「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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経過報告 (62) 「検察取調べ第十七回 ストック・オプション行使指示書」 11/8/2011 

経過報告 (62) 「検察取調べ第十七回 ストック・オプション行使指示書」 11/8/2011

本日は朝から取調べがありました。最終ラウンドです。今日の取調べの検察の切り口は、これまで同様、会社が交付した書面にディスクレーマーとして書かれた「会社は源泉徴収をするものではない」という一文を読んだかどうかという点でした。最後の最後まで代わり映えのしない取調べ内容だと私は思いました。

しかしながら、取調べ後の弁護士とのミーティングでは「うーん、これは効果、もしくは有効まで取られたかもしれません。技ありまではいってませんが」とのことでした。

私は、税務調査対象期間の3年間で、株式による海外給与を4回(通常支払いの株式+退職時に未取得分の前倒し給付)とストックオプションによる海外給与を1回受領していました。今日の取調べでは、そのストックオプションの権利行使に伴う文書に関しての取調べです。

株式の場合には、ただ単に受け渡しを受けるだけですが、ストックオプションの場合には、権利を行使するというアクションが入ります。その権利行使とは、私が、定められた価格で株式を購入し、同時に時価で売却するというものです。その権利行使に際し、契約書にいくつかの選択肢を選びかつ署名をしていたのですが、その選択肢の一つに「会社が源泉徴収をしている場合に限り以下のいずれかを選べ」というものがあり、私はその選択肢に該当しない旨の消去(斜線を引く)をしていました。「会社が源泉徴収をしている」という条件に、自らそれは該当しないと言っていることになります。

実際のところ、私はその契約書に記入する際には、シンガポールの経理部の人間に電話をして、彼女の指示通りに記入しており、全く内容を確認することはありませんでした。まともに読んで回答すれば相当時間がかかる複雑な行使書の記入を私が一人ですることは、私の行動原理からしてありえません。電話をすぐにピックアップして、「どのように記入すればいいか教えて」と、以前から懇意にしていた経理担当者に尋ねたことを覚えています。

今日の取調べを踏まえて、検察は当然そのシンガポール人の経理部の人間の聴取を行うものと思います。彼女が真実通り、私に説明することなく記入を指示した、あるいは記憶にないと証言すれば問題なし。もし検察の誘導(それは当然あるでしょう)により、「はっきりとした記憶はないが、説明したと思う」と証言の調書は私にとって不利益になりうるという状況です。私が契約書に記入をし、その記入の際に、会社の経理部の人間が「会社は源泉徴収をしていない」という説明をしていれば、合わせ技で「有効」となるものです。

これまでのところで、検察にとって有利な一番強力かつほぼ唯一有効な間接証拠だと思います。といっても、たかが知れていますが。

脱税の意図があったとすると不合理な間接証拠が山積みの中で、さすがにこの証拠一本で起訴をして公判が維持できるのかどうか、素人考えでは甚だ疑問ですが、やろうと思えば何でもできる検察のこと。全く予断は許せません。

取調べは一通り終わったものの、このリカバリーをどうするか、短期間のうちに対処の必要があると思われます。

帰宅後、弁護士から連絡をもらいました。事態は急速に展開します。

本日の取調べ後、検察から弁護士に連絡があり、今後の予定を告げられたものです。「12月の第一週ないし第二週に、もう一度取調べをするかもしれない。但し、それはないかもしれない。いずれにせよ、結論は年内に出す。そしてその際には、弁護士と被疑者の二人で出頭されたし」というものでした。

弁護士曰く、いまだかつて、起訴にしろ不起訴にしろ、被疑者が呼ばれて、面前で処分を言い渡されたことはないとのことでした。そして今回の事案の行く末を握るのは、現場レベルでは到底なく、特捜部のトップレベル、あるいはその上まで行かないと結論は出ないのではということでした。

11月中に検察の動きはないということで、来週、急遽カナダに帰ることにしました(飛行機の予約変更をしなければなりません。カナダで買ったチケットなので、明日、カナダ時間に現地に電話して予約変更)。明日はゴルフ。明後日、車で金沢帰省。金曜は両親とゴルフ。土曜日に帰京。日曜は友人の結婚式出席。そして来週早々にカナダに戻る予定です。

大詰めです。昨日から今日の取調べ前に、沢山の方から「最終ラウンド頑張れ」のメッセージを頂きました。ここまで応援して下さったことに感謝します。

P.S.
郷原さんから、Twitterの返事がありました。

「1994年1月、『検察の正義』でも書いているように、ゼネコン汚職事件で「政治家逮捕の最高検判断」を待つ特捜部検事が、麻雀ゲームなどで暇を持て余している時に書き始めたのがこの小説。密室のトリックが完成せず、2万5千字のところで中断。それが17年ぶりに完成したのが今年夏です。 」

それに対する私の返信です。

「郷原さんならではの検察愛に溢れた作品とお見受けします。そして検察に正義を希求する気持ちを忘れて欲しくないという、織田の姿勢そのものが郷原さんのそれだったのではないでしょうか。現実の世界でも、検察にはこの小説同様引く勇気を持つよう切に望みます。次作が17年後となりませんよう。 」

11/8/2011


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category: 地検特捜部との死闘実況

2011/11/08 Tue. 05:57 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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