「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (284) 「検察控訴における一審判決破棄率」 4/1/2013 

#検察なう (284) 「検察控訴における一審判決破棄率」 4/1/2013

(強制捜査から1567日、検察控訴から20日)

刑事裁判において、有罪方向のバイアスが著しく強いことは、確定判決に占める有罪率の異常な高さに表れています。それは、平成23年においては99.98%にまで達しています(確定判決43万2050件中無罪は77件、出典:平成24年版法務省犯罪白書)。

それは一審における有罪率の高さにそのまま当てはまるものですが、有罪方向のバイアスの強さを示すものとして、それと同等あるいはそれ以上に顕著であるのが、検察控訴による一審判決破棄率の高さです。

その常軌の逸し方を感じてもらうためには、まず刑事裁判における控訴審の性格を理解して頂く必要があります。

個人対個人の民事裁判の控訴審においては、一審の審理を基礎としながら、新たな訴訟資料の提出を認めて事件の審理を続行します。皆さんが普通にイメージする、控訴審において「もう一回審理をやり直す」というものがこれです。これを「続審」と呼びます。

これに対し、個人対国家の刑事裁判の控訴審においては、事件そのものについて判断するのではなく、一審判決に誤りがあるかどうかを審理します。控訴審においては、一審の訴訟資料によってのみ判断されるのが原則であり、口頭弁論が再開されることは通常ありません。被告人の私には出廷義務すらありません。これを「事後審」と呼びます。

刑事裁判の一審においては、検察起訴状が審理の対象となるのに対し、控訴審においては、一審判決文が審理の対象となります。その判決文が法律的に正しいかどうかを審理するのが刑事裁判の控訴審の性格です。

今回の私の無罪判決に対して検察は、控訴審で審理対象とされる判決文が完成されることを待つことなく控訴していますが、それは、そもそも司法制度のあるべき姿を完全に無視した無茶苦茶なことをしているわけです。この「何がなんでも控訴」という姿勢は、公益の代表者としてはあるまじきもので、上訴権の濫用と言うべきものです。検察上訴権は、日本の司法制度の大きな欠陥であり、これまでにもブログで主張してきた検察上訴権の撤廃法制化の重要性は強調してしすぎることはないものです。

刑事裁判の控訴審は、以上で述べたように、本来事後審としての性格を持ち、一審判決が尊重されるべきであるにも関わらず、検察が控訴した場合においては、一審判決が覆されることが日常化しているという異常な状態です。

検察控訴における一審判決の破棄率の推移は以下の通りです。
平成19年 69.2%
平成20年 68.8%
平成21年 69.9%
平成22年 65.5%
平成23年 71.6%
(出典:司法統計年報)

上に示した検察控訴における一審判決破棄率は、量刑不当を理由とする検察控訴も含んでいます(例えば、検察求刑が、実刑を求める強いメッセージである3年を越える求刑、例えば4年であったのに、判決が懲役2年6ヵ月で執行猶予がついた時に、「ぬるい!もう一丁!」と検察が控訴し、量刑が控訴審で重くなったような場合を含んでいます)。

更に、無罪判決がひっくり返って有罪になったという場合に限定すると、平成23年では40件中32件と、実に80%が一審判決破棄で有罪となっています(出典:法曹時報第64巻第11号)。

検察控訴における一審判決破棄率の異常なまでの高さは、被告人控訴における一審判決破棄率と比較すると、更に際立ちます。
平成19年 12.7%
平成20年 11.6%
平成21年 10.3%
平成22年 9.9%
平成23年 9.0%

奇跡的に一審無罪であったとしても、他の先進国では一般に認められていない検察控訴により8割方控訴審でひっくり返されるという非常に厳しい現実がそこにあります。東電OL殺人事件のゴビンダさんしかり、名張毒ぶどう酒殺人事件の奥西さんしかり、彼らの一審無罪は、検察控訴により非情にも覆されています。

私はこの現実をどう捉えているか。

コップに半分水が入っている場合の、「半分入っている」と考えるのか、「半分しか入っていない」と考えるかの例ではありませんが、私は検察控訴でも20%も無罪維持の可能性があると考えています。

検察に自浄能力がないことは彼らが検察控訴で実証したところです。そして、最強国家権力がガチに個人を叩き潰しにきて、2割の確率でそれをはねのけることができるというのは、むしろとんでもなくすごいことなのではないでしょうか。

人民の歴史を振り返って、国家権力に対する革命的闘争では、もっともっと少ない確率を戦ってきたものです。それを2割もの高い確率で成し得ることができるというのは、むしろ圧倒的優位に立っていると言っていいと思います。

現在の状況は、フルマラソンを走った後に、「よーし、あとトラック10周!」と言われているようなものですが、「おっしゃ!20周でも30周でもいったるわ!」とぶっちぎる気迫で臨むものです。

是非とも引き続きご支援のほど、よろしくお願いします。

4/1/2013










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ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

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category: 刑事司法改革への道

2013/04/01 Mon. 08:09 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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