「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (418) 「美濃加茂市長事件、藤井浩人氏今週初公判!」 9/15/2014 

#検察なう (418) 「美濃加茂市長事件、藤井浩人氏今週初公判!」 9/15/2014

今週、注目すべき出来事が17日水曜日にあります。それは、名古屋地裁で開かれる美濃加茂市長事件の藤井浩人氏の初公判です。

事件の容疑は30万円の贈収賄であり、それが事実であればただの地方ネタですが、もし事件が警察・検察のフレームアップであれば、号泣議員どころではない全国ネタです。その可能性が濃厚であるにも関わらずメディアの扱いが小さい(その意味するところは推して知るべし)ため、事件の内容をご存知ない方も少なくないと思われます。ここで簡単にご説明したいと思います。

最近ようやく噛まずに言えるようになった「美濃加茂市」(岐阜県)ですが、どういうところか知らなかったため、市のホームページをのぞいてみたところ、以下のような紹介ビデオがアップされていました。

ここをクリック→ 「私の住んでいる美濃加茂」

ここをクリック→ 「であう」(美濃加茂市を駆けるランナーが多くの市民や風景と出会います)

2本目のビデオの最後にランナーが駆け込むのを抱きとめているのが藤井浩人氏です。

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これらのビデオを見る限り、どこにでもある地方都市なのですが、若者が活性化しようという意気込みが伝わってきます。

地元出身の藤井氏が、全国史上最年少市長(当選当時28歳)として美濃加茂市長に当選したのは、2013年6月でした。無所属の藤井氏が、自民系の元市副議長の候補を破って当選したことからも、地元、特に若年層からの期待は高く、また既成勢力からの反発も少なからずあったであろうことが想像できます。

就任から1年たったこの6月、藤井氏は突然逮捕されます。容疑は、市議時代に、プールの水を災害時の生活用水として利用する浄水濾過機を実験的に自身の出身中学校へ設置する便宜を図った見返りに、浄水設備業者社長から現金30万円を2回に分けて受け取った疑いがあるとするものでした(注1、2)。藤井氏は、浄水濾過機設置の誘致を働きかけたことは争いのない事実として認めながら(但し、無償で設置しており、市は一切費用を払っていない)、収賄の容疑は全面否認。

贈収賄の証拠とされているのが、贈賄側(浄水設備業者社長)の供述ですが、この浄水設備業者社長なる者は、今年の2月と3月に詐欺罪で逮捕されており、その取調べの中で藤井氏への贈賄を供述したとみられます。

検察が現金授受のあったとする2回の会合には、いずれも共通の知り合いが同席していましたが、その知り合いも授受の事実はないと否定しています。しかし、検察のストーリーは、その同席者が席を外した際に現金を渡したとするものです(そのうち1回の場所はなんとガスト。同席者がドリンクバーに席を外している際に現金を藤井氏に渡したとするのが、検察のストーリーです。相変わらず一般人感覚とは異次元の検察の想像力の荒唐無稽さには驚かされます)。

検察は7月に藤井氏を起訴、その後も勾留は続きましたが、藤井氏は否認を貫き、保釈されたのが8月末。美濃加茂市は人口5万5千人ですが、市長の保釈を求める署名は2万2千人に達したとされます。

主任弁護人は、私の国賠審代理人チームにも加わって頂いている郷原信郎氏です。そして郷原氏は、その浄水設備業者社長が、金融機関から総額3億7850万円の融資を不正に受けていた(発注書等を偽造して中小企業向け信用保証制度を悪用するという詐欺としてはかなり悪質なもの)にもかかわらず、2100万円しか立件されていない事実をもって、この浄水設備業者社長を刑事告発しました。自分の罪を軽くしてもらう代わりに捜査当局にとって都合のいい証言をする「ヤミ司法取引」が強く疑われるケースです。

