「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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上申書 (26/60) 永末康子 

上申書 (26/60) 永末康子

裁判所に提出する目的で、私の知人・友人に「あなたが裁判員になったとしたら」という観点で上申書を書いてもらうことを依頼しました。1ヶ月で60通の上申書が集まりました。ところが上申書の裁判所提出は検察の不同意で阻まれ、それはかないませんでした。彼らの正義を希求する声を無駄にしないために、本人の了承を得た上でブログでの実名公開に踏み切ります。

ここをクリック→ #検察なう (183) 「上申書に関して」

冤罪とは一般にはマイナーな社会現象のように考えられているように思います。正直、私も当事者となるまではそれほど関心は寄せていなかったものです。

メディアの取り扱いも、まさに「取扱注意」で、それはやはり冤罪の議論には捜査権力、司法の誤りを指摘する公権力批判が内包するため、権力を安定させたいという暗黙の了解が邪魔をしているのだと想像します。

私の刑事告発の直後、取材された全国紙の記者の方の、「それでも八田さんは有罪になると思います。そうでなければ、私たち記者は怖くて記事が書けないですから」という言葉がそれを象徴しています。

社会全体が隠蔽体質の病魔に侵され、公権力は絶対正しいという虚構の上に成り立っているような気がします。

私も国民の一人としての自覚がありますから、やみくもに彼らの過ちを批判するだけではいけないと思っています。何が過ちの根本にあるのかを理解して、それを良い方向に持って行くための議論の場を提供しているつもりです。そして、不正義には不正義!とはっきりと言わないと、世の中がよくなっていかないことは明らかです。私の「#検察なう」のスピリットはそこにあります。

そうした議論に関わりたくない、という人も大勢見てきました。逆に「えー、そんなこと知らなかった。おかしいよね」と感じて、理解して、応援してくれる人も大勢います。こうした草の根的なムーブメントから何かが変わることもあるのではないかと信じています。

私のブログを読んで、メールを下さった方の中のお一人も冤罪被害者でした。そして彼女の巻き込まれた事件を、「ロボスクエア贈賄冤罪事件」と命名し、私のブログで紹介させて頂きました。彼女のような、また私のような冤罪被害者が一人でも社会からなくなることが私の願いで、彼女もその気持ちは同じだと思います。だからこそ、こうして上申書を寄せてくれました。

ここをクリック→ #検察なう (115) 「氷山の一角」

ここをクリック→ #検察なう (126) 「氷山の一角 パート2 『ロボスクエア贈賄冤罪事件』」


「上申書

謹啓

時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。

この度、八田隆氏の事件につき上申致します。

私は、八田氏のブログで「ロボスクエア贈賄冤罪事件」として紹介して頂いた永末康子と申します。現在控訴中の被告です。

八田氏との出会いは、私が一審の裁判中だった昨年12月頃、ツイッターを通じて八田氏を知った事が始まりです。

当時の私は、保釈はされたものの会社や事件関係者との接見禁止だったため、漫然と裁判が終わるのを待つ日々でした。自分の無実は誰よりも知っているのですが、その無実を訴える手段が裁判でしかない、と思っていたのです。

そんな時に八田氏の事を知り大変な衝撃を受けました。ブログを読みすすめていくと、事件の内容や規模は全く違いますが、私が自分の事件を通して知ったことや感じたことなど大変共感したのです。

裁判中にこのようなやり方で事件の詳細を公開していくメリットやデメリット、リスクなど様々あったかと思いますが、それを承知の上で公開している潔さなど、同じ被告として尊敬の念を抱きました。また、八田氏を応援する方々が書いた嘆願書に八田氏の兄貴分のような性格を感じたのです。

今年に入り、メッセージを送ったところ丁寧なお返事を頂いたことから、連絡をとりあうようになりました。

その後、私の判決の際は福岡まで傍聴に駆けつけて頂き、有罪判決を受けた後も自分の事のように励まし応援してくださり、大変心強い精神的な支えとなっています。

今回、八田氏の事件について、自由に思ったことを書いて欲しいということでしたので、私も書かせていただきました。自分の体験と重なる部分もありますが、ご容赦くださいませ。八田氏の事件で、私が知り得た情報は主にblogやツイッターです。裁判は、第3回公判を傍聴いたしました。

第1回公判についてはブログやツイッター等でしか情報はございませんが、この時の検察側冒頭陳述について八田氏の感想が、「検察官が全く金融の知識がないことが読み取れるということ、外資系金融業界のカルチャーも全く理解していないということを感じた」と述べられています。あくまで八田氏の感想ではありますが、被告の身としては見逃せないものです。ただ、個人的な思いだけでなく、誤った認識の元に捜査や裁判が行われていないかなど、皆さまに疑問を投げかけているものでもあると思います。同様の経済事件において、それぞれの業界の背景を知らずに捜査や裁判を行うことは、冤罪を引き起こす可能性も含んだ非常に危ういものです。

