「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (396) 「PC遠隔操作事件にみる司法とメディアの現在~雑誌『世界』6月号 特集「冤罪はなぜ繰り返すのか」より」 5/22/2014 

#検察なう (396) 「PC遠隔操作事件にみる司法とメディアの現在~雑誌『世界』6月号 特集「冤罪はなぜ繰り返すのか」より」 5/22/2014

PC遠隔操作事件はご存知の通り急転直下で意外な展開となりました。片山被告の自白後の私のツイートです。

PC遠隔操作事件に関して。この「結果オーライ」により、捜査当局の不当捜査やメディアの偏向報道を正当化するような残念なことにならなければいいな、ということ。それらに対する批判は、片山被告が有罪・無罪とは全く次元が異なる。

そもそも、一般人よりはるかに膨大な証拠(最重要なものが被告人本人)に接していた弁護団ですら誤認していたのだから、そのほかの者が被告人は無罪ではないかと思うことには相当な理由があると考える。勿論、それは無罪の確証足り得ないが、有罪の確証にも到達できない以上、推定無罪原則に則り、無罪方向で考えるのが刑事司法の原則に基づいた考え方であろう。リークによる報道が事実とは異なる偏向したもので、いかにも捜査当局は証拠を得ていないことを裏付けるものばかりであったため、無罪心証が強化されたことは皮肉と言えば皮肉。

そもそも脆弱な証拠しかなかった捜査当局にとっての「結果オーライ」は、片山被告の知能犯としてはお粗末なオウンゴールによるもの(勿論、尾行を感じさせずに彼を泳がせた捜査当局のお手柄はあるが)。捜査当局が脆弱な証拠しか得られなかった最大の理由は、取調べの可視化を忌避して、片山被告の取調べをしなかったことを忘れてはいけない。この事件に関する(4人の誤認逮捕&2人の自白強要を含めた)捜査当局の不当捜査やメディアの偏向報道の解明はこれから。

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PC遠隔操作事件の捜査やメディアの報道に関する問題点は、私もこれまで指摘してきたところです。それは上にツイートしたように、片山被告が有罪であるか無罪であるかとは全く違う次元ですが、やはり彼が有罪だったらどうなんだという思いを持っていた方もいたと思います。

現時点、片山被告が有罪となることはほぼ確実な状況下で、PC遠隔操作事件の捜査やメディア報道がそれでも正しくなかったことを再度確認したいと思います。これまでと違い、片山被告が有罪という前提で考えて頂ければよいので、よりシンプルに評価できると思います。

テキストは雑誌『世界』の最新刊6月号の記事です。片山被告の自白前に書かれた江川紹子氏による「「人質司法」問題の本質」から引用します。『世界』6月号は「冤罪はなぜ繰り返すのか」と題した特集を組んでいます。

世界

推定無罪原則が働く被告人としての段階で、片山被告の取調べやメディア報道には以下のような問題があったと指摘します。

「逮捕から保釈まで398日もの長期間、弁護士以外との面会や手紙のやり取りを禁じられる接見禁止処分付で勾留されたこと」

「取調べを受ける条件として録音・録画がされること(後に録音だけでも可)という条件を付けたところ、それを忌避して取調べを行わなかったこと」

「証拠の開示を担保するため、公判前整理手続が取られたが、初公判の時点で証拠開示は完了しておらず、その後の証拠開示もスムーズではなかったこと」

「捜査段階で流された情報は、警察・検察を情報源にし、片山氏の「クロ」を印象づけるものが圧倒的に多く、間違いと分かっても訂正されなかったこと」

これらは結果として、片山被告が有罪であるとしても(即ち、現時点でも)正当な批判です。以下は記事の結びの文章です。じっくりお読み下さい。

「多くの場合、冤罪かそうでないかは後から分かる。「クロ」に見える被疑者については、人質司法や無理な取調べや検察の証拠隠しを許容していたのでは、「クロ」に紛れ込んでいる「シロ」の人たちは救われない。問題があれば、最終的な「シロ」「クロ」の判断を待つことなく、あるいは「シロ」か「クロ」かという問題は別にして、気づいた時点できちんと指摘をすべきだろう。

捜査や裁判や報道に関わる人たちが、「シロ」「クロ」ばかりにこだわったり、自分たちの目には「クロ」と映る人の人権をないがしろにすることに鈍感であっては、とても冤罪は減らせない、と思う。」

非常に当を得た評価だと思います。

しかし、事件の経緯は、冤罪当事者としては非常に残念です。私は、自分を信じて支援してくれた人たちの気持ちに感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思っているため、片山被告が、冤罪を理解しようとし助けの手を差し伸べる人の気持ちを踏みにじったことに大きな落胆を感じます。その事に関してはまた機会を改めて述べたいと思いますが、とりあえずIWJ代表の岩上安身氏のコメントをもってその一端を代弁してもらいます。

ここをクリック→ 【岩上安身のツイ録】PC遠隔操作事件、片山祐輔被告の自白を受けて

P.S.
査察部告発・特捜部起訴事案で史上2番目の無罪判決が昨日ありました。しかも弁護人は、私の控訴審の弁護人を務めた喜田村洋一弁護士です。なんという快挙。

ここをクリック→ NHKニュース「脱税に問われた弁護士ら2人に無罪判決」

これも甚だしい人質司法(夫婦共に2年3ヵ月の勾留)の事案です。ツイートしたところ堀江氏がリツイートしてくれました。

ここをクリック→ 堀江氏リツイート

この件に関しては、詳細を追ってお知らせしたいと思います。

5/22/2014











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表紙1



ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会






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category: 刑事事件一般

2014/05/22 Thu. 01:37 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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