「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件(http://goo.gl/v0xQYP)において、国税局査察部告発、検察特捜部起訴の事案で史上初の無罪判決。 著書『勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか』(光文社)。 ツイッター(@thatta0529)で「#検察なう」の情報発信を続けます。

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「死刑制度について考える (6) ~無期懲役刑の「終身刑」化」 

「死刑制度について考える (6) ~無期懲役刑の「終身刑」化」

以前このシリーズで、法制化されていない終身刑を運用上科すことができることを述べました。

ここをクリック→ 「死刑制度について考える(2)~日本における終身刑」

日本の刑罰では、有期刑と死刑の間に無期懲役刑があります。無期懲役刑と終身刑の違いは仮釈放があるかどうかです。

先日読んだ記事の中に、無期懲役刑が終身刑化している実態が記載されていました。救援連絡センター(注)の機関誌『救援』の記事を全文引用します。

『救援』 第547号(2014年11月10日発行)より

「無期刑の「終身刑」化を許すな」

無期懲役刑が「終身刑」化していると言われて久しい。日本では死刑を頂点に、次に無期懲役刑があり、有期刑の上限は30年とされている。裁判員制度の下、刑法改悪や犯罪被害者等基本法でどんどん厳罰化が進み、安倍政権の治安強化策でこの傾向はさらに加速された。

獄中者「救援」読者の中でも無期懲役囚が増えている。仮釈放されるにはどうしたらいいのかという切実な相談も多い。

昨年末の無期懲役囚は全国で1843人、91年には870名だった。この22年間で毎年増加の一途をたどり、ついに二倍に増えたのである。昨年、仮釈放された無期懲役囚は8人、死亡した無期懲役囚は14人にも上る。仮釈放がこの8年連続して一桁であるのに対し、死亡は5年連続で二桁である。無期懲役囚が高齢化している現実の中では、この現実は一層激化することは間違いない。仮釈放になった人の平均在所期間も長期化し、昨年仮釈放で出所した8人の平均は31年2ヶ月であった。出所した人の平均在所期間が31年2ヶ月ということは40年も50年も受刑している人が相当いるはずだ。20年前の出所者の在所平均が18年2ヶ月だったことからもこの数値は驚異的である。よく無期懲役でも10数年服役すれば、仮釈放で出てこられるという俗説が流布されているが、現実はほど遠いのだ。

04年の刑法改悪で有期刑の上限が20年から30年に引き上げられた。有期刑の上限が30年なのだから、無期懲役はそれ以上でなければならないということで、仮釈放までの期間が延びた。その上に、同年に犯罪被害者等基本法が成立し、加害者の仮釈放について被害者(遺族)が意見を述べることができるようになったため、仮釈放の条件はさらに厳しくなった。

長期刑の受刑はそれだけ、釈放時の生活環境がなくなることを意味する。受刑者が高齢化すれば、家族もまた高齢化し、身寄りも少なくなるので身柄引き受け条件はどんどん失われる。

無期懲役囚も出所の見込みが遠のけば遠のくほど、あきらめが強くなる。高齢である、身寄りがない、病気を抱えているなどで仮釈放の期待は少なくなっていく。社会に出ても就職難や生活していく条件がないと思うと、不安も大きくなる。長期の受刑は拘禁症状も引き起こす。

運よく条件が整って、仮釈放をかちとっても本人の働く意欲があるにもかかわらず、就職できないなど、社会に受け皿はない。生活手段が保障されないのだ。

無期懲役の実態がますます「終身刑」化している現状をこれ以上放置してはならない。

死刑廃止と「終身刑」化する無期懲役の現実を変えていく闘いが問われている。監獄とは何か、社会全体で考えていかねばならない重大な問題である。
(引用以上)

運用上も終身刑を科すことができ、無期懲役刑も実質終身刑化しているケースも見られる現状、より健全なのは終身刑の法制化だと思われます。オウム真理教事件以来、厳罰化の傾向にあり、光市母子殺害事件以来、死刑求刑が「やむなき場合」という例外ではなくなっているようです。死刑判決の一部及び無期懲役の一部が終身刑となることで、死刑が本来の「やむなき場合」にのみ科される極刑という位置づけに戻り、無期懲役囚にも更生の機会を与えることができると思われます。

(注)
救援連絡センター(きゅうえんれんらくセンター)は、主に「被逮捕者の救援を通じ、公権力による弾圧に反対する」という活動目標を掲げる日本の人権団体である。日本共産党系の日本国民救援会に対抗すべく、新左翼や労働運動、市民運動関係の救援を目的に結成された。

ここをクリック→ Wikipedia「救援連絡センター」

P.S.
3月7日、愛知県弁護士会の主催で、「『新時代の刑事司法』は?」と題して元特捜検事前田恒彦氏と名古屋でパネルディスカッションをします。お近くの方は是非お越し下さい。

ここをクリック→ 愛知県弁護士会「取調べの可視化市民集会」















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category: 死刑制度について考える

2015/01/19 Mon. 00:01 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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