「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

09« 2017 / 10 »11
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.

#検察なう (197) 「郷原信郎著 『検察崩壊 失われた正義』」 10/10/2012 

#検察なう (197) 「郷原信郎著 『検察崩壊 失われた正義』」 10/10/2012

(強制捜査から1394日)

“It’s only when the tide goes out that you learn who’s been swimming naked.”

アメリカの投資家、「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェットの言葉です。マーケットが好調な時は誰がリスクを過剰に取ってるか分からないけれども、マーケットが反転する時に初めてリスクを過剰に取っているのが誰かということが分かるとするものです。

世の中の見方が大きく変わる時があります。その時にその潮目の変化に気付かないと、本来隠し通したい部分がさらけ出されてしまうということがあるものです。現在の検察の状況がまさにそれです。

陸山会事件に関わる虚偽捜査報告書問題は、起こるべくして起こり、かつ今だからこそ、ここまで明るみにさらされているものです。

そしてその問題にスポットライトを当てる書が、郷原信郎氏著「検察崩壊 失われた正義」です。8月末の上梓依頼、売れに売れまくっているのはその潮目の変化があるからだと思います。そして虚偽捜査報告書問題を最高検が闇に葬ろうとする処分の在り方や、指揮権発動を考えていた小川前法相の更迭の政治的圧力及び彼の発言に対するメディアのバッシングを見る限り、潮目の変化を検察が読み取っていないことは明らかであり、メディアも同様なのかという思いです。

陸山会事件に関わる虚偽捜査報告書問題は、あくまで各論ですが、各論に留まらない象徴的な出来事です。検察はこれをあくまで各論として矮小化したいようですが、そうでないことはいずれ時代の検証が明らかにしてくれると思います。

まずこの本の紹介としては、アマゾンのリンクに格納された著者自らの紹介ビデオ(約10分)をご覧下さい(かなーり、郷原さん気合入ってます)。

ここをクリック→ Amazon 「検察崩壊 失われた正義」

この本に関する私の書評です。

「2012年8月30日上梓。以来、この手の堅い本としては異常なくらい売れている隠れたベストセラー。著者は検察批判の先鋒(この括り方も彼の「検察愛」からすると失礼であることを知りつつ)郷原信郎氏。

彼と陸山会事件の虚偽捜査報告書問題に関わる人たちとの対談を集めたものであるが、その対談の相手は全て当事者と呼ぶに相応しい面々で、読む前から期待は大きい。そして読んでもその期待を裏切らない内容であった。

そしてこの本の内容の充実度、見識の高さから、これは良識ある人であるための必読書であると言える。それだけ検察の問題は法治国家の根幹、日本の将来に関わる問題であり、それに関して正しく考えることは重要であることを強調してし過ぎることはない。

対談の相手は、小川敏夫氏、石川知裕氏、大坪弘道氏、八木啓代氏。彼らの声はまさに当事者としての生々しさをもって響く。

巻頭対談として置かれた小川氏の「検察は今後50年信頼回復できない」は非常に重要な意味をもつ。彼の、法務大臣としてどう考えたかということに関して歴史の裁断が下されるのは今後のこととなるが、もし検察が今後も変らないのであれば、彼の言葉は文字以上の重みを持ってくる。この対談だけでもこの本の価値はある。

石川氏の対談を読むと、最高検が、虚偽捜査報告書問題の処理に関し、彼を聴取することなく幕引きしたことの異常さが際立つ。佐藤優氏が引き寄せた運命かもしれないが、彼の行動は歴史的に意義があったと思う。

大坪氏は、虚偽捜査報告書問題の当事者ではないが、彼の対談が一番、この件に関し問題のありどころを明確に切り取ってくれている。郷原氏が弁護団に加わった彼の控訴審で、さらに検察の暗部にスポットライトが当てられることの期待が膨らむものである。

対談の締めは、歌手が本業でありながら市民団体「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」の代表を務める八木氏。この本の中で私が一番強く同意する部分を挙げよと言われれば、迷わず郷原氏と彼女の次のやり取りを挙げる。以下引用。

