「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (44) 「検察取調べ第七回」 9/23/2011 

経過報告 (44) 「検察取調べ第七回」 9/23/2011

連日の取調べです。今日はスタートこそ1時半でしたが、終わりは9時。相変わらず長時間の耐久レースです。

検察は本当によく調べ上げています。そこまで調べ上げているのであれば、脱税を意図しているとするなら不合理だと思われることが山積みだということも分かっているだろうにと思ってしまいます。

故意ではなく過失をもって過少申告となったということを証明するのは「悪魔の証明」です。わざとやったということの証拠はありえても、わざとやったのではないという証拠を提示することは本当に困難です。

しかし、もし脱税をしていたとするなら、不合理な行動は、私ですら、いくつもいくつも挙げることができます。

例えば私の確定申告の仕方は、脱税を意図していたとすると非常に不自然です。税務調査対象年は2005年―2007年でしたが、私の確定申告の仕方はそれぞれの年で異なっています。

2005年-私はそれ以前の8年間、知り合いの税理士に書類を提出して確定申告を頼んでいましたが、彼の過怠で完全無申告となっていました。それを知って驚いた私は、友人の弟の弁護士に依頼し書類を取り返しました。そしてその弁護士に紹介してもらった税理士に無申告分の過年度申告を頼みましたが、その最後の年がこの年でした。もし脱税を意図するのであれば、税理士の過怠で無申告であることはかえって好都合であり、わざわざ彼から書類を取り返して過年度申告などしなかったことでしょう。

2006年-前年の経験に懲りて、一度自分でトライしようと思い、自分でインターネットを使って申告をしたのがこの年です。ところがこれが意外に大変。随分と時間がかかってしまい、3月15日の締め切りに間に合わず、期限後申告となってしまいました。脱税を意図するのであれば、税務署の目を引く期限後申告は避けることでしょう。私はこの期限後申告により、期限内申告よりも随分厳しい延滞税を課される結果となっています。

2007年-これまた前年の経験に懲りて、2005年の過年度申告をお願いした税理士に確定申告をお願いしました。もし脱税を意図するのであれば、面識のない税理士に脱税の片棒を担がせることなく、自分で申告したことでしょう。犯罪は共犯者が少なければ少ない程露見する可能性が低いものです。

査察部の強制捜査は通常、罪証隠滅を避けるため相手の不意をつくのが通例です。しかし私のケースでは、まず料調(資料調査課)の税務調査があり、マル査の強制捜査はその1ヶ月後です。これは彼らにとっては逆に証拠集めに有利な状況です。なぜなら、もし私がやましいことをしていたのであれば、その1ヶ月間のメールで、かならず馬脚を露わすからです。皆さんも、もしある人物の一連のメールを読んで、そのメールを書く者が、最初から3億の脱税をしようとしていた人間であるか、それとも最初は全く自分の身に覚えのないことと思ってのんきに構えていたけれど、実は意図しない過少申告であることが分かり、状況が明らかになるにつれ、追徴税額が数百万から数千万そして億を越えるに従ってビビりまくっている人間であるのかの判断は、実に容易につくと思われるのではないでしょうか。

そして最近、脱税を意図していたとすると一番不合理な行動であろうと私が思っているのが、国税局査察部の強制捜査が入った段階で、弁護士を雇っていないことです。考えてもみて下さい。マル査が捜査に乗り出したということは立件を目指していることは明らかです。立件されれば当然有罪とされ、犯罪者のレッテルを貼られてしまいます。もしそのリスクを大きいと評価するなら(やましいことがあれば当然そうでしょう)直ちに弁護士を雇って対策を講じるのではないでしょうか。私は自分の無実を知っていましたので、査察部の捜査能力があれば、私が嘘をついて否認をしているのか、本当のことを言っているのかは分かってくれるものと思い、告発されることなど全く予期していませんでした。告発までの15カ月を一人で戦い、証拠がないと国税局自ら認めながらも告発されたことで、私の認識が甘かったことを知り、今仕事をお願いしている弁護士を雇ったものです。

そのほか脱税を意図していたとすると不合理な行動は数多くあります。しかし、先日も述べましたように、検察の作る供述調書は、必ず彼らの問いに私が答える形で作られ、私の主張を自由に盛り込むことは非常に困難です。それでも何とか機会を伺い、私に有利であるということを調書に盛り込む努力をしています。そのためには検事のペースを乱す必要があり、彼が怒りに口を滑らす瞬間や、調子に乗って反論で深追いするような状況を作り上げなければなりません。肉を切らせて骨を断つ交渉術が必要です。取調べのプロ相手にそうした切った張ったの議論をするのは本当に緊張を強いられます。公判における調書主義というのは被疑者にとって本当に不利なものだと思っています。

しかし真実は私に味方すると信じて諦めずに戦っています。この段階で、逮捕の可能性は低くなったと言ってはいますが、やはり毎日の取調べ終了間際には緊張してしまいます。母が縫ってくれた座布団を毎日取調べに持参しています。準備をしていればその準備が不要となるであろうマーフィーの法則を信じて、お守り代わりに持参しています。

数多くの人から毎日励ましの言葉を頂いております。ありがとうございます。

明日も取調べが午後1時半からあります。気合です。

9/23/2011


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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/09/26 Mon. 17:53 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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