「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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ブック・レビュー 『反省させると犯罪者になります』 岡本茂樹著 

ブック・レビュー 『反省させると犯罪者になります』 岡本茂樹著

反省させると

「反省させると犯罪者になります」…なんとも挑戦的なタイトルである。

まえがきから人を驚かせる。

「悪いことをした人を反省させると、その人はやがて犯罪者になります。自分自身が悪いことをして反省しても、同じ結果です。つまり犯罪者になります。」

著者の論旨はいきなり明らかにされる。「悪いことをする」→「『すみません』と言って反省する」→「終了」というパターンが問題だと。

「言いたいことは、このパターンを続けているかぎり、自分の家系のいずれかの世代で、誰かが重大な犯罪を起こす可能性があるということです。したがって、誰かがどこかの時点で、「悪いことをしたら反省させる」という育て方を止めなければならないのです。」

まえがきを読んで納得する人はそうそういないであろう。私もその一人であった。ところが、本文を読み進めるに従って、著者の主張は俄然説得力を帯びてくる。

まず著者の導入が確信犯的であるのだが、著者も反省そのものがいけないと言っているわけではない。むしろ犯した罪をあがなうには反省は勿論必要なのだが、「反省を強いること」はむしろ本物の反省から遠ざけることにしかならないというのである。

やり玉に挙げられているのが「反省文」。いくら反省文を書かせても、うまく外面を取り繕う技術だけを養うだけで、本質的な反省からはむしろ離れていくとする。上辺だけの反省は内心を見つめ直す機会を逸することになるからである。

典型的な「よくできた反省文」を掲げ、何が問題かを指摘しており、作者の主張は非常に明快である。

例えば、酒井法子氏の記者会見の言葉を引用している。
「このたびは、一社会人として、人として、決して手を出してはいけない薬物というものに、自分の弱さ故に負け、そして今、このように世間の皆さまを騒がし、多くの皆さまにご迷惑をかけました……………まずは自分の罪を悔い改め、二度とこのような事件に手を染めることのない、そういった誓いを一生の約束として、固く心に誓います………….取り返しのつかないことをしてしまった自分の弱さを戒め、反省をし、もう一度生まれ変わった気持ちで、心を入れ替え、日々、努力していきたいと思っております」

この反省のコメントのどこに問題があるか、是非本書を読んで理解してほしい。

また、犯罪があった場合、犯人に反省を求める際、被害者のことを考えよともよく言われることであろう。「被害者のことに思い至れば、自分の罪の深さに気付かないわけはない」という発想であるが、これも間違っていると著者は指摘する。そして被害者のことを考える前に自分のことを考えよと主張する。自己理解なくして他者理解はないとするものである。

そうしたプロセスを経ずに反省をさせることで、自分の不満や不安や様々な行為の引き金になった感情に蓋をして、内に閉じ込めてしまうことになる。結局それは上辺だけの反省につながり、本当の反省からはむしろ遠ざかるものである。

著者は大学社会学部教授でありながら、刑務所の篤志面接委員も務めている。この本は受刑者の更生を主眼に書かれたものであるが、勿論、その主張するところは教育の現場や、親子のしつけにおいても十二分に活用できるものであり、するべきものである。それを意識した説明も著者は忘れていない(最終章の表題は「我が子と自分を犯罪者にしないため」)。

面白くかつためになる本であることは請け負ってもいい。

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表紙1






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category: ブック・レビュー

2014/07/20 Sun. 09:22 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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