「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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「死刑制度について考える (5) ~死刑制度維持にかかるコスト」 

「死刑制度について考える (5) ~死刑制度維持にかかるコスト」

「罪人を長期間収監するコストを考えれば、さっさと死刑にした方が安上がりだ」というのは若干乱暴な言い方ですが、そうかもと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

それは正しいでしょうか。

実はそれは正しくありません。死刑制度は、存置する方がはるかにコストのかかる刑罰です。アメリカでは実際に、経費削減から死刑を廃止するケースもあります。

ここをクリック→ 『米各州で死刑制度廃止の動き、経費削減のため』

それは、少し考えればすぐに納得がいくことです。死刑制度維持にコストのかかる一番の理由は長期化する公判にかかる訴訟費用です。

死刑という極刑が選択肢にある場合、審理に慎重になり、公判が長期化することは仕方がないことです。中には公判が50回を越える場合もあります。

公判1回ごとにかかる費用を正確に算出することは不可能ですが、裁判官、検察官、(国選)弁護士の人件費は安くはなく、そのほかの経費を含め、一般に公判1回300万円と言われています。それが税金で賄われることになります。

死刑求刑というカードが選択肢になければ、公判を短縮することが可能となり、一審、控訴審合わせて、例えば30回の公判を25回に減らすことが可能であれば、それで約1500万円の節約になります。

対して、年間の収監費用は一人当たり50万円程度です。法務省矯正局は、死刑確定者だけの収監費用は算出していませんが、すべての被収容者の1日当たりの収監費用は約1400円としています(注1)。5回の公判短縮だけで一人約30年分の収監費用がカバーできます。

しかも死刑囚の収監費用は、一般の収監費用の3~4倍と言われます。一般収容者が刑務作業によりある程度自給自足が利くのに対し、死刑囚は刑務作業をさせることができず、食事代、部屋代、被服代、水道光熱費、医療費が100%税金で賄われなければならないからです。死刑確定から執行まで平均5年(注2)、再審請求により、死刑囚の収監がそれよりはるかに長期化するケースもあります。

しかしながら、結論から言えば、100人程度の死刑囚であれば、死刑制度を廃止することによる経費削減は有意なものではなく、日本においては「死刑制度はコストがかかるため、経費削減のために死刑を廃止する」ということにはならない、と考えていいと思われます。

つまり、冒頭の「罪人を長期間収監するコストを考えれば、さっさと死刑にした方が安上がりだ」は少なくとも誤りだ、という理解があればいいものです。

(注1)
ここをクリック→ 「刑務所に収容されている人ひとり当たりの年間経費がわかる資料はあるか。」

(注2)
ここをクリック→ 平成26年6月に行われた死刑執行の際の記者会見で、法務大臣は「平均5年6ヵ月」と答えています。











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表紙1




ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会






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category: 死刑制度について考える

2015/01/01 Thu. 00:54 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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