書きを斜線で消しておきながら、正しく納税できていなかった方はどのくらいいるのでしょうか?その方々も皆故意に脱税の意思があったと言えるのでしょうか? 又、斜線で消した人も消していない人も含め一体何人くらいの人がこの但し書きを正しく理解していたのでしょうか?

きちんと申告していた200名の方にどのような理由で海外給与の申告・納税義務を知ったかと聞けば、税務説明会に出て知った、前に勤めていた会社でも株式報酬による海外給与があったから、いつも任せている税理士から海外給与の有無につて聞かれて知った、などがあるのではないのでしょうか。八田さんは税務説明会に出てもいなければ、株式報酬による海外給与を受けたのはクレディスイスが初めて、そして八田さんの税理士の方からも株式報酬による海外給与についての質問はなかったと思われます。八田さんと同じような経験をし、株式報酬による海外給与の申告・納税義務を知る機会がかなり限られたものであったという人たちが100名いたとしても全く不思議ではありません。

第二に申告義務及び納税義務があるということを理解せず但し書きの設問を斜線で消したと信じられる理由は、逆に八田さんがその意味を理解したという確固たる証拠がないことです。

まず、八田さんから相談を受けたかどうか思い出すことかできないと言っているシンガポールの経理部の女性の、「もし相談されたのであれば、きちんと説明し斜線を引くようアドバイスした」という部分だけを確かな証拠とするのは無理があります。

また、その説明があったとしても、その内容が八田さんが申告・納税義務があると説明されたのと、ただ単に会社は源泉の義務がないということだけを説明されたかでは大きな違いがあります。

例えば、高校は義務教育ではないので、高校へ行く義務はありません。しかし、中学を卒業した子供は高校へ行く義務はない=中学を卒業した子供は高校へ行かない、ではなく、高校へ行く子供もいるし、行かない子供もいる。

上記の例を当てはめると、会社に源泉の義務はない、は、会社は源泉しない、と100%イコールではないということです。

経理部の女性が八田さんから相談を受けたかどうか自体思い出せないと言っている以上、その説明が、会社に源泉の義務がない、だったのか、八田さんが申告・納税の義務がある、だったのかは彼女の中でもっと曖昧なのではないでしょうか。

仮に会社に源泉の義務がないというだけの説明であったのなら、本人に申告・納税の義務があるということを理解していなかったとしても無理はありません。

Option Exercise Formにも本人の申告・納税の義務があると明言されておらず、会社に納税の義務がない旨だけの記載であったことも同様です。

以上のように経理部の女性の方の八田さんから相談を受けたかどうかという記憶が曖昧である以上、その際きちんと説明したと言う彼女の説明内容は信憑性を欠くものであり、またOption Exercise Formの文章の記載自体も曖昧さがあり、正しい意味を理解し設問を斜線で消したと理解するには難しく、そこに脱税に故意があったと判断するには至らないと思います。

以上、八田さんに脱税をしようとする理由がないこと、そして申告義務及び納税義務があるということを理解せず但し書きの設問を斜線で消したという八田さんの主張は信じられる、という2点から八田隆さんには脱税の故意はなく、八田隆さんは無罪であるということを主張致します。

モレン淑子」

ここをクリック→ モレン淑子上申書











ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―





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category: 上申書

2012/09/22 Sat. 18:34 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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