「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (57) 「検察取調べ再開日程決定」 10/29/2011 

経過報告 (57) 「検察取調べ再開日程決定」10/29/2011

バンクーバーはすっかり秋らしくなりました。朝晩は随分冷え込みます。部屋にある暖炉も一日中つけっぱなしです(バンクーバーでは、エアコン設置の家はないかわりに、普通のマンションでも暖炉は標準装備です)。

検察の取調べ再開の日程が決まりました。11/3木曜日午後1時半から、いつも通り五反田分室です。その前日に日本に帰国します。このインターバルの間も、クレディ・スイスの職員・元職員の取調べが続いていた模様です。恐るべき執念です。もっとそのエネルギーを有効活用すれば、日本ももっとよくなるのにな、と思ってしまいます。関係者の証言といっても、彼らが共犯であるわけもなく、いかに彼らが私に不利な証言をしたとしても(そしてその可能性は全くないと思っています)、証拠の証明力は著しく低いものです。関係者の証言を誘導・強要し、公判でひっくり返された郵便不正事件と同じ轍を踏むリスクを検察が取るとも思えません。

最近、冤罪関係の書籍を読む機会が多く、現実と一般認識のギャップに愕然としてしまいます。自分の経験から、「自分のケースは氷山の一角に過ぎない」という感覚はあったのですが、実際に冤罪は恐ろしい数に上るようです。日本で、地裁(第一審)が手掛ける公判は年間11万件程度ですが、そのうち被疑者が否認しているものは、7000件程度です。そしてこのほぼ全てが有罪として処理されています。私が見た資料では、戦後アメリカでは陪審員による否認事件の無罪率は33%、職業裁判官によるそれは17%でした(アメリカでは被疑者に陪審制を選ぶ権利があります)。勿論、起訴の過程に大きな違いはあるにしろ、日本で否認刑事事件の有罪率が99%近くというのは、それだけで冤罪が数多く生まれていると考えざるを得ません。そして更にその数字を大きくするであろうことは、自白で認めていたとしてもそれが全て無実でなかったとはならないことです。私も、ヤメ検に諭されて「どうせ勝ち目がないのだから」と最初から諦めていたら、その7000件のうちには入らなかったということです。

最近読了した本に、キャッツ社の粉飾決算事件で有罪となった細野祐二氏著の「司法に経済犯罪は裁けるか」があります。細野氏は、経済事件(一応、私のケースもその一つです)における有罪の半分は冤罪であると主張しています。その理由は、「司法及び捜査権力は財務諸表を読めない」というものですが、更に重要なポイントとして「告発・起訴の過程で、被疑者が諦めてしまう」とも述べています。

私も、昨年2月に刑事告発され、その時点で逮捕を恐れて白旗を上げていれば、去年の夏前には全て片がついていたことでしょう。私は、この後、検察の起訴・不起訴の判断を待つということになりますが、もし起訴されれば、裁判に何年かかるか分かりません。そして最終的に無罪が立証される保証はどこにもありません。少なくとも過去の歴史においては、否認すれば逮捕、そしていずれにせよ起訴され、いずれにせよ有罪とされるというのが実態です。逮捕されれば、人は「やっぱり悪いことをしていたんだな」と思い、否認しているから逮捕されたとは思わないでしょう。こうした人質司法の悪弊がある限り、また裁判所は絶対に無罪を書かないという事実がある限り、いかに無罪であったとしても諦めることの方が、合理的行動だと考える人がいても全く不思議でないのが日本の実状です。

そして、一番恐ろしいことが、そうした実態を国民が知らされておらず、理解していないというところです。冤罪は何も、明らかにされた郵便不正事件や足利事件、布川事件、あるいはその疑いが著しく高い高知白バイ事件や、東電OL事件といった特殊なものではないということです。これが、司法制度もろくに整っていない後進国の話であるならまだしも、私たちの日本の実態であるということが本当に驚くべきことだと思います。

不安は一杯あります。それに押しつぶされそうになりながらも、自分の人生をコントロールするのは最後は自分であるという信念から、達観しようとしています。今回の日本滞在がいつまでになるのかは全く未定です。お会いできる機会があるかどうか分かりませんが、メールなり電話なり頂ければ幸いです。いつも応援ありがとうございます。

P.S.
現在、日本で冤罪に関する援助活動をしている市民団体として、私の知る限り救援連絡センターと日本国民救援会があります。

せっかく自分にもこうした試練が与えられたので、他人の冤罪に関しても何らか助けることができればと、まず機関誌の購読から始めました。「先ず隗より始めよ」です。

10/29/2011



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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/10/29 Sat. 10:57 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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