「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (381) 「PC遠隔操作事件の行方を占う」 3/17/2014 

#検察なう (381) 「PC遠隔操作事件の行方を占う」 3/17/2014

結論から言います。私は、PC遠隔操作事件の被告人片山祐輔氏の有罪には合理的な疑いが入ると思っていますが、公判序盤戦のこの時点で、判決を予想するならば有罪の可能性も少なくないと感じています。いえ、このままでは有罪です。あるべきことが起こらないのが刑事裁判の怖さです。

ごく数日前まではもう少し楽観的に見ていました、しかし第三回公判後のビデオニュース・ドットコムを見て、恐怖すら覚えました。私自身は死の淵まで行って生還したものですが、片山氏はまだこの時点ではその道を引き返せていないと感じました。

ここをクリック→ ビデオニュース・ドットコム 3月15日Nコメ 「遠隔操作ウイルス事件続報・見えてきた検察の作戦と裁判所がそれに取り込まれる危険性」

刑事裁判の鉄則は「推定無罪」であることは言うまでもありませんが、「公権力は間違いを犯さない」という予断と、「犯罪者は保身のために嘘をつく」という予断がある以上、実際の運用は「推定有罪」が前提となっています。

この2つの予断のうち、後者は「被告人はまだ犯罪者ではない」という考えが訓練されていれば排除可能なものですが、前者は公権力に近ければ近いほど排除が困難になります。

ゆえに公判のスタート時点では、否認事件であっても有罪無罪は五分五分ではなく、振り子は有罪方向に振れたポジションだと言えます。ぶっちゃけ、検察がクロを主張し、被告人がシロを主張すれば、同じ役人の裁判官は何も証拠を見ないうちは検察の肩を持たざるを得ないだろうということです。

建て前は有罪の立証責任は検察にあり、その立証が不十分であれば、被告人は無罪とされるべきですが、実際には、スタート時点での有罪心証を、「合理的な疑いが入る」レベルまで弁護側が押し戻さなければならない、即ち、(相当レベルまでの)無罪の立証責任が弁護側に生じます。

もう少し具体的に言えば、検察の立証を「そういう可能性もあるかもしれないけれど、そうでない可能性もある」と反証するだけでは不十分で、無罪方向の証拠によって「無罪でなければ説明が困難」という論証を弁護側がしなければいけないということです。

そして重要なことは、世の中の全ての人間がシロだと思っていても、ただ一人、裁判長がクロだと思えば、判決はクロになるということです。

PC遠隔操作事件の第三回公判の模様を神保哲生氏の描くまま額面通り評価すると、弁護団は、裁判長の心証を得ていないように思えてなりません。

この裁判の困難なところは、裁判官がIT技術に関して専門知識を持っていない点です。そのため、単なる事実なのか、意見・評価なのかの判断が付きかねる状況が生じているようです。

検察側証人の意図的な事実と意見・評価の混同に、弁護団の佐藤博史弁護人は「異議あり!」とし、意見・評価の排除に努めますが、検察はその異議をクレーマーのいちゃもんのように印象付けるように成功しているように聞こえます。この辺りは、検察のプレゼン能力が一枚上手という感じです。

PC遠隔操作事件の特徴的なところは、弁護団及び保釈後の片山氏の直接のアピールにより、場外の我々は「これはシロでしょー」という心証を抱きやすいものですが、公判に提出されている証拠だけに限定すると「状況証拠はクロ(ピリオド)」というレベルに留まっているような気がします。

勿論、序盤戦であり、今後の展開次第で大きく流れは変わり得ます。そのためには、開示されていない証拠の中に鍵があるような気がします。証拠開示されていないUBSメモリー(黒のBuffalo)しかり、スマホの画像(本体+マイクロSD)しかり、1月4日に川崎に行ったとされるJRの防犯カメラの映像しかり、首輪を買ったダイソーの購入履歴しかり。依然、予断を許さない状況と言えます。

片山氏の一次情報に触れたい方は是非こちらをどうぞ。江川さんの「あらまぁ」が印象的なインタビューです。

ここをクリック→ ニコ生「片山祐輔氏に生直撃 聞き手:江川紹子」3月14日放送

3/17/2014
















法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会





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category: 刑事事件一般

2014/03/17 Mon. 01:33 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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