そして注目の初公判が今週水曜日というわけです。

一連の経緯については、郷原氏がブログで詳細に解説していますので、その一連のブログをご覧頂ければ詳しいことがお分かりになります(注3)。

そして事件の背景、経緯を理解するために一番よい情報と思われるのが、郷原氏がビデオニュース・ドットコムに出演し、神保哲生氏のインタビューに答えた以下の動画です。是非、一度ご覧下さい。保釈直後の藤井氏のインタビューも収録されています。

ここをクリック→ ビデオニュース・ドットコム(9月6日配信)「あれだけの不祥事があっても検察はまったく変わっていなかった 元検事郷原信郎氏が美濃加茂市長を起訴した検察を厳しく批判」

この件で、郷原氏と若干やり取りをさせて頂きましたが、郷原氏の言葉からは、公判検事への気遣いが見られるほど並々ならぬ自信を感じました。やはり真実を味方につけているということがその自信を裏打ちしているのだと思います。

現金授受の状況は、郷原氏がペンネーム由良秀之名義で原作(『司法記者』)を書き、WOWOWで放送されたドラマ『トクソウ』を彷彿とするものです。まさか検察が、筋立てに『司法記者』を参考にしたということはないでしょうが(あったりして)。

警察送致のこの事件の担当は名古屋地検です。名古屋地検の最高責任者の地位にある長谷川充弘検事正は、厚労省の村木厚子氏に対する証拠改ざん事件の際に、最高検察庁検事として大阪地検特捜部の大坪元特捜部長、佐賀元特捜部副部長を犯人隠避事件で起訴した際の主任検察官でした。検察の体質の問題ではなく、個人の行き過ぎた捜査に問題があったと事件を矮小化した立役者というわけです。

この事案を見る限り、西の郵便不正事件、東の陸山会事件虚偽報告書問題を経ても全く反省の色が見えないのが検察というところのようです。

私の事件でも、検察の「引き返す勇気」の欠如が露呈しましたが、またか、という思いです。「引き返す勇気」の欠如は、特捜部だけではなく(私はそう期待していましたが)、検察全体に巣食う病巣なのかもしれません。

(注1)
ここをクリック→ 報道「贈収賄で藤井浩人美濃加茂市長と㈱水源の中林正善社長を逮捕」

(注2)
ここをクリック→ 容疑の事前収賄と受託収賄に関して。弁護士ドットコム「29歳最年少市長が「逮捕」 容疑の「事前収賄」と「受託収賄」はどんな違いがある?」

(注3) 郷原氏ブログ『郷原信郎が斬る』

ここをクリック→ 「全国最年少市長の「潔白を晴らす」」 6/27/2014

ここをクリック→ 「現職市長に「逃亡のおそれあり」として勾留決定をした任官後半年の新米裁判官」 7/5/2014

ここをクリック→ 「藤井美濃加茂市長の不当勾留は地方自治を侵害する重大な憲法問題」 7/8/2014

ここをクリック→「「前代未聞」の検察の判断を待つ藤井美濃加茂市長事件」 7/14/2014 

ここをクリック→ 「「責任先送りのための起訴」という暴挙」 7/15/2014

ここをクリック→ 「獄中で30歳の誕生日を迎えることになった藤井美濃加茂市長」 7/25/2014 

ここをクリック→ 「森厚夫美濃加茂市議会議長の「真意」を聞きたい」 7/30/2014

ここをクリック→ 「美濃加茂市を脅す愛知県警、「崖っぷち」の名古屋地検」 8/1/2014

ここをクリック→ 「藤井市長を人質に籠城する検察」 8/16/2014

ここをクリック→ 「藤井美濃加茂市長ようやく保釈、完全無罪に向け怒涛の反撃」 8/24/2014

ここをクリック→ 「「弁護人による告発」と「司法取引」制度の導入 ~悪質融資詐欺の告発で虚偽の贈賄自白の背景に迫る~」 9/8/2014

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category: 美濃加茂市長事件

2014/09/15 Mon. 02:11 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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