「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (35) 「検察取調べのための帰国前夜」 9/9/2011 

経過報告 (35) 「検察取調べのための帰国前夜」 9/9/2011

いよいよ明日帰国です。これほどまでメディアの関心が高いことは予想しておらず、帰国直後から超過密スケジュールです。弁護士にも「聴取が始まるだけで報道されるのは、大物政治家くらいですよ」と言われています。喜んでいいものか。

ただここ数日は検察の取り調べどころじゃない状況が勃発し、奔走しておりました。これまで私立校に通っていた高2になる息子を公立校に転校させるつもりで、今までの学校を辞めることになりましたが、公立の学校の入学受付が、現地子女が9月末であるのに対し、海外子女が5月末であることを知らずにいたため、大混乱でした。しかし、なんとか受け入れてくれる学校が見つかり、明日朝面接です。私は面接の途中でそこから飛行場に向かうことになります。

前回の経過報告では、若干悲壮感が行き過ぎたようで、大変皆さまにご心配をかけ、本当に多くの方からメッセージを頂きました。申し訳ありません。本人は至ってさばさばしたものです。ようやく検察に話が聞いてもらえるかと思うと、むしろうれしいくらいです。勿論、前回もお話ししましたように、逮捕や起訴の可能性は少なからずあります。そうなればさぞかしやショックなことだと思います。ただ最終的にはなんとかなると思っています。それは甘い議論なのかもしれませんが、やはりどこかで人間を信じているんだと思います。正義や良心といったものを信じているんだと思います。

聴取開始の記事をご覧になった方は、「あ、この記事はきちんと取材して書かれてるな」とか「ああ、これは裏付け取材なしに書かれてるな」とお分かりになったと思います。

昨年2月の告発時点では、事前に被疑者である私と接触することが認められていないため、憶測で記事が書かれたことは仕方ないことだと思います。しかし、1年半以上の十分な時間があり、私もメディアに継続的に情報を発信しているにもかかわらず、全国紙が誤った記事を掲載するということに驚いてしまいます。

例えば、私が申告もれをしていたのは、ストック・オプションが全くないわけではないものの、大部分は海外給与であるところの会社の現物株の取得額です。しかし、いまだに「ストックオプションの行使利益」が申告漏れの全てであるかのような記載があり、このことだけで、まったく分かってないなと思ってしまいます。

しかしそれはそれ程重要なことではありません。支払いの形が、現金であれ、現物株であれ、ストックオプションであれ給与に変わりはないからです。

それより重要なのは「『申告義務はないと思っていた』と犯意を否認している」という部分が誤解を招きやすいと思っています。私は、この3年近くの間に一度たりとしてそうした主張はしたことがありません。株をもらった時に、それは給与の一部としての認識はあり、給与であれば当然申告の義務はあると思っていました。そして税金も払っていると思っていました。

その理由は、給与である以上、所得税は給与天引きだと思っていたからです。そして会社からの給与は、株も含み全て源泉徴収票に記載されており、それを税理士に提出してさえいれば私の税務は完了、という認識でした。

つまり、この事件を、外資系に特殊な事件であると思うと本質を見失ってしまいます。私はバリバリ外資系の会社員でしたが、税務に関しての認識は、日本のサラリーマンのそれと全く同じだったからです。国税局の取調べの際にも、「(国税局のある)大手町を歩いているサラリーマン、100人に聞いて下さい。『あなたの給与所得の税金は給与天引きですか?Yes or No?』。私は彼ら100人が100人、Yesと答えると思います」と言ったものです。それがサラリーマンの「常識」だからです。経緯説明の中では、海外給与の別途申告、別途納税が、外資系会社員にとっても「常識」ではないことは説明させて頂いたところです。

また「聴取を始めた」という内容ではなく、「立件する方針を固めた」とした記事に関して、ある記者の方と話をしていて本当に残念だと思ったことがあります。その方がおっしゃるには、「『立件する方針を固めた』ということには何のニュースバリューもない。なぜならそれは動かし難い既定路線であり、当たり前のことだから」とのことでした。聴取をすることなく、立件を決めているということの異常さに何ら関心を払わないことに加えて、彼が続けたのは「しかし、これが不起訴にでもなろうものなら、大変なことです。それは冤罪だからです」という言葉でした。つまり、当局が自らの誤りを認めなければ冤罪は生まれず、自らの誤りを認めて初めて冤罪となる、それは検察の無謬性を疑いもしないということが前提となっているのでしょう。

そして極め付けは「私が、あなたの告発の記事を実名で報道したのは、告発イコール起訴イコール有罪だからです。そうじゃなければ怖くてまともに記事なんて書けません」という言葉でした。まさに報道が冤罪のマッチポンプの一端を担っていると言ってもいい実状です。彼は自称「この道幾年ベテラン記者」ですが、検察が変わる前に彼のようなメディアが変わることが必要なのではないかと強く思った次第です。

今後、検察の取り調べが進行するにつれ、報道での露出も増えることも考えられ、皆さまにご心配をかけることもあろうかと思います。前もってお詫びすると共に、変わらず応援して下さるようお願い申し上げます。

今回の帰国は片道切符です。カナダに戻る日程は全くの未定です。勿論、来週の月曜から3日間の取調べで事が終わるわけではなく、ようやくこれからの長いみちのりのスタートに立ったということです。最後まで諦めることなく、頑張りたいと思っています。

それでは日本で。

9/9/2011

P.S.
ホリエモンが私の事件に関して言及しています。他人事のように「すげー!」とフェースブックに書き込んでしまいました。

彼の個人的なメアドは知らないので(といっても収監中ですが)、購読している彼のメルマガの配信アドレスにそのまま返信して、「拝啓 堀江貴文様」と手紙を書いてみました。届くかなあ。


ここをクリック→「その検事、凶暴につき 堀江貴文インタビュー」


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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/09/26 Mon. 17:15 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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