「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (305) 「 検察審査会制度とその問題点 その2」 6/20/2013 

#検察なう (305) 「 検察審査会制度とその問題点 その2」 6/20/2013

(強制捜査から1647日、検察控訴趣意書提出期限まであと11日)

前回のブログで検察審査会の制度のあらましと問題点を指摘しました。検察審査会制度の本来の趣旨は、検察に公訴権の独占をさせることなく、彼らの過ち(起訴猶予の濫用による不当な不起訴)を正すものであり、検察とは対峙する機関です。

ここをクリック→ #検察なう (304) 「検察審査会制度とその問題点 その1」

最近のPC遠隔操作事件の取調べ全面可視化に徹底抗戦する検察の姿勢を見て、彼らは既得権益を手放すことには容易ではなく、公益の代表者とは到底言えないということは徐々に国民の理解するところとなっています。それを理解した上で、前回のブログの検察審査会制度の歴史的経緯を見て、違和感を感じたとしたら、あなたの「検察力」は相当なものです。

設立の際、検察審査会の議決に法的拘束力を頑として与えなかった法務・検察組織が、半世紀以上を経て、突然法改正に踏み切り、検察審査会の議決に法的拘束力を与えることを許したというのはどうも解せないと思われなかったでしょうか。しかも、この時の法改正の経緯を調べても、さしたる議論もされず、実に不可解な法改正の状況だったようです。

さすれば、この法改正は検察の角を矯めるものではなく、検察を利するものではないかという疑いが出ても当然だと思われます。その疑いとは、「検察審査会は、検察が起訴をしたい被疑者を検察によって起訴できない場合、検察審査会の起訴相当議決によって強制起訴させる検察の補完機関として機能しうる」というものです。

勿論、検察審査会がこれまで審査した約16万件の事件において全てそうした検察の意図が働いたというわけではありません。ごく一部、特に特捜部事案のハイ・プロファイルのものでそうしたことがあるということが推察されます。

ここまで言えば皆さんご理解頂けたと思います。その代表的なケースが、検察審査会で強制起訴された小沢一郎氏の陸山会事件です。検察審査会に検察が虚偽の報告書を提出し、小沢一郎氏の強制起訴相当議決に検察審査会を誘導したという、検察による最高レベルの制度の悪用、狡猾な手口が表れているものです。

どうしてこのようなことが可能となるのでしょうか。そのからくりを探ってみます。

検察審査会は裁判所の管理下におかれているため、その制度の概要説明は裁判所のHPにあります。「検察審査会の概要」と題されたページをご覧下さい。

「審査の方法は」という箇所には、「検察庁から取り寄せた事件の記録などを調べ」とあります。検察審査員は、国民の中からくじ引きで選ばれます。もしあなたが有権者であれば、あなたが選ばれる可能性もあります。検察が不起訴とした事案に関し、もう一度再審査してほしいという申立てがあったために検察審査会が招集されています。あなたが、その審査のテーブルについて審査をする際、手元にある事件の資料は誰が作ったものでしょうか。そうです、裁判所のHPにあるように検察が用意した資料ということです。

ここをクリック→ 裁判所HP 「検察審査会の概要」

検察は、彼らが当事者の一方である公判においても、彼らの収集した証拠のうち有罪方向の証拠のみを抽出して「ベスト・エビデンス」として公判に証拠調請求する問題点をこれまで何度も指摘してきました。検察審査会において、彼らが同様の操作をすることはいとも簡単なものです。

また、検察によるリークの問題もあります。

ここをクリック→ #検察なう (219) 「『風を吹かせる』=検察リークの実情」

検察はメディア・コントロールによって、事件を作ることができます。検察審査員が検察リークに基づいて作られた検察の意向に沿った報道にさらされることで、予断をもって審査に当たることが大きな懸念材料となります。

検察審査員は事件ごとに招集されるわけではなく、6ヶ月の任期制です。その間は、情報にアクセスする制限はなく、普通に生活できるものです。その間にも検察発信の情報を植え付けられれば、検察審査会の議決を検察がリモートコントロールできると推察することはそれほど困難なことではありません。

裁判所HPの「検察官の職務」のQ&Aで、「検察審査員に選ばれたら、事前の研修や説明などを受けるのですか」の答えはいかがなものでしょうか。「事前の研修はありません。検察審査員としての職務を行っていただく上で、特別な知識や経験は不要ですので、安心してご参加ください」とあります。

