「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (382) 「「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」説明シミュレーション」 3/24/2014 

#検察なう (382) 「「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」説明シミュレーション」 3/24/2014

先日、友人からメールをもらいました。曰く、次のような内容。

「とにもかくにも訴訟に勝った。けれども、無罪になったからといって世間の見る目は依然として変わらないらしい。

私自身、たまたま人に事件について説明するのに四苦八苦しました。相手の人は、やっぱり八田君のことを信用しておらず「金持ちばっかりいい思いしやがって」と憎く思っている様子でした。

思うに、現状のまま国賠訴訟に突入しても、訴訟の内容はどうあれ、世論は以前と変わらず、あまり八田君に味方しないのではないかと思います」

正直、全く驚きませんでした。自分も最近同じことを感じていたからです。しかし、がっかりしても、無視を決め込んでも何も変わりません。理解していない人の多くは、冤罪が刑事司法の矛盾により構造的に起こっていること、普通の人が想像するよりはるかに多くの冤罪が起こっていることを知らないと思われます。そうした無理解を変えて行くことが、冤罪を減らすことにつながります。

最近の友人との会話のパターンは、「おめでとー。大変だったなあ。応援してたよ」「おー、さんきゅ。でも、まだ全然終わった気分じゃなくてさ。これから更に大変なんだよ。引き続き応援よろしくー」です。そこで、私の好奇心が首をもたげ、「でさ、何で俺が無罪か、分かってる?」と無邪気を装って聞いてみます。「何言ってんだよ。お前がやってないって言ってるんだから、やってないに決まってんじゃん」「だよねー」

実にありがたいお言葉です。しかし、内心ため息をついてしまいます。「惜しい!それで納得すると理解することをやめちゃうんだよなあ」と。それでは、「どうせ嘘ついてんじゃないの」程度の低レベルの言い掛かりにも反論できなくなってしまいます。

むしろ「どうせ嘘ついてるだろ」と思っている人にこそ、この事件は「思い込み」「報道の刷り込み」「国家権力に対する盲信」が間違っているグッド・ケースだと理解してほしいものです。

それで、「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」の説明のシミュレーションをしてみます。

何らかのきっかけで、「クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件」が話題に上ったとします。あるいは積極的に「こんな事件があったんだけど」でも結構です。

会社が給与の一部を源泉徴収していなかったとは思っていなかったという理由を聞いて、事件の概要すら知らなかった人の大概のリアクションは、「そんなの知らなかったって単なる言い逃れでしょ。本当は知っていて脱税したんでしょ」だと思われます。

まずそれに対するファースト・リアクションが大事です。そこまでは、そうそう、普通そう思うよね、うんうん、と理解を示す表情で話を聞きます。冷静さを失わないことが鍵です。そしてそれから、そうやって冤罪が作られるんだよなあという哀愁を帯びた表情で言います。

「それって検察と同じ論理だよね」

今や、無実の者でも有罪にする悪の軍団と知られる検察と同じと言われ、相手はドキっとします。その効果を確認しつつたたみかけます。

「『推定有罪』って言うんだけどさ」

これで、普通の理解力のある人は、自分の主張が単なる可能性の推認に過ぎず、そうでない可能性をオミットしているのではないかと気付くことになります。

「いや、検察だってちゃんと捜査してるでしょ」

想定内のリアクションです。自信を持って答えます。

「知ってる?検察って有罪方向の証拠しか立証に使わないって」

テクニカル・タームを並べられて、一瞬のとまどいを感じている相手に答えるすきを与えず、繰り返しのサブリミナル効果を狙います。

「知ってる?検察って無罪方向の証拠は立証に使わないって」

自分の常識が間違っていたかもという動揺が相手に生まれます。
「そ、そんなことはないでしょ。裁判所だって判断するんだし」

「そうだよねえ、でも裁判所が検察を盲信して追認しなきゃ、刑事裁判の有罪率が99.9%以上なんてことにはならないんだろうな。でもこの事件では、高裁がそうした検察の捜査方法を批判して、検察控訴を棄却したんだよ。裁判所も変わりつつあるのかもね」

この短い会話の間に、あなたの刑事司法に関する造詣の深さに、尊敬の念が生じ始めているはずです。

そこで具体的な話に入りましょう。

「それでさ、脱税するとしたら、一人でやる方が合理的だと思う?それとも見ず知らずの税理士に依頼する方が合理的だと思う?」

その答えを確認してもしなくても結構です。答えは決まり切っていますから。そして続けます。

「もし隠したいお金があったとして、その送金先の口座を選ぶ際、税務署が知ってる口座と知ってない口座があったら、どっちに送金する方が脱税をするのに合理的だと思う?」

「無罪方向の証拠」を検察が立証に使わないということの実証だというイメージをかもすことができれば成功です。私の公判では、検察は、これらの当然脱税をしていれば不合理だと思われる行動の説明を放棄しました。

次のような質問をして、じっくり考えてもらってもいいと思います。

「会社が税務署に報告すればすぐにばれる脱税を、クレディ・スイス証券だけでも300人のうち100人がしてたってのおかしくない?」

「会社が天引きしてると思ってたってのが馬鹿げた言い訳だったとしたら、会社従業員に一斉税務調査が入った段階で、それが通用すると思わないで最悪の状況を想定して、弁護士雇うのが普通なんじゃない?」

「そもそも否認をするメリットってあるの?認めれば執行猶予確実のケースで、有罪率が99.9%以上の裁判を何年も戦うのって、脱税してたら常識的にありえなくない?痴漢の冤罪と同じだと思うけど」

もっと分かりやすい情報を与えるのも効果的です。

「検察の取調べの時に、ポリグラフテスト要求したらしいよ」

「へええ、ウソ発見器ね。それで検査したの?」

「いや、検察には機械がないからって拒否られたらしい」

「どひゃー!」

是非、参考にして頂き、冤罪のない社会を一緒に目指しましょう。これからも応援よろしくお願いします。

3/24/2014












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category: クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

2014/03/24 Mon. 00:53 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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