この事件についての検察側主張は、「会社の指導は十分で、八田氏は故意に脱税したのである」と認識しています。立証の柱となる証拠が会社側の書類であり、その中で源泉徴収されていない株式報酬について、「会社は源泉徴収の義務がない、すなわち会社が源泉徴収を行うことはない旨が明記されていた」ということでした。

これに対し、八田氏の主張は以下の通りと認識しています。

・会社側書類は全て英文であり、正しく理解することが困難であったこと。

・また「源泉徴収の義務はない」という文章について、「会社は源泉徴収をしていない」「自ら申告・納税しなくてはならない」と理解するのは難しいこと。

・仕事が忙しく、そのような英文の書類を隅々まで読んでいなかったし、その必要すら感じなかったということ

これらを認識の上で第3回公判を傍聴したのですが、証言された内容は、「今までの八田氏の主張が間違いなかった」、つまり「八田氏が故意ではなく、他の社員と同じ申告漏れしただけである」ということが立証された印象を強く感じました。

証人はクレディ・スイス証券で法務・コンプライアンス統括本部長でしたが、そのように思った根拠として、次のような証言をされていました。

・証人はコンプライアンスを担当しているものの、従業員の納税義務等についての指導の管轄は別部門であったこと。

・証人よると平成18年・19年当時、クレディ・スイス証券において、株式報酬に関する従業員の税務申告について、指導は行っていなかったこと。

・マスターシェアプランの説明会は行っているものの、確定申告が終わる時期(3月12日~16日頃)でもあり、任意参加であった。そして税務申告についての説明会ではなかったこと。

・証人自身も株式報酬について確定申告が必要であったことは、会社の文書からではなく、管理部門に確認して分かったこと。

・英文書類についての理解は個人の英語力に依存しており、全ての書類において日本語文書がついていたわけではないこと。

・法務・コンプライアンス部門にも、同じく申告漏れの社員がいたこと。

これらの証言は、会社の指導が十分であったとは到底言い難いものです。

また、同じ時期に税務調査で無申告であったことが発覚した約100人もの従業員と八田氏との違いについてを、証明しているものでもありません。

八田氏が、「日頃から特別に違うことをしている(フロントとしての業績は別として)」といったことや「悪質さが見受けられる」というような証言は、証人からはなんらありませんでした。

むしろこれらの証言は、八田氏が主張する事実を立証しているものといえます。

また事件前後の行動についても、八田氏もブログで述べていますが、事件を立証する上で非常に重要だと思います。

脱税事件であれば、事件前に脱税の方法に関する情報収集等をどのように行っていたか、また脱税する動機、そして事件後の仮装・隠蔽です。

検察官がこの点に全く触れていないことが、この事件が無理筋であったという印象をさらに強めています。

脱税と申告漏れの違いが「悪質さ」にあるとして、八田氏が友人・知人から集めた嘆願書やわずかな期間の交流ではありますがその人柄を見る限り、特に故意に脱税を行うようには思えません。

そして、私自身も実感しておりますが、「今の日本の裁判において否認することは、非常に無駄な努力であり、時間的にも精神的にも大変な苦痛を強いられるものである」ということです。

八田氏の場合、税務調査から告発~起訴まで3年近くかかっており時間的・経済的・精神的苦痛はもちろん、実名報道による社会的な制裁も十分に受けています。

否認して裁判が長期化することは、それらの損失を大きくするだけでなく、人生の時間をある意味無駄にすることです。

それでも否認し続けるのは、本当にシンプルに「真実を知ってほしい」、そして「自分に正直に生きていきたい」と思っているからだと思います。

「罪から逃れるためだけに否認しているわけではない」ということを踏まえて、被告の主張に耳を傾けて頂ければ幸いです。

今後、検察官による新たな証拠提出や立証が行われるか分かりませんが、現在までの状況を私が知りうる範囲で考える限り、八田氏は無罪であると確信しています。

今後の裁判において、八田氏を有罪とするに足りる立証を検察官が行っているかや、起訴までにいたる捜査の経緯などを含め、真実が解明されることを切に願います。

乱筆お許しくださいませ。

ご拝読ありがとうございます。

謹白

永末 康子」

ここをクリック→ 永末康子上申書









ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―





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category: 上申書

2012/09/26 Wed. 07:07 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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