「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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#検察なう (433) 「『戦う弁護人』はいいのか Part2 ~我々のケース『戦う被告人』」 11/17/2014 

#検察なう (433) 「『戦う弁護人』はいいのか Part2 ~我々のケース『戦う被告人』」 11/17/2014

前回のブログで「戦う弁護人」について述べました。冤罪被害者の一人として、冤罪と戦う弁護士の方々への尊敬の念は、私自身並々ならぬものを持っており、彼らを貶めるつもりは毛頭ないことを断っておきたいと思います。もし私が、彼らをほんの1mmでもdisっていると感じられたのであれば、それは私の文章力の足りなさであることを恥じたいと思います。

一方、私の刑事裁判において、私と我々弁護団が選択したのは「戦わない弁護人」という戦略でした。それは最初から意図したものではなく、半ば自然発生的に生まれたものでした。

一審の弁護活動で、主任弁護人の小松正和弁護士が一番心を砕いていたのは、「いかに裁判官の心証を得るか」の一点だったと感じます。全ては裁判官の胸先三寸です。彼らの心証を得ることは、論理的に無罪立証をすることを前提としながらも、それだけでは終わらないものです。あるいは、「それだけでは何も始まらない」とも言えます。そして、裁判官の心証を得るには、「戦う弁護人」のイメージは必ずしも得策ではないと小松弁護士は考えていたと私は感じました。しかし、誰かは戦わなければなりません。そうでなければ、圧倒的な権力を持つ検察組織に踏み潰されて終わりです。

「第4の弁護人(一審弁護団は3人の弁護士でした)」を自認する私の出たがり、仕切り屋の性格から、自然と「戦わない弁護人+戦う被告人」の役割分担が我々の間に生まれました。

拙著『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』には、主任弁護人の小松正和弁護士との出会いを書いていますが、なぜ私が、刑事弁護に経験値の低い彼の可能性に賭けることに踏み切ったかという勘には、彼との最初の会話からその後の弁護戦略での「戦わない弁護人」と「戦う被告人」のぼんやりとしたイメージが感じられたからだと今になって思います。

「戦う被告人」である私の最大の武器は、ブログ及びツイッターほかのSNSです。そして、その主戦力のブログが強力な武器となったのは偶然の産物でした。

私は、(次回のこのシリーズのブログで紹介する)「嘆願書」を支持者の方々に依頼していました。お願いした以上、彼らにその後の経過を報告することは私の義務であると考え、支持者の方々には、メールで「経過報告」を逐次送っていました。

それは、刑事司法に全く無知だった私が実状を知るにつれて、あまりに一般人の常識では測れない現実を知り、そうした実状を一人でも多くの人が知るべきだという問題意識をシェアするツールでもありました。そして、自分の苦しい心境を一方的にグチることで慰めとしていた事情もあります。

私と我々弁護人は、検察の不起訴を期待していました。国税局の告発を受理した以上、検察は必ず起訴をするというのが世の中の常識でしたが、私の刑事告発後に起こった郵便不正事件を経て、検察も襟を正すであろうと我々は期待しました。しかし、その期待は無念にも裏切られることとなりました。

誘拐事件で、ソフトランディングを意図しているときは非公開捜査でありながら、交渉決裂の時点からハードボールで攻める公開捜査に踏み切るように、私も、起訴を覚悟した時点から、それまで閉じられたグループに送っていた経過報告を、無制限に公開するブログに転載し、以降、ブログとして書き綴りました。

そのブログの重要性が著しく増したのは、検察が私のブログを嫌がり、裁判所に上申書をもって非難してからです。

検察の主張は、私が甲号証(関係者の供述調書)をブログに引用したことをもってして、今流行りの「証拠の目的外使用」だと、難癖をつけてきたことです(過去の一部のブログで伏せ字になっているのはそうした事情です)。

我々にしてみれば、それはまさに検察によるオウンゴールの状況でした。裁判官が私のブログの存在を知るきっかけを、検察自らが橋渡ししてくれたものです。

以降私は、裁判官がブログを読んでくれることを期待し、また同時に、世の中に広く自分の主張を訴えるべく、ブログの内容をブラッシュアップしました。私自身法律的な考えができるよう法律実務書を読み漁り、それでも分からないことは弁護団の小松正和弁護士、佐野綾子弁護士、村松頼信弁護士に何度も尋ねました。それは私にしてみれば、個人チューター付きの英才教育でした。

一審裁判体の佐藤弘規裁判長や渡辺美紀子裁判官が、私のブログを読んでくれていたかどうかは、知るべくもありませんが、私は、彼らへのメッセージとしてブログを書き続けました。

検察は、私のブログに関して、相当イラついていました。裁判所への上申書以外にも、小松弁護士にも直接クレームしたようです。その時彼は、「いやあ、私も困ってるんですよ。でも被告人本人の意思でやってることですから、こちらとしてもどうしようもなくて」と言い訳し、私を法曹三者(裁判官、検察官、弁護人)の蚊帳の外に置くことで、弁護人が裁判官からも、そして検察官からも信頼を得るように努めました。

これが我々弁護団の取った「戦わない弁護人+戦う被告人」の戦略です。

結果的にこれは吉と出ましたが、オーソドックスな戦略ではないため、必ずしもこれがいかなるケースでも功を奏するかどうかは分かりません。

弁護人は、冤罪と戦うあなたの最強の味方です。是非ともそのパートナーと最善の戦略を練り、納得した上で冤罪と戦ってほしいと思います。私は、努力する冤罪被害者を全面的に応援したいと思います。

11/17/2014















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category: 刑事司法改革への道

2014/11/17 Mon. 01:39 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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