「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (298) 「佐藤真言氏インタビュー「私は刑務所に入ることなどしていない!」ダイジェスト」 5/23/2013 

#検察なう (298) 「佐藤真言氏インタビュー「私は刑務所に入ることなどしていない!」ダイジェスト」 5/23/2013

(強制捜査から1619日、検察控訴から72日)

私のブログを読んで下さっている方の多くは、佐藤真言さんの名前はご存知かと思います。先日、彼のロング・インタビューがライブ配信されました。また、その録画が、Youtubeに格納されています。合計2時間半の長尺ですので、お時間のない方のためにダイジェスト版としてビデオを編集し、重要と思われるところをハイライトします。

佐藤さんは一審、控訴審ともに有罪判決を言い渡された後、「死刑弁護人」安田好弘弁護人を中心に弁護団を刷新して上告中です。現在進行形の事案であり、最後の大詰めを迎えています。

やはり本人の口から語られるものは、文章で読むものより格段に多くのものを伝えると思われます。動画をご覧になって、文章では伺えない彼の人柄などを感じて頂ければと思います(本をお読みでない方はビデオ①②を、既にお読みの方は②③を是非ご覧下さい)。

まずその前に、郷原信郎氏のコメントを引用します。これは『四〇〇万企業が哭いている 検察が会社を踏み潰した日』が上梓された際、著者の石塚健司氏と彼が「検察捜査の刃が普通の市民に向けられるとき」と題した公開対談をした時に郷原氏が述べた言葉です。

「世の中には法令に違反することであっても、実質的にみると社会の要請にはそれほど反していないことがたくさんある。違法かどうかの判断は、必ずしも社会的評価と一致しない部分がたくさんある。違法な行為の中で、重大なもの、悪質なものが刑事罰の対象となるべきであって、刑事罰として処罰すべきかどうかの判断は、法令違反として問題とするかどうかの判断を含んでおり、だからこそ検察の判断は重要である」

検察の訴追裁量権に関して言及したもので、法令に違反しているかだけではなく、悪質であるのか、社会的要請に合っていないのかを判断した上で起訴をすべきだとするものです。元特捜検事であり、検察の在り方検討会議委員でもあった郷原氏の言葉は、非常に重いものです。

佐藤さんのインタビューに移ります。

ビデオ①は、事件の経緯に関して彼自身による説明です。

彼の関わる事案と相似形の事案がまずあり(みずほ銀行不正融資事件)、その構図に佐藤さんがはめ込まれたことを説明しています。そして、その「経営コンサルタント―税理士―中小企業社長」というトライアングルの中でも、「経営コンサルタントが悪である」という検察の見立てによる佐藤真言首謀説が、検察のストーリーです。

金額が上場企業の粉飾決算と比較すると桁が2つも3つも違い、ほぼ既成事実化している中小企業の粉飾決算の悪質性を際立たせるため、更に検察が利用したストーリーが「震災保障制度を悪用した」というものでした。

それは、当時の検事総長であった笠間治雄氏の「震災(を悪用した事案)だけは徹底的にやれ」との指示に従ったとされます。しかし、笠間元検事総長の真意は、返還する義務のない補助金が対象であり、石塚氏の取材に、笠間元検事総長は「悪意のない、震災保障付融資までやれと言ったわけではない」と答えたという内情も暴露されています。

また、トライアングルの一角、中小企業社長朝倉亨氏が高裁に提出した陳述書の一節も紹介されています。引用します。

「取調べの内容は、「佐藤さんが積極的にエス・オーインクの粉飾を指南したんだろ。保障付融資の話は佐藤さんが持ちかけたのだろ」という内容に終始しておりました。私が何度も事実をお話ししても、担当検事は違うだろと言い放ち、長時間に亘って何度も同じ話をしたり、急に話をすり替えたり、論理的ではない話をしたりして、自分たちの思い描いているストーリーに沿う方向の供述を強要されました。この時、検事が机を叩いたり、私に経営者としての資格がないと罵声を浴びせたり、それは耐えがたい取り調べ状況でした」

朝倉さんは、上告棄却で既に実刑が確定しています。私もお会いしましたが、実直な気持ちのいい方です。なんのための刑罰だと考えさせられます。

ここをクリック→ 佐藤真言氏インタビュー・ビデオ① (約14分)

次に添付したビデオは、この事案の核心部分です。是非ご覧になり一緒にお考え下さい。

返済しないつもりで粉飾決算をして借入をするわけではなく、銀行は過去においてこうした事案で刑事事件として被害届を出したケースはないと佐藤さんは説明します(通常は民事の貸金返還請求。本事案の被害届は、検察に促されて提出)。

検察の主張は、「確実に返済する当てがない借入は詐欺」というものですが、これは過去の判例にはない事実認定です。そして、佐藤さんの弁護団の主張は、返済できる蓋然性が高ければ、「確実に返済する当て」が必ずしもなくても詐欺行為とは認められないとするものです。どちらの方が社会通念に則しているでしょうか。

そしてこうした検察の主張する事実認定が判例となれば、多くの真摯に活動している税理士、コンサルタント、中小企業社長を委縮させることになるとも指摘しています。

ここをクリック→ 佐藤真言氏インタビュー・ビデオ② (約5分)

先に引用した郷原氏の言葉は、検察の在り方について言及したものですが、裁判官はそれを理解しても、なかなかその通り判ずることが難しいと思われます。法令を厳格に適用しようとすればするほど、「社会的要請」からは離れていくというジレンマが生じます。しかし、彼らは判例主義であるがゆえ、過去に類似事案で判じたものがあれば、ハードルは一気に低くなります。安田弁護士を中心とする新弁護団のとる戦略は、とにかく過去の判例及び文献に当たるというもので、それは有効だと思われます。

ここで添付する最後のビデオに、その新弁護団の成果が表れています。過去の判例や、法曹関係者の寄稿を引用していますが、その中の一つ(昭47.6.17東京地裁判例)を引用します。

「客観的に財政的、営業的に行き詰まり、容易に倒産に至る可能性があり、金員の返還の約束が実現できないという惧れもかなり大きかったこと、そのことについて被告人も十分に認識し、破産するなどしてこれが不能となる惧れあることを知っていたこと、ただ被告人らとしてはそのような違約の結果の発生を自ら意図していたのではなく、契約の履行の意思があり、事業継続のために努力を積み重ねていたことなどの事実が認定できると帰するところ、被告人には確定的犯意があったということはできない」

ここをクリック→ 佐藤真言氏インタビュー・ビデオ③ (約6分)

この事件は、地検特捜部という強大な権力の刃が、巨悪どころか、全く悪意のない一般市民に向けられたもので、その実情は、検察によって作られた犯罪というにふさわしいものです。単に杓子定規に法令を適用した結果、返済能力のあった会社を倒産させ、貸し手の銀行に実損を与えたものです。また、それが厳格には法令違反だとしても、裁判官の実刑判決は、著しい量刑不当であり、人権侵害を招いています。罰は常に罪に対して適正に科されるべきであることは論を待たないと思われます。

『四〇〇万企業が哭いている 検察が会社を踏み潰した日』や佐藤さんの書かれた『粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白』未読の方にはお勧めしたいと思います。

ここをクリック→ Amazon 『四〇〇万企業が哭いている 検察が会社を踏み潰した日』

ここをクリック→ Amazon 『粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白』

是非、この事件のことを知り、刑事司法の問題を認識して頂ければと思います。

5/23/2013









ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会ダイジェスト版」(動画)


ここをクリック→ 嘆願書まとめ

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category: 佐藤真言氏 『粉飾』

2013/05/23 Thu. 07:40 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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