「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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冤罪ファイル その6 「御殿場事件」 

冤罪ファイル その6 「御殿場事件」

(強制捜査から1403日)

これは司法の自殺とも言うべき事件。このような理不尽がまかり通るということを多くの人が知ることは、捜査権力、司法機関の信用を著しく損なうというを彼らは理解すべきものです。

この事件に関しては、長野智子氏が精魂を傾けたノンフィクション「踏みにじられた未来」を是非お読み下さい。

ここをクリック→ 長野智子著 「踏みにじられた未来」

<事件経緯>
事件は2001年に起こった集団強姦未遂事件。犯人とされた当時中学生・高校生の10人が逮捕される。

ところが、暴行されたという少女は、実は出会い系サイトで出会った他の男性とのデートで帰りが遅かったことを言い訳するために「強姦された」と嘘をついていたことが発覚。その男性も裁判で、「犯行当日に会っており少女が『親には遅れた理由を誰かのせいにする』と言っていた」と証言。

その後、検察は犯行は別の日であったと訴因変更(これにより勾留されていた少年たちの仮釈放が認められるが、この時点まで少年たちは9ヵ月間勾留されていた)。

少年たちの自白調書が、当初少女が言っていた日時を基に作られていたため、多くの矛盾点を抱えていたにも関わらず、裁判所の審理が進み、検察の主張通りに裁判所が事実認定して実刑確定。

この事件を紹介する動画はこちらです。

ここをクリック→ 御殿場事件 (1/2)

ここをクリック→ 御殿場事件 (2/2)

<裁判経緯>
(ここでは主犯格とされる4人の経緯)
一審、懲役2年の実刑判決(2005年10月)→ 被告人側即日控訴→ 高裁、懲役1年6ヵ月の実刑判決(2007年8月)→ 被告人側即日上告→ 最高裁、上告棄却、懲役1年6ヵ月の実刑判決確定(2009年4月)

2009年5月末に収監、川越少年刑務所に移送・服役。仮釈放が認められず2010年夏、満期出所。

現時点では再審請求は行われていないが、2011年2011年12月21日付で元少年4人が静岡地裁沼津支部に被害者とされていた元少女である女性に対し民事の損害賠償請求訴訟を提起している。

<争点>
大きな矛盾は、被害者少女の供述の変遷、そしてそれに伴う検察の訴因変更から、そもそもの犯行日とされた期日が1週間前倒しとなったことによります。

1週間前にレイプされた(「強姦された」という当初の供述は、「生理だったため乱暴されただけ」と変っています)女子高校生が、その1週間後に出会い系サイトで出会った男性とのデートをするということの異常さが、裁判官には分からないのでしょうか。

そのほか主な争点に関して、長野智子氏のブログを引用します。

ここをクリック→ 長野智子氏ブログ 「判決の矛盾」

一審の判決は以下の通りです。

「変遷させた部分もあるが、それ以外は具体的で一貫している。」

犯行日の変更について→
「被害直後は恥ずかしくて、誰にも打ち明けようとしなかったとする心境は十分納得がいくもの。その後、男性と夜遅くまで会っていたことが分かって、母親に怒られるのを避けるため、言い訳として被害の事実を告げる心境は、15歳の少女の考えとして十分了解可能なもの。」

集団強姦未遂の被害を受けた少女が、その1週間後に男性会社員とデートするという不自然さについて→
「犯罪被害者がどのように受け止めるかは一概に言えず、少女が『男性なら誰でもいいから優しくしてほしい』という気持ちを持ち、行動することも十分ありうる。」

雨について→
「公園管理日誌に『9月9日天気雨』と記載されていることからすると、公園でも雨が降っていたことが認められる。しかし、周辺の観測地点で観測された降水量にはばらつきがあり、その地点でいくら降水量が確認されたからといって、具体的な降水量や雨の降り方まで推測されるものではない。」

少年たちの自白の信用性について→
「犯行日を『16日』としている点は、犯行を行ったこと自体は間違いないとして、犯行日については特段の意識を働かせていなかったと考えられる。少女の供述に引きずられた捜査官からの暗示ないし誘導によって、犯行日をそのように供述したことが伺える。しかし、日付は枝葉の部分であり、犯行の根幹部分について、信用性に合理的な疑いを抱かせるものではない。」

このとんでもない判決、そこに至る検察論告に関して、元検事の市川寛氏も強烈に批判しています。

ここをクリック→ togetter 元検事の市川弁護士が御殿場事件の話から「検事頭」について語る

<論評>
この事件での最大の被害者はいうまでもなく、冤罪により実刑に処せられ、今後もその十字架を背負わなければならない少年たちとその家族です。

しかし、被害者とされた少女もこの事件の被害者ではないでしょうか。勿論、彼女の嘘が全ての発端であることの重大な責任はあるでしょう。ただ、もし検察が少女の証言のほころびを正当に評価していたのであれば、また裁判所が検察の言い分を全て丸飲みすることなく、推定有罪という蛮行に及ばなければ、少女もまた十字架を背負って生きなければならないということにはならなかったと思います。

検察が「被害者と共に泣く」などということを思っているのあれば、それは傲慢以外の何物でもありません。何がこの「被害者」少女にとって捜査権力がすべきだったかを真摯に考えるべきです。

そして、少年たちは、当時は暴力団や暴走族とつながりがあった鼻つまみ者だったかもしれません。彼らを不当な方法で社会から排除することが、本当に正義なのかをよく考えるべきです。

最後に、長野智子氏の「踏みにじられた未来」に紹介された、少年と父親との間でやり取りされた手紙を紹介します。

鑑別所にいる息子と父との往復書簡:
「いつも迷惑ばかりかけてしまって本当にすみません。お父さん、お仕事忙しい中、面会に来てくれてありがとうございます。お父さんとは最近あまり話をしてなかったよね。自分でも分かっていたけど、なんか恥ずかしくて話せなかったよ。どうして俺はこんなにも親不幸なんだろう。一体どこまで心配をかけていくのだろう。もう今回で最後にします。もう心配はかけません 貴志」

「家族も友人も弁護士先生方も、誰もが皆、貴志のことを信じています。絶対に諦めないでがんばってください。お父さんや家族、友達のことは何も心配するな。貴志がしっかりすることだぞ。お父さんは命がけで無実を証明してみせる。貴志とお父さんは苦しいときは一緒だからな 父」

10/19/2012











ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―





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category: 冤罪ファイル

2012/10/19 Fri. 08:35 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

御殿場強姦未遂冤罪事件の特集番組をご覧ください
http://www.youtube.com/watch?v=RKm3u60NHMo&feature=channel&list=UL

dfd #z8Ev11P6 | URL | 2013/03/14 Thu. 23:50 * edit *

Re: タイトルなし

メッセージありがとうございます。

私もブログに書いています。

http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/blog-entry-421.html

世の中から冤罪が少しでもなくなりますように。


> 御殿場強姦未遂冤罪事件の特集番組をご覧ください
> http://www.youtube.com/watch?v=RKm3u60NHMo&feature=channel&list=UL

八田隆 #- | URL | 2013/03/15 Fri. 00:13 * edit *

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