「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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ブック・レビュー 『ナラク』 ゴビンダ・マイナリ著 今井恭平編 

ブック・レビュー 『ナラク』 ゴビンダ・マイナリ著 今井恭平編

ナラク

鬼どもの手から、15年ぶりに解放される。
さよなら地獄。
ただいまネパール。

この言葉で締めくくられる東電OL事件の冤罪被害者ゴビンダ・マイナリさんの獄中日記。異国の地で、無期懲役の刑に処せられた無実の人間の心の慟哭はいかばかりか。しかし、日記はむしろ毎日の単調な生活の繰り返しを感じさせる。怨嗟や絶望を心の奥に押し込めて、日々の獄中での時間に淡々と向き合っているような印象を受ける。15年間に書き綴った膨大な日記だが、モノトーンの記述で埋められていたのであろう。

その日記が色づくのがやはり家族との面会。ネパールと日本という距離から、1年に1度の来日がせいぜいだろうが、その1回15分 x 何日かの面会が彼を支えていたことがよく分かる。

本の構成は、ゴビンダさんの日記に時折支援する会の方々の手記が挿入されており、それが少なからずメリハリを与えている。

編者の今井恭平氏は、雑誌『冤罪File』の記者で、私も度々冤罪関連集会でお会いしたことがある。私の一審無罪後に、検察控訴を阻止すべく集めた陳情書を、私が頼んでいないにもかかわらず送って下さった、筋金入りの「冤罪キラー」である。


その彼による解説は、この事件を読み解く上で最重要文書であろう。特にその3章「隠された証拠」では、この冤罪が一般に知られているように科学捜査の稚拙さといった不可抗力的原因によってもたらされたものではなく、警察・検察による確信犯的な証拠隠しによる作られた冤罪であることを訴えている。

またその4章「消された確定判決」では、誤判の原因追究を全くせず、あたかも確定判決(ゴビンダさんを有罪とした高裁判決)が初めからなかったかのように判ずる再審制度の矛盾を鋭く突いている。

彼のあとがきにはこうある。

「ゴビンダさんに降りかかった災厄の原因は、彼の側にあるのではなく、日本の司法制度や社会環境の中にこそあった、ということです。

彼を苦しめた日本の警察、検察、裁判所が変らない限り、その苦痛は、次はほかならぬ日本のわれわれに振りかかるのです。この冤罪事件は、ゴビンダさんの不幸である以上に、私たちの暮らす日本社会が抱えている不幸そのものです」

捜査権力が、我々の人権を守るどころか、脅威となっていることの警鐘として広く読まれるべきであろう。

(ちなみにこの書は2013年5月、ネパールで出版されたゴビンダさんのネパール語の手記の日本語訳ではありません)

私のブログもご参照ください。

ここをクリック→ #検察なう (294) 「犯人血液型当てクイズ」

ここをクリック→ブクレコ 『ナラク』 ゴビンダ・マイナリ著

















ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 「20分で分かる『クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件』~日本の司法を正す会ダイジェスト版」(動画)


ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 「#検察なう」 ツイッタ―bot





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category: ブック・レビュー

2013/07/28 Sun. 00:40 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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