「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (53) 「検察取調べ第十三回+陳情書」 10/7/2011 

経過報告 (53) 「検察取調べ第十三回+陳情書」 10/7/2011

ご報告します。検察特捜部による取調べは、今日をもって山を越えたと思います。もしかすると今日の取調べが私に対する取調べの最後だったかもしれません。これまでは、必ず取調べの終了時に、「次回はいついつにお願いします」ということでしたが、今日の取調べ終了時には、「次回以降の予定に関しては、キャップから弁護士に連絡させて頂きます」とのことでした。以前に、取調べの予定変更があった際には担当検事から直接私の携帯に連絡があったことからすると、普通の状況であれば、彼から私に直接連絡しても何ら不自然ではありません。それが、今日の取調べが最後だと思う理由です。

今朝のツイッターで予告していた「メガトンパンチ」が添付ファイルの内容です。

これまで何度か述べてきたように、取調べというのは、被疑者にとって圧倒的な不利な状況です。それは検察が怪しいと思う点に関してだけ質問し、それに対し被疑者が答えるという形で取調べが進行していきます。つまり被疑者にとって不利な事柄しか取調べでは取り扱われず、被疑者はそれを怪しくないというレベルまで押し戻すだけの作業となります。被疑者にとって有利な事柄を検察が取り上げ、それが調書に書かれることはありません。そして入念に用意された質問に、その場で即答しなければならないという大きなハンデキャップを被疑者側は背負っています。防御一方です。そこで今回私が取った方策が、添付ファイルにある陳情書(名称は、陳述書でも供述書でもいいものです)を提出することでした。防御だけではなく、攻撃に転じたということです。「攻撃は最大の防御」というのは全くもって真理を突いています。

陳情書を書くに際し、私が実際に取った行動で、脱税をしていたとしたら不合理だということを指摘することは余り意味がないことだと思いました。それは検察も重々承知だからです。例えば海外送金でシンガポールの口座に送金したことは、「脱税をしていたとしたら不合理だという行動」です。なぜならその口座は日本からの送金で開設した、税務当局が把握している口座だからです。「脱税をしていたとしたら不合理」ということに関しては、検察はそれをつぶすだけの十分な準備をしているものと思います。

私がこの陳情書で述べた内容は、「もし私が脱税を企図していたならばこのような行動をした」というものです。そこでの論理構成は、「脱税をしていたのであれば、合理的行動としてこうしたことをしたと思われる」→「ところが、そうした行動をしていない」→「その矛盾が生じるのは、そもそもの『脱税をしていたのであれば』という仮定が間違っている」とするものです。

陳情書は、事件の裏の隅々まで把握している検察に宛てて書いておりますので(下手をすると、事件の当事者である私よりよっぽど詳しいと思います)、そこでは端折ったり、敢えて記載していないこともあり、若干理解しづらい点もあるかと思いますがご容赦下さい。また個人名は削除ないし伏字とさせてもらっています。

前回の経過報告で、170万円の脱税を立証しようとするかのような取調べの意図が分からないということをお伝えしたと思います。その次の日の朝、弁護士から電話をもらいました。「昨日の取調べの意図はこういうことだったと思います」と言う弁護士の解釈は、170万円の税金すら、もっと言えば税金は1円たりとも払いたくないという人物像作りが彼らの狙いだとするものです。税金を払いたくない=脱税をする、という、いかにも彼らが被疑者に対して作るイメージです。思い当たる節があるのは、以前の取調べで、確定申告に医療控除を申請していますが、それに関する検事の質問は「八田さんは、940円とか1080円とか小額の領収書も添付していますが、それはなぜですか」でした。まさに1円たりとも税金を払いたくない犯人像のイメージ作りです。その電話をもらった後は、依然本気モードの検察のやる気にげっそりしたものです。

陳情書では、そうしたことも撃破できたと思っています。p.5の中段の記述です。

「私がもし脱税を企図していた場合には、当然ほ脱額、ほ脱税額の認識は常に明確にあったと思います。税務調査開始直後に、一番心配することは毎日恐ろしい金額が加算される延滞税であったことでしょう。税務調査開始直後から、いかにその延滞税を止めるかに腐心し、xx税理士にその計算及び方策を講じるよう依頼したものだと思います。税務調査開始後は、それこそ毎日のように延滞税の話をxx先生にしていたのではないかと思います。」

延滞税は1日5万円程だったと思います。もし1円でも税金を払うのが惜しいという人物であれば、1日5万円の延滞税を一刻も早く止めたいと思うでしょう。私は、当初、一切そうした心配はしていませんでした。それは自分の過少申告ですら認識していなかったからです。

この陳情書を提出することにより、相手のあごにメガトンパンチがクリーン・ヒットし、この瞬間は脳みそがぶよんぶよんしているものと思います。

ここ数日、陳情書作成に掛かりっきりでしたが、昨日一日休養があったことはよかったと思います。地元近くの七里ヶ浜の打ちっぱなしに行って、最終稿のアイデアを練っていました。そういう時にはかえってナイスショットが出るものです。もし、皆さんもミスショットが連発するような時は、煮詰まっているのかもしれません。是非、検察特捜部の取調べを受けている気分になって、意識をショットの外に置いてみて下さい。

今日の取調べは、こちらがバズーカを構えてるのに対し、火縄銃を撃ってきているようなものでした。

今日の取調べの内容は、税務調査開始直後のメールの内容に関するものでした。私が、「税務調査がはいった」であるとか、しばらく経って過少申告の認識が出来た後に「追徴額が多額になりそうだ」と、私の友人・知人に送った際に、その友人からの返信が、「税金逃れ?」とか「なぜばれたんですか?」であったことに難癖をつけてきたものです。彼らがそうしたリアクションを取ったのは、ほとんどが冗談であり、私もまともに取り合っていませんでした。それをもってして、「近い友人には、脱税をしていたことを明かしていたからこそこうした反応があったのではないですか」とか、「その後の八田さんの返事の中で、『故意があったわけではない』と敢えて弁明をしていないのは、自分にやましいところがあるということではないのですか」と問うてきたのには、全く私にとってはまともに取り合うのもあほらしいという感じでした。

陳情書は、今日の取調べの終了時に「何かこれまでのところでありますか」といつものように聞かれた際、提出したものです。今後の取調べの予定は追って沙汰するというタイミングは、陳情書を提出するにこれ以上ないベストのタイミングでした。この偶然も神の配剤かもしれません。

取調べが一段落したここまで逮捕がなかったということで、「否認すれば身柄拘束」という常識は打ち破れたのではないかと思っています。次は「国税局の告発=100%起訴」という常識の撃破です。その「常識」のためにこれまでどれだけの冤罪が生み出されてきたことかと思うと空恐ろしくなります。

今後の取調べの予定は全く未定ですが、しばらく時間がありそうです。来週には金沢に帰省して少しのんびりしようと思っています。引き続き応援お願いします。

ここをクリック→陳情書

10/7/2011




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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/10/06 Thu. 08:23 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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