「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その4 「被告人ができること 総論」 

無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その4 「被告人ができること 総論」

99.9%を越える刑事裁判の有罪率が示すように、無罪を得ることはたやすいことではありません。いかにあなたが無実であったとしても、一旦捜査権力のターゲットとされると有罪を覚悟しなければならないというのが残念ながら日本の刑事司法です。

私は、自分が刑事被告人となるまでは、捜査当局が勝手に調べて真実を見極め、あるいは彼らがもし間違った告発、起訴をしても裁判所が勝手に正しく判断してくれるかのような幻想を抱いていました。そして当事者となって、それが大きな間違いであることを知りました。本来必要ではない無罪の立証責任が、現実には被告人、弁護人側にあり、それには甚大な犠牲、労力が伴います。

無実の者が無罪になるという当たり前のことが、日本の刑事司法においては当たり前ではないことが実情であり、その中で私の無罪は奇跡的に生まれたと感じています。

そこでは、諦めの悪い被告人と、優秀な弁護人と、勇気のある裁判官がまさに惑星直列のような確率で並んだ結果が、査察部・特捜部という国家最強捜査権力の不敗神話の歴史を変えたのだと思います。

それでは、その被告人、弁護人、裁判官の三者が判決に寄与する割合はいかなるものでしょうか。私の感覚では、9割方裁判官で決まってしまうように感じます。裁判官の当たり外れこそが、冤罪被害者が無罪を勝ち得ることができるかどうかの分水嶺であるというのが私の実感です。そして残りの1割が弁護士の能力だと思います。つまり、被告人ができることはわずかしかありません。

それは
1) 完全に否認を貫くこと
2) 優秀な弁護人を選ぶこと
の2つです。
(私の控訴審で弁護人となった喜田村洋一弁護士と無罪確定後に話をしていた時に、私がそのように言うと、彼は「八田さん、もう一つありますよ。それは、無罪を書くことができる裁判官を引き当てること。そうした運の強さが被告人には必要なんです」と言いました。その言葉は、彼の長年の弁護士経験から出たものであり、一審で佐藤弘規裁判長、控訴審で角田正紀裁判長を引き当てた運が私にはあったという意味ですが、そうなると超常現象的世界なので、ここでは除外しておきます)

しかしタイミング的には、被告人ができることは物事の初めであるため、全ての流れを決める決定的なものであると言えます。

冤罪被害者となるリスクは誰にでもあると理解しても、もし被告人のできることが上記の2つであるなら、それは現実に被告人になってから考えればいいと思われるかもしれません。そう考える方にもそれぞれに関して、次の点を是非、現時点でご理解下さい。

1) なぜ「完全に否認を貫くこと」が重要かを知ることは、将来、もしかしたらあなたが巻き込まれるかもしれない冤罪を予防することにつながります。それは、「供述調書至上主義」を理解することです。

2) 優秀な弁護人と巡り合うことは、全ての出会いがそうであるように、運が支配する部分が少なからずあります。しかし、少しでも早いタイミングで弁護人をつけるという判断は被告人が能動的にできることです。

これらの点について、次回以降のブログで各論として論じてみたいと思います。










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category: 無罪を勝ち得るために

2014/06/16 Mon. 00:06 [edit]   TB: 0 | CM: 2

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この記事に対するコメント

誤植

『勝率ゼロへの挑戦』拝読いたしました。
読後感は書き出せば長くなりますので、友人・知人に是非とも勧めたいということにとどめて、誤植の指摘をしておきます。
増刷の際に修正いただければと思います。
P.240 3行目、下の方「そうした避難・中傷も…」は「非難」でしょう?

WAKA #- | URL | 2014/06/16 Mon. 22:57 * edit *

Re: 誤植

ご指摘ありがとうございます。私自身も何度も校正したはずですが、まさに「人は見たい物しか見ない、聞きたい物しか聞かない」あるいは確証バイアスの例だと思います。編集者には連絡させて頂きます。本をお読み頂いたことに重ねてお礼申し上げます。

八田

八田隆 #- | URL | 2014/06/16 Mon. 23:06 * edit *

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