「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (303) 「国連拷問禁止委員会での日本に対する批判に関し」 6/13/2013 

#検察なう (303) 「国連拷問禁止委員会での日本に対する批判に関し」 6/13/2013

(強制捜査から1640日、検察控訴から93日)

先日来、5/22の国連拷問禁止委員会での上田秀明人権人道担当大使の発言が物議をかもしています。

ここをクリック→ 6/5 東京新聞『国連で日本政府代表「笑うな、黙れ」』

たしかにこの発言そのものはほめられたものではありませんが、そこにばかり注目していると、彼にその発言をさせた伏線である「日本の刑事司法は中世のように旧式(”medieval”)である」という国際批判の評価が軽視されるのではないかと危惧します。

国連拷問禁止委員会(Committee against Torture)は、1984年国連総会で採択された拷問等禁止条約(Convention against Torture and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment or Punishment)の批准国における実施状況を監視するために設けられています。この拷問等禁止条約には日本も1999年に加入しています。

ここをクリック→ 外務省HP 拷問等禁止条約

そして加入国は、いかに問題に対処しているかのレポートを順番に年2回開かれる国連拷問禁止委員会に提出する義務があります。日本は2007年に一回目の報告を行い、今回が二回目の報告だったものです。

日本は以前から、国連拷問委員会から数々の勧告を受けていました。しかし、今回の報告に際しても改善が見られていないとして委員会委員の「中世的だ」との批判になったものです。

そして今回の日本の報告を受けて、国連拷問禁止委員会から次の勧告を受けることになりました。これらの勧告のほとんどが以前から受けていたものです。

ここをクリック→ 拷問禁止委員会 日本政府に対する第2回勧告

勧告の内容は、24項目(通し番号7番~30番)に及びますが、その主たるもの17項目(7番~23番)に関しては、問題点及び改善指示が併記されています。太字で書かれたものが国連拷問禁止委員会からの改善指示です。

その24項目には「代用監獄(10番)」「取調べ及び自白の取扱い(11番)」「従軍慰安婦問題(19番)」「体罰(23番)」などがあります。

特に英語の”Daiyo Kangoku”にもなっている代用監獄問題は、拷問そのものであると国連拷問禁止委員会が厳しく非難しているところです。

改善指示を引用します。
“Consider abolishing the Daiyo Kangoku system in order to bring the State party’s legislation and practices fully into line with international standards.”
(「国レベルの法的措置を実施すべく代用監獄制度を廃止し、国際的な基準に則った運用をしなければならない」)

代用監獄に関しては、以前にもブログで書いていますのでご参照下さい。

ここをクリック→ #検察なう (249) 「Daiyo Kangoku」

「取調べ及び自白の取扱い」の項目では、弁護士が同席しない状況で、先に挙げた代用監獄のような環境下で取調べが行われることの懸念が繰り返し述べられています。また自白の信用性を担保するために、様々な手段を講じることを勧告され、特に、取調べ可視化の改善指示もなされています。

“The State party should take all necessary steps to in practice ensure inadmissibility in court of confessions obtained under torture and ill-treatment in all cases, inter alia”
“Implementing safeguards such as electronic recordings of the entire interrogation process and ensuring that recordings are made available for use in trials.”
(「批准国は、いかなる場合でも、拷問や不当な扱いで得られた自白が、裁判所に証拠調請求されることがないよう、実効的な手段を講じる必要がある、なかんずく」
「取調べの全過程の電子的な記録といった予防手段を実施し、その記録が公判で用いることができるよう保証しなければならない」)

また、従軍慰安婦問題に関しては、
“Educate the general public about the issue and include the events in all history textbooks, as a means of preventing further violations of the State party’s obligations under the Convention.”
(「この協定に基づく批准国としての義務を今以上に違反することないよう、一般市民をこの問題に関し教育し、全ての歴史の教科書にこのできごとを含まなければならない」)

体罰に関しては、
“The State party should explicitly prohibit corporal punishment and all forms of degrading treatment of children in all settings by law.”
(「国は、全ての環境において子供の体罰及びいかなる不当な扱いも明示的に禁止、法制化しなければならない」)

とあります。至極真っ当な指摘だと思います。

またこの条約の補足として、刑事施設に独立した国際的ないし国内機関が視察し、条約に定める拷問やその他の残酷、非人間的或いは品位を傷つける扱いや刑罰が行われていないかを調査することのできる選択議定書(OPCAT: Optional Protocol to the Convention against Torture、72カ国署名、68カ国批准済み)が2002年に国連で採択されていますが、日本は現時点で依然これを認めていません。

こうした国際的な批判に関し、国内で「官僚・政治家の失言」レベルとは違う次元で議論されることが必要なのではないかと思います。

6/13/2013











ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会ダイジェスト版」(動画)


ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

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category: 刑事事件一般

2013/06/13 Thu. 08:00 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

「代用監獄(10番)」「取調べ及び自白の取扱い(11番)」「体罰(23番)」については考えなければ問題だとは思いますが「従軍慰安婦問題(19番)」についての指摘は全く受け入れられません。これは国連での中韓のロビー活動の結果です。よくお調べください。

明日のじょーでぃまじお #YQrt9gCs | URL | 2013/06/15 Sat. 01:16 * edit *

Re: タイトルなし

ご意見ありがとうございます。私も「国連での中韓のロビー活動の結果」に賛同するものです。従軍慰安婦問題に関しては、国民の理解が不十分というのが最大の問題です。そのため、一部の事実が針小棒大として評価されているかのように思います。即ち、韓国女性の強制売春を事実無根とするのも正しくなければ、それが全てであり、日本国が全く不誠実に対応しているというのも真実ではないと思っています。また敢えてこの件に関しての自分の見解を述べさせて頂ければ、韓国の反日キャンペーンにのった従軍慰安婦糾弾の動きはシーシェパードに近いものがあるという印象です。主張は正しい部分もある、但しその主張の仕方がそもそもの理解を求めるようなものではない、更に利権団体が背後にある悪質なケースもあると思われます。しかし、我々国民はそれに対して正しい反論ができない、これこそが問題ではないでしょうか。そしてそれはひいては、「くさいものにはフタ」「お上に任せておけば下々は知らなくてもいい」という教育の問題だと思います。そうした点で国連拷問禁止委員会の指摘に一理あると思ったものです。ただここで書いたことに関しては、全くの個人的見解であり、ブログでは敢えて表現しなかったものです。この社会には国民の知らないことが多過ぎます。そしてそれが苦労して調べて理解しなくていけないようではいけないと思っています。引き続きご注目頂き、ご指導賜れば幸いです。



> 「代用監獄(10番)」「取調べ及び自白の取扱い(11番)」「体罰(23番)」については考えなければ問題だとは思いますが「従軍慰安婦問題(19番)」についての指摘は全く受け入れられません。これは国連での中韓のロビー活動の結果です。よくお調べください。

八田隆 #- | URL | 2013/06/15 Sat. 01:35 * edit *

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