「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その8 「検察を敵視すべきか~起訴の見極め」 

無罪を勝ち得るために~冤罪と戦う方法 その8 「検察を敵視すべきか~起訴の見極め」

前回のこのシリーズで、検察の取調べは事情聴取ではなく、「起訴した場合に公判であなたを有罪にする証拠を作ること」であることを述べました。

そう理解すると、無実のあなたは検察を、無実の人を罪に陥れる邪悪な存在のように感じるかもしれません。心構えとしてはそれでも一向に構わないのですが、彼らを敵視した態度を取ることは、取調べのある時点までは厳しく慎まなければいけません。

そのある時点とは、検察が起訴の判断をするまでです。

検察が起訴の判断・決定をする以前と以後では、被疑者のあなたと弁護人の取るべきストラテジーは全く異なることを理解しなければなりません。

検察が起訴を判断するまで、被疑者のあなたが目指すものはただ一つ、不起訴です。起訴されてしまえば、99.9%以上の有罪率という非常に厳しい現実が待っています。

検察は、高い有罪率が自分たちの有能さを証明するものと大きな誤解をしているため(というよりは、一般国民がそう思っているであろうと信じていると言った方がより正しいニュアンスです)、公判が維持できそうにないものは積極的に不起訴にします。彼らが、起訴権を恣意的に行使している「起訴便宜主義」を被疑者段階では最大限に活用すべく、(嫌疑ありとされる起訴猶予であろうが)何とか不起訴に持ち込むということが取られるべきストラテジーです。

平成23年度では、(道交違反を除く)違反被疑者の起訴率は56.8%でした(平成24年版犯罪白書より)。つまり被疑事件の約半分が不起訴となっています(そのうち実に68.5%は、嫌疑が認められる起訴猶予)。

目的が規定されれば、全ての行動はその目的を達成するために合理的・効率的なものであるべきと考えられ、いかにすべきかは帰納的に導かれるはずです。

不起訴を得るためには、彼らに公判が維持できないという強烈な印象を与えることが必要です。勿論、客観的な事実だけでその印象を与えることができれば苦労はしないのですが、そうでないからこそあなたは取調べを受けています。

客観的な事実を論理的に構成し、あなたが無実である主張をすると同時に、あなたが信用に足る人物であることを印象付けることは、利することはあれども損になることはないはずです。人は、自分のことを敵視している相手のことを信用するでしょうか。検察官がどのように考えるかということに思い至れば、答えは自ずと出るものです。

いかに彼らの目的があなたの人生を破壊しうるものであっても、起訴の判断の時まで、彼らはあなたの生殺与奪の権利を持つ絶対者としてリスペクトすべきだというのが私の個人的意見です。

このことから、私は取調べでの黙秘を好ましく思わないものです。勿論、黙秘は被疑者・被告人の正当な権利であり、被疑者・被告人の資質次第では、次善の策である黙秘を行使するというのはありなのですが、取調べに非協力的だという印象を与え、不起訴の確率を下げるものだと思います(「被疑者・被告人の資質次第」と言ったのは、素直に取調べに応じると、とにかく不利な調書を取られまくると、弁護人が判断した時には、その判断に従った方がいいという場合もあるということです)。

公判を維持できないという印象を与える決定的な手段が、弁護人の効果的な意見書です。しかし、一旦起訴となれば、検察はその意見書に書かれた弁護側の主張を全てつぶすように策を講じてくるため、起訴の可能性が相当程度以上高い場合には、逆に意見書を出すことは全くナンセンスな手段となります。弁護人の意見書は、不起訴の可能性がある程度あった上でのダメ押し的な位置付けが正しいと思われます。

私の毎回の取調べの後で、主任弁護人の小松弁護士が真っ先に聞いてきたことは、「今日の取調べ検事の態度はどうでしたか。何か変化はありましたか」でした。常に我々の意識にあったのは起訴・不起訴の可能性を探ることでした。

検察特捜部が、国税局の私に対する告発を受けたという時点では、起訴は検察も了解事項でしたが、その後に起こった郵便不正事件は全ての状況を一変させました。そして私の取調べの時点では、常識的には考えられない不起訴の可能性もあると私も小松弁護士も考え、取調べには極めて真摯に臨んでいたものです。

しかし、もし残念なことに、検察の判断が起訴となれば、それ以降は彼らに気を遣う必要は全くありません。無実の人間を冤罪に突き落とすクソ野郎集団と考えて全く差し支えありません。

私は、特捜部の取調べを毎回リアルタイムで外部発信していましたが、検察の起訴の判断までは、ブログで一般公開していませんでした。あくまで限られた数の支持者に向けたメールリストにメールで送っていたものです。それを、私が「あ、これはもう取調べ検事の手を離れたな。起訴やむなしだな」と感じた時点で、過去のメールを全てブログに転載したものです。

以上のことは任意の取調べを受けている場合にあてはまると考えて下さい。逮捕されている場合には、起訴の可能性は格段に高くなりますので、また違った考え方が必要だと思われます。

例えば、PC遠隔操作事件で片山被告人が被疑者段階で、取調べの可視化を取調べの条件として、結局、取調べを忌避したような形になったのは、彼が既に逮捕されていたからであり、あれが任意であれば、弁護団もそのような強硬手段は使わなかったと想像されます。

いずれにせよあなたの最大の擁護者である弁護人と意思の疎通を図り、あなたの人生の最大の難関を乗り切ることがあなたに課せられたタスクです。頑張って下さい。私は冤罪と戦うあなたを応援します。
















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category: 無罪を勝ち得るために

2014/08/28 Thu. 07:23 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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