「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (387) 「報道被害について考える~刷り込まれる『推定有罪』(1)」 4/14/2014 

#検察なう (387) 「報道被害について考える~刷り込まれる『推定有罪』(1)」 4/14/2014

今回、次回と2回に分けて、報道被害について考えてみたいと思います。

先日、気になるニュースがありました。タイトルは「公開捜査の中止請求棄却 少女殺害事件で盛岡地裁」。ニュースはこちら。’

ここをクリック→ 「公開捜査の中止請求棄却 少女殺害事件で盛岡地裁」(日経新聞)

これはメディアによる報道被害よりも更に激烈な、捜査機関による直接的な人権侵害の事例です。問題点は、メディアによる報道被害と同様、知らず知らずのうちに『推定有罪』が刷り込まれ、我々の意識が「汚染」されていることにあります。

普段何気に目にしている公開捜査のポスターですが、彼らは裁判で有罪となったわけではありません。ニュースになった裁判では、殺人犯として指名手配されている容疑者の父親が公開捜査は推定無罪原則に反するとして中止を求めていたものです。

小原勝幸

懸賞金を懸けての公開捜査のポスターには「17歳(当時)の少女を殺害した犯人です」とあります。このポスターを見て、彼が犯人ではない可能性があると思う人はどれくらいいるでしょうか。裁判を経ていない容疑者を「犯人です」とすることが、本人や家族に対する人権侵害であることは言うまでもないと思います。そしてそれは、我々の想像をはるかに超えた苛烈なものだと思います。そして重要なことは、それはこの事件が冤罪であるかどうかとは全く次元が違う議論だということです(注1)。

PC遠隔操作事件の報道でも、片山祐輔氏が犯人であるなしに関わらず、容疑者の段階から犯人視した報道がなされることの危険性をこれまで何度も指摘してきました(注2)。

先日再審開始が決定した(破廉恥にも検察は即時抗告しましたが)袴田事件でも、事件当時「血染めのパジャマ」「ジキルとハイド」「異常性格」といった警察のリークを垂れ流した報道がなされていたことが問題視されています(注3)。

冒頭に挙げた警察の「犯人」と断定した公開捜査ポスターは論外の更に外として、既存メディアが捜査権力のリークをそのまま垂れ流すことは、厳しく批判されるべきことです。しかし、それは同時に我々情報の受け手のメディア・リテラシーの問題でもあると思います。もし多くの人々が、既存メディアの事件関連情報の情報源は捜査当局にあることを理解し、その信憑性を疑い、より第一次情報に近い情報を求めてインターネット等で裏を取るようになれば、既存メディアも安易に大本営発表を続けるわけにはいかなくなると思われます。

事件報道に接した際、それを正しく評価するメディア・リテラシーは、良識ある者としての教養、素養であるだけではありません。もっと直接的に必要である理由は、我々は裁判員になる可能性があるからです。裁判員になった時に、捜査当局のリークにより一方的に書かれた報道に「汚染」されてしまえば、冤罪を作り出す直接の加害者になってしまうことになります。司法への一般市民の参加が求められている今日、報道の中の「冤罪リスク」を正しく評価することが求められ、それは普段からメディア・リテラシーを高める努力なしには得られるものではないと思います。

(注1)
訴えを起こした父親が日弁連に人権救済の申し立てを行った際のインタビューの動画がありますので、ご関心のある方はご覧になって下さい。

ここをクリック→ 小原勝幸父親の人権救済申し立て記者会見

この「岩手17歳女性殺害事件」を調べてみると、警察のダークサイドを垣間見、暗澹とした気持ちになります。そしてそこでは、メディアが事件を取り上げないという不作為の報道被害があります。興味のある方は、Youtubeで「黒木昭雄さんの最後の映像」と検索してみて下さい。元警察官のジャーナリスト黒木昭雄氏が、2010年11月に自殺するまで追いかけていた事件がこの「岩手17歳女性殺害事件」です。10部に分かれた全長126分の動画ですが、なぜ目撃者なし、物証なし、動機なしの殺人事件の容疑者が捜査特別報奨金制度の対象となったかのヒントがそこにあります。

(注2)
ここをクリック→  #検察なう (299) 「PC遠隔操作事件における捜査及びメディア報道の問題点」

(注3)
ここをクリック→ ビデオニュース・ドットコム「袴田事件再審決定・捜査情報を垂れ流したメディアに警察・検察を批判する資格があるか」

4/14/2014


















法廷画が冊子化されました。正(第2回公判~第7回公判、400円)、続(第8回公判~第11回公判無罪判決、500円)の2冊です。代金(実費)は、無償で法廷画を描いてくれた漫画家にカンパされます。ご希望の方は sienhatta@gmail.com までご連絡下さい(送料9冊まで80円、10冊以上160円)。

#検察なう


ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 経緯説明 「真実は一つである」

ここをクリック→ 被告人最終陳述

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会





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category: 刑事事件一般

2014/04/14 Mon. 00:23 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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