「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

05« 2017 / 06 »07
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.

フィルム・レビュー 『アンブロークン』 アンジェリーナ・ジョリー監督 

フィルム・レビュー 『アンブロークン』 アンジェリーナ・ジョリー監督

unbroken.jpg

映画『アンブロークン』観賞。

この映画の後半約2/3が、主人公が日本の捕虜強制収容所での過酷な処遇を耐え抜いた経験を扱っているがゆえに、「反日」とレッテルを貼られるであろうことは容易に想像できる。

そして日本人の自分がこの映画を観て「反日」作品だと感じたかと問われれば、definitely NOである。むしろ日本に対してリスペクトすら感じる作品であった。

これは是非本作品を鑑賞して自らの価値観で評価してほしいが、この時点では日本での公開があるかでさえ決まっていないので、私の個人的評価を述べる。

主人公が捕虜収容所で非人道的な扱いを受け、それに対し毅然と立ち向かい人間の尊厳とは何かを問うことがこの映画のメインのテーマである。それがもし「反日」の意図をもって描かれたのであるならば、その目的とするところは、この映画を観た人の少なからずが日本を嫌悪することであろう。そしてこの主人公がもし自分の受けた処遇から、日本に憎悪を持つならば、観客はそれに同調して、日本に対して同じ感情を持つことは想像に難くない。ところがこの映画のエンディング・クレジットには、実在の主人公が、戦争によって中止(延期)となった東京オリンピックで走れなかった夢を実現すべく、長野オリンピックで聖火ランナーとなった実際の映像が流れる。その主張するところは「憎しみ」ではなく「赦し」である。

アンジェリーナ・ジョリーが意図するところは、この映画を観て、もし日本を憎む気持ちが起こったのであれば、主人公が赦していることを考えてみよという強いメッセージだと私は感じた。

私の隣で観賞していた初老の女性は、映画のシーンで度々涙を流していた。そして主人公が強制収容所の所長と再会するシーンで、"Kill him."とつぶやいたことが私の印象に残っている。それほど強制収容所の所長役のMiyaviは、最近の映画ではこれほどまでの悪役はいなかったというほどの悪役振りである。そして彼の演じる役が狂気じみればじみるほど、人の憎しみは彼個人に集約していく。そしてその狂気は戦争が産み出したものだと思い至るのである。絶対に助演男優賞を取ることはないが、彼の演技にはその価値はあった。

この強制収容所の所長→主人公という嫌悪のベクトルが集約すればするほど、「反日」といった一般化したモチーフとかけ離れていくことをアンジェリーナ・ジョリーは計算していたと思う。それが理解できないのであれば、それはただ単にこの映画を観る受け手が鈍感なだけである。

この映画は、人間が過酷な環境も意志の強さで耐え抜き、はね返すことができるということを見せてくれる。

日本人がともすると嫌われ役で描かれているからこそ、日本人には観てほしい映画。そしてこれが「反日」映画だと受け取ったなら、その感性には大いに疑問を問いかけるべき映画である。I guarantee.

ここをクリック→ 『アンブロークン』予告編

(Facebook 1/2/2015より転載)























好評発売中!
ここをクリック→ Amazon 『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』 カスタマーレビュー

表紙1




ここをクリック→ Wikipedia クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件

ここをクリック→ 八田隆ツイッタ―

ここをクリック→ #検察なう 刑事司法の矛盾、冤罪と戦う八田隆と全ての人を支援する会






TwitterやFacebookでの拡散お願いします。

category: フィルム・レビュー

2015/01/11 Sun. 00:54 [edit]   TB: 0 | CM: 0

go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

Secret

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/tb.php/805-2e049e96
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

go page top