「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (432) 「『戦う弁護人』はいいのか Part1」 11/13/2014 

#検察なう (432) 「『戦う弁護人』はいいのか Part1」 11/13/2014

私がある刑事裁判を傍聴した時のことです。被告人は痴漢冤罪を訴えていました。弁護人は、被告人の権利を守るため、敢然と検察の主張に立ち向かい、「異議あり!」を連発し、闘争心丸出しでした。

傍聴席には、被告人の関係者も大勢詰めかけていました。彼らの目にはその「戦う弁護人」はさぞかし頼もしく写ったと思います。しかし、同じ傍聴席に座っていた私は、内心「あちゃー、こりゃいかんわ」と感じていました。それは、その弁護人が場の雰囲気を全く読めていなかったからです。

傍聴席の正面には裁判官が座っています。その裁判官の困惑している様子は、彼の視線の動きを見れば明らかでした。訴訟指揮をする度にちらちらと送る視線の先には、公判検事がいました。

若い公判検事でしたが、背を椅子の背もたれにもたせ掛け、眼鏡の奥の目は半分つむっているかのよう(ただ単に目が細かったのかもしれませんが)、腕組みをして泰然自若といった感じでした。

暴走気味に熱くなっている弁護人、迷惑そうな裁判官、どっしりと構える検察官というのがその場の状況でした。

刑事裁判では、99.9%という有罪率が示すように、弁護側は圧倒的に不利な立場です。それを覆すのは、あたかも「ストーカーと思われている人が、恋い焦がれる相手を自分に振り向かせる」くらい大変です。

B男の意中の人はJ子ですが、彼はどうもストーカーだと思われているようです。そのB男の恋のライバルはP男です。恋のレースのスタート時には、J子は意を決しているわけではありませんが、最初からP男には「ほんのりとした好意」を持っています。その状況下で、B男はどのようにJ子のハートをつかむべくアプローチすべきでしょうか。

被告人が無罪を主張する刑事裁判の弁護において、素人目には、闇雲に戦う弁護人が多いように感じます。また冤罪と戦うというと、のぼりを立てて裁判所の外で拡声器にがなり、シュプレヒコールを上げるイメージがあるように思います。そこには「闘争」という言葉がぴったりくるように感じるのは私だけでしょうか。

情報の伝達がこれほどまでにグローバル化、即時的になった今日、技術革新による人々の意識の変化が目覚ましい中で、冤罪闘争だけが「昭和な感じ」なのは実に残念です。

結局は、裁判官も人間であり、その人間のハートをつかむのに、もう少しクレバーなアプローチがあるように感じます。

冤罪という災厄に毅然と立ち向かう姿勢は必要です。そしてそこには「戦う」という要素も不可欠です。しかし、戦うことそれ自体が目的ならまだしも、結果を求めれば求めるほど、「戦うための戦い」は戒める必要があるのではないかと感じます。

私と私の弁護団が刑事裁判で取った戦略は「戦わない弁護人」でした。それでは誰が悪の軍団と戦うのか。私たちが選択したのは、「戦う被告人」との役割分担でした。次回はPart2として「我々のケース『戦う被告人』」を論じたいと思います。

11/13/2014













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category: 刑事司法改革への道

2014/11/13 Thu. 06:30 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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