ここをクリック→ 裁判所HP 「検察官の職務」 Q&A

検察官の役割を果たすのに、特別な知識や経験は不要だと断じているのもなんだかなあ、という感じです。せめて「#検察なう」のブログを読んで司法制度の勉強をするようにくらいは言ってほしいものです。

裁判員裁判制度における裁判員でも同じことですが、国民が司法に参加する場合に、一番重要な問題点は、彼らが有罪方向のバイアスのかかった報道によって汚染され、予断をもって審理する可能性があるということです。彼らは、マスコミの情報と自分の思考を遮断して、証拠のみによって事実認定を行うということが必要とされます。法律的な知識や経験がない一般国民の司法参加が可能であるのは、事実認定の能力は法曹関係者でも一般人でも同じであるという発想に基づいています。しかし、やはり専門家はそれなりの訓練がされているもので、その最たるものがこの外部情報の遮断だと思います。

事件の報道を読み、裁判の結果が無罪となった場合、「なぜこの事件で被告人がシロ?!」と思われた方は、自分のメディア・リテラシーを疑った方がよいかもしれません。報道は少なからず有罪方向のバイアスがかかっていますので、逆は必ずしも真ならずであることにもご注意下さい。

それでは、素人11人が集まって協議をして、全く問題なく法律的な判断ができるのかと思われる方もいらっしゃると思います。そこで重要なのが審査補助員です。

前回のブログでも示した「起訴議決制度のイメージ」をご覧下さい。「検察審再会の審査(第一段階)」のところで「審査補助員(弁護士)に法的助言を求めることができる」、及び「(第二段階)」のところで「審査補助員(弁護士)に法的助言を求めることが必要」とされている審査補助員です。

ここをクリック→ 裁判所HP 「起訴議決制度のイメージ」

この審査補助員には、弁護士会から任命された弁護士が一人だけ任に当たります。この一人だけ素人集団に紛れた法律の専門家の意見が、非常に重要視されるのは想像に難くないと思われます。弁護士会が任命した者であれば、不正に審査会を誘導することはないのでは?と思われるのが普通ですが、この審査補助員の任命に関しても実に不可解な現象が起こっています。陸山会事件に関わる検察審査会では、この審査補助員が検察に恩義を受けたヤメ検弁護士であったことが分かっています。

この問題に関し造詣が深い八木啓代氏の記事『田代元検事不起訴不当議決!その裏の大きな疑惑』をご覧下さい。

ここをクリック→ 八木啓代氏 『田代元検事不起訴不当議決!その裏の大きな疑惑』

こうなってくるとますます検察は悪の巣窟のようになってきますが、これだけ大掛かりなことが個人のアイデアでないことは容易に想像できます。陸山会事件に関わる虚偽報告書問題を、田代元検事の個人の仕業とし、それを検察は不起訴、そして検察審査会によって強制起訴を伴わない不起訴不相当で幕引きをしようとしているという壮大な検察の犯罪・隠蔽工作には歴史的断罪がなされるべきです。

上で述べた検察審査会の問題点を、山下幸夫弁護士も講演で指摘していますので、是非ご覧下さい。動画の44分当たりから60分のところまでの部分です。

山下幸夫弁護士 シンポジウム『検察、世論、冤罪III』より

ここをクリック→ Ustream動画 『検察、世論、冤罪III』

そしてこの問題に斬り込んでいるのが生活の党代表代行の森ゆうこ参議院議員です。先日、彼女の音頭で、生活の党、民主党、社民党の三党共同提案による検察審査会改正案が参議院に提出されました。

ここをクリック→ 森ゆうこ氏ブログ「「検察審査会法改正案」を参議院に提出しました」

検察審査会を法的に規制する検察審会法の改正案の要点は3つです。
1) 会議録は非公開ではあるが、その記載内容を具体的に規定する
2) 検察審査会が実際に開かれているかどうかを確認できるよう、一定事項の公開をする
3) 審査補助員を現行の一人から二人とする
というものです。

ここをクリック→ 検察審査会法改正案概要 

検察・司法改革で即効性があるのは、こうした議員立法で制度を整備することです。捜査権力の自浄作用が望めない以上、それしかないと言わざるを得ない状況です。

6/20/2013











法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会ダイジェスト版」(動画)


ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

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category: 刑事司法改革への道

2013/06/20 Thu. 03:15 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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