八木 「検察というのは日本で、逮捕権限と起訴権限の両方という、ものすごく強い権力を持っていますよね。日本というのは有罪率が99.7%という高率ですから、ほとんどの場合、裁判所ではなくて検察官の判断で、犯罪を行った人の運命が事実上決まってしまうわけです。それって神の力でしょう。それなのに、早い人だと司法試験に合格して20代後半で検察官になるわけですよね。そんな、まだ人生経験がそれほどない人が、人間の運命を決めていくわけですね。人間に枷もはめずに、そんな神の力を与えてしまって、そして5年10年とそれが当たり前になってしまったら、今回みたいに、重要な政治家であっても、いや、だからこそ、自分がこいつはやっちゃうべきだと思ったらやっちゃう。自分が総理にふさわしくないと思えば、選挙で選ばれても阻んでやる。そういうことに関して、それは絶対にやってはいけないことなんだ、民主主義を踏みにじることなんだ、お前は神様のつもりか、ということが、検事たちはわからなくなってしまっているんじゃないですか。」

郷原 「わからないでしょう。私が前に出した本の中でも言っているように、検察は天動説なんです。刑事司法の世界、刑事事件の世界しか見えないし、その世界は、全部自分たちを中心に回っている。その先に、太陽系や銀河系がみたいなものがあるかもしれないけれど、それは自分たちが直接関わりを持つ世界ではない。自分たちが関わりを持っている世界は、すべて、自分たちを中心に動いているという発想があります。それを根本的に正していかなければならない。それが結局、検察がこういう状況にまで追い込まれている本質的な原因と言えるのではないでしょうか。」

八木 「ええ。(中略)もうこうなってくると、例えば制度改正とか法律改正みたいな形で民主主義を守れるような方法を考えていくしかないですね。検察は悪いことはおそらくしないだろう、みたいな非常に日本的な信頼関係で成り立っていたものというのは、もう今、完全に崩れてしまったわけですから。制度的あるいは法律的なところで枷とセーフティネットを整備して、検察の暴走を防ぐ手立てというものを、きちんと作っていくしかないということになってしまいますね。」

冒頭でこの本は「良識ある人であるための必読書」と述べたが、一番読んでほしいのは検事たちである。全国2千数百人の検事・副検事に、官費でこの本を買い与えても、法治国家の第一歩となる出費としては余りにも安いものであろう。」

ここをクリック→ ブクレコ マイ・レビュー 「検察崩壊 失われた正義」

検察の問題は法治国家の根幹、日本の将来に関わる問題であり、それに関して正しく考えることは重要であることを強調してし過ぎることはありません。

その手引書として、この「検察崩壊 失われた正義」は最適のものであり、市川寛氏著「検事失格」及び森ゆうこ氏著「検察の罠」と合わせて読まれることをお勧めします。

そして更に理解を深めたい方には、郷原氏著の「組織の思考が止まるとき―『法令遵守』から『ルールの創造』へ」をお読み下さい。私が現時点で検察関連書で最良の書だと思っているものです。

昨日の明治大学駿河台キャンパスで行われたシンポジウム「検察の正義は失われたか?」でも石川知裕氏が述べていたように、我々国民一人一人のリテラシー(メディア・リテラシー、検察・司法リテラシー)を高めることが、遠回りのようで、一番世の中を変えるには効果的で確実だと思っています。私も自分が冤罪にからめ捕られて、一から学んだことばかりです。お手伝いさせて頂きます。

10/10/2012







ここをクリック→「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会動画ダイジェスト版」

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」 改訂版

ここをクリック→ 過去のお勧めブログ記事


ここをクリック→ 過去のお勧めブログ記事 Part2

ここをクリック→ 嘆願書まとめ





TwitterやFacebookでの拡散お願いします
↓ 

category: 刑事司法改革への道

2012/10/10 Wed. 07:44 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/tb.php/414-6ad7a759
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top